第六旅 超幸運を拾いました
卵が孵化しそうだったのだが、何かおかしい気がする。
卵から伝わる衝撃がかなり強い。
最初はトントンと軽い音だったが、ひびが入ったあたりからドンゴンと重い衝撃が走っている。
自分に向くとヤバそうだったのでひびの向きを反対に向けて待っていると、すぐに内側から撃ち抜かれた。
自分の体で卵を割ったのではなく、明らかに魔法で開けたみたいだ。
そのまま下に置いて出てくるのを待っていると、体長40cm位の生まれてすぐなのに既に膨大な風の魔力を纏った薄っすら青い色の鱗の小っちゃいドラゴンが出てきた。
そのドラゴンは俺の前世の知識では西洋のドラゴンの体形で、トテトテ歩いてこっちを見上げペコッと頭を下げた。
特徴的な空色の瞳に見入っていると、今まで経験の無い感覚で声が届いた。
『ありがとうございます。』
声をかけられて初めて理解した。
テイムでなのか細かい事は分からんが、子竜と魔力のつながりが有る。
そして、その魔力を通して距離は解らないが声に出さず会話出来るみたいだ。
とても可愛いので、頭を撫でつつ話していく。
『俺の事が解るのか?親の居場所とかわかるか?』
『はい。そとのことはなんとなくわかってました。たべられるところだったということも(てきがあれならこうかくりつでかてましたが)。・・・たぶん母のいばしょはわかるとおもいます。ただ、もとから竜はかえったらすぐひとりだちするため早熟なのでおきになさることはないですよ。なのでこれからは、卵のときたすけてくれて更にちからをくれた、ごしゅじんさまに恩返しでつくさせていただきたいのですがいかがでしょう?』
『いや・・ご主人様って。ってつながりが有るワケでテイム出来たって事なのかな。』
『そうですね。ご主人様とまりょくのつながりがあります。ああ・・・うまれる前からたべてましたので、今後もたべさせてくださいね、ご主人様。』
『はいっ?お前は魔力を食べるのか?肉食じゃ無いのか?』
『食事は必要で肉食と言うか雑食ですが、あまり量は要りません。ご主人様から魔力がいただければ、今の私の食事量は竜として見ると少ない位かと。今の私で一日1キロ位です』
『そうか。てか、いきなり流暢に喋り過ぎじゃね?』
『竜は子に知識を受け継がせますので。しかし、ご主人様につながった魔力からも少しずつ別に知識を理解しております。多分ですが、テイムしたものとの意思の疎通の為かと。大概はご主人様の言っていることを理解するためで、テイムされた方からは基本感情が伝わる程度だと思われますが。』
『まあそんな感じか。ん?俺の魔力から知識を得ていると言ったか?じゃあ、俺の前世と言うか前の事も理解しているのか?』
『少しずつではありますが。あー、知識内の情報からもですが、ご主人様の不安も分かります。前の世界の科学技術の事ですね。ただ、その心配は無用ですよ。その技術を現実にするならどう考えても人の協力が必要になりますから。そもそも、そちらの世界と同じ物が有るとは限りませんし、ご主人様以外の人族に私が協力する事は無いですから。』
『そうだな。ああ、そう言えば生まれたばかりだし名前は無いんだよな。俺が付けていいか?って、その前にお前オス?メス?』
『私はメスです。ですが、魔力のつながりと竜の知識から何が出来るかわかってきました。ある程度魔力操作に慣れたら、ご主人様と同じ人族に変化出来るようです。ですので、出来れば女性扱いして欲しいです。そして、名付けはご主人様がいいのです。よろしくお願い致します。』
『そうだな・・。まだドラゴンの内は女性扱いは難しいと思うけど考えておくよ。そしてお前の名は・・・レティシアだ。近しい者にはレティと呼んで貰うといい。』
『解りました。私の名はレティシア。ご主人様は勿論レティとお呼び下さい。』
『わかった。これからよろしく頼む。レティ。』
と、生まれたばかりの小さい子竜と見つめ合い頭を撫でてやりながら話を進めていく。
