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くしゃみ10連発のおかげで  作者: 植松マヤ
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カオス

「ね、ね、聞いた? 来月には壱ノ国に着くって話ー!」


ウィル達と大富豪をした日から毎日、晩御飯を食べた後、三階のこのバーのある共有ルームに集まるのが私達の日課となっていた。


や、初めの方は結構抵抗したよ?

けどさ、4対1なわけ。

そりゃあ1の方が負けるわけ。

もう途中から抵抗することを止めたよね。


「はっ、お前遅れすぎだろ。それ一週間前の話題だぜ?」


なんだって!?


思わず水の入ったコップから口を離す。


「マジ……?」

「マジ」

真剣な顔をして答えるセオ。


「そんなぁー!!」


ダンッとコップを机に置けばルーナンに「うるさい」と、とても迷惑そうな顔で言われた。


スンマセン。


「仕方ないよ、ティナ先週は部活でそれどろこじゃなかったんでしょ?」

ウィルがフォローを入れてくれる。



「確か創造部に入ったんだっけー?」


そう聞いてきたロトはテニス部に入ったらしい。


ちなみに、ウィルとセオはバスケットボール部、ルーナンはヨット部。


ヨット部があるって聞いた時、結構驚いたけど、そこにルーナンが入ったって聞いた時の方が驚きは大きかった。


や、だってルーナンって「身体動かすのなんてメンドクサイことなんでしなきゃなんないの」とか言いそうなんだもん。


うわっ、本当に言ってそう。


そんなことを勝手に思いながら「うん!」とロトの質問に答えた。


「鮭をくわえた熊の大きいな木彫りを作ってるんだー!」


ちなみにこのデザインを決めたのは創造部の部長であって私ではない。



文化部の部長は一番年上でかつ、一番熱血そうな人がなることになっている。


おかげで文化部部長会議はむさ苦しいんだとか。



「木を削るのってあんな体力使うなんて知んなかった……おかげで今日も腕筋肉痛だよ」


そう言えば「どれどれー……」と腕にチョップをかまそうとくるセオ。


おいおい、待てよ。


セオのチョップをサッと避け、お返しにセオの足を踏んでやった。


「ってめ……!!」

「ざまぁ」

「よし、オモテ出ろや」


「わー、ティナちゃん、オモテってどこだろーねー」


手をボキボキと物騒な音を鳴らしながら言うセオにすかさずロトがおちょくりに入った。


「本当にねぇー。あ、もしかして校舎裏のこと言ってるのかなぁ?」


「あー! そーゆうことかー! もー、今時の子は言葉が足りなくって困るわぁー」

「困るわぁー」


「チッ、2対1は卑怯じゃねぇかよ。

よし、ルーナてめぇも手貸せ」


「ちょっと、なんでそこでコッチにくるわけ?」


「あ? んなの決まってんだろ。

ほら見てみろよ、ウィルの野郎この状況下で一人メニュー見てんだぜ? あてにしちゃダメだろ」


確かに……!!


ルーナンも納得したのか「あ、新メニュー出てる」なんて言っているウィルを見てため息を吐いていた。


「えー!? 新メニュー出てるのー!?」

ロトが食いついた。


「うん、ほら」

ウィルがメニューをテーブルの真ん中に置いた。


「あ! 本当だ、増えてる!」

「増えてんのはモンブランとチーズケーキか?」

「ぽいね」


「えー、どれにしよー! 迷うー!」

「ティナ、この時間に食べたら太るよ?」

「大丈夫、太らない」

「その自信はどっから生産されんだよ」

「セーちゃんうっさい」

「っ誰がセーちゃんだ!? シバクゾ」


そんなことを言いながら私の頭を片手でグワングワンと回す。


や、もうしばいてるから。

現在進行形だから。



**



「皆何にするか決めた?」

ウィルの問いかけに私とロト以外の二人は頷いた。


「俺はチーズケーキだな」

へー、セオはチーズケーキかー。


「俺はチョコケーキ。そう言うウィルは?」

意外にルーナンは甘党らしい。


「俺は苺タルトかな」

ですよね。


「ティナとロトは?」


「もうちょい待ってください」

「じゃあ、十秒以内に決めろよ」

「えっ、ちょっ、鬼っ!!」


そう言えばケタケタと笑いながら「時間以内に決めなかったらお前水な」なんてのたまうセオ。

本当容赦ねぇな。


「ウィルくん、ウィルくんー、これとこれどっちがいいかなー?」


ふとウィルに意見を仰ぐロトの声が聞こえた。


ロトが聞いた時、ウィルの顔が一瞬、曇ったように見えた。


いや、そんなわけないか。


「そうだなぁ……」と呟くウィルに少しだけ首を捻らせた。


と、ロトが絶賛迷っているっぽい二品が目に入った。


「あ、ロト、もしかしてモンブランかショートケーキかで迷ってる?」


「えっ、うんー! もしかしてティナちゃんもー?」


驚いた顔でメニューを片手にコッチを見た。


「そーなんだよ! あ、じゃあさー、二人でモンブランとショートケーキそれぞれ選んでさ、半分こにしない?」


これなら二つとも食べれる!

まぁなんて名案なんでしょう!


そう自分の提案に一人酔っていると、皆がポカーンと私を見てるのに気付いた。


え、私何か変なこと言った!?



「……そっかぁー、それはさすがに思いつかなかったなぁー」

心底驚いた顔でそう独りごちるロト。


「……っは、はははっ!!」

爆笑して丸机をバンバン叩くセオ。


「へぇー……」

何かを考えはじめたルーナン。



うわぁ、カオス。



「じゃあ皆決まったみたいだし、注文してくるね」


何事も無かったかのように立ち上がるウィル。


ちょ、ウィル! 待て、私も一緒に行くぅー!


そんな思いが届いたのか彼は「ティナも行く?」と声を掛けてくれた。


行きます、行きます、行きますとも!!

カーオスのぉー、対義語はぁー、コスモスぅーらーららー♪︎

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