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『花』魔法✿のぷち勇者と世界樹☘の迷宮  作者: 左手でクレープ
第4章 ✿新人たちの卒業式
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第50話 フリージア✿の朝

ここまで少し重い話でしたが、ここから冒険きゃっきゃのお話が進んでいきます(/・ω・)/

宜しければブックマークをして読み進めていただければ幸いです(^^♪

✿新章スタートです。

 初日から事件に巻き込まれたエヴァ達ですが、その中でできた目標「チーム結成」

 それを達成する為、心機一転、彼女達は新しい朝を迎えます。

――――― ❀ 


 世界樹の迷宮に初めて入った翌朝。

 普段通り暁に目が覚めて顔を洗うマーガレットは、僅かばかり残る高揚感を感じ、何時もより少し早く外に出て、木刀を握り日課の素振りを始める。


 数日前に『特S級』の新人として念願の迷宮探索家フローターとなり、そこで知り合った仲間達と、昨日大冒険を終えたばかりの彼女は、珍しく浅い眠りに夜の静寂に苦労をしたが、不思議と体調が良いことを、剣先の軌道、スピード、止の正確さが、それを教えてくれる。


「お姉ちゃん。朝ごはん出来たよー。」

 ふたりの弟が手を繋ぎながら呼びに来る。


 もう、そんな時間なんだと、剣の感覚を楽しんでいた彼女は、時間を忘れていたことを知りフリージアを笑顔となる。


 ✿


 王都の中心から少し離れた場所にある、剣術を生業としている道場。

 その一角の小さな小屋にフリージアは兄弟ふたりと住んでいる。


― ☘

 両親は、下の弟が3歳になった頃に他国へ逃げた。

 いや、フリージア達を捨てて、逃げ帰ったというのが正しいのだろうか。

―――彼女達の親は他国のスパイで、暗殺者であった。



 そんな彼女達を拾ったのは、この道場の主で、スラム時代に慈善活動でフリージアに剣術と食事を分け与えてくれた彼女達のちょっとした『英雄』。


― ☘

 その道場主の名は、アリアという。

 彼女の素早く鋭い身のこなしは、人々から『ウルフ』と呼ばれた迷宮探索家フローター―――アリアウルフ。


 スラムで剣術を教えてた頃から、フリージアの剣筋に惚れ込んでいた彼女は、その才を磨き開花させる努力を怠らないことを条件に、3人を養子として迎える。


 ❀

― ☘

 当然、他国のスパイの子供を養子に迎えるのである。

 王国がアリアに出した条件は、アリアウルフがスパイの両親ふたりを始末すること。そして、そのことを包み隠さずに、子供達に伝え、育てること。


 アリアは単身他国に赴き、ふたりの両親と所属していたスパイのアジトを全滅させる。そして、帰国早々に、そのことをフリージアに伝え……そして今に至る。



 その日から今日まで、アリアウルフとフリージア達とは、当然平々凡々とはいかず、紆余曲折があるのだが、それは、また別の機会に。



 ✿ ❀ ✿


「お姉ちゃん。昨日のお肉美味しかった! また、取ってきて!」

「きて~!」

「ん。分かった。今日の依頼次第だけど、見つけたら『うりぼん』倒してくる。」

「「わーい」」

 食事を終えて、用意を済ませた彼女は、弟達と今夜の食事のリクエストを受け外に出る。



「フリージア。昨日は大変だったようだね。」

 外に出ると、白銀の髪に妖艶なまでの肉体で白装束のような着物を着た女性が、彼女に声をかける。


「……御師様。おはよう。そして行ってきます。」

 彼女を見て、すたすたと道場の門に向かおうとする彼女。


「んも~う! そのツンツンした態度~♪ 相変わらず可愛いんだから~!」


 背の低いフリージアを、何を食べたらそんなに大きくなるのか不思議なほど大きな胸で抱きしめて、愛おしそうに彼女の頭に顔を擦り付ける『御師様』。


「本当毎日……うざい。」


― ☘ 

 毎日毎朝、彼女の日課となってしまっているこの光景。

 彼女は、それが分かっている。だけれど、『御師様』アリアウルフのその動きにまだ反応できない、追い付けない。


 毎日毎日、その日の初めに痛感させられる師匠との「力の差」。

 そして……。

 そして、感じる胸の……豊満すぎる胸の感触、女としての魅力の差……。


「本当に毎日絶望を私に与え楽しいか! この駄肉師匠!」

「あらぁ~? それなら、避ければいいんじゃない?」


「ぐぬぬぬぬ……。」


 フリージアが『特S級』新人2日目の朝。

 少しだけ遅刻したのは、そんな師匠の溺愛によるもの。

 沢山の悲しみを乗り越えて辿り着いた親子のカタチ。




✿ ❀ ✿ ❀ ✿


世界樹の迷宮第1階層『迷宮』ギルド


 ギルド担当のサーシャの元に笑顔で「おはよう」と集う『特S級』新人のエヴァとマーガレット。そして、少し遅れて到着したフリージア。


― ☘

 サーシャはまず、改めて昨日のことを謝罪する。

 そして、ルイゼと約束した『他言無用』の徹底をお願いする。

 それは、ギルド職員に対しても含まれていた。


 次にリンデンのことを話す。

 結論、リンデンは昨日の災難に巻き込まれた新人として扱われる。

 ギルドの担当はセビオから、別の人間になるそうだ。


 最後に、亡くなった3人のことを話そうとしたとき、エヴァがそれを止める。


「んー。迷宮探索家フローターとして、冒険で亡くなったのなら、これ以上は私達には関係ないかなー。なので、サーシャさん『それ』はいいよー。」


 少し考えながら話しているエヴァの言葉に、サーシャは『知りたいことは、その奥にあること』だから、『この場で言えること』だけ聞いても仕方がないよ? というメッセージを察し、やっぱりルイゼさん達の末っ子だなと感心をする。



(これ以上、昨日のことはもういいわね。)

 彼女はそう思い、恐らくはエヴァ達が望んでいるであろう言葉を口にする。



「それでは、今日のクエストを発表します。」


 ◇

― ☘

 迷宮探索家フローター2日目のそれは、『食材クエスト』。

 第3階層に生える『おいシイ茸』の採取と、第4階層に生息する猪『おやぼん』のお肉。そして、レアケースで死体が残った場合は、『解体』して持って帰れば追加報酬を出すというもの。


 それを聞いたフリージアは、お肉を待つ弟たちの顔を思い浮かべる。



「あら? でも、解体なんて誰も出来ないわよね?」


― ☘

 マーガレットのその言葉。

 それを聞いて、サーシャは待っていましたとニヤリと笑う。

 そして、

 扉の外に向かって、外で控えている彼の名前を呼んだのであった―――。

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