↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼者誰記  作者: 黒漆
PR
17/20

青天

テーマ「青」より


 空なんて見上げてどうしたんです? ああ、確かに今日は綺麗な空だ。本当、吸い込まれるような、え、そう言いながらなぜ目をそらすのかって? これには少し理由がありまして、天窓って一時期流行りましたよね。大丈夫ですよ、ちゃんと空の話です。丁度洋風の家が流行りだした頃かな。


 子供部屋の天井に小さな星の見える天窓がついている。部屋の中に光を取り入れる手段としてもまあ悪くはない。けれどあれ、窓拭きが大変でしょう。それに四六時中空を見ていたらいつかは飽きるでしょう。


 車にも天窓、サンルーフなんてのがついていた時代です。あれもまたシリコンが劣化すると大変でね。まあそんな話はさて置き、私の家にもね、あったんですよ天窓。半分田舎、半分都会の場所でね、夏は星が見えづらいんですけど、冬は埃が舞わないせいか綺麗な星が見えました。


 望遠鏡なんてなくても、輝く砂を撒いたような空がよく見えて、懐かしいな、でもその天窓、塞いでしまったんです。なんでかと思うでしょう?


 それがね、青空が見えるんです。当たり前だと思うでしょうけど、それが違うんですよ、夜なのに青空が見えるんです、おかしいでしょう。ベッドの隣の窓から見える景色は夜なのに頭の上は青空なんです。


 これが不思議でね、起きている間は絶対に青空になんてならないのに寝ていて、夜中ふと起きると頭の上が青空なんですよ。少し明るいくらいで眩しくはない、色々な角度から眺めてみても絶対に太陽は見えないんです。深い深い青に幾重にも薄い雲が重なり合ってね、底の見えない青空。見ているとどんどん青が濃くなって行くんです。


 これがずっと見ていられないんですよ、どうしても目を逸らしてしまう。なんでしょうねあれ、雲の層が途切れる瞬間何か、とても怖いものが見えそうで、どうしても見ていられないんです。


 そうして視線を戻すと普段の星空に戻っているんですよ。それだけなら怖くないじゃないかって? そうですか?


 それがね、音がするんです。何ていうか、隙間風の音ってあるでしょう、高音で空気が切り裂かれるようなあの音。大体その音で起こされるんですけど、それがね、日が経つにつれて大きくなって行くんです。だからあの天窓、いつか開いちゃうんじゃないかって。


 親にも馬鹿にされましたけどね、一晩私の部屋で寝てもらったら納得してくれました。理由なんて解りませんけど、一見綺麗なものでも怖い物ってありますよ。だからあなたも気を付けないと吸い込まれてしまうかも、なんて、考えすぎですかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。