4-9.西の海岸にて 中編
前回あらすじ:海だ〜
前後編の予定が、収まらなかった。
今回の話し間開けたくないので、後編は近いうちに上げます
(いってきます)
(気をつけてね)
リーシェさんに一声かけて、動き出した。
家を見張っていた者がいる。
その視線をかいくぐって、家を抜け出した。
夜だ、高速で移動している俺に、気づけるはずがない。
海岸に行くと、砂浜にも当たり前のように見張りがいる。
そして海にも船が出ている。
これは絶対に知られたくない事が、有るんだな。
ここまでの話の流れだと、いい事ではないよな。
見つからずに下りれる場所を探した。
海面まで下りて、静かに海に入る。
[泳げるんですか?]
え?
そうだ俺、泳いだ事がない。
溺れる!
<ビチュレイリワ遊ばないで下さい。
ヨガも慌てない、補助脳に泳ぎや潜水をインストール済です。
水に対して恐怖心がないのはその証拠ですから>
ビチュレイリワにからかわれたのか?
元々はお前が言ったから調べてるのに、止めるぞ。
[すいません、ヨガが変に緊張していたので]
<ヨガは、虎族と魔王軍が繋がっていると考えていますね>
(それしか無いだろう)
[その可能性が、一番高いですね]
平気で言いやがる。
もっとも、こいつらには魔王軍なんで関係無いか。
俺は、魔王軍は人界の敵だと思っている。
その人界側に、裏切り者がいるなんて考えたくない。
<息が出来なくとも、かなりの時間水の中に入れますので安心して下さい。
ヨガの体はそれほど、空気を必要としていません。
それに空気の再生も行えるので、今から朝まで潜る事も可能です>
久しぶりに、とんでもない事を言われた。
ありがたいのだが、苦笑してしまう。
怪しい所を探してみますか。
場所は船のいるあたりだろうな、あんな目立つ見張り方して、本当に隠す気あるのか。
船の下まで行き、その近くの壁へ近寄ってみる。
<岩に触って見て下さい>
ピノに言われたように、岩を触ると
<この岩、人工物ですね>
言われれば、他の場所の岩と違う。
幅は100歩もない。
上は後で調べるとして、下に潜って見る。
[下に穴が空いてますね。
行って見て下さい]
(ビチュレイリワが、前に調べた時には、無かったの?)
[調査に使ったのは、ヨガほどの容量を持った個体じゃ無かったので、深い所までは調べられなかったのです]
俺が来たかいは有ったんだな。
穴に入って行くと深い。
しばらく進むと、今度は上に伸びている。
上に水面がある。
周りに誰もいないのを確認して、顔を出してみる。
その前に大きな物体。
浮かんでいるので、船だと思ったが違う。
帆がないし、細長い円柱で先も後ろも丸、甲板らしい所も見あらない。
(船じゃ無かったな。
これなんだろう?)
<船です。
しかも海の中を進む物。
13904を発動、調査協力個体は最優先で本件の調査・・って、私達に命令権限は有りませんでした。
ヨガ申し訳ないのですが、この船を詳しく調べたいのですが、協力をお願いできますか>
ピノがものすごく興奮している。
(そのつもりだよ)
最初からそのつもりで来ていたのだから。
<ありがとうございます。
その前に一度、ここから出ていただけますか>
(なんで?)
<ビチュレイリワと連絡が取れなくなっています。
この発見を先に伝えておきたいのです>
中で何か有った場合を考えてか。
(結構やばい状況?)
<まだ、なんとも。
状況がわかったら、ご説明します>
穴の外に出ると。
[良かった無事でしたね]
ビチュレイリワと連絡が出来るようになった。
[中での発見は、私達にとってかなり重要な事です。
調査に協力をしていただけないでしょうか]
今までと違う、かなり重要なことなんだ。
一度連絡するために戻るほど、慎重な行動をしている、と言う事は
(危険が有ると考えてる?)
[可能性が高いです。
私との連絡を遮断できると言う事は、それだけの力があると考えられます。
以前『深淵の都市』で出会った、魔王軍の兵が使った武器を、覚えていますか]
(あの光の矢が沢山でてくるやつ?)
