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『花』魔法✿のぷち勇者と世界樹☘の迷宮  作者: 左手でクレープ
第4章 ✿新人たちの卒業式
51/132

第51話 リンデンと世界樹の意思

― ☘

「リンデン君入っていらっしゃい。」


 サーシャに呼ばれ、部屋に入ってくるリンデンは何処か照れ臭そうで、頬を赤らめながら3人を見て頭を下げる。


「うん……。」

「まぁ……。」

「わぁ……。」


 三者三葉の反応なのだろうか? エヴァは知っていたと思い、マーガレットは驚いたフリをして、フリージアは何それと苦笑いをする。


「え? え?」

 その反応に驚くリンデンではあったが、この3人っぽいなと、この反応が逆に、改める必要もないからと気を楽にした。


 ✿


「もっと驚くかと思ったのだけれど?」

 サーシャがエヴァ達に聞く。


「んー。何でかな? リンデンの担当さんが変わったと聞いた時点で、サーシャさん以外の担当は想像出来なかったの。」


― ☘

「そうですわね。そもそも、昨日のお話を聞いていた彼ですもの。サーシャさんが『他の担当に渡す』なんてあり得ませんもの。」


 エヴァもマーガレットも、担当がサーシャになっていたことを察していたようだ。


「私はそもそも、昨日の時点で担当のことは知っていたから。でも、まさか昨日の今日で、こいつと一緒とは。」


 フリージアは昨日、ギルドに戻ったときに、彼の処遇に同席していた。

 だから、リンデンの担当が誰なのかは知っていたのだが、まさか彼に、今日からクエストを受ける余裕があるとは思っていなかった。



「あはは。えっと、取り合えず、私がリンデン君の担当になりました。彼は、生産者側の迷宮探索家フローターなので、暫くは、私が担当している新人で、生産者が必要なパーティに宛がうことにしたの。よろしくね。」


― ☘

 サーシャは、彼の担当となったことを3人に報告して、彼の参加は毎回ではないことを暗に伝える。



「そう…いうことですので……。皆さん、よ……よろしくお願いします。」

 リンデンが頭を掻きながら、挨拶をする。


「うん、よろしく! いろいろ教えてね!」

「あなたの知識は、頼もしいですわ。」

 エヴァとマーガレットは嬉しそうに彼を迎え入れる。


「解体は任せる。でも、うじうじは禁止。」

 フリージアは少しツンとした言葉を彼に向けて言うが、


「でも、まぁ……よろしく。」

 と、少しだけ照れくさそうに付け加えた。


 リンデンは、そのフリージアの不器用な『よろしく』に胸が少しだけ高鳴り、何とも言えない嬉しみを覚える……。


 ✿


 4人は『迷宮探索家フローターカード』をサーシャに渡し、早速クエストの登録を済ます。

― ☘

 今回は結果として、第4階層まで進まないとならないのだが、リンデンには既に第5階層までのMAPが支給されていて、マッピングの楽しみがほぼ皆無のため、エヴァ達も、第5階層までのMAPの支給を受けることにした。


そして、改めて今日の目標を確認する。


[クエスト内容]

 第3階層に生える『おいシイ茸』の採取 各自1つ、合計4つ

 第4階層に生息する猪『おやぼん』のお肉 各自1つ、合計4つ の納品。


 期限は本日日の入りまで、報酬はひとり1000エリス。


― ☘

 昨日のクエストは『遠足』であったが、今日のクエストは『納品』である。

 必要とされるものを、世界樹の迷宮から持ち帰り、それを都市のため、市井のために納める。まさに、迷宮探索家フローターの仕事。



―――昨日とは違うわくわくが彼女達の脳内を刺激する。


 ◇


「ねぇリンデン。今日の指示はお前に任せた。」


 サーシャに「行ってきます」を告げて、『マザーツリー』に向かう途中、フリージアがリンデンに向かって言う。


「うん! 採取・納品の今回は効率重視でいいと思うし、リンデンならいっぱい成果を出してくれそうだもんねー。」


「ですわね! 昨日のあなたからの指示は、なかなか動きやすかったですし。」


「わ……わかりました。足を引っ張らないように頑張ります。」


 リンデンは、頼られていると感じて嬉しくて、でも調子に乗ることはもう出来なくて、慎重に頑張ることを誓う。


 ◇


 彼は、クリムゾンレッドの導きの妖精(ナビゲーター)を出して、3人の導きの妖精(ナビゲーター)を介してパーティの申請を送る。


― ☘

「リンデンは導きの妖精(ナビゲーター)に名前付けないの?」


 3人は、彼女達の導きの妖精(ナビゲーター)を『もも』『カナリア』『スノウ』と名前で呼び合っている。

 エヴァはいずれ仲間になるリンデンの導きの妖精(ナビゲーター)も名前で呼びたいなと思う。


― ☘

「名前は考えているのですが、普通は新人から『Eランクになったとき』に初めて名付けが出来るそうなのです。きっと、皆さんが特別……なのでしょうね。」


「これも導きというやつなのかな?」

「さぁ、どうでしょう……。」


 ✿


 そんな会話をしながら、彼女達は迷宮探索家フローターの旅立ちの大樹に着く。


 4人は『マザーツリー』に手を置き願う。

 彼女たちの視界に、導きの妖精ナビゲーターを介して、彼女たちの冒険の記録が現れる。



▶▽迷宮探索家フローターテータス▽ 

[エヴァ・グリーンウェル 迷宮探索家フローターLV 5]

 等級:特S級新人 等級ランキング: - 位 

 到達階層: - 階 最大到達可能階層: 5 階層

➡ MTから進行可能な階層:第 3 階層まで


 迷宮探索家フローターレベルが、LV 1からLV 5に上がっている。

 恐らくは、昨日の倒した大量の魔物によるものであろう。



― ☘

 マザーは行き先を尋ねてくるが、昨日のように『意思』は語り掛けてはこない。

 エヴァは、ただただ、機械的に行先を聞いてくるマザーに、第3階層に行くことを願うと、次の瞬間には第3階層に到着していた。


 ❀


 エヴァが目を開け横を見ると、リンデンが「うーん」と唸りながら倒れている。


 マーガレットとフリージアを見ると、エヴァが世界樹の意思と会話をしていたときと同じ状況だと言う。

 そして、暫くして彼が目を覚まし、3人に震えながらに言う。


― ☘

「マ……マザーと……世界樹の意思とお話しました。」

 震える彼にエヴァはわくわくしながら聞く。


「なんて? なんて?」


― ☘

「君の導きの妖精(ナビゲーター)の名付けはまた今度。Eランクになりなさい……だそうです。(それだけではありませんでしたけど)」


「なんだそりゃー。世界樹の意思もいい加減。」


 フリージアは呆れながらそう言うも、自分より先に世界樹の意思と話したリンデンが実は羨ましくて、頬っぺをぷくぅ~と膨らます。

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