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冴えない王配に女王陛下の好感度がわかるようになりました  作者: きつねうどん
Ep16 エンドロール
37/47

16-1

これで最終話となります。今までありがとうございました。

途中、視点が変わるためその間を3行分開けておりますのでご注意下さい。

「お姫様、今日はどんな髪型にされますか?」

「えへへ、おかあさまとおそろいがいいー」

と私と同じ瞳で見つめてくる。


スカーレットも今は4歳、子供が大きくなるのはあっという間だ。

この名前は8月に別荘で出会った、私とオズモンド様を繋いでくれたあの花の名前を2人で相談し、その名を娘に贈った。

8月生まれなのも、理由の一つだろう。


「でも、私じゃなくてカトレアにやって貰わなくていいの?」

と私とオズモンド様を合わせたような鮮やかな赤い髪をベットの上で一緒に座りといていく、今カトレアは私の側を離れスカーレットのお世話係をしている。

スカーレットは最近おめかしするのが好きらしく、髪型を色々してみたいお年頃なのだそうな。


「いや、だってカトレアはずっとかみをいじるんだもん」

とリスのように頬を膨らませ怒っている。

とても可愛いなと思ってしまった。

「スカーレットが可愛いから、ついもっと可愛くしようと張り切ってしまうんじゃないかしら?」


「おかあさま、ほんとう?スカーレットはかわいい?」

「えぇ、勿論とても可愛いわ」

と本当の事を言う。

そのあとスカーレットは、

「スカーレットはかわいい!!」

と腰に腕を当て偉そうにしている。

とても可愛らしくて、つい笑ってしまった。


そのあと、「おかあさま、だいすき!!」と小さな体をめいいっぱい使って私を抱きしめてくれる。

そしてそのあと、「まだかな〜、まだかな〜」と私のお腹を撫でている。

そう、私は今オズモンド様との間に新しい命を宿している。

スカーレットが「おとうとがいいー」と言っていたので、もしかしたら男の子かもしれない。


そのあと、スカーレットが何かに気づいたのかベットの上に立ち私の後ろに回ろうとする。

「スカーレット、そうしたの?御行儀が悪いわ」

というかと何かをちょんちょんと指差しながら触っている。


「おかあさま、スカーレットこれほしい!!」

と触っていたのはオズモンド様から貰った髪飾りだった。

これはいくらスカーレットでもあげられない、大切なものだ。


「ごめんなさい、スカーレット。これはね、貴方のお父様から貰った大切な物なのあげられないわ」

と言うとスカーレットが泣き出してしまった。

甘やかしてしまったのもあるが、欲しい物はなんでも手に入れる事が出来るスカーレットにはショックがデカかったのだろう。

そのあとベットの上で「いやだ、ほしい!!ほしい!!」と暴れ出してしまった。


私は我慢しなさいとそのままスカーレットを放置していると、

「もう、おかあさまなんかきらい!!」

と言って自分の部屋から出て行ってしまった。

その言葉にショックを受けた私は落ち込んでしまう。

でも、彼女のいく場所なら大体わかる。

私はゆっくり外に出て、スカーレットを探しに行った。


廊下に出るとスカーレットが「だっこ、だっこ」と言ってその人に甘えていた。

そう、彼女の父親で私の愛しの人オズモンド様だった。


スカーレットは私に気づくと目を合わせたくないのか、オズモンド様に抱きついている。

オズモンド様はスカーレットにポンポンと頭を撫でてなだめていた。

そのあと、落ち着いたのかスカーレットが私を指差しこう言った。


「おとうさま、たすけて。おかあさまがスカーレットをいじめるの!!」

と可愛らしくて甘えている。

その言葉にオズモンド様が驚きながら、娘と私を交互に見ていた。


