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『花』魔法✿のぷち勇者と世界樹☘の迷宮  作者: 左手でクレープ
第1章 ✿特S級新人として
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第12話 特S級新人✿朝の歌

第一章のはじまりです(^^♪

 朝の温かい日差しが目に落ち、エヴァの重たい瞼が少し揺れる―――。

 

 ――んん……そうだよね。 今日から私は迷宮探索家フローターとして……。

「はっ! 太陽の光?」


 エヴァは、勢いよく起き上がり辺りを見渡す。

 先日までの彼女は、暁を覚える前に仕事を始めていたため、朝の陽ざしに目が覚めることに慣れていない。


 だから、今が一体何時であるのか、皆目見当がつかない彼女であったが、早朝の鳥のかわいらしい会話を耳にして、落ち着きを取り戻す。


― ☘

 昨日は、お姐さん達……しこたまお酒を浴びていたなぁ。

 私のための宴だったから、本当に嬉しかったのだけれど、相談出来る人が果たしているのかしら?


 エヴァは、朝に滅法弱い娼婦達、輪をかけて二日酔いであろう彼女たちの中で、今日の準備について、相談に乗ってくれそうな人を思い浮かべる。


― ☘

「ありゃ? 困ったな。誰も起きそうにないぞ。」


 でも、そんな姐さん達が好きなのだから仕方がない。

 だから、エヴァも困ったなと言いながら、顔は笑顔で微笑んでいる。



 ✿ ❀ ✿


 娼館の3階にある小さなお部屋が、彼女のお城。

 その陽当たりはいいのだが、端っこで一番不便なお城から、1階の食堂に降りていく。


 食堂には、案の定誰もおらず「あはは……」と思わず苦笑いするが、ついつい、癖で目玉焼きを焼きだすエヴァ。


 何時起きるか分からない姐さん達の為に、朝ごはんを作り出して、何年になるだろうか――、そう思いに耽せながら、結局全員分の玉子を焼いてしまた彼女が、後ろを振り向くと、そこには、フィオレ姐さんが立っていた。


― ☘

「え?えええええ? フィオレ姐さんが宴の翌日の朝に歩いているぅ!」


 驚愕の声を漏らすエヴァに、フィオレはため息を付きながら言う。


「人を何だと思ってるの! そりゃ私だもん。歩くわよ! それよりも何しているの? 朝ごはんの支度は当番制になったでしょ? 今日は私の番なんだから――。」


 まったく……この子は。

 初の世界樹の日に、何時ものように朝ごはんを作っちゃって……。

 フィオレは愛おしい妹を優しく見つめる。


「あはは。ついつい、癖で、自分だけの朝ごはんを用意するなんて、想像もしたことがなかったから。」


「ほんとに、あんたは……。」


― ☘

「あ!そうだった。フィオレ姐さん。今日から世界樹に行くのだけれど、最低限必要なものを教えて! 正午には用意をしてギルドに行かないとなの!」


「あぁ、そうかぁ。初めてかぁ。 そっかそっか~。」

 フィオレは、にやにやが止まらずに、エヴァの前髪を上げて『ぐしゃ』っと撫で、何でも私に聞きなさいと言ったでしょう? と、満面の笑みを浮かべる。


 ✿


 姐さんに教えてもらったこと―――。

― ☘

 導きの妖精(ナビゲーター)と仲良くなるまで、回復薬は、ベルトに付けた『小鞄』に入れておく。新人が行ける5階までなら「パーティー人数分」持っていれば大丈夫。


― ☘

 紙と書くもの。

 これは、フィオレ姐さんが実践していたことらしいのだが、休憩のときや、余裕があるときに、『気が付いたことをメモ』しておく。


 「仲間の特徴」を本人から聞いたことや、「冒険中に気になったこと」、「発見したこと」を書くことで、自分の勉強にもなるし、仲間とのディスカッションにも使えるし、お薦めなのだそうだ。


― ☘

 最後に食事。 簡易携帯食を少し多めに持ち、『好きな食品』を持ち運ぶこと。飲み物とともに、こちらは『導きの妖精(ナビゲーター)』に持ってもらう。


― ☘

 『新人狩場』と言われる5階までは、それだけあれば十分だそうだ。


 エヴァはフィオレ姐さんの初心者講座が、楽しくて仕方がなかった。

 きっと、姐さん独自のスタイルなのだけど、きっと苦労して癖を付けた用意等。


 「私が引き継ぐんだ!」と、既に引退をしている元S級冒険者のありがたい教えを、早速メモするエヴァを見て、フィオレはとても愛おしく思う。



✿ ❀ ✿

― ☘

 正午前となり、エヴァは、お姐さん達の『着せ替え人形の成果』を、着用する。


 階段を降り、裏玄関の扉を開け、娼館に小さく「―――行ってきます。」と囁く。


 やっぱり、皆昼間で寝てたな。起きたらちゃんと朝ごはん食べて欲しいな。

 そう思いながら、彼女は迷宮ギルドに足を向ける。



― ☘

「ここからは、あの子の冒険だからね。見送りはここで十分だろ。」

 3階の廊下から窓越しに見送る娼婦たち。まだ寝ていた者も、ちらほら居たのかも知れないが、皆がこっそり彼女の出発を見送った。頑張れとの思いを込めて。


 娼婦の館の朝の歌―――。




☘― ―☘ ❀ ☘― ―☘

▽ エヴァの着せ替え人形セット [セット効果:魅力UP]

 武器:ランドブルの片手剣

 防具:赤と白のシルクのインナー、レッドリザードの皮の服、サラマンダーブーツ

 装具:『花』ルーンのお守り(タリスマン)、ピンクのバーベナの髪飾り、雪の腕輪


読者様


お読みいただきありがとう御座いました。

早めに次のお話も更新させて頂きます(/・ω・)/

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