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元オッサンの眷属使い  作者: 烏賊紳士
第三章 新しい関係ともふもふ生活
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第二十八旅 オルガ・マルククセラとの一日 後編

 他の皆は明日の昼近くまで修行で魔の森へ行っているので、当然今日の晩飯はオルガに作って貰う訳なんだが、今日は鍋にするらしい。

 アルに解体して貰ってボックス内にしまってあったニードルタートルの肉を出して渡してあげる。


「ありがとうございます。」


 解体された亀の肉を持っていき、勿論冷蔵庫は無いので(実はカルカーンには魔道具として有ったが見つけた時はまだ手持ちが足りず買えなかった上、その後いい機会が無く結局買っていない)保存用に作った地下室からまとまった野菜を出して多少ざっくりでは有る様だが手早く切っていく。

 ちなみに野菜を俺のボックスから出さないのはあまり入れていないからだ。

 確かに入れようと思えば今はかなり入る様だし入れられると思うけど、ある程度は開けておきたいしそもそも野営時に栄養を考えてなんてしないしで、念の為に数種類を5、6キロ分入れているだけである。


 余計な事を考えている間にも料理は進んでいる様で、台所でテキパキと料理している後ろ姿は何時ものちょっとポンコツなオルガでは無かった。


「今日は野菜多めのちょっと辛味の強いタートル鍋です。ちゃんと肉以外を使って主の言っていた出汁を取って、味見もしましたし美味しく出来ました。」


「よしっ!じゃあ、食べますか。いただきます。」


 以前の転生者が伝えていたらしく、食事の前後の挨拶もある程度は伝わっていた。

 使っているかはそれぞれの人次第なので知らない人も居ないではないらしいが、大抵の家庭では言っているとの事だった。


「はい、どうぞ。」


 ニコニコと自分は箸を持たずにこっちを見ているのは、先ず俺に食べてもらい感想を聞いてから食べる気なんだろうってのは一目で分かった。

 ただ、教えた通りきちんと味見をしたって言っていて不安は無いしすぐに食べてみる。


「・・・・・うん!美味い!亀の肉が柔らかく出来てるし、スープに出汁が出てて濃厚でご飯も進むし、ちゃんと野菜も入っててバランスも良く大きさも揃えて切って有るし、オルガ腕を上げたな。最初の頃は全部大きさも揃えないで切ってあるし、塩はかなり多めで保存食か?って突っ込みたいくらいだったし、肉を焦がす事もよくあったってのに。」


「はい、最初の頃は何がいけないのか分かりませんでしたが、アルに習えば習う程食事をただの栄養補給にしか思っていなかったと理解出来ました。火が通ってればいいんじゃ?と内心思っていましたしね。食事に拘る事は余裕の表れなのだと。余裕が有れば色々な事を楽しむ事が出来、視野も広がり、焦ったり欲に負けたりというしょうもない失敗が減るという事でしょう。まあ、それを食事の用意の時に理解するのもどうかと思いますが。」


「冒険者の食事なんかは早い、味が濃い、保存が効く辺りが主で、それこそ余裕なんかは余り無いし仕方ないだろ。ただ、確かに食事に興味が薄い人って時間を無駄にしたくないとか意味の無い事を言う人も居たな、確か。」


「そうなんですか?私の知った中にもそんな人が居た気がしますが。私は理解はしませんが一応一理は有ると思ったんですが。」


「ん~、それでいいんだと思うよ?要するに一理しかない、って事だって分かってるんだろうしな。無駄を減らすのは良い事だとは思うが、社会生活を送る中で当然自分以外の人が居て、本当にそういう人が考える時間の無駄って無くせる訳無いだろ。大体は他の人に面倒や不幸を押し付けるなりして自分だけちゃんとしてるってのたまうのが関の山じゃないかね。」


「そんなものですか?」


「そんなもんだよ。」


 普段の事などを話しながら食事を進めていたので、終わった時ちょっと時間が経っていたのでそろそろ寝所へ行こうかと思ったがさっきまでのオルガの様子を思い出し予定変更した。

