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『花』魔法✿のぷち勇者と世界樹☘の迷宮  作者: 左手でクレープ
第1章 ✿特S級新人として
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第20話 『花』魔法の演奏会

「本当に、大したことないと思うよー。」

 エヴァは、2人の仲間と3色の妖精のキラキラする瞳にたじろいながらも、エヴァは申し訳なさそうに言う。


「な~んでもいいの!!」

「そうですわよ! (スター) スキルを見たいのです!」


 あ~ダメだ。これは、お誕生日プレゼントを晩御飯まで隠したいのに、直ぐにでも見せろ見せろと迫って来た、あの時のカイト姐さんの顔だー。


 エヴァは、『花』ルーンのお守り(タリスマン)を握りしめる。


 隠頭花序の隠れ花の如く、示す者の活力を内より活性せよッ―――

―― ✿『花』魔法 ガジュマルの花



 タリスマンを握るエヴァの左手から、螺旋状に回る「緑」と「オレンジ」の光が放出され、一度地面に消える。

 そして、フリージアの足元からその光が現れ、彼女の全身を回るように包み込む。



「「おおおおおお!!!」」

 妖精を含めた、みんなの尊敬の眼差しが、エヴァには少し照れくさい。


「な……なんですの? 光がくるくる~って回りながらフリージアさんを包みましたわ! フリージアさんお加減ははどうなのです? ど・う・な・の・です~?」


 マーガレットが、興奮して手をバタバタさせながらフリージアに迫る。


「わぁ、体軽いよ? 何だろう……体に良い食べ物を食べた後みたいな? 温泉に入った後のような?」


 フリージアが、手をぐーぱーして感触を確かめながら、短めのスカートを、ひらりとなびかせ、ジャンプを繰り返す。


― ☘

「えーとね。今の魔法は、『花』魔法ガジュマル。 身体を中から活性化させて、自然治癒力や新陳代謝を高める魔法なのだけど……。」


「うんうん!」


― ☘

「疲れの回復や、熱いところや寒いところで、活躍する魔法だから……。今は、多分ちょっと元気になる? ……くらいでしゅ。」


 エヴァは、冒険が始まったばかりで疲れもなく、また、過ごしやすい気候のこの階層では、大した効果を示さない魔法と思っていたため、とても申し訳なさそうな顔をして説明をする。


「はぁ?」 「え?」


「そ……そんなものなの『花』魔法なんて。まだ、私レベル低いし。えへへ……。」

 2人の反応を見て、上唇を少し前に出し、肩を小さく縮めて下を向くエヴァ。


「い……いえ。特殊な気候に対処できる魔法ですって?」

「疲れを回復する魔法、自然治癒力を増す魔法?」


「う……ん……。」


『『 何なの! その凄い魔法!!! 』』

 マーガレットとフリージアが、これでもかというくらい大きな声で叫ぶ。


「ふぇ?」

 

― ☘

「ふぇ? じゃありませんことよ!! 完全にではないにせよ、この『未知なるダンジョン』で、その階層の『気候』に左右されにくくなるのですわよ?」


― ☘

「長期戦の疲れで、ジリ貧な状態でも『活路』を見いだせる。どの位かは分からないけれど、「自然治癒力」が活性化すれば、アイテムが切れても、『多少の毒や病気なら回復出来る』かもしれないんだよ! うわぁ。この魔法かなりヤバめ!」


 2人は、恐らくは、その『効果の優位性』を全く理解していないであろうエヴァに、驚きながらもそれを説明する。


「そ……そうだったの!? 姐さん達からは、『健康器具』みたいに使わされていた魔法だったので、大したことない魔法なのかと。」


「うわぁ。それは『花』魔法の無駄遣い……。」

「あらぁ。流石といいますか、豪快ですわね。」


 ここに来る途中、少しだけ聞いていたエヴァの娼館での生活から、娼婦達の自由奔放な振る舞いを想像して、彼女達はそれぞれの思いを口にする。


 ✿


 「わたしにも、『ガジュマルさん』をお願いしますわ。」と、マーガレットに頼まれ、エヴァが魔法を掛けてあげると、彼女は、「うふふふ」が止まらなくなり、嬉しそうにはしゃいでいる。


 そんな彼女を先頭に、うりぼんの肉を拾って妖精ちゃんに収納して貰う3人。

 ここら辺は、うりぼんの生息地なのか、2度も群れと遭遇をし、肉を確保する。


 魔法の効果からなのか、元気がいっぱいの二人に翻弄されながらも、この時間が楽しくて堪らないのはエヴァも同じで、わいわいと狩りに勤しんでいたのだが、メモを取っていて「あ!」と気が付く。


― ☘

「ね! そろそろ『第3階層』に行かなくちゃじゃない?」

「「あ!」」


 少し浮かれすぎたかな?と、3人は少しだけ反省をして、真剣に次の階層を目指そうと話し合おうとしたのではあるが……。


「ところで、第3階層の入り口って何処ですの?」

「ふぇ?」


 マーガレットのその一言に、2人も一緒に首を傾げていた。



❀ ✿ ❀

― ☘

 時を同じくして、エヴァ達から少し離れた場所でデビューして数週間の『新人』達が狩りをしていた。


 質のあまり良くないであろう武器で、必死にうりぼんやスライムを狩る彼ら。


 前衛であろう剣を持った2人の男の子に、魔法職なのか杖を持った女の子。

 そして、ナイフを片手に震えながら、必死に倒したモンスターが残すアイテムを拾う、少し恰幅の良い男の子。


 4人で構成された「普通の新人」パーティである。


― ☘

 どうやら、そのパーティ。アイテムを拾う男の子に、周りの子達は辛く当たっているように見受けられる。


 それを思わせる会話が、感覚が鋭く耳が良いフリージアには聞こえて来てはいたのだが、今は次の階層への手掛かりを探すことが先決だと、彼女は(気にはなったけれど)仲間達とそのままその場を立去ったのであった。

お読みいただいてありがとうございます^^


宜しければ、コメント、評価等よろしくお願いします。

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