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冴えない王配に女王陛下の好感度がわかるようになりました  作者: きつねうどん
Ep15 別れの季節
36/47

15-1

花も咲き始める3月のこと、今日はリリアンヌ様の即位10周年の記念式典が行われる、今日は「即位の日」として祝日になっており、今頃リリアンヌ様の顔が見たいと顔を出すバルコニーの下で沢山の国民が待っていることだろう。


俺は、式典用の騎士団の正装着替え、リリアンヌ様を謁見の間へエスコートする為リリアンヌ様を迎えに行った。

リリアンヌ様の自室の扉を開けると、このような声が聞こえてきた。


「いつもより足元が見える様に丈を短くしていますし、歩きやすい高さのない靴を選びましたが、くれぐれもお気をつけ下さい」

「ありがとう、カトレア。でも、オズモンド様がエスコートしてくださるから大丈夫よ。あら?」

とリリアンヌ様は俺に近づき声を掛けてくれる。


クリーム色の繊細なレースが施された美しいドレスを纏い、いつもより軽量の青いマントをしている。

大事な式典の際には服装が決まっているので、確か戴冠式(たいかんしき)もそうだし結婚式の時も同じ様な服装をしていたので、懐かしいなと思ってしまう。


「ご機嫌様、リリアンヌ様。お迎えにあがりました」

「ありがとう、オズモンド様。今日は念のため、重いマントや王冠をつけない様にしたのですが、違和感はありませんか?」

「皆、事情は分かっていますから大丈夫ですよ。それになんだか、懐かしい気持ちになりました。10年前もマントが重すぎて、軽い物にしていましたからね」


「えぇ、今日のもわざわざ引っ張り出してきたものですから。当時は王冠もずっしり重くて顔と同じくらいありましたからね」

と2人で話をしていると、カトレアが声をかけてくれる。

「王冠の方は玉座の隣に置かせていただきました。代わりにティアラを付けようとも考えたのですが、アイリス様がティアラをつけたいとおっしゃっていましたし、リリアンヌ様は髪飾りをつけたいとおっしゃっていましたから、そちらにいたしました」

と言うと、リリアンヌ様が後ろを向いて俺が贈った髪飾りを見せてくれる。

今日は、一つに纏めず後ろで編み込みにした髪をそのまま髪飾りで纏めているようだった。


「よろしいのですか?こんな大切な式典にそのような物をつけて」

「いいえ、私はこれがいいのです。この髪飾りは私にとって、王冠やティアラと同じくらい大切な物なのです」

と笑顔で答えてくれる。

周りの反応も気になるが、もうそろそろ時間なのでリリアンヌ様と一緒に謁見の間へ向かう事にした。


俺が腕を差し出すとリリアンヌ様が手を添えてくれる。

その様子をカトレアは温かく見守っていた。


謁見の間に向かう途中、アイリスちゃんがこちらに歩いてくる。

王妃様の形見であるティアラを付け、淡い紫のドレスを上品に着こなしている。

まさに、一国の王女に相応しい姿だった。

そして、俺たちと同じように白と金色のラインが入ったサッシュを身に付けている。


「お姉様、お義兄様どうでしょうかこのティアラ、お母様に失礼ではないですか?私には少し早かったでしょうか?」

とティアラを少し触りながら、不安そうに俺たちに話しかけてくる。


「大丈夫よ、アイリス。とても似合ってるわ、お母様も喜んでいらっしゃると思うし、驚くでしょうね。こんなにティアラに相応しい、素敵な王女に育ってくれたんですもの」

とリリアンヌ様は満面の笑みで言う。

その言葉にアイリスちゃんは、花が咲くように華やかな笑みを浮かべていた。


「私はお二人を謁見の間でお待ちしていますから、ゆっくりきてくださいね。お姉様もこの先階段がありますから、足元には注意して下さいね。お義兄様もエスコートよろしくお願いします。それでは、ご機嫌様」