 食事が終わる頃には色々考えているのかうっすらと赤くなりながらだんだん口数が減って来たので、今日の修行もきつく匂いとか気にするかも、との理由も有り一旦風呂に入る事にした。

 このまま寝所に行っても下手すると漫画みたいに煙を吹いてパッタリ倒れそうな気がしたからね。


「じゃ、先ずは風呂行こか。・・・心配せずともまだ一緒に入りはしないから。先にお湯張って来るからちょっと待っててくれ。」


「・・はい。有難う御座います。」


 ポッポと真っ赤な顔をしているオルガを置いて一階の奥にある風呂場に行き、出力の落ちた火魔法と使い慣れた水魔法で思ったより時間を掛けて水を温めつつ浴槽を順次満たしていった。

 ほぼそのままの状態で広間で待っていたオルガに声を掛け、今日の所は(後日一緒に入るつもりではあるが)別に入る事にして風呂前で分かれた。


 ゆっくりのんびり風呂に浸かり部屋に戻ってみるとまだオルガは戻ってきていなかったので、これからどうするかを考えていたら幾つか思い付いた辺りでオルガが二階に上がって来た。


「・・お待たせしました、主。」


 まだかなり緊張したままみたいなので先に緊張をほぐしてやる事にした。


「ん~~?よしっ!先にエロイ事でなく、真面目にマッサージしてやろう。触れ合っていれば緊張も解れるだろうし、マッサージに関してはその内やろうとは思っていたしな。」


「エロッ!?触れっ??・・・まっさーじとは何ですか?」


 触れ合うに反応したが前の言葉に覚えが無かった様で、頭の上に?マークが見えそうな赤い顔のままで止まってしまった。

 一々説明するのも面倒だし、また緊張されても何なのでそのまま部屋に連れて行く事に。


 何時も平らな所に野営出来る訳では無いが、必要が有ったら使いたいので早い内にアルに作って貰ってボックスにしまっておいたベッドと敷布団だけ部屋に入って直ぐの所に出して、意図的に元からある部屋のベッドでは無く手前に出した方にオルガをうつ伏せで寝かせる。


 「ふぇっ!?えっ?あれっ?あっ・・おふっ!?・・くっ!?くすぐったいっす。」


 狼狽えている間に腰に体重を掛けない様乗り、肩から背中を揉み解していく。

 ただ、まだ若くあまりこっていない柔らかい肩を揉んでいてもくすぐったいらしく悶え始めてしまったので、肩甲骨の辺りから腰へと降りていくと少しは気持ちいい様で長ーく息を吐いていた。


「ふぅ~~~~~。・・あるじぃ~~、なんか気持ち~いいで~すよ~?これ~なんで~すか~?」


 今迄に経験した事の無い事だったからか思っていたより弛緩してしまった気がするが、リラックスしてくれた様だし調子出てきた気もするので今度は腿から下を揉んでいく。


「これはマッサージと言って筋肉を揉み解して凝りを取ったり、揉まれてる事で血行が良くなって気持ちいいからリラックス効果が有ったりとかかな。気持ちよかろ?」


 細かい事は分からんので多少当たってるかもしれなかった気がするそれっぽい事を言っておく。


「はい~~~。かたは~~ちょ~っとくすぐった~かった~です~が~。」


「って言うか、気持ちいいのは良いが寝ない様にな。」


「は~~い。」


 何時もなら悪戯したりするところだが、今日はマッサージの練習とこれからの事を考えながら真面目に揉んでいく。

 エロ系の漫画とか小説とかだとこのまま襲い掛かったりするんだろうが、そもそも集中すると他が見えなくなるタイプなのでより気持ち良く成る様オルガの反応を見つつ、圧したり揉んだりやり方を変えながら続けていた。