「あの、違うのです!!スカーレットがオズモンド様から貰った髪飾りを欲しがってしまって」

そう言うと彼は納得してくれた。

「スカーレットごめんな、それはお母様の大切な物なんだ。私があげた物でもあるし、あげられないんだよ」

と優しくスカーレットに言っている。

スカーレットも父親の言葉に納得しているのか、悲しそうな顔をしている。


そのあとオズモンド様が「そうだ!」と言ってスカーレットを下ろし、「ここで待ってて」と自室に戻って行った。

それを2人で待っていると、小さな紙袋を持ってきた。

それは、私が貰った時と同じように可愛いらしい紙袋に入っている。


「安物だし、スカーレットに喜んで貰えるかどうかわからないけど。これで、よければ」

と彼女に渡す。


「オズモンド様、これは?」

「実は5年前にリリアンヌ様に渡す前、その髪飾りを売っていたお店に行ったんです。その時、店主のおばあちゃんが渡すきっかけをくれて、念のためとか言われて似たような髪飾りを買ってしまったんです」

と2人で話しているとき、スカーレットが中身が気になるのか最初綺麗に開けようとしていたが、諦めてしまいビリビリ破いていた。

それをオズモンド様が慌てて回収している。

中から出てきたのは、私とお揃いの黒いリボンの髪飾りだった。


「おとうさま、これおかあさまとおそろい!!」

と嬉しそうにピョンピョン跳ねていた。

そのあと、「おとうさま、だいすき!!」と彼を抱きしめている。


「スカーレット、お母様にごめんなさいは?」

「…おかあさま、ごめんなさい」

「いいのよ、良かったわね素敵な髪飾りを貰って」

「うん」




そのあと、カトレアの声が聞こえる。

「スカーレット様、ケイト先生がお待ちですよ!!」

と言うと、スカーレットは慌てている。


そう、実は俺の母が今ノーザンデリアに移り住んでスカーレットの家庭教師をしてくれている。

元々、家庭教師をどうしようかと悩んでいた時リリアンヌ様が、

「でしたら、貴方のお義母様はいかがですか?とても実績のある方だとお聞きしていますが」

と言われ、母に手紙をだした。


過去の事もあって断られてしまったが、リリアンヌ様も手紙を出し、

「家庭教師ではなく、1人の祖母として娘に会っていただけないでしょうか?よろしくお願いします」

と伝えると母も孫の顔が見たいのか、恐る恐る城に来てくれた。

スカーレットに会った時、母は驚いていた。


多分、幼い頃の王妃様と姿を重ねたのだろう。

スカーレットも王妃様と同じ赤毛の女の子だったからかもしれない。

そのあと、

「もし許されるなら、私が王女様の家庭教師をしてもいいかしら」

と不安になりながらも母は言ってくれた。

今、母はノーザンデリアの市街に移り住み城に通いながら家庭教師をしてくれている。


そのあと、スカーレットは

「おばあさま、こわいんだもん。すぐいかなきゃ!!」

と言ってカトレアと一緒に行ってしまった。


そのあと、リリアンヌ様と俺は午後、爵位相続の立会人として謁見の間にいた。


この日は、ノーザンリバー公爵が長男であるガウリス君に対して爵位を贈与する事になっている。

公爵はノーザンリバー公爵の勲章をガウリス君の胸につけ、そのあと家系図を手渡した。

ガウリス君は父の背中を追い財務省に勤めている、将来は立派な財務大臣になってくれるだろう。

その瞬間を俺達は勿論、ノーザンリバー家全員で見守っていた。


そのあと、リリアンヌ様がお言葉を述べられる。

「こうして、無事爵位が受け継がれる瞬間に立ち会う時が出来たこと誠に嬉しく思います。亡き父も喜んでおられるでしょう」

その言葉にキートン閣下は勿論、ガウリス閣下も深々とお辞儀をする。


「キートン閣下は父が存命の頃、契約書の事で何回も訴えていたのは父も分かっていたと遺書に書いておりました。この条件では、ノーザンリバー家の後継者がいなくなってしまう。そうですね?」

