第51話 リンデンと世界樹の意思
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「リンデン君入っていらっしゃい。」
サーシャに呼ばれ、部屋に入ってくるリンデンは何処か照れ臭そうで、頬を赤らめながら3人を見て頭を下げる。
「うん……。」
「まぁ……。」
「わぁ……。」
三者三葉の反応なのだろうか? エヴァは知っていたと思い、マーガレットは驚いたフリをして、フリージアは何それと苦笑いをする。
「え? え?」
その反応に驚くリンデンではあったが、この3人っぽいなと、この反応が逆に、改める必要もないからと気を楽にした。
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「もっと驚くかと思ったのだけれど?」
サーシャがエヴァ達に聞く。
「んー。何でかな? リンデンの担当さんが変わったと聞いた時点で、サーシャさん以外の担当は想像出来なかったの。」
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「そうですわね。そもそも、昨日のお話を聞いていた彼ですもの。サーシャさんが『他の担当に渡す』なんてあり得ませんもの。」
エヴァもマーガレットも、担当がサーシャになっていたことを察していたようだ。
「私はそもそも、昨日の時点で担当のことは知っていたから。でも、まさか昨日の今日で、こいつと一緒とは。」
フリージアは昨日、ギルドに戻ったときに、彼の処遇に同席していた。
だから、リンデンの担当が誰なのかは知っていたのだが、まさか彼に、今日からクエストを受ける余裕があるとは思っていなかった。
「あはは。えっと、取り合えず、私がリンデン君の担当になりました。彼は、生産者側の迷宮探索家なので、暫くは、私が担当している新人で、生産者が必要なパーティに宛がうことにしたの。よろしくね。」
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サーシャは、彼の担当となったことを3人に報告して、彼の参加は毎回ではないことを暗に伝える。
「そう…いうことですので……。皆さん、よ……よろしくお願いします。」
リンデンが頭を掻きながら、挨拶をする。
「うん、よろしく! いろいろ教えてね!」
「あなたの知識は、頼もしいですわ。」
エヴァとマーガレットは嬉しそうに彼を迎え入れる。
「解体は任せる。でも、うじうじは禁止。」
フリージアは少しツンとした言葉を彼に向けて言うが、
「でも、まぁ……よろしく。」
と、少しだけ照れくさそうに付け加えた。
リンデンは、そのフリージアの不器用な『よろしく』に胸が少しだけ高鳴り、何とも言えない嬉しみを覚える……。
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4人は『迷宮探索家カード』をサーシャに渡し、早速クエストの登録を済ます。
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今回は結果として、第4階層まで進まないとならないのだが、リンデンには既に第5階層までのMAPが支給されていて、マッピングの楽しみがほぼ皆無のため、エヴァ達も、第5階層までのMAPの支給を受けることにした。
そして、改めて今日の目標を確認する。
[クエスト内容]
第3階層に生える『おいシイ茸』の採取 各自1つ、合計4つ
第4階層に生息する猪『おやぼん』のお肉 各自1つ、合計4つ の納品。
期限は本日日の入りまで、報酬はひとり1000エリス。
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昨日のクエストは『遠足』であったが、今日のクエストは『納品』である。
必要とされるものを、世界樹の迷宮から持ち帰り、それを都市のため、市井のために納める。まさに、迷宮探索家の仕事。
―――昨日とは違うわくわくが彼女達の脳内を刺激する。
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「ねぇリンデン。今日の指示はお前に任せた。」
サーシャに「行ってきます」を告げて、『マザーツリー』に向かう途中、フリージアがリンデンに向かって言う。
「うん! 採取・納品の今回は効率重視でいいと思うし、リンデンならいっぱい成果を出してくれそうだもんねー。」
「ですわね! 昨日のあなたからの指示は、なかなか動きやすかったですし。」
「わ……わかりました。足を引っ張らないように頑張ります。」
リンデンは、頼られていると感じて嬉しくて、でも調子に乗ることはもう出来なくて、慎重に頑張ることを誓う。
◇
彼は、クリムゾンレッドの導きの妖精を出して、3人の導きの妖精を介してパーティの申請を送る。
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「リンデンは導きの妖精に名前付けないの?」
3人は、彼女達の導きの妖精を『もも』『カナリア』『スノウ』と名前で呼び合っている。
エヴァはいずれ仲間になるリンデンの導きの妖精も名前で呼びたいなと思う。
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「名前は考えているのですが、普通は新人から『Eランクになったとき』に初めて名付けが出来るそうなのです。きっと、皆さんが特別……なのでしょうね。」
「これも導きというやつなのかな?」
「さぁ、どうでしょう……。」
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そんな会話をしながら、彼女達は迷宮探索家の旅立ちの大樹に着く。
4人は『マザーツリー』に手を置き願う。
彼女たちの視界に、導きの妖精を介して、彼女たちの冒険の記録が現れる。
▶▽迷宮探索家テータス▽
[エヴァ・グリーンウェル 迷宮探索家LV 5]
等級:特S級新人 等級ランキング: - 位
到達階層: - 階 最大到達可能階層: 5 階層
➡ MTから進行可能な階層:第 3 階層まで
迷宮探索家レベルが、LV 1からLV 5に上がっている。
恐らくは、昨日の倒した大量の魔物によるものであろう。
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マザーは行き先を尋ねてくるが、昨日のように『意思』は語り掛けてはこない。
エヴァは、ただただ、機械的に行先を聞いてくるマザーに、第3階層に行くことを願うと、次の瞬間には第3階層に到着していた。
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エヴァが目を開け横を見ると、リンデンが「うーん」と唸りながら倒れている。
マーガレットとフリージアを見ると、エヴァが世界樹の意思と会話をしていたときと同じ状況だと言う。
そして、暫くして彼が目を覚まし、3人に震えながらに言う。
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「マ……マザーと……世界樹の意思とお話しました。」
震える彼にエヴァはわくわくしながら聞く。
「なんて? なんて?」
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「君の導きの妖精の名付けはまた今度。Eランクになりなさい……だそうです。(それだけではありませんでしたけど)」
「なんだそりゃー。世界樹の意思もいい加減。」
フリージアは呆れながらそう言うも、自分より先に世界樹の意思と話したリンデンが実は羨ましくて、頬っぺをぷくぅ~と膨らます。




