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くしゃみ10連発のおかげで  作者: 植松マヤ
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生誕祭-5- 王宮の一室にて

今回は視点無しでいきます。

敢えて言うなら神視点です。

「アイツ遅くね?」

青色の髪の男が怠そうに机に足を乗せながらそう言った。


「もうすぐ帰ってくるんじゃない?」

桃色の髪の彼は面倒くさそうにそう言って足を組んだ。


「いつぐらいに帰ってくるか賭けようぜ。

もちろん俺はまだ帰ってこないに賭ける」

「じゃあ、俺が勝ったら今度のパーティーでピアノ演奏して」

「はっ!? ピアノかよ!?」

「ピアノちょっとは弾けるでしょ?

それに嫌なら勝てばいいだけの話じゃん」

「んの代わり! ルーナが負けたら女装して城ん中歩き回ってもらうからな!?」

桃色の彼の顔は美人に見間違われるくらいとても可愛らしい顔をしているのだ。


「ははっ、面白いことしてるね」

隣の部屋から豪華な衣服を纏った綺麗な顔立ちの金髪の彼が、笑い声を上げながら入ってきた。


「あ、ウィル、着替え終わったんだ」

「うん、思ったより結構かかったよ。

それで何やってたの?」

「賭けだよ、俺が勝ったら今度のパーティーでセオはピアノの演奏で、俺が負けたら女装」

「へぇー、勝つ自信は?」

「あるに決まってんじゃん。

セオ、ピアノの練習今からしといた方がいいんじゃない?」

そう言ってハッと鼻で笑った。


「はぁ!? ちょ、待て、何で俺が負けることになってんだよ!?

まだ分かんねぇだろ!?」

そう青色の彼、セオが言った瞬間、「遅くなったー!!」

と、バンッと大きな音を立てて部屋に入ってきたのは橙色の髪の彼だ。


「え、何何ー?」

どうやら皆の視線が自分に集まっていることに気付いたようだ。


「俺の勝ちだね」

「チッ、ロトお前何で帰ってくるんだよ!! つーか、おせーよ!」

「え、えー!? ちょっ、言ってることメチャクチャだからー!!

ってか、何で僕が責められてるのさー!!」


そう叫ぶ他の三人と比べて小柄な彼の顔も同じく整っていた。

三人はそれに加え、オーラが出ているものだからもうお分かりだろう。

そうこの四人は、各国の王子達だ。

ただ一人、橙色の彼はオーラは出ていないのだが、彼もまた王子である。


「ロトおかえり。どうだった?」

「ピアノ練習めんどくせぇ」と頭を抱えるセオをクスクスと笑いながら金髪の彼、ウィルはロトの右耳に付いている雫の形をしたイヤリングを指差した。


「そうそうー! これ本当に凄かったー!! 僕が王子なんて誰にも気付かれなかったよー!」

そう言いながら右耳からイヤリングを取った。

途端、他の三人と同じオーラがブワッと彼の身体から出てきた。


「何回見てもすげぇな」

「そういえば、これどこで手に入れたの?」

「あ! それ僕も気になってたー!」

「何年か前のパーティーで『マリンschool』の学園長に会ってもらったんだよ。『どうせ使うことになるからちょっとお試しやってみる?』って」


「なるほどー! それでかー!」

「つーかよ、お前帰ってくんの遅すぎんだよ。

もうウィルの顔合わせ始まんじゃねーか」

「いやっ、それがさー……ううんー、やっぱり何でもないー」

「いや、何だよ」

そう言ってロトにチョップをかました。


「いったー! ちょ、暴力反対ー!!」

「ちょっと、ロト煩い」

「え、え!? ちょ、僕だけー!?」

「煩い」

ピンク色の彼、ルーナは絶対零度の視線をロトに送った。

「ゴメンナサイ」

そんな彼にロトは直ぐに謝った。



「つーか、そろそろ時間じゃね?」

「あ、本当だ。最初はどこの家から?」

「トレド家だよ」

「あー、あの化粧落として笑ったら可愛いだろうなー……て感じの女の子がいるとこだよねー?」

「あぁ、あの子ね」

「あれか」


他国の上級貴族なんて一回ぐらいしか見たことないはずだが、一度見ただけでその人の顔と名前を覚えてしまう辺り、さすが王子としか言いようがない。


「じゃあ、行ってくるね」

「うんー! 帰ってきたら誕生日お祝いしよー!」

「行ってらっしゃい。そうだね、その為に集まったからね。早く済ませてきてよね」

「だな、行ってこい」


各国の王子達に見送られてウィルはクスクスと少し笑った後、スッと背筋を伸ばし、部屋を出ていった。

その姿は気品と威厳が溢れ出ていて、将来玉座に座る彼を想像させた。


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