とスカートをたくし上げ優雅に挨拶をしてくれる。

そのあと、謁見の間へ向かって行った。

俺はリリアンヌ様とゆっくり謁見の間へ向かう。


そして、扉の前に行くと室内から声が聞こえた。

「これより、女王陛下共に王配殿下が入場されます。皆様はお二人に温かい拍手をお願いいたします」

その声に合わせて、扉が開けられる。

謁見の間には数列ほど人が並び、俺たちが通る中央に合わせて、内側を向き拍手をしてくれる来賓の方がいた。


最前列の内側にはアイリスちゃんと公爵がいる。

俺は、リリアンヌ様と共に玉座に向った後、先にリリアンヌ様を席に案内し、そのあと俺の席に向かい、二人同時に席に着く。


ここには、前列に王女であるアイリスちゃんと公爵家当主であるノーザンリバー公爵。

そして、国の重役である左省官と右省官、各省の大臣。

そしてその後列にノーザンデリアの貴族の当主達がここに集まっている。

一番後ろにはこの記念すべき日を治めようと、新聞記者とカメラマンが待機している。


「これより、女王陛下からお言葉をいただきます。来賓の皆様は御着席下さい」

その言葉に皆座り始め、リリアンヌ様は事前に用意していたスピーチの紙を取り出す、そしてこのように述べられた。


「今日の良き日に、こうして皆様そして国民と共にこのような日を迎えられたこと大変喜ばしく思います。今年で即位10周年を迎え、即位当時右も左をわからぬ私が、こうして支えられ女王として責務を全うできているのは皆様のおかげです。

それと共に王配殿下と夫婦として歩んできた月日も同じく10年となります。この道は決して穏やかで緩やかな物ではありませんでした。しかし、それを乗り越えこうして共にいられる喜びを噛みしめ、これからも支え合っていきたいと思っております」

そのあと、リリアンヌ様は俺の方を見て笑顔を見せてくれる。

俺も、勿論笑みを返した。


そのあと、言葉も終わり紙をしまうが、リリアンヌ様は口を開いた。

「今日、この場を借りて皆様に大切な報告をさせていただきたいと思います」

その言葉に会場は静かになる、皆その言葉を待っていたのだろう。


「私、リリアンヌ・ノーザンデリアは王配殿下との間に第一子を授かりました事をここにご報告させていただきます」

その言葉に皆、笑みが溢れる。

俺も以前から知っていた事だが、嬉しすぎて笑みが溢れてしまう。


「最初、自覚をしたのは12月の頃です。つわりの症状があり、叔母であるノーザンリバー公爵夫人にアドバイスを頂き、安定期に入りましたので良い機会だと思い、この場でご報告させて頂きました。医師の見立てでは今妊娠5カ月との事、8月には母子ともに健康な姿を皆様の前でお見せできるよう、努めて参りたいと思います」

その言葉に皆から、大きな温かい拍手がなり響く。


そのあと式典も終わり、今度はリリアンヌ様とアイリスちゃん俺達王族がバルコニーに向かい、国民の皆様に手を振る。

皆、リリアンヌ様を称えようと百合の花束を手に持っている。

これからも、ノーザンデリアは輝かしい未来を歩んでいく事だろう。


そのあと、三人でバルコニーから去ると「カチッ」と音が聞こえてきた。

その音に俺は安堵する、これで俺は本当の結末にたどり着く事が出来たのだから。

遠くで、俺を呼ぶ声がする。


「お義兄様、どうされたのですか?戻りますよ?」

「何かありましたか?オズモンド様?」

「いえ、もう何もありませんいきましょうか」

そう言って、家族4人で戻って行った。



そしてその数日後、俺はカイトに解除された腕輪を渡した。


「これで本当に終わりだな、色々あったけど、お前にもそうだしこの腕輪に出会えて本当に良かったと思ってる。ありがとう」

「いえ、こちらこそおめでとうございます。そういえば、リリアンヌ様がつけていた髪飾り、特定されて今凄い人気になってますけど、女王様って結構庶民派なんですね」

その、言葉に俺はビックリする。

まさか、そんな事になっているとは。


「あれはな、俺があげた物なんだ。しかも、それキーアイテムだったしな」

「成る程、そう言う事でしたか。でも、僕のいる間に解除できてよかったです。これで安心して、現実世界に帰れます」

「ど、どう言う事だ!!」


「実は3月末に帰ろうと思ってまして、クロエが準備出来たと言っていましたし、僕も願いを叶える事が出来ましたから。もし、良かったら31日の夜に帰りますので見送りにきてもらえますか?」

