③
丁度、庭師がいたので道具を用意して貰い、植える場所を探していた。
その時遠くから、「オズモンド様、どこにいらっしゃいますか!!」とリリアンヌ様の声が聞こえた。
俺を見つけると涙を流しながら、抱きついてくる。
「リ、リリアンヌ様!!ち、ちょっと!!」
自分でも顔が赤くなり、胸がドキドキしているのがわかる。
恥ずかしいから離れて欲しいのだが、リリアンヌ様はなかなか離れてくれない。
そのあと満足したのか手を外してくれた。
「お帰りなさい、オズモンド様」
「只今戻りました、リリアンヌ様」
そう2人言い合いクスクス笑った後、リリアンヌ様が植木鉢を見る。
「植え替えをするのですか?」
「はい、成長しましたからこれでは窮屈でしょう。今、植える場所を探しておりまして」
「そうでしたか、それなら噴水近くの花壇にしましょうか、そこなら花が綺麗に見えますし」
そう言われ、リリアンヌ様に場所を案内してもらった後、2人で一緒に花を埋めた。
「ここが、お前の新しい家だぞ」
「すくすくと育って下さいね」
そんな事を言いながら植え替えをし、中庭から出る。
そのあと、リリアンヌ様から、
「…あの、手を繋いでもいいですか?なんだか、オズモンド様が恋しくなってしまって」
そんな可愛らしい我が儘を言われ、俺はハンカチで手を拭いた後リリアンヌ様と手を繋いだ。
さっき土がついた時にも、水で洗ったので大丈夫なはずだ。
そのあと一緒に廊下を歩いていた時、リリアンヌ様が口を開いた。
「あの…やっぱり子供を作りましょうか」
その言葉に俺は立ち止まる、そうやって自分の気持ちに嘘をつかれる事はされたくない。
「良いのですよ、無理されなくても。ゆっくり考えれば良いのです」
「私も別荘から帰った後、ずっと考えていました。でも、オズモンド様がここを去られた時驚きました。そこには、私との繋がりになるような物が無くて、あの花だけだったのです、私とオズモンド様の繋がりになってくれそうな物は。だから、子供のように私達を結んでくれる存在が欲しかったのです」
「…申し訳ありません。そのような、寂しい思いをさせてしまって」
「いえ、いいのです。今回のことで、私の中でオズモンド様という存在がとても大切で大きな存在だったと気づきました。誰に求められたからではありません、自分で貴方との子供が欲しいそう思ったのです」
「…それならいいのです。私はリリアンヌ様が、心から望む事に協力します」
「ありがとうございます、オズモンド様。ですが…その…私、自分で言っておきながら子供の作り方がわからないのです。オズモンド様はご存知ですか?」
と俺に対して、真剣な眼差しで見つめてくる。その言葉に俺はこう思った。
(あれ!?もしかして、自覚してない?)
いや、知らなくてもおかしくないがまさかとは思っていた。
女性であるが故に、周りから知らなくていいと言われたのかもしれない。
「その僭越ながら、リリアンヌ様は経験がおありだと思いますよ」
その言葉にリリアンヌ様が、食い入るように俺を見つめこう言った、
「いつ、どこで、誰とですか!?」
「私とに、決まってるでしょ!!許しませんよ、他の男となんて!!」
「私がオズモンド様と…?」
と考え混んでいるようだが、話が話だけに人目が気になるのでとりあえず、近くにあった無人の客室にリリアンヌ様を連れ避難する。
2人でソファーに座り、俺が話を振る。
「これから3つのヒントを言いますので、思い出して下さい」
「わかりました」
「1つ目、貴方が18歳の時です」
「…?」
(まぁ、これだけだとわからんわな)
「2つ目、夜の事です」
「…!?」
「3つ目、夫婦の寝し…」
「もう、大丈夫です!!わかりました!!」
そう言って俺の口を塞いてくる。
そのあと、手で顔を隠しているが赤くなっているようだった。
「成る程、確かに特別な夜だと思っていましたが、まさかそんな…」
(特別な夜だと思っていたのか、今まで…)
「おわかり頂けたようで何よりです」
「確かにあの時、オズモンド様は何というか、男らしいというか大人っぽいと思って…」
「ちょ、ちょっとやめてください、これ以上は!!」
誰かに聞かれてはマズいと思い、たまらずリリアンヌ様の口を塞ぐ。
「でも、これでスッキリしました。オズモンド様と、特別な夜を過ごせばいいのですね」
「…えぇ、そうですね」
(!?)
そのあと俺は“あの事”を思い出す。
そう、7年前の事だ、子供が欲しいものの本当は…
「あっ、あのリリアンヌ様」
「はい、なんでしょうか?」
「その、実は嫌なのではないですか?」
「特別な夜の事ですか?」
「まぁ、それでいいでしょう。最後に特別な夜があった日の事を、覚えていらっしゃいますか?」
「私、何かしましたか?」
「いや、逆に何か嫌な思いをさせてしまったのではないかと思って、その時リリアンヌ様から「いやだ、もう、やめてください」と言われてしまって」
「私、そんな事言いましたか?」
「え?」
「えっ?」
(ど、どういう事だ!?)
「申し訳ありません、その時呼吸をするのに必死で、あまり覚えていないです」
確かにその時、リリアンヌ様は上手く呼吸が出来ず、状況が状況なので仕方ないと思い。
リリアンヌ様を抱き寄せ、背中をトントン叩いたり一緒に深呼吸をして、なんとか落ち着かせながらやっていた。
「確かにそうでしたね、申し訳ありません。私の経験不足が招いた結果です」
「そんな事ありません、とてもお上手でしたよ」
(やめて、本当に!!)
「それにオズモンド様には、命を救っていただきました。母も子供を作るのは命掛けだと言っていましたから、感謝しているのです」
「…!?申し訳ありません、話がよくわからないのですが」
「ほら、息もままならず1時間が経った後、今度は体が痙攣を起こしてしまって、最後は気絶するかと思いました。でも、オズモンド様が寸止めの所で止めてくださったので、そのあと深い眠りに落ちましたが体はなんともありませんでした。そういえばその後、オズモンド様はどうされたのですか?」
そう言いながら首を傾げる彼女に対して、俺はこう思った。
(そんな事で俺は7年も悩んでいたのか!本当によかった、嫌われて無くて!!)
「リリアンヌ様」
「はい、なんでしょうか?」
「これから多分、前と同じようなことが何度も起こります」
「まぁ、やはり子供を作るのは命掛けなのですね」
「ですが、ご安心ください。貴方の命は私がお守りします」
「まぁ、それなら安心ですね。これからよろしくお願いします」
そんな、酷い会話をして俺たちは自室に戻った。
そして、その夜の事
「本当によろしいのですか、リリアンヌ様」
「えぇ、勿論です。私を守ってくださるのでしょう。さぁ、きて、オズモンド様」
(守る余裕なんかないぞ俺!!)
そして、俺たち夫婦は7年振りに、その体を重ねた
Ep10の③を読んでいただきありがとうございました。
これはヒドイ、何気に全年齢作品ですよ大丈夫かね、これ。
作者はギリギリで生きていきたいタイプです。
次はEp10.5過去編「王と父の会話」(バートラム視点)をお送りします。