魔力のパスを通した念話?なので声に出していないから、周りは静かなままで他の魔物を呼び寄せる事も無かった。
と言うか、俺の魔力に、既に俺の数倍は有ろうレティの魔力が有れば寄って来るもの好きも居ないだろうが。
予想外の掘り出し物だったが、目的の従魔は手に入れた。
後は村の安全さえ確保できればいいので、遠回りだがまだ見てない村の東側を通って戻ることにする。
レティは俺の横をパタパタと、小さい翼を魔力で包み風を起こし飛んでいる。
村の狩りの事もあるのであまり狩り過ぎてはいけないので、帰りは人を襲いやすいであろうモンスターのみ狩って行く。
後、ゴブリンや牙狼はレティに実力を見るため少しだけど狩らせる。
しかし、流石はドラゴン、生まれたばかりでも子供でもレティはかなり強かった。
体がまだ小さいので接近戦が出来るわけではないが、レティは風の竜らしく強風での移動の阻害や魔力にに刃の形をとらせて風属性を与えて切り裂いたり、圧縮した風の大砲で押し潰したりかなり多芸である。
風の攻撃魔法はちょっと羨ましかった。
いまいち風の刃ってよく解らなくて、風の操作は少し慣れたけど切り裂いたりは出来なかったんだよね。
忘れてたんで、移動中にレティに許可を貰い鑑定しておく。
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レティシア 風竜族 女性 7歳
疾風竜 レベル40
スキル
風魔法7 竜魔法3 物質化魔法1 魔力精密操作3 身体強化魔法5 麻痺ブレス 干渉無効化
竜の威圧 変化 早熟
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確認するとまず年齢がすでに7歳ってどういうこと?
その上、早熟の為か既にレベルがかなり高い。
更に、もう変化が使える様なんだけど幾つか聞いてみるか。
『レティ。年が7歳ってなってるんだけど、卵で7年いたって事?そんで、もう変化が使えるみたいだけど。』
『えっ?年齢はその通りです。竜の知識の継承や自身の魔力に負けない体を作るのに、それくらいは掛かりますので。変化については竜の知識で理解した感じですと、通常では短くて1~2年で出来るみたいです。魔力操作が下手な種族とか本能が強く知性が低めの種族とかだと、テイムされても変化できない者もいるみたいですが。ただ、さっきの戦闘でも実感しましたが、ご主人様かなり魔力の操作に長けていますよね。私達風竜も魔力操作にある程度長けた種族なんですが、生まれる前からご主人様の魔力をいただいていましたし、更に感覚で理解が深まったのではないかと思われます。』
『ふむ。なるほど。じゃあ、変化ってゆうか俺と同じ種族になるわけだし、人化になるのか。人化してくれるか?』
『かしこまりました。少々お待ちください。』
小っちゃい子竜がまるで胸を張っているかのように立って全身に魔力を流し、更に自分の周りを覆っていく。
魔力が視認できるまで凝縮され繭のようになった。
十分ほど待つと、繭の高さが俺と同じ位になった。
そして繭を構成していた魔力が散りだした時、忘れていた事が有るのに気づいた。
服ってどうなるんだ、と。
もうそろそろヤバくね、と思いボックスから自分の服の予備を出した。
当然女性ものではないしサイズも合わないだろうが、そこは一瞬で諦めた。
が、人がわたわたと焦っている中、繭から出てきたレティは服を着ていた。
不思議に思いつつ繭から出てきた女性を見ると、背丈は今の俺より少し小さいので170弱位だろうか、顔も小さく所謂八頭身と言うか8.5頭身美人位の女性がこちらを向いて微笑んでいる。
レティなのは解るのでゆっくり確認していると、髪は綺麗な背中位まであるロングの金髪が緩くふわりと広がっていて、柔らかい雰囲気の綺麗な顔で、青い瞳が特徴のちょっとおっとりな感じの目尻の下がった美女がいる。