「はい、女王陛下のおっしゃる通りです」

そう、契約書の条件によって自分の妻は勿論子供達もノーザンリバー家を離れる事になり、後継者がいなくなってしまう可能性があった。


「父も考えておられたそうです。爵位だけでも何とかしたいと、長男であるガウリス閣下が成人した後、後継者として爵位を贈与できるように考えていたそうです。自分の妹やその子供達を守る為、公爵には厳しくならざるおえなかったと父も書き記しておりました。ですが、こうして家族全員揃ってこの日を迎えられた事とても嬉しく思います」


爵位という物は後継者がいなければ、次に繋げる事が出来ない。

だから、後継者不足で国に爵位を返還する人達も少なくない。

後継者がいる事は恵まれているし、幸せな事なのだろう。


「それと、この場で一つ父の遺言を実行しようと思います。フランケル・ノーザンリバーとエイル・ノーザンリバーはこちらへ」

二人「はっ、女王陛下」

そのあと、フランケル君とエイル君がリリアンヌ様の前まできて、父や兄と一緒のところで立ち止まる。

ガウリス閣下は二人と目を合わせているが、キートン閣下は目を見開いている。


「近年、王族は勿論、公爵家の後継者不足が問題になっています。そこで、フランケル・ノーザンリバーにはノーザンブリッジ公爵をエイル・ノーザンリバーにはノーザンフォレスト公爵の爵位をそれぞれ与えたいと思います。これからは、キートン・ノーザンリバーを祖とした、公爵家のより一層の繁栄を祈っております」


その言葉にキートン閣下は号泣していた。

無理もない、ずっと自分の爵位への後継者に対して不安に思っていたのだ。

その上で、自分の子供達が公爵となり、この先の繁栄が約束されたのだから。

キートン閣下は「公爵家の父」として、将来語り継がれるだろう。


「王配殿下、彼らに勲章と家系図を」

「はい、かしこまりました」

俺は、勲章と家系図を載せたトレーを持ち彼らの方に向かう。

その時、キートン閣下に声をかけた。


「キートン閣下、少し手を貸していただけますか?彼らの胸に勲章をつけて差し上げ下さい」

「私で、よろしいのですか」

「私は生憎、手が塞がっておりまして。それに、こういう物は父から子へ贈るのが慣しかと。よろしいですか、女王陛下?」

そう、リリアンヌ様に言う。


「王配殿下にその役目を与えたのですから、王配殿下にお任せします」

と笑顔で言ってくれた。

「それでは、お受けいたします」

とキートン閣下は深々とお辞儀をする。


そのあと、フランケル閣下とエイル閣下にそれぞれ勲章をつける。

そして、一度途切れてしまった家系図を渡した。

そのあと、新しい時代を担う公爵達がそれぞれこう述べた。


「今日の良き日に、こうして無事に父から爵位を受けたまれました事、誠に嬉しく思います。私は幼い頃より父の背中を追いかけて参りました。父が築きあげた繁栄を絶やす事なく、より一層の繁栄をお約束いたします。ノーザンリバー家は女王陛下は勿論、この国への忠誠をお誓い申し上げます」


「この度は、ノーザンブリッジ公爵を受けたまれた事、誠に光栄に存じ上げます。公爵として国民と女王陛下の架け橋になれるよう、努めて参りたいと思います。ノーザンブリッジ家の血筋を絶やす事なく、後世に受け継いで参りたいと思います」


「ノーザンフォレスト家は女王陛下や私の祖母の出身でもあり、こうして私が公爵として受けたまれたこと、誠に嬉しく思います。三男と弟の身ではありますが、それに関係なく兄達を支え。ノーザンフォレスト家だけでなく、公爵家そして、王家が繁栄する事を祈っております」


