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この恋に殉ずる  作者: 冷暖房完備
ラブラブちゅ
43/55

No.8 仕事は きちんとね!!

「ふぁぁぁ」

あまりの脱力感に持っていたフライパンを落としそうになる。

「神楽ちゃん、これまた大きなアクビね〜」

さすがにオバチャンズの山口さんも呆れてる。

「何回目かしらね〜」

うわ(泣)

久々、佐々木さんの嫌味(泣)

「す、すいませ〜ん。顔 洗ってきます」

そう言ってフライパンを置くと、パタパタとトイレに駆け込む。

「しっかりしろ〜!!」

昨日は なかなか眠れなかった。

でも、そんなの言い訳にならない。

バイトだろうとプロ意識を持てって新垣さん言ってた。

「頑張ろう!!」

パンパンと頬っぺたを叩いてトイレから出た。

すると向こう側から新垣さんが歩いてくる。

「おはようございます!!」

「お、おう。おはよう」

元気に挨拶したら、面食らったように一歩ひいた。

「今日のお弁当は筑前煮ですよ〜」

笑顔でそう言うと、新垣さんが親指を立てた。


私が思う男女交際レポート、あれ却下になって良かったかも。

だって本当に付き合うようになって思ったけど、アレはダメだわ。

ちゃんとした恋愛だったとしても周りが気を使うような事はしちゃダメよ。

すれ違いざまに手を握るなんて御法度だわ!!

コクコクと頷いて厨房に戻った。



「なぁんか神楽ちゃん、生き生きしてるわね」

「そうですか〜?」

「内定もらったし、気分的にも晴れやかよね〜」

「ま、まぁ〜」

「彼氏も出来たし〜?」

「えへへ〜」

ん?

「やっぱり彼氏できたのね!?」

ええ!?

「隠してても無駄よ!?神楽ちゃん顔に出るから!!」

わ、わ、わ〜(泣)

「な、内緒にするつもりはないんですよ〜(泣)」

「なら連れてきなさいよ」

「でもまだ微妙な時期なんで〜お、落ち着いたら、ちゃんと紹介します……」


ちゃんと紹介したい、本当に……


ビックリされちゃうかもしれない。

もしかしたら軽蔑されるかも……。

それでも、私に温かさを教えてくれた「お母さん」たちに私の好きな人ですって紹介したい。

「もう少しだけ、待っててください!!」

私がそう言うと眩しそうに目を細めて微笑んでくれた。

「楽しみにしてるわよ?」

「神楽ちゃん、とってもイイ顔してるから、きっと素敵なお付き合いしてるのね」

羨ましいわ〜と顔を見合わせて笑った。



プルル、プルル、プル……

家につくなり電話がなった。

「もしもし」

『先日は、会社見学お疲れ様でした。人事部の谷川です』

「あ、はい!!お世話になりました」

わ、わ〜。

内定決まったとはいえ、緊張するよ〜(泣)

『どうでした?弊社は』

「は、はい。工場も広くて綺麗で、食堂も美味しそうなものばかりだし、寮も皆さんいい人ばかりで今から働くのが楽しみです!!」

『そう言ってもらえると嬉しいですね。こちらとしても飛山さんと早く一緒に働けるのを楽しみにしてるんですよ〜』

わ、わ〜(泣)

嘘でも嬉しい!!

「あ、ありがとうございます!!」

『で、ですね。仕事に慣れるてもらう感じで土日のどちらかバイトに来ませんか?』

「え……」

『それが研修みたいなものだと思っていただいて構いません。ただ強制ではないので、通常通り入社してから研修という形でも大丈夫ですから』

「あ、はい……」

でも、きっとバイトに行った方が心証はいい、よね?

「バ、バイトがもう今月のシフト決まっているので来月からでもイイですか?」

『大丈夫ですよ〜。では、来月の予定が決まり次第 連絡くださいね』

「は、はい」


新垣さんに言わないと……


せっかくイイ雰囲気になってるのにな。

今更ながらに就職先を他にしたことを後悔した。

まさか、こんな未来が待ってるなんて思わなかったからな〜(泣)

ちょっと落ち込んでいると、メールがきた。

《今から帰る》

「タ、タイミングいいな……」

言うなら早い方がいい、よね。





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