[それと同じ力を相手にする可能性があります]
(それって、あの村が裏切ってるの確定だよな)
[すでに確定していますよ。
あの船を作る技術の出どころは、魔王軍以外に考えられません]
丸い船の所まで戻った。
(どうすればいい?)
<上に昇っていただけませんか>
直接、船をよじ登る事は出来なかった。
船に架かっていた橋を見つけたので、対岸に一度上陸して船に渡る。
丸い船の上部を這いつくばって調べたが何もない。
無論この船の中を、見ることは出来ない。
船から注意を周りに変えてみた。
ここは元々あった、洞窟の広い空間のようだ。
その一部を船が着けれるようになってあり、そこから橋が船に伸びていた。
あの橋って船に乗るためだよな、なら人が出入りすると思うんだが。
<正解です。
あそこにドアがあります>
ピノが、壁の一角を指してきた。
周りは岩なのに、そこだけ平面になっている。
近づいて見ると、ドアが空いてしまった。
『深淵の都市』に有ったも物と同じものだ。
<入ってみましょう>
長い通路になっている、明かりはなく暗い。
途中に幾つか部屋が有り、入って見たがめぼしい物は見当たらない。
すべての部屋にはベッドなどがあり、休憩するための部屋のようだ。
ピノも
<この大陸のものばかりですね>
と魔王軍の痕跡を見つけられない。
通路はドアで行き止まりになっている。
慎重に進んで来たので、かなり時間がかかっている、もう日が登る頃だ。
(進むか、戻るか)
<ここまで、あの船以外何も見つけていません。
進みましょう>
大きく呼吸をして、中に入った。
中は今までの部屋と違い広い。
100歩以上の円の形をした広い空間がある、そして真ん中に少し大きめの柱。
無論暗い、そして誰もいないし、何もない。
そう思っていると明かりが付き、反対側のドアが開き虎の獣人20名ほどが飛び出してきた。
「余計な好奇心は、身を滅ぼすと、教えられなかったか」
先頭の男は、村に入る前に会ったあの虎族だった。
「やっぱり、この村に船が有ったんですね。
行き先は暗黒大陸ですよね」
「残念だがお前は乗せられない。
魔王様の許可が無いと、船は動かないからな」
魔王様か。
「数年前に潜る事が出来なくて、海上を移動したが、それを見られていたとはな。
お前達を、このまま返す訳にはいかない。
『虎族の長の友人』の証など、面倒なもの持って来やがって」
「どうして、魔王軍に付いたんです。
人界を裏切っているのは、理解してますよね」
「どうしてだと、人界か、笑わせる。
お前ら無色が、獣人を同じ人と考えてるのかよ。
弱いくせに数だけは多くなりやがって、その数の力で俺たちに何をした」
奴隷化か、こいつの恨みは理解できるな。
「全部の無色が、そうじゃないだろう。
獣人の奴隷化を禁止している国も多い」
「関係はない、今度は俺たちが力を持って、お前たちを支配する番だ」
虎族の腕の爪が伸びた、短めの剣になっている。
先頭の男が加速して、爪を振りかざす。
剣で受け止めると、激しい火花が飛んだ。
<彼の爪も、超高速で振動しています。
ヨガのソニックブレードと同じ仕組みです>
俺も驚いたが、虎族の男も驚いている。
「剣ごとぶった切るつもりだったんだが。
その剣、どうした。
何故、お前が魔王様から力を得ている」
魔王の力?
(ピノ)
<私達は、魔王とは関係ありません。
証拠を提示出来ないので、信じてもらうしか有りませんが>
(信じるよ)
今までの付き合いで、そう感じている。
<ありがとう。
さすがヨガ>
おだてても何も出ないって。
<そんなヨガに朗報です。
彼らの使っている、高速振動ですが、遅いですね。
私の最大出力では相手になりません、次は刃先も加熱します、簡単に切断してやりましょう>
ピノたよりになります。
「隠れて待ってたんだろう。
どうして俺の事を知ったんだ、見張りはいなかったはずだが」
「お前が、及び腰でウロウロしていたのは、とっくにわかってたさ。
この基地は魔王軍に作っていただいたものだからな」
(俺と似たような力が有るって事か?)
