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冴えない王配に女王陛下の好感度がわかるようになりました  作者: きつねうどん
Ep6 10年越しのプレゼント
15/47

お待たせしました。頑張ってストック書いたよ(吐血)、制作に苦戦しておりました。

Ep6①②、Ep7①②③、Ep7.5を出来次第投稿します。

6月末に何時も通り定例会議をしていた時の事。


「すみませんオズモンドさん、(しばら)くは定例会議が出来ないかもしれません」

「どういう事だ?」

「ほら、元々次は7月末ですけど、その時期は夏休みでテニスクラブの大会や合宿があるので、そちらに行けないかもしれないんです」

「成る程、そういう事か。確かに大人達は仕事だけど子供達は夏休みだもんな。学生じゃなきゃ出来ない事もあるし、俺に構わず学生生活を楽しんでくれ」

「ありがとうございます。次は出来たら、8月末にしたいと思っているんですがどうですか?」

「いや、そこも夏休みと被るだろう。学校の準備もあるだろうし、落ち着いてからで大丈夫だから9月末でもいいぞ」


「ありがとうございます、では次は9月末で。そうですね、ならオズモンドさんに夏休みの宿題を渡そうと思います」

「この歳になって、宿題を出されるとは思わなかった。それで、どんな内容なんだ?」

「今、一段階目の好感度が4分の3ぐらいだと思うんですが、それが満タンになった時、ある事をしないと2段階目に行けないようになっているんです」

「そうだったのか!?」

「はい、ですから満タンの状態を続けていると、好感度を上げられず無駄になってしまいます。そして、それを解決してくれるのが“キーアイテム”なんです」

「“キーアイテム”?」

「はい、方法は二種類あってその“キーアイテム”を「渡す」か「貰う」ことによって2段階目を開放する事ができます」

「成る程、じゃあリリアンヌ様にも“キーアイテム”があって俺はそれを手に入れるか、逆に見つけて渡せばいいんだな」

「そういう事です」


「なら、カイトはリリアンヌ様のキーアイテムを知ってるのか?勿体ぶらず教えてくれよ」

「実はですね、僕は他の女の子のキーアイテムの詳細と「渡す」か「貰う」かの手段もわかっているんですが、リリアンヌ様のはわからないんですよ」

「そうだったのか!?じゃあ、自力で何とかしないといけないんだな」

「だから、夏休みの宿題なんです。しかもそれに、個人パラメーターも関係していますからね」

「どういうことだ?」

「実はパラメーターの勇気と魅力が関係していて、キーアイテムを女の子に「渡す」方法は勇気が3以上、「貰う」場合は魅力が3以上必要になっているんです」

「ちょっと待ってくれ俺は今、勇気が2だし魅力に至ってはまだ1だぞ!!」

「パラメーターを上げてキーアイテムを渡すにはまだ時間があります。ですから、パラメーターを上げつつキーアイテムを探して下さい」


「わかった、何とかするよ。でも具体的にキーアイテムってどういう物なんだ?」

「そうですね」

と言ってカイトは荷物から、ハンカチを出してくる。

「実はこれ、アイリス王女のハンカチなんですけどオズモンドさんは知っていますか?」

そのハンカチには紫の花とノーザンデリアの国章が刺繍で施されている。

「確かにそれは、アイリスちゃんの物だな、でもどうしてカイトが?」

「実はですね、テニスクラブの練習中に無理してボールを取ろうとして床で肘を擦りむいてしまった時があって。その時、アイリス王女が保健委員だったとこもあってテキパキ応急処置をしてくれて、傷口にこのハンカチを結んでくれたんです。そのあと「洗って返すね」といったんですが、「換えならいくらでもありますから、貴方の好きなようにして下さい」って言われて今でも大切に持っているんです」


「成る程な…、アイリスちゃんがそう言っているならいいけど、実はこのハンカチ世界に一つしか無いハンカチなんだ」

「そうなんですか!?確かに肌触りがいいと思ったんですが、お高い物なんですか!?」

「いや、そうじゃなくてこれは2人の母親、フローレンス王妃の形見なんだ…」


そう、俺もリリアンヌ様から結婚して少し経った頃、

「貴方なら、大切に使ってくれると思って」と刺繍入りの黒革の手袋を貰った事がある。

フローレンス王妃が生前、リリアンヌ様とアイリスちゃんに形見として刺繍入りのハンカチ、ブックカバー、子供用と大人用の手袋とマフラーを2人に贈っていたのだ。

何故それをしていたかと言うと、王妃様は生来病弱な方で寝たきりの生活をおくる事が多かったという。

しかし、前王に愛され自分も王妃としてその思いに応えたいと子供を作った。

王妃様は一回の出産に対して命をかけておられた。

だから、「自分が死んでも子供達が寂しく無いように」と形見を残している。

リリアンヌ様から贈られたのは、大人用の手袋でリリアンヌ様にはブカブカだった。俺が付けて丁度良かったのをみるに男子の後継ぎを望まれていたのではないかと思うと胸が苦しくなる。


特にアイリスちゃんはその形見を大切にしていたはずだ。

「アイリスちゃんは、そのハンカチをとても大切にしてたんだ、王妃様がアイリスちゃんを出産してすぐ力尽きるように亡くなって、アイリスちゃんは母親の声も顔も知らない。残してくれたこの形見だけが母親との思い出だし、繋がりなんだ」


それを聞いたカイトはそのハンカチを見つめギュッと掴む。

「ほら、アイリス王女って口下手というか大切な事を話してくれない子なんです。こんな大切な物を俺のために使ってくれて、渡してくれるなんて凄く嬉しいです」

「アイリスちゃんが、お前の為にあげたなら信頼されているんだろう。大切に使ってやってくれ」

「はい」


「成る程な、キーアイテムってその人の大切な物とか思い出の品なんだな」

「そうですね。ですから、それなりの意味があると思ってます。オズモンドさんもゆっくりでいいですから、探してみて下さい」

「わかった、今日はありがとう」

「じゃあ、今度は9月末にお会いしましょう」

そう言って俺とカイトは別れた。




Ep6の①を読んでいただきありがとうございました。

次はEp6の②をお送りします。Ep6は次で最後になります。

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