その後、やっと気付いたが服はメイド服だった。
ロングスカートの、白を基調とし青で縁取られた華やかなメイド服がかなり良いスタイルを更に解りやすくしていた。
む、多分EかFかな、って生まれたばかりの竜に何言ってんだか。
俺の確認が終わったとわかったのか、
「この姿では初めまして、でよろしいですか?ご主人様。」
ちょいっとスカートを持ち上げ挨拶してくる。
綺麗な顔してるのに、ふわりと笑うとかわいくも見えてこっちが赤面してしまう。
慌てて出した予備の服を仕舞いつつ、つい聞いてしまった。
「なぜメイド服?」
「と、聞かれましても。これはご主人様からいただいた知識に、仕える者の衣装として一番妥当な物とありましたもので。」
しれっとそんな事を言いつつレティは自分の体を外から右、左と確認していく。
傍から見ていると子竜の時と印象が被って見えとてもかわいかったので、つい頭を撫でてしまった。
すると、カーッと顔が赤く染まり俯くと、
「ご主人様・・・。」
とちょっと自分より見た目年上らしい女性に赤い頬で嬉しそうに上目遣いで見られると、こっちも照れてしまう。
「・・あ~、突っ込み忘れてたけど、生まれたばかりの筈だけど俺より見た感じ年上な気がするんだけどなぜ?後、その服は何で出来てるんだ?」
「それは・・・多分この姿は竜の早熟性で成長した様に見えるのではないかと。服は、人化する際魔力でその形に作っただけです。」
「そうか。それが物質化魔法になるのかな。だが森の中を進むのに、その格好で大丈夫なのか?」
「それは大丈夫です。ご心配には及びません。こういう場所を通る時は常に風の壁を周りに立てますので、基本は押しのけて進みます。壁を超えてくるものは自動で切り裂いて、風の壁の外へ吹き飛ばしてくれますし。服自体も竜の魔力で出来ているので、並みの鎧などより余程防御力はあります。」
「そんな魔法も有るのか。流石、風の竜。」
「はい、ありがとうございます。ご主人様。」
両手を体の前で重ね、上半身だけで60度ほど倒し綺麗に礼をする。
なんだろう、俺の知識からの所作だろうけどすごいハマっている。
下手に俺がきちんとした格好をすると、放蕩駄目貴族と優秀な従者とか見られそうな気がする。
「さて、戻る前にレティの身の上はどうするかね。」
「今後に関しては、私はご主人様と行動を共にする為にも冒険者になるべきかと。村に関しては、別行動していた仲間が合流したとでも言えばいいのではないでしょうか?」
「・・・そうだな。合流しただけで報酬を求めなければ問題無いか。」
「はい。依頼を受けただけの一冒険者の事を、そんなに気にはしないでしょう。」
「ふむ、ではとっとと戻って依頼達成の札にサインを貰って帰るか。」
もう村の周りに危険は無いと判断できたので村へ向かう。
村は来た時と変わらない感じだったが、レティを見て村の男衆がひと騒動起こしそうになった。
ただ、そこはあらかじめ畏怖させておいた連中が収めていたので、そのまま放っておいた。
依頼内容は片づけてあるので村長にレティの事を含め事情を説明して、一旦村の狩人達に森の様子を見て来てもらう。
「村の周りから、山の麓付近まで確認しておきました。オークの集落は無く、別の場所で縄張り争いに負けて来たのか数匹のグループが二ついたのでそれは駆除してあります。後、村の狩りで必要無いであろうゴブリンはある程度間引いてあります。」
「そうですか、分かりました。現状が解るまでしばらく掛かるでしょうし、宿で休んでいて下さい。」
宿に向かっていると、前からエリアンが来た。
「あ、ユウさんお帰りなさい。森はどうだった?・・??って言うか・・後ろの女性はどなたでしょう?」
「森はもう当分は大丈夫。オークは数匹居ただけだったのできちんと駆除しておいたし、他にもいないか確認したが脅威になりそうなのは居なかったよ。彼女は仲間なんだけど、別行動中にこの依頼は俺だけで受けたんだ。で、ウィッツの宿で伝言を受けたみたいで、調査中に直接森で合流したんだ。」
