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第71話 階層ボス✿ラミア王『キングラミア』

ラミアって女性のイメージですよね……。

キングなのでおっさんラミア? 全世界のラミアファンの皆様すみません(しろめ

―――デカい!

 深い緑の肌に、圧倒的にムッキムキの筋肉質の上半身。

 漆喰のように黒光りをした、頑丈な鱗が重ねられている竜の尻尾のような下半身。


 そして……禿散らかされた髪の毛。

 ゴツゴツとした頬骨の出た顔。


 『階層ボス』と呼ばれるボスモンスターは、大きく分けて2種類存在する。


 ひとつ目は、第2階層で突如発生した、赤紫の蛾の女王『パープルレッド・フィポフィコルス』のように、何らかの異変や条件を要件に突然発生した強大な力を持ったモンスター。


 もうひとつは、決まった階層に、固定、若しくはランダムな場所でポップするボスモンスター。


― ☘

 この、禿散らかしたおっさんのラミア―――ラミア王『キングラミア』は、後者の第9階層に決まって沸く『階層ボス』である。



 ✿ ✿ ✿

― ☘

 リンデンは、ザコイチとの遠征で少しづつではあるが、力を付けてきたつもりだ。

 その集大成……ではないのだが、低層の『階層ボス』であるキングラミアを狩るために、ここ数日は第9階層を主戦場としていた。


 しかしながら、なかなか出会えないのが第9階層の『階層ボス』である。


 当然ながら、『階層ボス』としては ”世界樹の迷宮最弱” で、また、レアドロップに高額で取引される麻痺系武器の素材となる「痺れ牙」を落とすことから、一攫千金も狙えるボスモンスターとして人気が高い。


 概ねポップする場所にも判明しており、その数か所の沸き場には、多くのE級、D級の迷宮探索家フローターで賑わっている。


 リンデンとザコイチが、ボスを待ちながら狩りをしていたのも、その内のひとつであった。


 ◇


 『階層ボス』に会えたらいいなと、淡い気持ちを抱きながらリンデンは、今日も師匠モードのザコイチに教えを請い『ちびレム』と対峙中であった。


 フリージアの剣を折った頑丈なモンスターではあるが、関節は柔らかく刃物が通り易い。その点はフリージアの洞察眼がそれを見抜き、その部分を見事に切り抜いて見せたことは流石であった。


 ただひとつ、こいつの『魔核』は異常なほど固いのである。


 固い……のではあるが、『魔核』事態がスイッチのような機能となっており、それに武器が触れさえすれば『ちびレム』は機能を停止して、数秒後には泡と化す。


 そのことを知らなかったフリージアは、剣を振り抜いてしまい刃先を折ることとなったのだ。


 ザコイチは、その手の『情報』を沢山知っていて、リンデンにとっては、得ることが多い本当に「師匠」と呼べる存在となっている。


 その「師匠」の言い付けの通り、見た目に寄らず器用なリンデンは、槍を卒なく使い、『ちびレム』の『魔核』に何度も攻撃を繰り返し、時間を掛けてではあるが一人で倒すことに成功する。


 ✿

― ☘

 本当は、今日はそれで終わって、明日の『迷宮』街に行く下準備に……と思っていたリンデン。だが、『ちびレム』を倒し安堵した顔をした目の前で、突然の砂埃が舞い出し竜巻のように渦を巻く。


 その渦の中から、小さな稲妻のような光りが発生し、最後は包み込むような暗い緑の光の柱が立ち登ったかと思ったら、その中から、巨大な禿散らかしたおっさんのラミア―――ラミア王『キングラミア』が第9階層に産み落とされる。



「―――ッヒッヒイイイイ!!」

 突如現れた『階層ボス』にリンデンは尻餅を付き、腰を抜かしながら後退りする。



―――カッ!!!


 その時、座禅をして目を閉じていた師範モードザコイチが目を見開く!!!!

「リンデン! そいつが『階層ボス』だ。殺るぞっ!」


― ☘

 大剣を抜きそう叫ぶザコイチの声に、周りの迷宮探索家フローター達が歓声を上げる。その数14名―――。


 リンデンの、生まれて初めてのボスレイドが今始まる。



 ✿ ✿ ✿


(これが、ボスレイドですか……。事前にザコイチさんから聞いていたので回復アイテムはなんとかですが、強いし何よりもタフですね。)


 初めてのボス級モンスターに、リンデンは唾を飲み込む。


― ☘

 ザコイチは、野良で狩りをしていたD級迷宮探索家フローター2人をパーティに招待し、リンデンと併せて4名で組む即席パーティを組んだ。


 盾持ちの前衛と回復役を加えたことにより、思ったよりもバランスが取れていた組み合わせとなり、即席パーティは、それなりに戦闘の中心にいる。。


 ◇


 ラミア―――ラミア王『キングラミア』。


 女性の身体と魅力を上半身に持ち、下半身が蛇のラミアの王なだけに、女性の部分が男性……おっさんのラミアである。


 魅力なんてものは皆無な見た目なのだが、その分パワフルでありタフ。そして何よりも厄介なのが『麻痺攻撃』をしてくることだ。


― ☘

 その対応が、慣れている者と慣れていない者とで、徐々に差が出て来る。


 ひとつのパーティがE級であったこともあり、無計画に『階層ボス』に突っ込んで行っていた彼らは、早々に盾役が麻痺毒を喰らい攻撃を受け、瀕死の状態となる。


 彼らは、盾役の失い崩壊状態となり、彼の回復もあって一時的な戦線離脱を余儀なくされる。


 戦いの中心はもうひとつのD級パーティの5人で、ザコイチを中心とした即席パーティが、交互に協力しながら『キングラミア』との戦闘を請け負っいながら進行されていた―――。


― ☘

 そんな中、時間とともに、徐々に全体の戦局を的確に把握していき、パーティ同士の入れ替り等の判断や指示で、E級冒険者が『覚醒』したかの如く、まさかの大活躍をし始める。


―――そう、リンデン・ビバーナムであった。 

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