25-19 GGM そいつが伝説の…
まあ、このオッサン、昼になると商売を手伝ってくれたが…非常に人の受けがいい。何より口が軽く、軽やかに出る売り文句。そしてさっと人のいう事を考え商品を提示できるという…ある意味売り場責任者の鏡みたいな男、
「帰ったよ、あいつは…。」
マーリアさんの声が聞こえたかと思ったら、即その男性に抱き着いていた。
「プラーク!」
「おう、マーリア・・・ちっと重いな、首が死ぬ。」
この人がプラーク。マーリアさんの旦那で。っておい。
「えっと、このひとが?」
「そうよ、プラーク。」
と言いつつも、なんかマーリアさんの挙動と雰囲気がきつい、いつもはツンケンした。アウトローな女性のイメージだが。今は何というか、恋する乙女なのだ。目が、体が、空気が、匂いが。
「そんな話一度も。」
「そうなの?プラーク。」
「まあな、乗っ取り犯迄考えていたんだ。杞憂だったみたいだがな。」
少し後から、荷物を持った数人の女性たちの姿、そしてエルフが3名ほどいた。
「ま、入って、話すわ。エミルちゃん、ちょっと待ってね。食事は少し後よ。」
「あ、いいです、後でも。」
きらりちゃんも含め、空気が違う、何だろう、あらあらうふふとか言いそうなぐらいな温和な笑顔。絶対違う人間に見えるわ。これ。ついでに私の名前をまともに呼んでもらったのはこれが初めてだ。それ位イメージも違う。
「というわけだ。大体な。たしかに大事になってるな、」
本人から後で3者面談で説明してもらったところ、プラークさんは俗にいう”冒険者”だ。しかも本当に未開地や町々を調べる本当の意味での冒険者だ。そして何よりこの人、考え方が相当自由でかつ、ギルド商会の最初の金カードと言われる…伝説の冒険者だ。ダンジョンも各地回ったこともあればエルシュウッドのエルフの里も全部回る、ついでにエリンシアの廃墟の見学も行けばお土産に”パルミダーク”産蒸留酒も持ってくる。但し戦闘は勇者ほどでないらしい。但しそのセンス、そして”生存能力”という意味ではずば抜けており、ギルドもこのプラークだけは”重要視”している。それ位の人物らしい。そしてマーリアさんはその影響で…プラークの妻であり、ギルドに強い発言権を持つ。という事らしい…俗にいう大商会のお友達って所だろう。
「となると、やっぱり。」
「ちょっと…しばらくほとぼり覚ます意味でもその案には賛成だ、土地はあるんだろ?」
「そうなのよ。」
ただこのくそ甘い空気であっても、話す内容は、まるで海外系物産会社の会議を思わせる濃さだ。
「なら、そこに移ればいい。但しこっちの姿にしておけ。商売がやばいなら、食料もある。優先する農家があるなら、こっちはそこでこれを出すつもりだ。売るつもりだったんだがよ。」
取り出したのは…カードから取り出した幾つかの苗?そして種だ。
「エルフから譲ってもらった畑の種と、果物が成っていた木の苗だ。」
なんと言う物を…。というか、あの口の旨さ、そう言えばそう言うのがある。
「へぇ…。」
「これで商売できるってもんだ。」
やっぱり口の旨い営業は必須だな。