「そうなんだ。お疲れ様でした。それで、今の時間に村にいるって事は調査は終わったの?」
「ああ。今、最終確認に村の狩人達が行っているので、結果待ちだよ。」
頷きつつ、声を少し潜めて誘ってきた。
「それだったら、村に来た時の事もあるしお礼も兼ねて、お仲間の方も一緒に家でご飯でもどうかな?ついでに、相棒も紹介したいし。」
「ふむ・・そうだな、確認の結果が出てからでいいか?スムーズにいけば一時間くらいで男衆も帰ってくるって話だし。その後になるが大丈夫か?」
「準備もあるし、それでお願い。家はえーっと、そこのもう一つ先の道に入って左側三軒目にあるから用意をして待ってるよ。」
宿に向かい、今日で出ることを主人に伝え、レティと魔力操作の修練をしていると宿の主人から村長が来たと呼ばれたので、荷物を持って挨拶して出ていく。
「おおっ。ユウさん、確認が取れたよ。ここの所オーク共のせいで狩りに行けなかった分、男衆が頑張ってちょっと時間がかかっているみたいだ。伝令が来て、まだ狩っているが以前と同じ感じでボア、ウルフ系が主になっていると。で、これが依頼達成の札だ。サインはしてある。そんなに遅くなってはいないが、これから村を出るのか?」
「そっか、それは良かった。後でエリアンにご飯の誘いを受けているので、夕飯を貰ったら出発しますよ。」
「うむ、ちゃんと調査してくれたし、また何か有ったら頼むよ。」
村長に挨拶して、エリアンの家へ向かう。
言われていた道を曲がり、三軒目の家へ向かいトントンと戸をたたく。
「エリアン、来たぞ。」
「いらっしゃい、ユウさん。もう、準備出来てるよ。こちらへどうぞ。」
誘われて奥へ行って、レティと並んで椅子に座った。
するとすぐにエリアンと、もう一人の女性が料理を持って机に並べていく。
「うちの名物料理のアッシュボアの薬草煮込みです。フーベルトさんから調味料を買ったばかりですので、味付けは大丈夫ですよ。」
「いや、そんな強調しないでも。で、彼女が怪我してたって言う相棒なのか?」
聞きながら、今後大丈夫か確認する。
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カイラ 人族 女性 16歳
剣士 レベル20
スキル
剣術3 弓術2 気配感知1
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仲も良いようだし、スキルレベルも高いので連携がちゃんと出来るなら大丈夫だろう。
「はい。剣士のカイラです。エリアンを助けてもらって、本当にありがとうございました。」
「依頼を受けてちょうど村に移動している所だったんだ。エリアンの運が尽きてなかったって事だろ。気にすんな。」
「照れていらっしゃるようです。では、ご主人様が紹介してくれませんので、自分で自己紹介させていただきます。私はレティシアと申します。よろしくお願いいたします。」
「悪かったよ。さて、冷める前にいただこうか。」
メイドの格好で理解されたのかご主人様呼びは余り気にされなかったようだ。
「はい、よろしくお願いします。レティシアさん。」
<クスッ>「はい、よろしくです。レティシアさん。」
「むぅ・・。まあ良い。いただきます。」
「いただきます。」
「どうぞ。」
「私達も食べよう、エリアン。」
「そうね。いただきます。」
ちょっと微妙な展開も有ったが、概ね和やかに食事は進んだ。
ボアの薬草煮込みも前世のとろけるお肉とは違うが、程よく歯ごたえのあるほどけるお肉が美味い。
薬草の苦みも少しあるが、良いアクセントになっている。
村の話や愚痴を聞きつつ楽しい食事は終わった。
エリアンとカイラに夕飯をお礼にご馳走になった後、そろそろ夕方近かったがそのまま村を出た。
