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何万回目の初恋  作者: 檻 依舞 (おりーぶ)


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3/6

今世の嫁は女子大生


「そういえば、甘海さんって何歳なん?」


食事も進み、蓮司が甘海に聞いた。


そういえば、あまりの展開に驚いて、今世の甘海は何歳かをまだ知らなかった。


「十八歳よ」


「俺らより二つ歳上か……ってことは?」


「大学一年生よ」


その答えに、俺達は言葉を失った。


何と、今世の甘海は大学一年生。


その大人っぽさや穏やかさを見て歳上なのも納得。


それにしても─こんな超絶美少女が一人暮らしで大丈夫なのだろうか。


あまりにも綺麗だから、別の男が周りに寄らないだろうか。


「じょ、女子大生なん!」


「近所に超絶美少女…」


「甘海さん一人暮らしで大丈夫なの?」


「と、歳上……より最高」


「まぁ…皆大袈裟なんだから」


四人は驚くも、甘海は穏やかに返す。


「で、夏牙は?」


迅が俺に聞くと、三人もこちらを見る。


「俺は……」


恐る恐る答える。


「歳上でも歳下でも関係なか……まぁ、可愛か」


「へー?」


蓮司がニヤける。


「その反応、恋やな?お前、幼稚園の頃もそげん感じやったとな…」


「せからしか…別に、まだ好きじゃ…なか」


「まだ…?どういうこと?」


迅も海都も便乗していじってくる。


「ええと…皆さんは高校生なの?」


甘海も恐る恐る俺たちに聞く。


「そうたい。もうすぐ高校二年生の九州男児たい」


「九州男児……?」


俺たちは今年、高校二年生になる。


甘海は驚くも、すぐに笑みを取り戻した。


「まぁ!頼もしいわねぇ…ふふっ」


その笑い声は、何千万回聞いても心地良かった。


****


そして新学期─。


桜は散り、世間は春色に染まっていた。


「よっしゃ!また一年同じやな!」


海都。


「いや…二年からクラス変わらんで?」


蓮司。


「僕たちまた一緒だね。皆よろしく」


叶芽。


「また迅と同じクラスか…よろしく」


俺─


「おう…お前、小学生の時覚えとる?俺とクラス離れて授業中大泣きしたこと」


そして迅。


また俺たちは同じクラス。


つまり、卒業まで同じクラス。


「えっ…夏牙って泣くと?」


「へぇ…この百九十三センチが大泣きか…想像つかないや」


「ああ…そん時学年の先生も困っとったい」


「迅……忘れたと思っとったんに…」


迅が、俺の黒歴史を話す。


幼稚園からずっと同じで家も近い。


幼馴染ならではの話題だった。


「今日から担任になる蘇空や。よろしくな」


簡単なホームルームを済ませる。


「まぁ…またも平和な一年たい」


「終わったら皆でラーメン行こうぜ」


「良かよ。腹減った…」


「夏牙…朝から五号食べてきたんじゃないの?」


「消化早いけん。足りんばい」


そして整列し、体育館へ向かう。


新入生の、入学式。


一年前のことを思い出す。


「俺ら…一年前あんな感じやったな」


「うん…海都と夏牙が大喧嘩して、迅と蓮司と僕が止めて、そこから僕ら仲良くなったよね」


「いやぁ…今じゃ皆、親友たい」


あっという間に入学式を終え、後片付け。


「気を付けて帰れよー」


「……ラーメン…」


「賦谷と唐隅…食い過ぎて怒られるんじゃなか!」


帰りのホームルーム。


担任に、食べ過ぎを指摘される。


しかも海都と同時に。


教室は大爆笑で包まれ、下校の時間となった。


「よし、ラーメン食うたい!」


「おう…替え玉何個?」


「少なくとも三十個は行くたい。俺と勝負すると?」


ラーメンの話題になる。


替え玉を海都と競うも─少なくとも三十個は欲しい。


「当たり前たい!四十五玉は行くたい」


「ほらほら喧嘩はやめんね。この前店主に怒られて、俺らが謝ったの忘れたと?」


「迅は夏牙の母ちゃんみたいだよな」


「こげん子産んだ覚えなか!あと俺男たい!」


「俺もこんな母ちゃん嫌たい!」


「なんね!」


迅が間に入る。


昔から迅は、俺を導いてくれた。


高校生になった今も変わらず、親友でいてくれる。


しばらく談笑してると、俺の携帯が鳴った。


「夏牙、電話来てるよ」


叶芽が気付き、俺は携帯の画面を見る。


「……甘海や。どしたとね」


発信元は甘海。


実はあの日、甘海をマンションに送った後、電話番号を交換していたのだ。


時々、夜に電話のやり取りをしてる。


『夏牙君?今は…学校かしら?』


「そうたい。でも終わってこれから皆でラーメン行くとよ」


俺は構わず、携帯越しに甘海に話す。


『そうなのね…』


「甘海が昼に電話掛けてくるん珍しいっちゃけん、どしたと?」


ラーメン行くことを話すと、甘海は残念そうな声を出す。


渋々聞いてみる。


『私、大学の入学式で…友達は出来たのだけど、皆家族とご飯で…その……あなた達が良ければ、ご飯…行きたい…なぁって』


甘海の予想外の返答で、俺は言葉を失った。


反応しようと思い、声を出そうとするが、蓮司が俺の携帯を取った。


「え、ご飯……い、行きたい!」


『その声は…蓮司君?』


蓮司が先に反応を返す。


甘海は驚くも─


「ぼ、僕も…」


叶芽も返す。


「俺も!」


「夏牙…ラーメンは逃げんばい」


「お前ら………甘海、皆で飯、行こばい」


迅も海都も返し、俺も反応する。


すると甘海は携帯越しに微笑んだ。


『まぁ!いいの?』


「ラーメンはいつでも食えるけん…断る理由なか」


『ありがとう!嬉しいわ…』


こうして─俺たちは甘海と飯に行くことになった。


しかしこの後─甘海が知らないところで俺達が争ってたのは、言うまでもない─。


今世の甘海は女子大生。


少しでも幸せにしたいと、より一層思った。



……To be continued

第三話を読んでいただきありがとうございます。


次回は、甘海の入学式終わりのご飯のシーンを書きます!お楽しみに。


それではまた。

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