第18話 パーティ組曲
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エヴァが目を開けると、桃色の妖精が、心配そうにエヴァの頭を撫でている。
「大丈夫だよ。ありがとうね。」と、エヴァも彼女の頭を撫で返す。
「お目覚めですわね。エヴァさん。」
「飛んで、寝てたのエヴァだけ。 びっくりした。」
マーガレットとフリージアが、少し心配そうにこちらを見ている。
― ☘
「そうなんだね。私だけ寝ちゃってたのかぁ。 そうだ!マザーから教えてもらったのだけど、パーティー組まないといけなかったんだね!」
思い出したように、エヴァが言う。
「マザー……ですか?」
マーガレットが首を傾げる。
「え? 優しいお母さんのような世界樹の意思? マザーツリーさんが、色々と語りかけてくれたのだけれど……ありゃ? 夢だったのかな。」
― ☘
「挨拶と行ける階層の説明は受けましたけど、それだけでしたわよ?」
「こちらから質問しても、返答もしないシステム的な何か?」
「ふーん。そうなんだね。 やっぱり、夢だったのかな?」
首を傾げるエヴァであったが、気にしても仕方がないと、起き上がる。
― ☘
そして、桃色の妖精に、マーガレットとフリージアとパーティー組みたいと願う。
すると、桃色の妖精が黄色と白色の妖精のところに行き手から光を出し、二人の妖精の手にその光が灯る。
桃色の妖精が、エヴァを見てにっこりと笑うと、彼女達の目の前にパーティが組まれたことが示された。
◇
― ☘
▶▽パーティ▽
①エヴァ:迷宮探索家LV 1、②マーガレット:迷宮探索家LV 1、③フリージア:迷宮探索家LV 1
「あ。何か出来た。 へへへ!初パーティだね!」
嬉しそうに、エヴァが二人を見る。
「こうなるのですね。確か妖精さんがMAPをどうのと、サーシャさんは仰っていましたわね。そこで仲間を確認出来ると聞いたこともありますし。」
マーガレットは、確か仲間の位置関係が把握できるメリットがあることを、聞いたことがあるなと思い出し、妖精とMAPについて意思疎通を図る。
「あ。これじゃない?見て見て。」
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フリージアは、エヴァが目覚めない間、剣士らしくその場を守ることに努めており、その関係もあり白い妖精とMAP機能の確認をしていたため、タイミング良くMAPに①、②、③が表示されているのを見つける。
「あ、本当だ! 私あっちにちょっと走って行ってみるー。」
エヴァが少し離れた場所に走って、二人から離れてみる。
「まぁ。①の記号が離れて行きますわ!」
「おお!」
フリージアが小さな体をいっぱいに伸ばし、エヴァに帰ってこいと合図を送る。
「凄いね! これでお互いの位置が分かるんだ。妖精ちゃん偉い~。」
戻ってきたエヴァが、桃色の妖精を見て褒めると、妖精は嬉しそうに小さな万歳をする。
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「さてさて、皆さん。 パーティとMAPについて分かったところで、魔物の出る世界の冒険に早速出発致しませんか? わたくしウズウズしてしまって。」
マーガレットは、居ても立っても居られない様子で、少し顔を高揚させ、二人に言う。
「そうだね。エヴァの世界樹の話が聞きたいところだけれど、それはそれ。私たちには、きっと時間があるしね。 改めて話をしよ!エヴァ、それもメモしておいて。」
早速、パーティやMAPについてメモを取っていたエヴァに、フリージアが言う。
「うん。わかった! あ、出発前に二人の所持アイテムを教えて。私は回復薬小を4つと毒消しを4つ持ってきてるの。」
フィオレから教わったことを、エヴァなりに考えながら二人に聞く。
「所持アイテムの把握ね。迷宮探索家らしいですわね。わたくしは、回復薬はすみません持っていませんが、毒消しは4つ持ってきていましてよ。」
「私は、回復薬を10個程。毒消しは2つ。」
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そうか、マーガレットは回復魔法が使えるから、嵩張る回復薬は不要としたのだなとエヴァは思う。また、逆にフリージアは前衛らしく回復薬を多めに持ってきているようだ。
二人の特徴?性格が出ているのかな? と思いながらエヴァはメモを書き終える。
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エヴァは、ふと周りを見渡してみる。
「――― あ」
彼女は、こちらに着いてからしばらくは意識を失っていた。
目を覚ますと直ぐに、マザーの話やパーティのことなどで頭がいっぱいだった。
だから、はじめての『世界樹☘の迷宮』に来た実感が、
……今このときに、ぶわぁっと沸いてくる。
―――第2層 ✿
新人から初心者迷宮探索家が多く滞在している始まりの階層。
そして、今いるこの場所は、安全地帯と呼ばれる聖域のような場所で、洞窟のような構造をしており、周りには見知らぬ迷宮探索家達。
そこはさながら、迷宮探索家しか知らない、はじまりの秘密基地。
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