「・・ふわぁ~・・・。」


 15分位で大分眠気に襲われてる感じになって来たので、意図的に仰向けになって貰い前世で言うお姫様抱っこで自分のベッドに向かった。

 因みに予想通りオルガの居たベッドの頭が有った辺りにはよだれの跡が有った。


「ふわっ!?あうっ・・。・・・主、いよいよですか。えーっと、言わなくても知っていると思いますが、初めてですので・・・・・優しくお願いします。」


 真っ赤になったまま普段無い程可愛くお願いして来たオルガに暴走しそうになりつつゆっくりベッドに座らせてやる。

 事に及ぶ前に真っ赤で素直なオルガには悪いが、先に話しておく事が有る。


「さて、オルガ。まあ、お前が仲間になった経緯が経緯なんで、此処まで俺に好意を持ってくれるとは思わなかった。しかし、お前は今迄出来なかったと自分から修行に進んで参加し、皆の近接戦闘のレベルを底上げしてくれた。身体能力は上がっても戦闘技術自体は積み重ねが無いとなかなか上がらないから、剣術や槍術をきちんと教えてくれるオルガは本当に助かっているよ。」


 真面目な話と分かってくれたのか、まだちょっと顔は赤いが大人しく聞いてくれている。


「・・・ふぅーー、で、だ。お前は女性としても魅力的だ。余り言い慣れないからちょっと緊張するけど、ちゃんと言葉に出した方が良い事って結構あるからな。髪型とか外見もあるが、しっかりした見た目からは分からないちょっとポンコツ気味な所とかな。」


「むー・・・この状況でそれは無いんじゃないですか?主。持ち上げて落とすのはやり過ぎると信用を失いますよ?」


「すまんすまん、そんな泣きそうな顔をしないでくれ。其処も気に入っている、と言ってんだから。」


 プクッと膨らんでしまった頬を直接触れて抑えてやりながら、自分の頬も赤くなっていくのを感じつつ告白する。


「オルガのそんな可愛い顔がたまらないんだがな。これからもその調子で皆を和ませながら俺に突っ込んでくれ。宜しく頼む。」


「褒めれば何でも許すと思ったら大間違いですからね・・・。まあ、いいです。この状況でずっとむくれててもしょうがないですからね。揶揄からかったりはお手柔らかに、これから先も宜しくお願い致します。」


 まだちょっとむくれていたがそれも含めて自分と分かっているのだろう、仕方ないなぁといった感じで言ってくれた。

 ベッドで向かい合って話していたので、お願いして頭を下げた時にタイミングを計り、上げた瞬間そのまま押し倒さない様抱き着いた。


「はわっ!?あるじ?」


「一回しか言わんからな。・・・・・・本来両面ある筈の片方、人の醜さは嫌と言う程知ってはいたが、その割に良い面をあまり見てこなかったんだ。が、オルガを含めた皆だが特にオルガ、お前と一緒に過ごしているとやはり人は良い面もあると思えて来て嬉しかったんだ。・・聞いた限り中々の屑だったなんちゃら子爵達の下、数年程度でも一緒にやっていて影響をほとんど受けず俺達の仲間になってすぐに順応したし、普段の対応や言葉を見聞きするに本当に善良な心が基本にあると分かる。」


 ちょっと長くなってしまっているが、オルガは大人しく聞いてくれている様だ。

 すぐ横に見える耳が真っ赤ではあるが。


「眷属になった以上強い感情は主人の俺に届くし、悪感情なら尚更だが・・・・・本当に今まで一切無かったからな。皆と接していて楽しい、強くなれて嬉しい、主にもっとかまって貰いたい、と実に素直に思いが伝わってくる。お前が居なかったら俺は多分もうちょっと人や獣人、エルフ等の人族、そもそも他人って者に対してもっと諦めて接していただろう。本当に感謝している。ありがとう。」


