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【90】聖女様とパレード(7)

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5/30(月)~6/5(日)9:00


ラフィーネはオルフェルを守りたいと強く願った。


すると意識がスーっと落ちていった。


何故かラフィーネは光の中に立っていた。

光のローブを身に纏っている。


そして目の前にこれも光輝くローブの美しい女性が立っていた


「守りたいですか?」


女性の声が頭に響く


「守りたい!

オルフェル様を!

愛する人を!

守りたい!」


「なら……」


女性は手を差し出した。その手のひらの上には金色に光る光の渦があった。ラフィーネは両手で受け取り胸の前に持っていく。

その光の渦はラフィーネの胸に吸い込まれていった


「この事は誰にも話してはなりません」


女性の言葉にラフィーネは頷く


「秘密は秘密のまま……。でなければ魔王に気付かれます」

「魔王?」


「魔力に取りつかれた者の成れの果ての姿です。

ヒトを守る者と対極にいるヒトを傷付ける魔法に喜びを見いだす者です。気を付けなさい。今あなたの直ぐ近くにいます」


どうすれば良いのだろう?


「ラフィーネ。魔法は言葉にしてはなりません。じっと見てもなりません。心に思い浮かべて念じるのです。

怯え震えても心の中ではしっかりと意識を保ち、守りたい者の為に魔法を念じなさい。

誰かを守る……それがあなたの本質です」


その言葉を最後に女性は消え去り、ラフィーネの意識は戻る。


騎士ミーアキャンベルにしっかりと抱かれたラフィーネの視界の先に、今にもビックホーンに襲われそうなオルフェルがいた



──守りたい!



ラフィーネは念じる



──愛する人を守りたい!



そして愛する人を思い浮かべる



──オルフェル様を守りたい!



ラフィーネはそう思うと、心の中で光がオルフェルを中心に半円形に渦巻いている領域をイメージした。意識が薄れゆく中……心の奥でその魔法を唱えた



『──絶対聖域(サンクチュアリ)──』





☆☆




オルフェルは迫り来るビックホーンに備えて身構えた。自身の後方には逃げてる親子連れがいる。避ければ犠牲になる。自分なら……。

オルフェルは自分に防御魔法をかけた。骨の一本くらい折れるかもしれないが、まあ死ぬことは無いだろう……。

失神でもして追い討ちをを掛けられたら、その限りではないが……。


──ラフィーネ……すまない


直前まで迫ったビックホーンの大きな角。

衝撃に備えたその瞬間!



──なんだ?!



足元に光が溢れ出し、金色の光の渦となり天へ向かって昇っていく……。

その光が天高く達すると天空で広がり、半円形に領都全体を覆った。


人々が放心してその状況を見つめていた。


光がグルグルと左回りに渦巻いている。

空がオーロラのように七色に揺らめいている。


そして五分もしないうちに光が弱まり、消滅した。



あの魔物。数百体のビックホーンとともに……。



オルフェルも今起こった奇跡を信じられずに立ち尽くしていたが、ふと我に返ると


「兵士達よ!現状把握を急げ!負傷がいれば近くの神殿へ運び、治癒魔法を受けさせろ!治療費は全てこちらへ回して良い!我々は一度水晶宮へ戻る。騎士達。付いて来い」


オルフェルは水晶宮へ戻る途中で馬上で、ラフィーネを抱くミーアキャンベルに合流した


「ミーア。何があった?」

「いえ……殿下がビックホーンに襲われると思って失神したようです」


もしかしてあの魔法……ラフィーネが関係するのか?


「見慣れぬ魔法の発動時、ラフィーネはどうだった?」

「失神したままでした。ずっと見守っていましたが、魔法が消えるまで何の変化もありませんでした。

ずっとこのように失神されたままで……」

「御苦労。ミーア。ラフィーネはわたしが預かろう」


オルフェルはミーアキャンベルからラフィーネを預かると彼女を起こさぬように[青い水晶宮]へとゆっくりと馬を歩かせた。




☆☆



「ひゃは!あれは何なの?すっごいヒリヒリするけど……」


先ほどまで光の渦に呑まれ、少年の全身に痛みが走った。少年は隣に横たわる、息も絶え絶えの女に声を掛けた。


女の肌は薄い青紫で髪と瞳と唇と爪は赤紫。ローブは焼け落ち、裸身が露になり身体中火傷の跡がひどい。


女は地面に脚を投げ出して両腕で身体を支えていたが、腕を折り地に倒れ込む



「あらら?どうしちゃったのバエリンちゃん」



少年は屈んで不思議そうにバエリンの顔を覗き込んだ。






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― 新着の感想 ―
[良い点] オルフェル君よかったね! ラフィーネちゃんに好かれてて! [気になる点] みなみちゃんがラフィーネちゃん弱っちいなんて、 言ってたけど、守ることのほうが強さを発揮するのよね。 [一言]…
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