歩いて村から離れ森の陰に隠れて見えなくなった時、レティに聞き忘れている事が有るのを思い出した。
進みながら話を聞いていく。
「レティ、人の状態で飛べるのか?」
「はい。竜は翼だけで飛んでいるわけではないので、その応用で多少魔力は多く使いますが飛ぶことは可能です。また、ご主人様と一緒に飛ぶことも可能です。」
「ん?俺も一緒に飛べるのか?」
「はい。ただ、まだ生まれたばかりで魔力量自体はまだ竜にしては少ないので、今の所私だけでしたら三日、ご主人様と二人でだと一日というところかと。」
「そうか、実際飛び続けるなんて事もそう無いだろうし問題は無いだろ。で、竜に聞く事ではないと思うが飛行訓練とかいるのか?」
「そうですね。基本、訓練は必要ありません。しかし、私は風竜ですのでたまに空を飛ばせていただけると嬉しいです。」
「わかった。・・そういえば言い忘れていたが、知識を得たと言っていたので解っていると思うが俺は異世界からの転生者だ。この世界の事に関してかなり無知なので常識だったりすることを聞いたりすると思うが、教えてくれると助かる。」
「かしこまりました。ご主人様の為に頑張ります。」
気合が入っているのか、年上のふんわり美女が少しきりっとしているのも可愛くてまた頭を撫でる。
あまりピシッと固めた髪では無く自然にしていてこの髪型みたいなので、気にせず俺が満足するまで撫でてやると、とても嬉しそうにふわっと笑ってくれた。
「ご主人様。ウィッツへ戻るのに飛んで行かれるのですか?」
「いや、戻るのは明日、徒歩だな。これからの事の詳細を詰めとこうかと思ったのと、ついでに一回は野営をしとこうとな。」
「では、まずは野営場所を探しますか。」
主街道に出た辺りで野営をすることにして、レティと移動していく。
「この辺りで良いか。」
街道に出て1時間ほど進んだ所で、端で野営することにした。
周りには、他に野営するのはいない様なので遠慮なくボックスからいろいろと取り出す。
木の椅子に、石材と薪を取り出しかまどを作り、上に鉄板を置けば前世のキャンプでも無いのに、鉄板焼きが野営で出来る。
転生物でよく言うけど、前世の現代日本の知識ってホント素晴らしいよね。
本来、思い出せる範囲内の知識な筈だけど。
「さて、さっき夕飯は食べたがレティは足りて無いだろう?アッシュボアのステーキでいいか。」
「はい。この姿だと更にご主人様からの魔力供給の割合が増えるようですが、もう少し頂けますと嬉しいです。」
「ふむ、今日は俺が焼くが、その内レティも料理するか?」
「はい!ご主人様にお作り出来るよう頑張ります!」
かまどに火を入れながら軽く聞いてみると、乗り出して気合を入れてきた。
「おうっ?!そうか?レティが料理出来ると助かるし、頼むよ。俺だと見た目含め食べれればいいって感じの料理になるからな。」
ステーキを食べてから、これからの事を話していく。
今出たレティの料理修行の事も含め、一年は様々な修行中心でやって行く事にする。
料理については今泊まっている渡り鳥の宿り木亭で手伝わせて貰えばレティならすぐ上達すると思う。
俺の修行やこの世界の勉強も合わせてやっていけば、一年なんてすぐだろう。
それに合わせて、依頼で無く森での狩りの方でお金がある程度貯まりそうなので、その内奴隷を買ってレティと鍛えようと思っている。
出来れば3人くらい隠密系で才能のあるのが居ればいいと思うが、それは見てからか。
一人に傍での情報収集を頼み、二人には別で離れた街の情報収集をして貰うつもりなんだけど、どうだろうかな。
色々知らないスキルが有りそうだし、確認してから考えればいいか。
成人して修行の成果が出たら、皆で旅に出ようと思っている。
「そんなわけだが、何か他にあるか?」
「私は、ご主人様とご一緒出来れば何も言う事は無いです。と言うのは冗談、では無いですが奴隷の適性を見てからになりますが、罠の発見解除もさせるべきかと。」
