表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『花』魔法✿のぷち勇者と世界樹☘の迷宮  作者: 左手でクレープ
第2章 ✿第2階層の異変~妖精達とスライムエリア
37/132

第37話 ✿『双舞子』❀2色巫女の鎮魂歌

 神楽舞い入る鈴の音を、七鈴、伍鈴、参鈴と――振り込み揺らすその音渦。

 禍々しくも赤紫がの領域を、徐々に鈴の音が凌駕していく。



――シャーン シャーン シャーン。



 新しい形へと生まれ変わるその魔物のその領域は、徐々に失われていき、その場の空気は一変され、2人の『舞』が支配していく。



 ✿

― ☘

 変形メアモルフォーゼし羽化したそのモンスター、それはレッドスライムの魔核を食べた『きゃっぴー』の成れの果て――。


 赤紫の蛾の女王 『パープルレッド・フィポフィコルス』


 それは、第2階層に居てはいけないモンスター。

 恐らくは、その階層のモンスターや迷宮探索家フローターを餌にしながら塔上し、低層階層を支配するために『階層ボス』となる脅威。


 むしろ、この瞬間は、階層ボスが生まれ落ちた瞬間なのかもしれない。


 ◇


 勝手な人の思惑は、自分を中心に回っている。

 ザコイチが言った通り、それなりの力を付けた迷宮探索家フローターには、どうでも良いことでしかない。


 もっとも、世界樹の意思が、盟約により迷宮探索家フローターを守るために『迷宮』ギルドを受け入れたその観点を考えれば、新人や弱者の迷宮探索家フローターフロンティアである「この階層」の「この異変」は大事であり、それはギルドに警告を発するに足りる事態であるのだが……。



 だからきっと、放置がされれば、市井の生活を脅かす大惨事だったのであろう。


― ☘

 ただ……その緊急的な事態パープルレッドフィポフィコルスも、茶褐色と淡い黄色の舞の前では、儚いひと時の風のように羽落ちる―――。




  シャン シャン シャン シャン シャン―

 


 強まる鈴の音。

 舞とともに加速するカイトのサイズの振りと風切り音。

 フローラが鳴らす神楽鈴、紡ぐ言の葉——。



――― 神座かむくら 招魂しょうこん鎮魂ちんこんたまわるこの音参度おとさんど

    五穀豊穣、延命長寿、子孫繁栄、三番叟さんばそうずる柏子見かしこみの――


    不埒巫女ふらちみこていなれど

    いつつ踊れば災いと――


    七つの罪過ざいかを身に宿し

    七つ鈴の音、つい(対)の舞にてそれを返さん ―――



    『双舞子ダブルダッチ



———刹 那

 それは、純白ではなくなったふたつの色の巫女の鎮魂歌レクイエムの舞


 

 唯一ここへ駆けつけたザコイチは、彼女2人(ダブルダッチ)が何故A級で、「龍殺しによる王宮からの勲章授与者」であるのかを、目の当たりにする。


 最後の鈴の音がひとつ鳴ったとき。

 邪気は晴れ、第2階層の様相は何時もの穏やかな第2階層に戻る。


 そこは、きゃっぴーが花を吸い、うりぼんが蝶を追い、スライムが飛び跳ねる、まさに、最低最弱階層の迷宮探索家フローターフロンティアであった。


― ☘

 ただ、ふたりの英雄の厳しくも鋭い眼光を除いて―――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