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知りたくなかった
大きなベットで静かな寝息を立てる彼女の側に行き、具合を見る。
汗で額にへばりついたの髪をそっと避けてやると、苦しそうだった彼女の表情が幾分か和らいだ。
無防備すぎるその顔に思わず笑いが漏れた。
と、彼女の口がゆっくり開いた。
起こしてしまったかと思ったが、それは杞憂だったようで、
「…………いよちゃん、いかないで」
そんな小さい呟きだけが聞こえた。
あからさまにこの世界では存在しない名前だった。
どうして彼女がその名前を発したのか、その意味を理解するのにそう時間は要らず、その瞬間ストンと自分の表情が消えるのが分かった。
まさか、でも………そうか、それなら辻褄は合う。
……彼女も同じなら。




