第二章 物語の表現&裏設定 中編
完結したから言える事もあると思うんです。
ネタ切れだったとか、ギリギリだったとか、話が思いつかなったとか。
絶対、連載中は言えませんよねこんな事、だから解説で沢山書かせていただきました。
説明項目は前編と同じです。
Ep6
① キーアイテムについてですが、作者は初期キーアイテムなんて考えていませんでした。
ただ、髪飾りについては考えていました。
オズモンドの出生や年齢的に工芸品なんて高価な物自分では買えませんよね。
だから、親に頼んで渡すと思っていました。
なら、オズモンド本人はどうするんだろう?と考えていました。
一目惚れしたリリアンヌに対して、自分からプレゼントできるのが一番良いですよね。
オズモンドが自分のお小遣いで買えるものは安く素朴な物でしょう。
髪飾りを買いますが、出生も違う育てられた環境も違う、そう言った王子と王女なのにすれ違う価値観や身分差についても表現したいと思っていました。
オズモンドは10年前、渡すのを諦めてしまいます。
もしかしたら、そこから夫婦の価値観がズレていたのかも知れません。
リリアンヌは安物の髪飾りでも受け入れてくれましたしね。
おばあちゃんの所に行って話をしますが、物はいつかなくなります。
ですから、気を張らず気軽に渡せばいいとおばあちゃんに言って欲しかったのでしが上手くいきませんでした。作者の表現力不足です。
人や物というのは、不思議な物で持っている時より手放した方が印象に残りますよね。
どうでもいいと思っていた物が、案外大切に見えて来る事もあります。
だから、作者は思い出が残っているとおばあちゃんに言わせていました。
髪飾りはその名のとうりキーアイテムでしたね。
この中には10年の思いもそうですし、お互いの価値観や思いを再確認できたりと大切な物でした。
そして、もう一つの髪飾りはスカーレットに渡す物でした。
入っていた紙袋が、それぞれ違う柄でしたがこれは2人が好きな物を表していました。
お菓子の柄→リリアンヌが甘い物に目がない為
化粧品の柄→スカーレットがお粧しするのが好きな為
Ep7
①作者にとって、ここは大切な回です。
好感度も上がり、オズモンドも少しずつ成長してきました。
作者はここで2人の関係が一歩前に進んで欲しいと考えていました。
たとえ、それでお互いが傷つくとしてもです。
ここでやらないと、一生すれ違うそう思ったからです。
夫婦というのは、嫌でも一緒にいます。
それを楽とするか、苦とするかは自分次第です。
とりあえず、2人きりにさせて大切な話をさせたいと思ったので、アイリスちゃんはカイトと合宿に行って貰いました。
そのあと、初日の移動で2人がなにも喋りませんでしたよね。
これは、演出というかデジャブ感を出したかったのもあります。
初日と最終日が同じ状況になるという事ですね。
そのあと、別荘で過ごしますが2日目の朝、植木鉢の事を話していましたよね。
何か起きる前に事前に伏線を入れて置いてそれがわかるまでは、絶対物語は続くと皆さんに伝えたかった事でもありました。
そのあと5日目の夜、夫婦でこれからの事について話をさせました。
とても大切な事ですよね、何でもそうですが目標があるからやっていける事でもあります。
その中でオズモンドは「世継ぎ」「子供」について思い出します。
これも大切な事ですよね、オズモンドは悩みますがリリアンヌに話をしました。
腕輪に関わり始め勇気をもらった事で夫婦関係を少しずつ進めたいと思っていたのです。
そしてその後のリリアンヌの反応ですが、女王という立場を抜きにするとリリアンヌは26歳の女性です。
彼女はまだ子供はいいと言っていましたね。
リリアンヌにはリリアンヌの考えがあり、女王としての務めを果たし、夫であるオズモンドとの思い出を作りその上で子供が欲しい。
きちんと、段取りがあるのです。
この考えについて、リリアンヌは勿論オズモンドも間違っていません。
むしろ、両方とも正しいと言えるでしょう。
ここで、互いの意見や考えが違う事について、向き合える事ができたのはむしろ良かった事だと作者は思っています。
結婚から10年かかりますが、もしこれが20年、30年と互いにすれ違うよりかはずっと良いのではないかと感じました。
そのあとオズモンドが自分ではなく、世継ぎを周りから求められていると言い聞かせるように言っていました。
これを見ると、オズモンドも我慢の限界だったのではないでしょうか?
