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どれが一番好き?

「わあ。抹茶が効いていて美味しい!」

「うめえな。イイ仕事してるなあ。色だけで風味のないマカロンって結構あるよな。」

などという声が聞こえ、切り分けたマカロンタワーはみんなを笑顔にしていた。そう。色だけで風味がない上にやたら甘く、食感がジメっとしたマカロンも世間ではよくお見かけする。

「朝日も陽菜も少しくらい一緒に座れないの?」

「あ。イヤ、仕事中だから。」

座りたいのは山々だが、二人揃って休憩というワケにもなあ。

「店長も副店長も休憩してください。」

「悪いね。しばらくお願いします。」

ばあちゃんの声が聞こえたらしく、店頭にいたスタッフが二人分のコーヒーを運んできたので、ありがたく休憩ということで座ることにした。

座った時にケーキスタンドを見ると、ほとんどのスイーツがなくなっていた。たくさんの種類を楽しんで欲しかったから小さく作っておいたんだが、正解だったな。みんなの近況の報告の話に花が咲く。今日は来ていないが、従兄弟たちの元気そうな様子を聞くこともできた。そんな中、やっぱり気になるのが、今日の感想。ばあちゃんにまず聞いてみよう。

「ばあちゃんはどれが気に入った?」

「どれも美味しかったけど、お餅のが特に気に入ったわ。歯にくっつくかと心配だったけど、大丈夫だったから嬉しかったわ。」

「みどり包み」が気に入ったらしい。そうか。じいちゃんやばあちゃんくらいのお客様は抹茶味ってこと以外に、歯にくっつくかどうかということも考えないといけなかったな。求肥は意外に大丈夫だったのは幸いしたな。

「俺はクリスマスツリーとビスケットが好きだ。クリスマスツリーを近いうちに配達してくれ。」

「ご、ご注文ありがとうございます。」

俺もケーキスタンドからスイーツを手にとってコーヒーを飲む。陽菜もマカロンをつまんで楽しそうにおしゃべりしている。

まだツリー呼ばわりしてるよ。この相変わらずなところは、元気な証拠だということにしておこう。

「俺は、やっぱりイチゴショートだなー。今度また買いに来るよ。さて。みんな、そろそろ帰ろう。今日はありがとうな。」

幹太おじさんが言い出した。

「お待ちしております。今日はありがとう。絶対また買いにきてね、幹太おじさん。清おじさんもだよ!」

「おう。ヨーグルトのゼリーを用意しといてくれ。そうだ。あのマシュマロの入った板みたいなの、家に土産に包んでくれるか?」

ムースをゼリーと呼ぶ無頓着さは親父やじいちゃんとそっくりだ。憎めないおとぼけに思わず笑顔に噴出してしまった。

「ロッキーロードね。ホワイトと黒と両方にしとく?」

俺の問いに清おじさんは笑顔で頷いた。清おじさんの子供、つまり俺らの従兄弟へのおみやげだろう。おじさんはこういう物を食べないけど、従兄弟の拓哉とユーリはチョコが大好きなんだ。

「朝日くん。ウチも同じのを包んでくれる?あと、マカロンまだあるかしら?」

「はい。ロッキーロードとマカロンですね。」

じいちゃんの弟の奥さん、つまり大叔母さんもお土産を買っていってくれるらしい。ありがたいことだ。


そういえば。忘れていたけど、どうなったんだろう?再びケーキスタンドに目をやると、きなこアラモードは一つも残っておらず、グラスを見るとキレイに食べてもらえていた。よかった。直接的に一番おいしい、とは言われなかったけど、スタートとしてはまあまあだな。今日をお披露目にしてよかった。

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