No.7 キスだけで止まれない……
全身で新垣さんを感じてる。
その重みさえも愛しくて泣きそう……。
そっと背中に腕を回し、私も新垣さんを抱き締める。
「……大好き、です」
頬を寄せた胸に そっと呟く。
「…聞こえね〜」
いつもの憎まれ口も今はやけに甘い……。
「大好き…」
「ん〜?」
おねだりするように囁く甘い声。
体が熱くなるよ……。
「……征二さん、大好きです」
とたん、新垣さんがピクッと動いた。
…名前、呼んじゃった…。
「……やべーな」
ん?
「止まんね〜かも……」
「何がですか?」
「いや、まぁ、あれだ」
ん?
聞き返そうとした私の唇を指でなぞると、ゆっくり近づいてくる唇。
私は少し息を吸い込むと、それを受け入れるように目を閉じた。
プルルル、プルルル、プル……
唐突に机の上にある携帯が鳴った。
唇が触れそうなくらい近づいていたのに固まる。
動かない二人を急かすように携帯は鳴り続ける。
え、えと……。
出た方がイイよね?近所迷惑なるし……。
でも、どいてって言える雰囲気なのかも分からない……。
「……ま、お約束か?この状態は」
ボソッと呟くと、新垣さんが私の上からどいた。
「誰からだ?こんな時間に」
「あ、はい!!え、えと……」
携帯の画面を見る。
「お父さん!!」
「うお!!」
私は慌てて携帯を握る。
「も、もしもし!!」
『遅かったな。風呂でも入ってたか?』
「あ、う、うん。そ、そう」
チラッと新垣さんを見てしまう。
「な、なんの用だった?」
『いや、内定とれたってメールきてたからな。おめでとう、神楽』
「ありがとう…」
メールを送ったのは かなり前だから私の事なんて どうでもいいのかと思ってた。
『なにか、お祝いしないとな』
「そんなのいいよ……。でも、就職しても3ヶ月くらいは生活費助けてほしいかも」
寮に入るけど、自炊って言ってたから家計は苦しそう。
『そのくらい当たり前だ。それより、ちゃんとしたプレゼントを送りたいから考えときなさい』
「はい…ありがとう」
『じゃあ、また連絡する』
「はい」
電話を切ると、お腹に新垣さんの腕が回される。
「俺もなんか お祝いしよかな……」
「お財布もらいましたよ?それに…」
もう充分すぎるくらい もらってる。
「むしろ初任給でゴハンおごりますよ」
「初任給ってな、お前が思ってるより ずっと少ないからな?」
「え?そ、そうなんですか?」
「まぁ、楽しみに待ってるよ」
ポンポンと頭を優しく叩く。
「さて、帰ろかな」
「ええ!?もう?」
やだな〜(泣)
「まぁ、あれだ。このままいるとマジでヤバいからな」
「何がですか?」
キョトンと見上げると、新垣さんが苦笑いした。
「全部終わったら、どういう事か体で分からせてやるよ」
わ、わ〜(泣)