自分の心がボロボロになりながら、彼女を守らなくてはいけない、そんな苦しい状況に耐えられなくなってきているのです。
作者はここで、オズモンドの嫌だという気持ちや焦りの気持ちをここで吐き出させてあげたいと思っていました。
ずっと我慢するよりも、ここで言う事でリリアンヌに辛い、苦しいという気持ちが伝わりますからね。
その後、リリアンヌはこの言葉を否定せず、むしろ受け止めて「子供を作りましょう」と言っていました。
作者もリリアンヌの気持ちについて色々考えたのですが、この場面だと「嫌だ」と否定するよりも、彼のためオズモンド様の為に何かをしてあげたい、楽にしてあげたいという気持ちの方が大きいし、リリアンヌもそう言うだろうなと思ったので受け止めるような演出にしました。
オズモンドにとっては、「嫌だ」と言われるよりリリアンヌが自分の心に嘘をついて自分の為に子供を作ろうと言う方が辛かったでしょうね。
Ep8
①物語の起承転結の「転」になる部分だと思います。
状況が悪化する事が多いですが、良い事も少しだけありました。
まず、会議のシーンからですがEp7で行っていたオズモンドの証言を元に大臣達に聞き込みをし、世継ぎに関する事を言わないでと注意していました。
これを見ると、Ep7でオズモンドが言っていた事は決して無駄ではない事がわかります。
オズモンドの環境が悪くならないように、むしろ居心地がいいようにしてあげたかったのです。
ですがその気持ちとは裏腹に、オズモンドは故郷へ帰ろうとします。
所謂、妻を傷つけてしまった事もありますし、頭を冷やしたい、現実逃避したい逃げ出したいという感情が多かったでしょう。
作者は逃げ出すことについて悪いこととは思いません、むしろ良い事で自分を守る為にはとても大切な手段だと思います。
オズモンドは自分を守る為里帰りしたのです。
その後、リリアンヌと中庭で出会い自分の気持ちもですし、リリアンヌの気持ちを確認しました。
ここで腕輪が外れるのですが、作者は腕輪を外す事にかなり悩みました。
所謂、物語の破綻に繋がってしまうからです。
作者は腕輪が外れず、好感度MAXに出来るルートも考えたのですが全然思いつかなかったのと、夫婦関係上好感度がMAXになってはい、終わりみたいな事にしたくなかったんですよね。
作者の目線が特殊だったのもありますが、物語のその後腕輪が外れてもオズモンドがリリアンヌに向き合い困難があっても立ち向かえる強さがあって欲しいと思いながら書いていたので、腕輪を外してしまいました。
演出上のインパクトになりますしね、腕輪が外れてどうなるの!?みたいなドキドキ感もほしかったのでそのようにしました。
逆に腕輪をつけたままだと、腕輪をつけている=物語は終わらない、帰ってくると言った感じに帰って来ても説得力ないしハラハラドキドキ感もないので外してしまいました。
(とはいえ、外しても作者はギリギリの状態でした。完結できたのが嘘みたいです)
Ep9
① 主人公であるオズモンド回となりました。
案外オズモンドが、婿入りという事もあって育ってきた背景や価値観がわかりませんよね。
ここで里帰りさせて、オズモンドの考えだったりバックボーンについて触れられれば良いなと考えていました。
オズモンドの家族は大切な存在で、婿入りする前のオズモンドの支えたい精神や子供に対する意識などを形成させてくれた人達でもあります。
そんな人達を少しずつ紹介していければ良いなと思っていました。
オズモンドは母が平民出身で城に行く事を嫌がっていた為、平民と同じように暮らし城は居心地が悪いと言っていましたね。
リリアンヌがいるから、ノーザンデリアの城にいるだけ。
そう考えるとオズモンドにとってリリアンヌは心の支えですし、ノーザンデリアにいる理由なのです。
リリアンヌが自分を認めてくれたからそこにいる、逆に言うとそれしかないのです。
リリアンヌを守る為に10年も耐えて来ましたが、それも嫌になり彼女を手放してしまった。
オズモンドがノーザンデリアにいる理由がないのです。
