格の差
レイア、優里がプレズィール街へと向かい、アウローラが狂獣へ戦いに挑み、エレナ、輝夜が逃げ遅れた人が居ないかと探している一方で、アルドとリュキアやAランク未満のテスタメント学園生徒、レイア以外のテスタメント学園の教員、独立国家テスタメント学園住んでいる住民が避難している地下シェルターでは・・・
「狂獣に襲われて私達、大丈夫なのかな」
「大丈夫よ。レイア先生がいるんだから。狂獣には負けないわよ」
「ここまで被害がきたりしないかな」
「私たち生きて帰れるのかしら」
「外にいる人達は大丈夫なのかな」
狂獣に襲われないか不安でしょうがない者、レイアがいることを心の支えにしている者、ここまで被害が来ないかと不安になっている者、生きて帰れるか不安な者、外にいる人達が不安な者などといったことを考えている人が大半だ。それは、リュキアとアルドも例外ではない。
「優里君達は大丈夫かな」
「心配だな。いくらAランクやSSランクっていってもテスタメント学園に入学して一ヶ月しか経っていないしな」
アルドとリュキアは優里や外にいる人達のことを心配していた。心配なのは仕方が無い、テスタメント学園に入学する者は狂獣を見たことすら無い者が多いのだから。狂獣を見たことがあるとしても戦ったことが無い者が殆んどだ。戦ったことがある者なんて数年に一度いるかいないかだ。
「外で起きていることをちょっとだけ見てみたいな」
「だめだよアルド君。危ないから駄目だよ。死ぬかもしれないんだよ」
外を見てみたいと言うアルドに止めようとするリュキア。だが、リュキアの心の奥底には行ってみたいという気持ちがあった。
「ちょっとだけ見るなら大丈夫だって」
「ちょっとぐらいなら大丈夫なのかな?」
ちょっとだけと言う言葉に心の奥底に潜んでいた気持ちが少し表に出てしまい、アルドを止められず結局2人で外の様子を見てみることになった。テスタメント学園の教員に見つからないようにこっそりと
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台風のような暴風が吹き荒れているプレズィール街で、その元凶の狂獣に殺気を出しながら睨んでいるアウローラがいる。
「《契約武器》形態変換」
アウローラの聖痕が輝いて、アウローラの持つ漆黒の刀の形態が変わり始め、今度は真夜中を連想させる漆黒の勾玉へと変わりアウローラにネックレスとして首に着ける。
「火炎よ集結し、灼熱と化せ!
我が敵を塵へと変えよ!
灼熱の銃弾」
「くらいなさい!」
アウローラは炎の中級魔法を詠唱し狂獣に向かって放つ。その威力は優里と試合した時よりかなり高い。威力が上がった理由は勾玉にある。アウローラが使ってる勾玉の契約武器効果は、魔法の威力UP、魔力底上げ、魔法の使う魔力量を減らす、魔法ダメージを減らすことだ。
それによって、アウローラは普段使う魔法より魔力量を消費せず、魔法の威力を上げたのだ。
アウローラの灼熱の銃弾は、狂獣に直撃し、狂獣は大きい声で叫び苦しみながら燃えつづけ消えていく・・・はずも無く、直撃させダメージを与えさせるどころか、狂獣の周りの風でアウローラが放った灼熱の銃弾は掻き消える。
威力がかなり上がったというのは、アウローラからしての話しで、いかに下位クラスと言えど、神獣種の狂獣には身体に当てることすら出来ないだ。
「私のあの攻撃なんざ、当たることすら出来ないってわけね」
アウローラは少し悔しそうにそう言う。だが、アウローラは諦めずに狂獣に向かって走る。
「《契約武器》形態変換」
アウローラは漆黒の勾玉を漆黒の日本刀に形状を変える。そして狂獣に向かいどんどん距離を縮めていく。その途中に狂獣が生み出した風がアウローラを襲うがアウローラは、大きく避ける。大きく避ける理由は、風が直撃した場所が深く切り刻まれているところを見れば分かるだろう。
普通は、攻撃をかわしたら追撃が来る。その攻撃で倒す自身が有る場合などがない場合は、今の狂獣の攻撃は明らかに本気の一撃ではない。なのに追撃してこない。
その考えは、実力が拮抗している者や差が近い者の考えだ。今のはプレズィール街を破壊するための風。別にアウローラを狙ったのではない。たまたま風を吹き荒らした場所にアウローラがいただけなのだ。それが分かったアウローラは狂獣に悟られないように背後から近づいて行く。
「剛脚!」
狂獣の背後にある建物の中でも一番大きい建物の屋根を使い、脚に気を纏わせて狂獣の真上の上空にに全力跳ぶ。そして魔法の詠唱をしはじめる。
「灼熱の炎よ、燃え盛り更なる高みへ!