「罠って事は、城とかには当然あるだろうけどダンジョンや遺跡も有るのか?」
「旅と言うことは、観光や探索を含めた世界を巡る事と思いますが、世界各地にダンジョンはあります。今いるグラーデ王国にも、確か幾つかあったはずです。」
「ではそこらへんの情報収集も含め、一年を目途にのんびりやって行くか。」
やることが大体決まったので、かまどをしまい毛布を出し最後に確認し忘れていた自分のステータスを見る。
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香月 雄 人族 男性 14歳
魔法戦士 レベル58
槍術5 剣術3 火魔法2 水魔法4 土魔法4 風魔法4
光魔法4 空間魔法2 回復魔法3 身体強化魔法4 テイム3 (レティシア)
眷属強化(レティシア) 気配感知4 危険感知4 魔力感知4 思考速度強化3
魔力増大4 魔力精密操作5 スキル習熟強化 異世界言語 健康体 オートマップ 本質鑑定
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戦闘時に何となくわかっていたが、思考速度強化が上がっている。
そろそろ修練次第では、複数の魔法を一度に発動出来そうな気がする。
一度苛立ち紛れに、複数属性の槍を出したがあれは反射的にやったので、実は後からもう一度は出来なかったんだよね。
後、気が付いたら空間魔法がレベル2になっていた。
障壁が使えるらしいが、これもイメージで何とかなるのかな。
いつも通り魔力を操作して、1m四方位の板状の物をイメージし発動してみる。
『バリア』
何とか発動はしたが、イマイチハッキリしたイメージを持っていなかったからか薄ぼんやりしている気がする。
ちょっと叩いてみただけでパリーンと粉々に割れてしまった。
いきなり魔法を発動してびっくりしているレティに、いくつか確認をする。
「そう言えば、人化して膂力はどうなったんだ?後、睡眠って必要なのか?」
「はい?膂力は竜の時と対して変わらないと思いますよ。睡眠も変わらず、まとめて取る感じになるかと。一月起きて、丸1日眠る位のサイクルです。人と同じサイクルで睡眠を取ることも可能ですが、そもそも人と同じ様に眠る必要が有りませんから、無理が出ますので出来れば竜のサイクルで寝たいです。」
「そうか。気にして置くよ。多く寝たいって言う事なら困るが、今聞いた竜のサイクルだと野営時の見張りとかも助かるしな。で、今回の依頼の経験で空間魔法で障壁が使える様になったんだ。練習したいから付き合ってくれ。」
「かしこまりました、ご主人様。膂力の確認されたという事は実際の防御力を確認されたいのですね。」
「そうだ。今作ったバリアは明らかに強度が足りないんだよ。早めに最低でもレティの、竜の攻撃に耐えられるようして置きたい。そうすれば、よほどの攻撃でなければ安心だからな。複数枚張れば結界破りの特性を持った攻撃でも無い限り、ほぼ破られるということを考えなくていいだろう。当然、その対策もするがな。」
「なるほど。頑張ります。」
俺は眠らないといけないから、日をまたぐ辺りまでかね。
レティに普通に殴ってもらったり、魔法で撃ってもらったり破られながら少しずつ強度を上げていく。
イメージが大事なのは何となくわかっているんだが、壁よりも遮断と考えた方がいいかも。
個々の物理、属性魔法それぞれを防ぐ空間遮断を交互に張れば、読み間違っても何とかなるか。
しかも、後ろから押し出す感じで増やしていけば、間合いを開けるだけでなく、別の魔法を挟んでそのまま吹き飛ばしたりも出来そう。
色々イメージが膨らんで来て、面白くなってきた。
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