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第63話 『お金』がない!

― ☘

は、お話のポイントとして目印にしています。参考にしてくださいませ(/・ω・)/

✿新章スタートです。

 遂にEランクとなり、結成されたチーム「グラン・シエル」。

 次に目指すのはDランク。その為にはランカーになり昇格することが大前提。

 新たな目標に向けて彼女達の新しい冒険が始まります。

――――― ❀ 


 『星祭り』に願いを込めて、『ブルースター』の花の下で結束を深めて、彼女達の新しい日々が始まる。


 『マルガリーテス家』からの帰りの馬車で、少し酒にあてられたルイゼは、古い友人との出会いもあり冗舌であった。


 特に、エヴァ達がEランクに昇格をして登頂可能となる『第10階層での事件』については、愚痴も混ざりどんどんエスカレートしていく……。


 ◇


 ことの始まりは、リンデン達が今いる第10階層の『迷宮』街で、クエストで同行した母親達3人がおすすめの宿屋を巡って喧嘩となったこと。


 その結果……中央広場が壊滅しかける結果となった。


 サーシャ曰く、この事件は『迷宮』ギルドでは伝説級の事件だそうだ。


― ☘

 実は『マザーツリー』から飛べる階層は、第11階層以降は『迷宮』街にある『マザーの子』にしか飛ぶことかできない。


 そのことからも、第10階層の『迷宮』街の中心部が半壊したことは、低・中級ランクの迷宮探索家フローターの生活に大打撃を与えたようで、また、『機密』のクエストも相まって、ギルドは、それを揉み消す為に大騒ぎであったとか……。


― ☘

 結局ギルドは、スパティ《《だけ》》、その存在が《《気が付かれていない》》状況を利用して、「風読み」と「アリアウルフ」のふたりを、突如『迷宮』街に現れたモンスターを倒した『英雄』として担ぎ出し解決したそうだ。


 ルイゼは、反省をしつつも『望まぬ英雄』となってしまったそのことについて、アリアとスパティ、そしてギルドへの恨み節が止まらなかった。


 エヴァは、珍しく酔いが回っているルイゼが可愛く思い、うんうんと頭を撫でながら話を聞くのだが、内心は「第10階層の街」と「第11階層以降の登頂」についてわくわくしながら娼館への帰路を楽しんだ。



 ✿ ✿ ✿


 明朝―――。

 何時もの時間に何時もの場所に集まって、朝の挨拶を交わすエヴァとマーガレットとフリージア。

 昨日はいろいろとびっくりしたねーと笑いながら、『迷宮』ギルドにある安い軽食屋で朝食を食べながら、今日の予定を話し合う。


― ☘

 と、言っても、リンデンが既に第10階層を拠点としているその事実と、母親達が半壊させた街の中央広場の話を聞かされて……。


 そんな状況下で6階層で楽しく狩りをする―――なんて選択肢が、好奇心旺盛で負けず嫌いの彼女達にあるはずもなく、今日の目標は、満場一致で『第10階層を拠点とするためにひたすら進む』こととなる。



―――だが、ここでひとつの問題が浮上する。


― ☘

 第10階層を目指すにしても実は『お金』がないのだ。



 『特S級』新人のクエスト中、彼女達はリンデン不在の知識がない状況を欠点と認め、常に午前中は図書館に通っていた。


 図書館の利用料はそこそこ高額で、その日の稼ぎの多くはそれと食事等に費やされており、手元には殆どお金が残っていない。


 エヴァとフリージアは当然貯蓄がなく、貴族令嬢でもあるマーガレットも迷宮探索家フローターとしての活動に費やすお金は、新人課程卒業後からは、1エリスも家から出さないという制約を母スパティ・フィラム・マルガリーテスと交わしている。


― ☘

 従って、彼女達の所持金は、今日のご飯代と冒険に必要なアイテム代程度である。



 ✿


「サーシャさん、私達第10階層まで行きたい! で、リンデン達みたいに遠征したい! でも、お金がないの!」


 フリージアが開口一番にサーシャに言う。


「えぇ……と?」


 それに戸惑うサーシャにエヴァが続ける。


「んとね。お金がないのだけれど、リンデンが羨ましくて、だからね! ね!」


「えぇ……と?」


 さらに戸惑うサーシャにマーガレットが通訳? をする。


「お財布事情とリンデンさんへの嫉妬心で、おふたりはどうして良いか分からずに、サーシャさんを頼っているのですわ。かくいうわたくしもそうなのです。何かお知恵を拝借できませんこと?」


― ☘

(あぁ。リンデン君の現状と昨日の母親達の話にあてられて、第10階層に直ぐにでも辿り着いて、そこに泊まって迷宮に籠りたい……と。でも、お金がないから籠れない。だからアイデアを出せということかぁ~。)


 サーシャは少し考える。

― ☘

 実質的に、第10階層に籠るのはDランク以上で第11階層以降を主戦場にする場合が殆どで、それ以下の階層であれば、普通に一度第1階層に戻って、翌日『マザーツリー』からまた来ればいいのである。


― ☘

 リンデンの場合は、彼が生産系の迷宮探索家フローターであり、第10階層の『迷宮』街での価値観と商談術を養うことと、明確な目的があるのだけれど……それを普通に伝えても彼女達は納得しない。


 ……それならば!


「正直、そのどちらも叶えることはナンセンス!」

「む!」


― ☘

「それよりも第10階層を目指しながら、お金になるクエストを受けて、尚且つ『ランカー』を目指す! そっちの方が「リンデン君をびっくりさせる」ことになるんじゃないかな?」


「「「おお~!!」」」

 3人の娘がサーシャを尊敬の眼差しで見る。


 ニヤリと笑うサーシャ。


― ☘

「そこで、ラミアの鱗1000本ノック……なんてクエストがあるのだけれど、受けてみる?」


 告げられた提案に、首を縦に振り目を輝かせる3人娘。

 それを見たサーシャは少し悪い顔をして、ニヤニヤとそのクエストの説明を始めるのであった。 

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