怒りに満ちたの声を解き放て!
恐怖を抱き燃えつき溶けよ!
業火の咆哮」
現在アウローラが、仕える中で一番威力の高い今のアウローラの切り札とも言える魔法。その魔法を狂獣の真上の上空にいるアウローラは、狂獣の首の部分に【契約武器】である、漆黒の刀を狂獣に触れた瞬間に放つ。魔法を放つ前に振り落とされないように。
業火の咆哮が放たれ、爆発を起こし煙に包まれる。その爆発の衝撃と共にアウローラは、出来るだけ狂獣から距離を取る。
「ゼロ距離で、上級魔法が直撃したら流石にダメージがあるでしょう」
アウローラは、少し笑顔で言った。
だが、その笑顔は爆発の煙がはれた時に消えた。代わりにアウローラの顔には驚愕と絶望が浮び上がる。何故なら、アウローラの切り札をゼロ距離で放っても狂獣の身体には掠り傷一つ、ついていなかったからだ。
「う、嘘でしょ。そ、そんな私の今使える中で一番強い魔法が・・・」
アウローラは、絶望で地面にへたり込む。それからアウローラは動かない、いや動けない。自分の切り札が全く通用しない狂獣に恐怖して動けないのだ。
狂獣は、流石にゼロ距離から上級魔法を直撃して苛立ち、アウローラに完全に視線を向ける。その視線からは、怒気が感じられる。
ー私もう死んだわね。さようならユーリ。あ、あれ?なんでこんな最後の時にユーリのことを考えているの?まあ、考えていても無駄ね。どうせ私はここで死ぬんだから。
狂獣は巨大は翼を羽ばたかせ強風を起こす。その威力はさっきのアウローラの避けた風の数倍に威力だった。
アウローラに襲いかかる風がアウローラに当たる瞬間にアウローラの姿が消えた。アウローラが消えたことに一瞬、狂獣が驚いた瞬間
「はあああああああああ!!」
狂獣が黄金の大剣に切られてその巨大な身体が、吹き飛ぶ。巨大な狂獣を吹き飛ばした人物は輝いている黄金の鎧を纏っている。
「フロガは大丈夫なのか新城?」
「はい。アウローラは無事です」
「そうか。間に合って良かった」
黄金の鎧を纏っている人物、レイアはアウローラの安否を、狂獣の風からアウローラを抱えて避けた優里に大丈夫と聞き、安心した。
「アウローラ大丈夫か?」
「ユーリ!?大丈夫よ」
優里に抱えられていることに驚いて照れたのか、アウローラは頬を赤くして優里の腕から離れた。
「アウローラここから避難してくれ。俺とレイア先生以外もうみんな避難している」
アウローラは優里の言うことに従って、その場から地下シェルターに向かって避難する。
「レイア先生あの狂獣は?」
「あれを見ろ新城」
優里の質問にレイアは、大剣を吹き飛ばした狂獣の方に向ける。その狂獣が、レイアに切られていた傷はすでに無くなっていた。
「不死の巨大な鳥で神獣種、個体種の下位クラス」
「あの狂獣はシムルグだな」
レイアと優里は狂獣の再生能力と巨大な鳥、神獣種又は固体種の下位クラスで狂獣の正体がシムルグだと気がついた。
「不死鳥か、あの再生能力が厄介だな。新城油断するなよ」
「分かってます」
優里とレイアの2人は、目の前の狂獣シムルグに立ち向かう。
狂獣の正体はシムルグでした。




