No.9 プロポーズ
「嬉しい……」
「ああ」
私の呟きに満足そうに微笑む。
「でも、こんな高価な物もらえません。私が買ってきたの安物のマフラーだし…」
それでも新垣さんの好きなブランドの物で 私からすると清水の舞台から飛び降りる代物ですけどね(泣)
「マフラー持ってないから嬉しいけど?」
おずおずと差し出すと嬉しそうに巻いてくれた。
「やっぱ、お前とは好みが似てんのかもな」
そ、それは気に入ったって事かな?
嬉しくて顔が緩む。
「そ、それでも全然 価値が違います」
照れ隠しにそう言うと、
「いいよ。お前からは もっと大事な物をもらう予定だから」
え?
なんの事か分からず顔をあげると、妖艶な微笑みの新垣さんがいた。
「…………!!」
瞬間、パッと下を向く。
な、なんか見つめててはいけない気がする(泣)
「俺は俺を褒めてやりたいね。よく我慢したなって」
な、なんか大きな独り言 始まりましたけど?
「お前ガキくさいくせに時々妙に色っぽくて困ったしな」
ぎゃー!!
誰がこの人の口を塞いで〜(泣)
「でもまぁ、お前の心の準備ってのもいるからな」
で、ですよね〜って何のだ!!
「初めては女にとったら特別だからな」
ぎゃー!!
「あ、あの…」
新垣さんの指が私の顎をしゃくった。
「クリスマスに初体験てのは、お気に召しませんか?お姫さま」
どっか〜ん!!
あ、あ、頭ショートしました!!
こ、この流れでNOと言える人がいるでしょうか!!
いえ、いません!!
なんせNOと言えない日本人ですから!!
「さて、風呂も沸いてるし一緒に入るか?」
「ええ!?」
な、な、な、なんの流れ!?
「俺、明日も休みなんだよね」
し、知らんがな!!
「しゃあねぇな。とりあえず入ってくるわ」
「は、はい」
て、ええ!?
こ、この流れは やはりアレですか?
て、いやいや。
確かに指輪もらって掴みはOKな雰囲気でしたけども!!
チラリと見たベットサイドに置かれた鞄。
あれってお泊まりセットかしら?
ぎゃー!!
いやいや。
まだ彼女さんの事が解決してないし!!
て、でも合鍵返してもらったのが答えになるのかな?
でもでも4月まで待って言われてましたよね?
プルル、プルル、プルル
頭パニックになっていると、ふいに携帯の着信が鳴った。
ガサゴソと鞄を漁ったけど、私のじゃなかった。
新垣さんのかな?
音の鳴る方に行くと、壁にかけてあった上着から響いていた。
何気なくポケットから取り出すと画面に名前が表示されていた。
【並木 智恵子】




