No.9 就職します!?
ピンポ〜ン
「はぁい」
ガチャ
「おかえりなさい!!」
満面の笑顔で出迎えると、いきなり こめかみを拳でグリグリされた!!
「いでででで(泣)」
「お〜ま〜え〜は〜!!確認してから開けろと何回言わす!?」
「ご、ごめんなさ〜い(泣)」
だって、こんな時間に来るの新垣さんしかいないんだも〜ん(泣)
「こんなんで あっちでやってけんのかね?」
「え?でも今までも一人で……」
「今もスッゲー心配してんだよ。ちゃんとしてくれ……」
「は、はい……」
キュッと両手を握られ、おでこにコツンと おでこが当たった。
「なんだろな、この 保護者な気分は……」
ええ!?(泣)
温野菜を お皿に盛り、おすましと今作った しょうが焼きを並べる。
それらを談笑しながら半分まで食べたところで 先ほどの電話の話をした。
「内定決まったって聞いた時から研修がてらバイトに行くだろうなとは思ってたぞ?」
「ええ!?そうなんですか?」
思いのほか穏やかな新垣さんに安堵する。
て、こんな事で怒る人ではないとは分かってるんだけどね。
それでもヤキモチとか焼かれるかな?なんて。
「そりゃそうだろ?企業が欲しいのは即戦力だ。ある程度使えるようにして入社してもらいたいだろ?社員になってからじゃクビも切りにくいからな」
ク、クビ〜(泣)
「内定決まったのに入社前にクビとかあるんですか?」
「どうだろな。そこの方針にもよるが、お前だって自分に合わないなと思ったら入社前だろうが ちょっと考えるだろ?」
「ま、まあ……」
これから先どのくらいかは分からないけど長く勤める会社が自分に合わないとキツい、よね?
「入社試験は お見合い、研修はデート期間てとこかな。お互いに長く付き合っていけるように色々見てこいよ」
「は、はい」
「んで、ど〜してもど〜しても合わないと思ったら辞めてこい」
「ええ!?そんな事したら住むとこまで失っちゃうよ〜(泣)」
「そん時は俺のとこに来ればイイ」
え……?
「お前一人くらい養ってける甲斐性はある」
「け、研修期間は……」
「いらんだろ?お前の事はお前より分かってるつもりだ」
新垣さん……
「て、まだ ちゃんと別れてない俺が言うなって話だけどな
」
自虐的に笑う。
「そこは、私も一緒です。知ってて付き合ってるんですから」
新垣さんの頬を両手で包む。
「共犯者、なんでしょ?」
「ああ、そうだな」
新垣さんの腕が背中に回る。
「あと、俺と暮らしたいからって仕事 手を抜いてくるなよ?そんなことしたらソッコー追い出すからな」
「は〜い」
アタシは元気に返事をして、しょうが焼きを頬張った。