城に来るようにと言われたオズモンドは、バスティオールに出会います。
バスティオールはリリアンヌを意識したキャラです。
詳しい事は②で書きますが、病弱な王太子であり、オズモンドは王太子代理を何回も務め彼を支えていました。
リリアンヌと最初会った時も「彼女の夫となり支える事が出来る、こんなに嬉しい事はなかった」と言っていました。
オズモンドは自分が主役になるより、サポート役として徹する事を婿入り前からしていました。
幼い頃からの経験が、王配としての糧になっているのです。
その後、父であるバートラムやアルトと出会います。
バートラムに会う前オズモンドは彼に対して「繊細で責任感があり、自分個人より王としての役割を全うしようと生きている」と言っていましたが、実はこれオズモンドに重なる部分を意識して書いていました。
所謂、子供ごとに父親との似たような部分はあると思います。
オズモンドも自分と重ねながら自分の父はこう言う人なんだという表現をしていました。
そう考えるとオズモンドは「繊細で責任感があり、自分個人より王配としての役割を全うしようとしている」このようになります。
Ep7でも「世継ぎなんてどうでもいい、子供が出来ないなら養子を取ればいい、俺は彼女といられればそれでいい」と発言に対して矛盾した考えを持っていましたね。
これは、オズモンドが自分の意見より王配としての責務を全うしようと考えていたからでもありました。
その後、謁見の間を出てアルトに出会います。
アルトはギャグ要員なのですが、同時に良い事を言ってくれました。
「リリアンヌ女王陛下も兄上にもっと近く、側で守って欲しいんじゃないですか?」とこのような現状だからこそ支え合うべきだとアルトは言っている訳です。
因みに、アルトはリリアンヌを「大人の女性には失礼ですが、可愛いらしい方だと思っていたんですよ」と言ってますが、異母とは言え同じ兄弟なので好みのタイプも一緒かなと思ったので意識して書いてみました。
オズモンドもEp0で「可愛い」と思っていましたからね。
その後、リーマ夫人とアンとロアに出会います。
オズモンドは幼い時の赤ん坊の2人を抱っこしていましたね、第一章でも書きましたが子供ができたらこんな感じなのかなと認識させてくれた子供達でした。
ですから、早い段階で世継ぎについて考えていました。
その後、回想としてアゼットとケイトの話がEp9とEp10で入ります。
作者は師弟関係とかなんだかんだ言って好きなので、先生と生徒の関係を描写したいと考えていました。
② Ep9はかなりカットが入っていました、元々話が長い上に文章の前後の関係で入らなかった物を紹介します。
バスティオールを出会う前、オズモンドは最初彼に挨拶に行きますが、これはリリアンヌと兄であるバスティオールを重ねていた為です。
バスティオールはオズモンドから、「兄上とリリアンヌ様は似ている」と16歳のとき初対面したあとオズモンドから聞いているので、
「もしかして、私とリリアンヌ女王陛下を重ねたのかな?」
みたいなシーンを入れたかったのですが、カットしてしまいました。
その後も、バスティオールとフロイラの話を入れたかったのですがカットしてしまいました。
実はバスティオールとフロイラ結婚していますが、バスティオールの体調が思わしくない為、結婚式を挙げていません。
そのため、
「体調が戻ったら、今度オズモンドにノーザンデリアを案内してもらおうかな。綺麗な海を見てみたいよこちらには海がないからね」
「そうですね、私も行ってみたいです。あちらで海を眺めながら結婚式を挙げるのもいいかもしれません」
「確かにこちらでもいいけど、あちらにオズモンドもいるからご縁もあるし、今度あちらに行った時オズモンドに結婚式場を紹介してもらおうかな」
「…兄上がそうおっしゃるなら、いつでもお待ちしています」
みたいな感じにね。
裏設定として、実はオズモンドは人の顔と名前を覚えるのが得意です。
フロイラも一度しか会っていませんが、きちんと覚えていましたよね。
