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この恋に殉ずる  作者: 冷暖房完備
お付き合いちゅ
27/55

No.7 二夜目も過ち?

もう やめたい…。

いや やめたくない。

いっそ嫌いになれたら、どんなに楽だろうか。



「神楽ちゃん、男できたか?」

「えっ!?」

毎度 顔馴染みのオッチャンがニヤニヤしながら私の顔を覗きこむ。

チラリとフロアにいる新垣さんを見たが、彼は そんなんじゃない。

「できてないよ」

「嘘つけ(笑)男がいる顔してるぞ?」

なんだそれ。

顔で男ができるなら整形だってなんだってする。

「ちょっと〜神楽ちゃんは微妙なお年頃なんだからね!!変なこと言わないの!!」

オバチャンズの佐々木さんが助け船を出してくれた。

「へいへい」

オッチャンはニヤニヤしながらラーメンを持って席に戻った。

「今度言われたらバーンと返してやりなさい」

頼もしく笑う顔に笑顔で頷く。

「でもホント恋してるでしょ?」

え?

「なんだろね、雰囲気?ちょっとした時に大人っぽい表情をするようになったもの」

大人っぽい表情?

初めて言われたわ。

「どちらにせよ、一度は見せに来なさいよ?あたしらが品定めするから!!」

ちからこぶを見せるオバチャンズに苦笑いする。

…もう見てますけど?

なんて言えないか(笑)


でも、そうか…私は大人っぽくなってきたのか。

何も生みださないと思っていた新垣さんとの関係だけど、私なりに得るものはあるんだな…。

それなら、楽しんでしまった方がいいんじゃない?

どうせ終わる関係、先は短い。

いっそワガママ言って 振り回してみてもイイかもしれない。

そう考え出したら、なんだか急に心が軽くなってきた気がする。

私ってホント単純だな。

小さくため息をついて、顔を上げた。


『今夜、仕事終わったら うちに来てください』

ドキドキしながら初めてのメールを送った。

でも私が帰るまで返事がくる事はなかった(泣)

くそ!!




ピンポ〜ン♪

時計の針が10時を回って、諦めかけてた頃にチャイムが鳴った。

来たっ!!

走って、勢いよくドアを開けると、

「うわっ!!」

新垣さんがのけ反った。

「あぶね〜な!!」

「ご、ごめんなさい」

「ちゃんと確認して開けたのか?無用心すぎるぞ!!」

わ〜(泣)

いきなり怒られた!!

スッと新垣さんの腕が伸びてきて、ゲンコツくる!!ギュッと目をつむったら頭を撫でられた。


あ…


「女の一人暮らしは危険なんだから気をつけろよ?」

「はい…」

…恋人ごっこは始まってるのか。

私はハニカミながら新垣さんを招き入れる。

「なんだ?宿題やってたのか?」

やべっ!!見つかった!!

ピンクのふわふわカーペットの上に置いてある座卓に広げられた教科書とノート。

「な、夏休みもそろそろ終わるので追い込みかけてます…」

正直、勉強は得意ではないので分からないトコすっ飛ばしてたツケを今 払ってる。

なんとか話題をそらそうと考えていると、つかつかと座卓に向かってしまった。

「あらが…」

「お前、ここ間違ってるぞ?」

ギャー!!

慌てて駆け寄ってノートを奪おうとするけど、取り上げられた!!

「うわ!!ここもだぞ?なんでこんな答えが出んの?」

呆れたようにため息をつく。

「い、いいんですよ!!書いてあることに意義があるんですから!!」

ようは埋まってればイイのだ!!

「にしても…ひどすぎる」

やめて〜(泣)

「お前そこ座れ」

「え、え〜!?」

やな予感しかしないんですけど(泣)

「これ消して、やり直せ」

ギャー!!やっぱりか〜(泣)

「あ、新垣さん。お、お腹すいてません?」

「すいてね〜」

わ、わ〜(泣)

もう目が数式にロックオンですね!?

うっかりしてた(泣)

隠しておけば良かった〜!!

て、家庭教師もオプションなんですか!?


い、い、いらね〜!!



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