その言葉に驚く、確かにカイトもずっとここにいる訳にはいかない。

それは俺もわかっていた筈だ、一年という月日がこんなにも早く過ぎ去るのだと初めて知った。


「わかった、必ず行くから。俺はどこに行けば良い?」

「クピトの森にあるクロエの家に来て下さい。クロエも来たことがわかれば、道を教えてくれると思います」

その言葉を最後に俺とカイトは別れを告げた。


そしてその3日後仕事を終わらせ、馬車にのり、まず馬車が停まれるクピトの森の入り口近くにある、旧ノーザンフォレスト邸に向った。

しかしそこには何故か、既に馬車が停まっていた。

しかも、その色は俺と同じ青色の馬車だった。

リリアンヌ様は城に居る、そうすれば一人しかいない。


俺は馬車を停めてもらい、森に近づく。

クピトの森は別名迷いの森と言われている。

不思議なことに一度入ったにも関わらず、入り口に戻されてしまうのだ。

そんな時だった、木々が動き道が作られる。

俺は、カイトが言っていた事を思い出した。


「成る程、クロエが道を開けてくれるんだな」

そう言いながら、森の中に入って行った。


一本道となっており、暗い道を進んでいく、その先にたどり着くと…

「凄い、もしかして魔女達の家か!!」

そう、小さな家が離れたところにポツポツと立ち並び、まるで大きなきのこを(かたど)った物や鮮やかな配色の独特な家が立ち並ぶ。

それに、蛍のような光を放つ物が飛んでいると思ったら、よく見ると人の形をした妖精だった。


「とりあえず、クロエの家を探さないとな」

俺は歩きながらクロエの家を探す。

そうすると、少し奥の方に黒と白のレンガでできたおとぎ話に出てきそうな家があった。

その家の側にある庭にいくと、カイト、クロエそしてアイリスちゃんがいた。


そのあと、アイリスちゃんが俺に気づき涙を流しながら抱きついてくる。

「お義兄様、カイト先輩がもうここにはいられないって」

「あぁ、俺も聞いた。でも、カイトだって別れるのは辛いはすだ。笑顔で送ってあげよう。な?」

と言うと、アイリスちゃんが涙を拭いて笑顔を見せてくれる。

そのあと、カイトが近づいてきた。


「オズモンドさん、アイリス王女今まで本当にありがとうございました。この一年、僕にとって大切な物になりました。ここでお別れですが、僕のことを忘れないでいただけますか?」

「あぁ、勿論だ。お前も俺の事を忘れないでくれよ」

「先輩、アーちゃんでいいです。いつもは嫌がっていましたけど、今日は許します」

「ありがとう、アーちゃん。それでは、二人ともお元気で」


「カイト、準備できたぞ。早くわしの魔力が途切れぬ内に戻れ!!」

とクロエが「グギギ」とくるしそうな顔をしているので、カイトはその魔法陣の上に乗る、そうするとカイトが浮き上がり青い光に包まれる。

そのあと、俺にカイトはこう言った。


「オズモンドさん、これから8周目に行ってきます!!」

その言葉に俺は以前決めていた言葉を言う。

「もう、帰って来なくていいぞ!!」

そう言ってカイトは、現実世界に帰っていった。


〜最終結果〜


好感度 2段階目  1100/2000


個人パラメーター 運動5

         学力5

         流行4

         勇気3

         魅力1

   

願い事 「真実の愛を見つける」

        ↓

    「ハッピーエンドを迎える」


「冴えない王配に女王陛下の好感度がわかるようになりました」

    Game Clear



Ep15を読んでいただきありがとうございました。

次Ep16「エンドロール」で物語は完結いたします。

二人の子供達も出てきますので、お楽しみに!

完結後、解説もありますのでよろしくお願いします。

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