こうしてこの日、3人の公爵が生まれた。

ノーザンデリアの繁栄は約束されるだろう。


そのあと、キートン閣下から婦人会の男性貴族の集まりに参加して欲しいと言われた。

折角お誘いいただいたので、今度参加したいと思う。


そこからまた、25年の月日が流れた…

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月日が経つのは早いものだ、物も変わり、人も変わり、そして今日は王が変わる。


今日は私とリリアンヌ様が、女王として王配としての座を退き、新たな国王が即位する。

元々、後継者問題が解決せず、リリアンヌ様の即位について疑問に持つ者もいた。

次期国王も定まらない為、私が提案したのは故国レコンキスタと同じ「長子継承」だった。


長子継承であれば、第一子であるリリアンヌ様の即位は正当化される。

そして、自分の子供達にも王位継承権を与える事が出来る。

貴族や国民の理解と賛成を得ることができ、元の王朝はリリアンヌ様で途絶えてしまうが、これからまた新しい王朝が生まれる。


長子継承によって、第一子であるスカーレットが女王として即位する。

戴冠式にて、女王陛下から王太子に王冠が被せられた。

最初は心配したが、母ケイトの教育で女王にふさわしい女性に成長してくれた。

「母上、とても重いです。これが長年、母上が背負われてきた国王としての重みなのですね」

緊張しながらも、心待ちにしていたように笑顔でその王冠を受け取る。


「では、後はよろしくお願いします。スカーレット女王陛下」

「はい、母上。新国王即位により、これより二つの公爵の贈与と継承を行う。それでは、新王配殿下は私の前へ」

「かしこまりました、女王陛下」


私とリリアンヌ様が即位した時と同じ様に、王配殿下へ公爵の爵位が与えられた。

二人とも笑顔で見つめあっている。

新しい王配は気立ても良く、優しい青年だ。

スカーレットの尻に敷かれなければいいけど。

あっ、もう敷かれているか。


「それともう一つ、父上とジャック王子はこちらへ」

二人「はっ、女王陛下」

私と同時にそう言った青年は、リリアンヌ様と同じ金色の髪を持ち、私と同じ瞳をし、青と白の騎士団の正装をきた私の息子ジャック王子だった。

私の後を継ぎ、今は騎士団の総司令長としての職を引き継いでくれた。


「オズモンド・ノーザンデリアより、ジャック・ノーザンデリアへノーザンフォート公爵を継承する様に」

そうして、私はジャックへノーザンフォート公爵の勲章を胸につける。

そのあと、私とリリアンヌ様そしてスカーレットと家族全員が書かれた家系図を渡す。

「これからは姉弟(きょうだい)で支え合って、この国を繁栄されていきなさい」

「はい、父上。ノーザンフォートの家名は私達が受け継ぎ守っていきます」


元々、一代のみだと思っていたのにこうして子供が受け継いでくれる事はとても嬉しく思う。

ジャックは姉であるスカーレットを支えるため、宰相の地位が約束されている。

これからは姉弟で支え合ってこの国を繁栄されてくれるだろう。


そして、その後…

「さぁ、参りましょうかリリアンヌ様」

「えぇ、お忍びでスウィーツが食べられるなんて夢みたいです。さぁ、捕まらないうちに行きましょうオズモンド様」


花が咲き始まる3月のこと、ここノーザンデリア王国は今日も平和である。

この国に幸あらんことを!






Ep16を読んでいただきありがとうございました。

これにて、物語は完結いたします。

ここまで、これたのは作者が頑張ったのもありますが、一重に読者の皆様のおかげです。

本当にありがとうございました。

現在、解説の方も第0章はノートの方に下書きを書いたものがありますし、同じように現在第1章も書いております。興味のある方はご覧ください。

かなり新しい情報がありますので、より物語を立体的にたのしめると思います。

解説をご覧になる方は

第0章 「どき❤︎セントライト学園について」をお送りします。

追記:量が多くなってしまったので前編と後編で分割します。

カイトやクロエ、アイリスちゃんの情報もこちらで見ることができます。

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