<違いますね。
赤外線カメラと、センサーを確認しました。
申し訳ありません、こんな物があると思って無かったので、見落としてました>
「そんなに余裕もってて大丈夫なのか。
お前の行動がバレてたんだから、仲間も捕まってるのだぞ。
武器を捨てろとかは言わない、俺の楽しみが無くなってしまうからな。
村に残ってたら、別の楽しみも有ったんだが。
今頃お前の仲間は、村の男たちに女の喜びを教えて貰って」
男が言い終わるのを待たなかった。
俺は高速移動で、男の両腕を切り落とした。
そのまま、高速移動を続け、その場にいた男達を切り裂いた。
殺しはしない、手、足、目そのどれかに剣を振るう。
虎の獣人は戦闘種族、腕や目の1つが無くなっても、まだ戦おうとする者もいた。
かまわない、立っている者は、もう一箇所傷が出来るだけだ。
爪と剣がぶつかることも無く、一方的な戦いだった。
動ける者が逃げ出した。
出てきたドアに向かったので、先回りしそのドアを切った。
ドアの役目を果たさない程に、切り裂いた。
それを見た者は、恐怖し今度は中央の柱に向かう。
見ればドアはある。
<これまでの移動から推測して、ここは村の真下ですね。
あれで上の村に行けると思います>
(使い方は?)
<あの中に入ればそのまま上に行くと思います。
一応、邪魔されないよう、ここに動ける者を残さないようにして下さい>
逃げていた奴らの足を切り落とし開いた柱の中に入った。
ウ〜ンという、静かの音を出して上に上がる。
ドアが開くのを待てず、外に飛び出した。
なんだこれ?
見えた景色は、火の海!
村に有った家々は、燃えて炭になっている。
そして炎の壁が、村の周りを囲んでいる。
リーシェさん達がいた。
良かった無事だ、力が抜け崩れ落ちてしまった。
「ヨガ!」
俺を見つけ、キューさんが手を振る。
気合を入れ、みんなの所に走った。
「良かった無事だったのね」とリーシェさん。
泣いてる。
「ピノから、どうなってるかわからないと聞いて、心配してた」
俺もだ。
「でも、この惨状は?」
ケイトさんがリーシェさんを見ながら
「リーシェさんが切れて...」
見れば、炎に中に人影がある、イフリートだ。
でももう1つ、影がある。
「あれも、リーシェさん?」
「風の上位精霊ジンを、呼び出せるようになっていたの」
この村を囲う壁は、炎と風の上位精霊の合わせ技らしい。
村ごと渦の中に閉じ込めている。
もう個人で持っていていい、戦力じゃないね。
キューさんは、白馬に乗って自分達の周りに防御の壁を作ってたのか。
周りに届かなかった、矢が円状に落ちている。
奴らの爪も歯が立たなかったのだろう、数本が矢に混じっている。
で、数十人の獣人が寝転んでいる。
寝ている訳なく、例外なく腕がない。
これはケイトさんかな、あの爪ごと腕を吹き飛ばしたんだな。
「吹き飛ばしたのは、私達を攻撃した奴らだけ。
逃げようとした、子供や女性はちゃんと逃したわよ」
よく見てみれば、死んでいる者はいない。
もっともケイトさんに吹き飛ばされたのは、瀕死の状態だけど。
それを見ている子供や女性達は、恐怖で動けないだけだ。
「全員無事なら、これ終わらせよう」
そう言うと、炎が静まっていく。
水の精霊が消火を始めた。
これは、このまま立ち去るのは無いな。
「取り敢えず、近くの村に連絡してみるか」
「その前に、私に少し時間を貰えないですか」
後ろから声がした。
驚いた、認識出来ていなかった。
どうしてだと思って振り向くと、知った人が立っていた。
一瞬で怒りが沸点に達した、剣を振るっている。
あまり見直し出来てません、誤字脱字あると思います、許して下さい。
(見直してもあのレベルです)