Ep2でも城内にいる者は全て把握していると言っていました。
アルトとのやり取りで、父親の感情がわからないオズモンドが「お前達兄弟が羨ましいよ、全然わからなかった」と言っていましたがその後、
「でも兄上は人の顔と名前を覚えるのが得意じゃないですか。その脳味噌と僕の脳味噌取り替えて下さいよ」
とアルトに言わせたかったのですがカットしてしまいました。
Ep10
① 舞踏会で親子で会話するシーンですが、作者はロマン主義の為このシーンは結構好きでした。
良い大人になったからこそ、親と向き合い話をするとても大切なことだと思います。
ノーザンデリアに帰るきっかけをバートラムが作ってくれました。
バートラムもオズモンドが苦労しているのは勿論わかっています。
責任感の強いオズモンドが帰ってくるぐらいですから尚更ですよね。
ですが、バートラムはオズモンドが帰ってきてもしてあげられる事はありません。
もし、オズモンドに未練が残っているなら帰してあげるのが一番だと考えていたのでしょう、ダメだったら帰ってくれば良いと言っていますしね。
その後、オズモンドはノーザンデリアに帰って行きました。
「城に戻る勇気がなくなってしまったのでオンバ通りに行く事にした」と書いてありましたが、これは腕輪の個人パラメーターを意識しての事でした。
その後大きいトランクをもっていたオズモンドは人とぶつかります。
これは作者がEp0と同じ状況を再現したものでもありました。
ここからがまた、新しいスタートだと言う風に演出したかったのですね。
その後、カイトに新しい願い事を入れた腕輪をオズモンドが付けられます。
で、その時好感度と個人パラメータが使えない状態、クリア後になっていると言っていましたが、ぶっちゃけた話、作者ネタ切れの状態でした。
ギャルゲーの要素を前半で使いきってしまい、ギャルゲーは繰り返し会話したりデートしたりが多いので作者が毎回違うテーマを一話ずつ書いていたらネタ切れになってしまいました。
作者もやばいと思い、とりあえず学園祭はやりたいと考えていたのと絶対完結させたいと思っていたので願いを入れたまま物語を進めました。
その後、王宮に戻りリリアンヌの部屋に行った時、スカーレットの花が咲いていましたよね。
これは、困難を乗り越えたオズモンドにしかわからなかった事です。
スカーレットは物語が終わる為の大切なものでした。
ここからはラストに向けて進むだけです。
その前にカトレアが「うわっびっくりした、オズモンド殿下でしたかお帰りなさいませ」と言ったり、リリアンヌと再会したときに「只今、戻りましたリリアンヌ様」「えぇ、お帰りなさいオズモンド様」と言っていますが、これもEp2を繰り返し使ったものになります。
手抜きじゃなくて、演出上新しいスタートを切ったので序盤にあったやり取りを上手く取り入れたいと思いそのようにしました。
その後、2人で仲良く花を植えますが、そのとき「ここがお前の新しい家だぞ」「すくすくと育って下さいね」と言っていますが、これは花に対してよりもこれから授かるスカーレット、子供に向けて贈った言葉でもありました。
Ep11
① 作者の趣味が爆発したお祭り回です。
やっぱり、ギャルゲーなので攻略対象の女の子は気になりますよね。
作者も伝統を守りながら、出身を別にしたり(王族、貴族、商家、一般)、学年を別にしたり(各学年2人ずつ)とルールを決めて作っていましたが、なんか豚骨ラーメンみたいに濃いメンバーが出来上がりました。
開会式から始まり、1人ずつ交流させていきました。
ここでやはり、クロエと交流させるのが一番大切だったと思います。
Ep1で名前も出ていましたしね。
腕輪関係のキーパーソンでもあったため、願いについてのヒントを言って貰いました。
「幸せにしてあげたい」幸せ=ハッピー→ハッピーエンドといった感じですね。
第二章の中編を読んでいただきありがとうございました。
次はEp12〜16をお送りします。
次は第二章「物語の表現&裏設定」後編をお送りします。




