マカロンタワー。
「食べられるの?」
「今日のは食べられるものをご用意しました。」
陽菜が得意げに微笑むと、みんなの目が輝いた。
実際、マカロンタワーというのは、食べられない、飾り専用のものも多い。店のディスプレイ専用に作られたタワーは食べられない場合が多いので、みんなの反応も納得である。しかし、いくら緑色だからといって、ツリーと呼んでしまうのは、じいちゃんくらいだろう。
食べられるタワーの場合はたいてい、中身をスポンジにしてある。小さなサイズのものの場合は、アイスクリーム用のコーンを何個か使ってタワーにすることもある。今回のは前者だろう。昨日、スポンジを大量に焼いているのを目撃している。何に使うのかと思っていたが、今思えば、このために焼いていたんだな。
まず、上の方から、横にナイフを入れる。マカロンの列を崩したり、マカロンを切断しないように大皿に移す。そしてさらに切り分けて小皿に移す。そしてまた本体に横にナイフを入れて、大皿に移し、切り分けるという作業を繰り返した。人数分切り分けたところで、周辺を飾っていた蕨餅や抹茶生チョコ、チョコレートのリボンも切り分けて小皿に添え、みんなに配った。
「どうぞ。食べてみてください。」
陽菜の声に、それぞれがフォークを手にしたり、マカロンをはがして素手で食べ始めると、やはりこんな声が聞こえた。
「へえ、意外な組み合わせね。」
意外というのは、ココアスポンジのことだ。中身はココアスポンジと抹茶のクリーム。ここでココア生地を使うあたり、なかなかである。マカロンが抹茶なのにスポンジまで抹茶ではイマイチだし、プレーン生地では物足りない。そして抹茶とココアは意外に相性が良い。
「ツリー、おいしい?」
「美味いね。クリスマスみたいだな。」
じいちゃんは喜んでいるが、どうしてもクリスマスツリーに見えるらしい。




