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『花』魔法✿のぷち勇者と世界樹☘の迷宮  作者: 左手でクレープ
第2章 ✿第2階層の異変~妖精達とスライムエリア
25/132

第25話 新人の見栄

― ☘ は、このお話の要点付近です。

ライトに読んでいただくときの目印にして頂ければ喜びます。

 第2階層だけでなく、低層と呼ばれる階層の中でも、かなり貴重な「レッドスライム」の亡骸。


 その貴重価値に《《気が付いて》》しまったリンデンは、素直にその価値を、そのまま彼らに話してしまう。

 後になって思い返すと、その伝え方の選択を、彼は間違えたのかもしれない。

 その時、彼は『一番大切なこと』にも気が付いていたのだが、そのことには触れていないのである。


 ❀


「このスライムの価値は、迷宮低層随一の貴重品。実物のルビーよりも余程希少で、100万アウロエリス以上の価値がある。これは大変なことだよ!」


― ☘

 「アウロエリス」、この国の通貨で、通称『エリス』と呼ばれるお金の単位。


 その、通貨100万枚―――。

 『ちょっとした家』が建つ価値。 


 新人の彼らには、想像ができない金額。

 何故なら、彼らの今日のクエストの報酬は、1人800エリスだから。


「ちょっと!それ本当なの?」


 少し垢抜けた雰囲気が可愛らしいと、リンデンが思っていた女の子魔法使いが、初めて彼に向って、好意的な顔をして口を開く。


「間違いないよ。僕は商人になるために勉強した結果ここにいるのだから。」


 

―――彼は、きっと浮かれていたであろう。

 ちょっといいな……と思っていたあの子からの会話。

 今の今まで、空気以下の扱いをしてきた彼女。


 そんな彼女が、目を輝かせながら、頬を赤らめながら、彼をまじまじと見ているのだから、それは仕方がなかったのかもしれない。


― ☘

「でもね。その価値を引き出すためには、解体をする必要があるんだ。幸いにも僕はそのスキル持ち。君たちはついていたね。」


 彼は、得意げに少しだけ奮発した解体用のナイフを取り出しってくるりと回す。


「やるじゃねぇかデブ。流石、迷宮探索家フローターに合格した奴は、何かしらの取り柄ってのがあるもんだな。」


「お前にも分け前をやるぞ! だから、しっかり解体しろよな!」


 男性陣も、彼に多少ないしの誉め言葉と期待をぶつける。

 彼にはそれも嬉しかったし、それが気を大きくしたのであったのであろう。


― ☘

 だから、その時には既に忘れ去っていた。というか、そんなに大したことにはならないと、思い込んで決めつけてしまっていた。

 彼が先程までは、気が付いていた一番大切なこと。「レッドスライム」の亡骸を、第2階層で解体をしてはいけないという、先人の教えのことを―――。



✿ ❀ ✿

― ☘

 『スライムエリア』は、第2階層のほぼ中央に位置した場所にある。

 芋虫の『きゃっぴー』が群生するエリアが円状に配置されており、その中心に申し訳なさそうにある。


 第3階層に向かう『マザーの子』の順番待ちの時に、エヴァがメモに書いたモンスターの位置情報なる手書きのMAPを3人で見ていた時に、直感的にあのエリアがおかしいと思っていたフリージアがそれに気が付く。


「ねー!絶対にあからさまに変だよね?」

「うんうん怪しい。何もないならそれもそれで、冒険の土産話になるし弟たちが喜ぶからそれでいいかな。」


「へーフリージアってお姉ちゃんなんだー。」

「うん。弟が2人いる。10歳と7歳のわんぱく坊主。」


「男の子の兄弟かぁ~いいなぁ。」

「私は逆に、沢山のお姉ちゃん羨ましい。」


 あははは。お互いの『家族』の話をしているのが何だか楽しい。

 そんな呑気な話をしている中、マーガレットだけ話半分できょろきょろしている。


 ❀


「ん。マーガレットどうしたの?」

 エヴァがそれに気が付き、彼女に聞く。


「いえ。すみません。何となくでございますが、モンスターの様子が変ではありませんか?」

 辺りをキョロキョロしながら、彼女が目に見えるモンスターを走りながら目で追う。


「確かに何かが変。というか、大人しすぎる。」

 勘の鋭いフリージアの目つきが変わる。


「そうだね。何だろう? 力をためているみたいな?」

 その何とも言えない空気にエヴァも気が付く。


― ☘

 そのとき、明らかに嫌な雰囲気を感じ、3人の背中を冷ややかな汗が通る。

 彼女たちの妖精達も、止まっている肩の服を ぎゅうう と掴む。


――――ありゃ? なんだぁッ!?


 エヴァは、近くにいた『きゃっぴー』のまなこが赤く染まって行くのを目の当たりにする。

 どちらかといえば、のほほんとしていると感じていた第2階層の敵が、よりアクティブになり『獰猛』となっているような気がする。


― ☘

『えばぁ えばぁ すらあいむー すらあいむー』

 ももが、慌てた様子でエヴァに何かを伝えようと必死に話す。


「もも? 言葉にしなくていいから、頭の中で伝えれる?」

「カナリアも、ゆっくり心に伝えてくれればいいのですよ?」


「スノウが言ってる。スライムのエリアに急げだって。」

 フリージアが、いち早くその意思に辿り着く。


「これは……。みなさん、全力で走りますわよ! そうしなくてはいけない様な気が致します。」


― ☘

 彼女の妖精「カナリア」から伝えられた僅かな思念の情報と、フリージアのその言葉から、マーガレットは、すぐさま全力で『スライムエリア』に向かうことを決め、ふたりの仲間と共に走り出す。

宜しければ、MB・評価等よろしくお願いします(^^♪

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