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くしゃみ10連発のおかげで  作者: 植松マヤ
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生誕祭-3-

「ごきげんよう」

心の中で叫んでいると、私とアショウさんの間に割り込むようにやって来たのはいつぞやのお茶会の主催者、エリザ=トレドさんだった。


「少しシーナ様を借りても宜しいでしょうか?

上級貴族同士話したいことがあるんですの」

そう、上級貴族はシーナ家とトレド家、そしてあと2家ある。

もう2家がなんて名前だったかは忘れた。

リリィが前言ってたような気がするけど、記憶にない。

ごめんリリィ。



「さぁ、シーナ様こちらに」

アショウさんに掴まれていた手をべリッと外し、私の腕を引き、違う場所に移動した。


「えと、トレド様、ありがとうございました。

あの、話というのは……?」

正直、お茶会でのエリザさんはあまり印象の良いものではなかった。

だからかもしれないが、エリザさんが言う言葉に警戒してしまう。


「あぁ、嘘ですわ」

ん!? 嘘!?

「ああでも言っておいたらあの人も口出し出来ないと思いましたの」

あれ、なんかいい人?

「ありがとうございました。助かりましたわ」

そんなことを思いながらペコリと頭を下げた。


「そういえば、王様たちとの顔合わせはまだみたいですね?」

周りを見渡したところ、お城の人に呼ばれている様子はない。

これはもしかして……!


「ええ、そうですわね。

まぁでも、もう少ししたら呼ばれるかと思いますわ」

それがどうしましたか?

と首を傾げた。

エリザさんは、ソフィアのような綺麗美人ではなく、微笑んだら天使みたいなんだろうなー……って感じの可愛い系だ。


「いえ、もしかしたら顔合わせが中止にならないかなー……ごほんっ、中止になってしまうのかしら、なんて思いましたの」

誤魔化すようにおほほほ、と上品に笑った。

ヤッベ! ヤッベ!!

口滑っちゃったよ、バレた? バレたかな!?

いや、でも上手く誤魔化した! と思う。

うん、多分。


「そうでしたか」

よっしゃー!!

エリザさんが納得したように頷いた瞬間私は心の中でガッツポーズをした。


「……」

「……」

話すことがなくなり沈黙が訪れた。


「……あの、ティナ様とお呼びしても?」

暫くの沈黙の後、少し恥ずかしそうにそう聞いてきた。

「……っ!!」

待って、上目遣い待って。

何この子! 小動物感スゴイんだけど!?


「も、もちろんですわ。

私もエリザ様とお呼びしても?」

そんな彼女に少しキョドってしまったのは仕方ないと思う。


もしかして、お茶会の時に言ってた『庶民と一緒なら学べることもー……』って、本当に彼女が心から思っての言葉だったのかも。

そう思うぐらい、今エリザさんに対しての印象は当初より良くなっていた。


「では私、少しお手洗いに。

先程は本当にありがとうございました」

そう言えば彼女は「はい」と真顔で頷いた。


「あ! エリザ様、今度貴方の笑顔が見たいです。

きっとすごく可愛いでしょうから」

もっと仲良くなれたらいいなー。

エリザさんに微笑み、私は大広間を出た。



「私の笑顔……」

私の後ろ姿を見ながらエリザさんがそう呟き、少し嬉しそうに頬っぺたを触っていたことなど、言葉にした途端凄くトイレに行きたくなって、急いでいた私は全く気付かなかった。




「はぁー! 間に合ったー!!」

結果からいうと、トイレは間に合った。

完璧だ。

「さて、戻ろーっと」



「ん? どこここ」

確か、トイレから出て、大広間に戻ろうと来た道を戻っていたハズなんだけどー……うん、迷った。

これは完全に迷いましたね。

やっぱり、トイレの事しか考えてなかったからあんまり周り見てなかったのがダメだったかなぁー……。


「取り敢えずお城の人探せばなんとかなるかな」

そう思い歩き出した。


はい、迷子です。

ティナは安定の迷子です 笑

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