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くしゃみ10連発のおかげで  作者: 植松マヤ
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頼みー1ー

とんでもなくお久しぶりです!!長らく更新を停止してしまって申し訳ないです。。。

これからはちょくちょく完結に向けて進めていくつもりですので、また楽しんで頂けると幸いです!


「ハッ! ダッッセー!!」


あの後、部屋を出た私はセオと二人で共有ルームのC型のソファーに腰掛けていた。


セオの大声にボキッとシャー芯が折れた。


カチカチとシャー芯を出し、再びノートにペンを走らせていると、今度はノートが動いてノートに変な文字を意図せず書いてしまった。


……原因は分かっている。

悪の根源は目の前にいるヤツだ。

ヤツが爆笑に爆笑を重ねた挙句、机をバシバシと叩き始めたのだ。


「だぁー! もう、そんな笑わなくてもよくない!?」


とうとう我慢出来ずそう言えば当の本人は「わりぃ、ちょ、待って」と息も絶え絶えにそう言った。


しんどそうだな、おい。


諦めてセオを落ち着くのを待つことにしよう。

そう思った私は暇つぶしにセオを観察することにした。


「…………」


ーーコイツ腹立つぐらい本当に美形だな。 本当にイケメンの次元を超えてる。

あ、ここゲームの中だった。そりゃ次元違うわ。


と、少しズレ始めた思考を戻し、もう一度セオを見る。


いつもはツンツンに上に立っている真っ青な髪は、湯上りで鬱陶しそうに後ろに流している。

そんなセオのレアな姿に女の子達はキャアキャア騒ぐ。

私はそんな彼女達に言いたい、頼むからついでの様に睨んで行かないでと。女子の睨みって結構怖い。


……ん? あれ?


ふと、セオの爆笑している顔を見ていると、彼が八重歯だということに初めて気付いた。

それと、耳に小さい黒いピアスをしていることも。


いつもつるんでても知らないことっていっぱいあるんだなー。


ま、知らないままでも良かったんだけど。


そう思っているとパチリと笑いが下火になってきたセオと目が合った。


「あ? 何見てんだよ、金取るぞ」


どこのチンピラだよ、と言いたくなったのは私だけではないと思う。



そもそもこんな状況になったのは、私がセオに休んでた分の授業ノートを見せて欲しいとお願いしたことから始まる。


え? どうしてセオなのかって?

ええ、本当は頼みたくなんてなかったんですよ。でもね、悲しいかな。よく考えると私、ノート見せてもらえる様な友達、ソフィアとエリちゃん以外いないっ!

しかも、頼みの綱だった二人はタイミングが悉く悪く、全く会えなかったのだ。


なんでだよ!


てな理由(わけ)でお風呂上がりにばったり会ったセオを捕まえて約束を取り付けたのだ。それからここでノートを写していると、暇になったのだろう、セオは今日何をしていたか聞かせろ、と言い始めた。


……だから話してやったのに、このザマだ。


「そう言うセオは?」


そう聞き返せば「んなこと知りてーのかよ。お前暇だな」なんて言葉が返ってきた。


いやいや、暇なのはてめぇだよ。


全身全霊でそうツッコみたくなった。


「………俺、ウィル、ルーナ、ロト…エリザ=トレド。これ、今日の昼メシのメンバー」


突然そう言うなり、セオはチラリと視線をこちらに向けた。


「お前、どう思う?」


「どうってー……」


セオのその質問の意図が分からず首を傾げた。


強いて言うならソフィアがいないことだろうか?


「違ぇ。だいたい、あの女は一人で食べる派じゃねぇか」


確かにその通りだ。ソフィアは私がしつこく誘った時か、 私が隣で弁当を広げて食べ始めた時以外は一人で食べてる。


あれ? なんか悲しくなってきたぞ?

思い返せば全部、私が主体じゃないか! ソフィアから来てくれたことなんてちょっっとしかない。


一人項垂れている私を横目にセオは話を続けた。


「エリザ=トレドが俺らが食べてる近くでコケて、弁当ぶちまけて、それを見かねたウィルが誘ったんだよ」


「お陰で俺の肉が減ったわ」

そう言ってチッと小さく舌打ちをするセオを横目に私は余計に疑問が膨らんだ。


「その後も、そんな感じのことが起こってよ、結局今日の午後からはほぼずっと一緒だったってわけよ」


そこで一拍おき「因みに俺は話が出来すぎだと思ったぜ」と気持ちを読み取ろうとしてるかのように私の瞳をジッと見てそう言い切った。


それはつまり、エリちゃんが故意にセオ達に近付いた、とういうことだろうか?


「ふーん」

ノートを写す手を止めずそう適当に相槌を打つ。


「聞けや」

ガシッと頭を捕まれ凄まれた。


「いててっ、聞きます聞きます…っ!!」


コイツ、手に結構な力込めやがった。頭かち割れてないよね!?


「変だとは思わねぇのかって聞いてんだよ」


思わず自分の頭の形を手で確認する私にセオはそう尋ねてきた。


「うーん、別に?」


主人公のエリザ=トレドが攻略対象たちに囲まれて可愛らしい笑顔を浮かべているゲームのパッケージを思い浮かべる。


セオの言っていた突然エリちゃんがウィル達と関わるようになったのは、故意とかじゃなくて、恐らくゲームが動き出したのだろう。

私というイレギュラーのせいで時期がおかしくなったけど、数日間だけだけどイレギュラーがいなくなったことで、今やっと攻略対象達とのイベントが始まり出したんだと思う。


そう考えれば風邪をひいた自分、ほんとに天才だと思う。茶会といい、私ってば結構すごいのかもしれない!



「…………」

脳内で自画自賛をしていれば、セオが静かなことに気付いた。


「、セオ?」

いつものおちゃらけた雰囲気が消え、真顔でこっちを見てくるセオに戸惑う。


「…お前、なんか知ってんのか?」


「はっ、?」

鋭い質問に思わず声が上ずり、しまったと慌てて口を閉じる。


その行動が良くなかったのだろう、セオはそれを見て確信を得たような顔をして「図星か」と呟いた。



やらかした。

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