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くしゃみ10連発のおかげで  作者: 植松マヤ
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お疲れ様

「ね、いったい皆どーしたの?」

歩くスピードを合わせてくれるウィルにそう尋ねた。


「どうしたと思う?」

クスクスと笑いながら首を傾げた。


あれ、どうしよう、質問を質問で返されちゃったよ。



「わわっ!」

ウィルの返しに戸惑っていると、女の子の軍団に押された。


「ウィル様!」

「今日も麗しいですっ!!」

「こ、こんばんはっ!!」


ウィル達が集まっている時は皆その顔面偏差値の高さに怖気付くのか女の子達は寄ってこない。


だけど、それぞれが一人になったら時は話は別だ。


こんな風に一気に女の子達に囲まれる。


そしてこんな風に横を歩いていた場合、私はあっという間にその女子の包囲の外にはじき出されるのだ。


女子コワイ。


「こんばんは」

妖艶な笑顔と共に挨拶し返すウィルは本当に罪作りな男だと思う。


今日もまた女の子がウィルの笑顔に卒倒していってる。



「さて、私はどーしよっかなー」

バーにはウィルがなんやかんやで行ってくれるだろう。


ロト達の所に戻ると言っても、まだあの調子だろうし面倒くさいな。


ほら、あっちからガリガリとセオが机を叩く音が聞こえるしー……って、あれ? ガリガリ?



恐る恐る音がした方向を見るとそこには創造部の部長が一心不乱に木を削っていた。


え、ちょっ、部長、何してんの!?


「違う! こんなんじゃないっ!!」


「君、確か創造部の部長よね? こうゆうことは自分の部屋でやってくれるかしら?」


木の形をした木彫りを手に頭を抱える部長の元に長い髪の綺麗な女の先生がやって来た。


確かあの人は数学の先生だったはず。


「部屋だとインスピレーションが湧いてこないんだっ!」


キッと先生を見上げる部長。

部長、ガタイのいい男の人だから何か迫力がある。


「連れて行きなさい」

パチンと指が鳴ると、どこからか部長と負けず劣らずガタイのいい男子生徒が二人出て来た。


あ、この人達、先生の信者だ。


前にあの先生の授業を一番前の席で聞こうと、授業前に騒いでいたのを覚えてる。


てか、この人達今どっから出て来た!?


二人の男子生徒は、戸惑い「インスピレーションがぁー!!」と叫ぶ部長を引きずるようにして共有ルームを出て行った。



部長……普段はあんなんじゃないのにな。

熱中すると別人だな。


そう思いながら歩きだすと誰かにぶつかった。


「ご、ごめんなさー……ってソフィア?」

「あらティナじゃない」


「珍しいーね、ソフィアが共有ルームに来るの」


「来たんじゃないのよ、食材きれたから貰いに行ってた通り道よ」


あっ、ナルホド。


「それにしても未だ不思議だわ、ティナがちゃんと自炊できてるだなんて」


「ちょっ、それ何回目!? 私だって料理ぐらいできるよ!」


ソフィアは昼休みに私が自分のお弁当箱を開ける度に今みたいに感心した顔で言ってくるのだ。


「ガジュマル枯らしたくせに」

「……HAHAHA」


ガジュマルとは枯れにくいことで有名な観葉植物だ。


ちゃんとお世話していたハズなのに何でだろうね、枯れちった。


そういえば、ガジュマルの枯れた姿を発見した時、クリスに「姉さん何したの?」と言われたのも記憶に新しい。


そう遠い目をしていると、誰からか視線を感じた。


見れば、どうやら見ているのはソフィアとペアを組んだ男子生徒だった。


「ヒィ……!」


めっさ睨んでるっ!!


と、同時にソフィアに熱い視線を送っているのに気付いた。


まぁ、彼だけじゃないんだけどね?

ソフィアさん美人だからなぁー。


「ソフィアさん流石っす」

「何言ってんのティナもでしょ、半分はティナのこと見てるわよ」

「あっはー、ナイナイ……」


そう言ってから気付いた。


あれ? 今の私の容姿ってティナ=シーナだから外見はソフィアとどっこいどっこいなんじゃない!?


おおっと! これはきたんじゃない!?

遂に! 私に! モテ期がっ!!


内心ガッツポーズをしながら、バッと男子生徒達の方を向けば、サッと目を逸らされた。


あれ?


「何やってんのよ」

「ソフィア、やっぱ私には当分モテ期は訪れないと思う」


半分は私にっていうのはソフィアのお世辞だったようだ。


ゴメンって、君らはソフィアを見てたのに勝手に自分にだとか勘違いしてゴメンって。


私が悪かったからそんな勢いよく視線逸らさないでよ。

傷つくぅー。


「なんかよく分からないけど頑張れ」


そう励ましてくれたソフィアに「うん」と頷いた。


やー、にしてもソフィアのペア君とは仲良くしたいんだけどなぁー。


言っちゃ悪いけど、彼の顔、中の中だから見るとホッとするんだよ。

周り顔面偏差値高すぎなんだよ、コノヤロー。


「じゃあ行くわね」

「もう行っちゃうの?」


「ええ、言ったでしょ? 通り道だって。

それにこれ以上居たら面倒くさいことになりそうだし」


チラッとこっちに来ようとしてる中の中の彼を見た。


「あの人重いのよ」


眉を寄せそう言い放ったソフィアは疲れているように見えた。


〜心底どうでもいい話〜



本文でソフィアの


『それにしても未だ不思議だわ、ティナがちゃんと自炊できてるだなんて』


っていう台詞で、間違えて『それにても未だふっふっふ』って打っちゃった時は一人で吹いた。

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