No.8 キスまでの距離
つ、つ、疲れた(泣)
もう数字なんて見たくない……。
精も根も尽き果てて、ベットに突っ伏す私。
そして、真逆に生き生きとしている新垣さん。
いい汗かいたって感じだな、ちくしょ〜(泣)
「腹減ったな」
…さいですか。
「俺が作ってやるよ」
さいで…
「へっ?」
「勝手に冷蔵庫あけるぞ〜」
そう言って、なんだか楽しそうにキッチンに向かう。
「新垣さん?」
「まぁまぁ、お前はソコで死んでろ」
わ、わ〜(泣)
「できたぞ〜」
ん……
あ、やべ。
待ってる間に またまた寝ちゃってました。
のっそりと起き上がるとイイ匂いがしてきた。
さっきまで置いてあった教科書は勉強机に追いやられ、座卓には新垣さんの手料理が並んでいた。
「わ〜!!」
自分でも料理すると聞いていたから変なものは出てこないと思ってたけど、私の常備品がイイ感じにリメイクされてた。
作りすぎて冷凍してた餃子はキャベツと人参と一緒にあんかけスープになってるし、里芋の煮っころがしは潰して丸めて香ばしく焼いてある(あ、中に山芋のザクザクって歯応えが!!)
きんぴらはキューリやらと一緒に なんちゃってゴボウサラダになってた。
「どうだ?」
「お、美味しいです!!」
「そうか!!」
と、新垣さんが破顔した!!
わ、わ〜!!
可愛い…。
ちょっとクドい顔なのにな〜。
子供みたいな可愛い笑顔にドッキュンラブよ〜(泣)
これぞ、まさにキュン死?
私、死ぬかも〜(泣)
はぁはぁはぁはぁ…
「なに?お前、鼻息荒いな」
「す、すいません」
「しっかし、あれだな。やっぱ旨い旨いって食ってもらうと気分いいな!!」
「ですよね!!」
「お前チビッこいのに よく食うから作りがいがあるな!!」
「新垣さんが大きすぎるんですよ!!」
「ほら、手もこんなに小さい」
ふいに手を握られた。
いつもみたいなダイニングテーブルを挟んだ状態ではない。
小さな座卓を前に隣同士で座っている。
見つめあう二人。
真後ろにはベットが……。
「神楽…」
新垣さんの声が甘くかすれている…ような気がする。
もしかして、私このまま…?
なんとなく目が合わせずらくて視線を下に向ける。
「便所借りてイイ?」
「……ふへ?」
便所って……便所?
「キッチンの右端にあります…」
「そうか」
おもむろに立ち上がってトイレへと姿を消した。
私、目を閉じてしまいましたけど、何か?
て、くそ〜(怒)
なんなんだ!!今の間は〜(泣)
男なら ここはGO!!でしょ!?
私が男ならGO!!GO!!GOだ〜!!
ちゃんと ついてるのか〜(怒)
バタンと床に転がる。
え〜え〜、分かってますよ。
ごっこですからね。
キスはオプションじゃないんでしょ?
さすがの私もキスしちゃったら歯止めなんて効かないもん(泣)
でもドキドキしたな〜。
「そうか…キスって、あんな感じなんだ」
て、してないけどね。