「・・・私も感謝しています。今日感謝は既に言っていますので細かい事は重ねては言いませんが、主と一緒に歩いて行ける様皆と一緒に頑張ります。」


 顔をずらしオルガの目の前に顔を持って行くと、少し赤くはあったがやる気の溢れた顔をしていた。

 そのままキスをして、体に触れて行った。


「<チュッ>んっ・・・あんっ!」


 また真っ赤になったオルガを押し倒しながら、出来るだけ優しく抱いた。

 余り比べるものではないし優劣が有る訳では無いが、レティに比べちょっと筋肉質で胸も小さいオルガは当然レティとは色々違った。


 余程嬉しかったのか笑顔のままオルガが気を失うように眠りにつくまで様々な体位を試した。

 途中から気持ち良くも有るが何だか楽しくなって来たので、オルガと二人クスクス笑いながら相談しつつつながり合った。




 朝起きると、オルガが裸のまま俺の横に絡まる様に寝ていた。

 ぷにぷにと幸せな柔らかさを腕に感じているが、慣れない事をした後で疲れているのか起きてちょっと動いた位では目を覚まさない様だった。

 すぐ横にある顔を見てみると、何か良い夢を見ているのかにへらっという表現そのままの顔をしていた。


「うむ。普段落ち着いている時とか集中している時に見ると綺麗な顔をしているが、今の顔を見るとちょっと気の所為だった気がしてくるな。」


 ツンツンとにやけたほっぺをつつきつつ感慨に耽っていた。

 すぐに起きてくる様子が無かったのでそれ以上邪魔をしない様もうちょっかいを掛けないで、レティの時と同じように空中に10cm位の色々な属性の弾を浮かせては消し、複数出してはそれぞれ形を変えたりと魔法を使う事自体の違和感を出来るだけ消す修行を続けていく。

 目標は手足を動かすレベルでスムーズに魔法を使える様になる事だが、今迄出来る限り常に考えて魔法を使っては来たが流石に一年程度では無理があった。


「う~ん、こうなるとは思ってはいたが、やはり実用は無理だな。」


 火と風の属性の弾も浮かせてはいたが、かなり魔力を注いでも5cm以上大きくは出来ないし、そもそも注いだ魔力が有る程度以上は勝手に拡散してしまっている感じで、もう戦闘では使えないだろう。

 仕様が無いので気を切り替え特に覚えた中でも気に入っている氷魔法を主に使い、冷気でこちらに影響が無い様に障壁を間に張っておく。

 小さい氷の弾を多量に作り、集めて槍を作り、槍から更に魔力を込めて1m程度の氷塊を作り、威力の出ない火魔法でゆっくり溶かしと色々遊びつつそれでも魔力消費が少なくなるようにも意識して修行を続ける。


「う~ん・・・。まだ・・まだ~・・・。」


 オルガを起こさない様に余り動かないようにはしていたが、ちょいちょい片腕を動かしてはいたので眠りが浅くなって来たみたいだった。

 一旦修行の手を止め改めてむにゃむにゃと寝言を言っているオルガの顔を覗いてみるとまだ起きなかった様で、今度は修行中の夢なのか何かに集中しているのかきりっと綺麗な顔をしていた。

 昼まではまだ時間は有ったがもう少し話したい事も有ったので、ゆっくり起きる様あまりしっかりとは触れない様に髪を整えてやり、彼女も嫁だと実感を得つつ起きるのを待った。


 余程リラックスしているのか色々と慣れない事で疲れたのかは分からんが、その後も中々起きず体感で20分後くらいにやっと起きた。


「ふぁ~・・ふ。おはよう・・ござい・まふ。」


 半分目を瞑ったままそのまま寝落ちしそうに挨拶して来た。


「おはよう、オルガ。」


「おふぁよう・・ござい・・・まふ。・・すぅ。」


 そのまま寝てしまいそうになったので顔を挟んで面白い顔にして起こしてやる。


「ふにゃっ!?・・どーしはんでふか?」


「うん、これはこれで可愛いな。って冗談は置いといて、もうそろそろいい時間でな。先に話しときたい事が有ったから起きてくれ。」


「はーい。」


 もぞもぞと裸のままベッドの上で座って向かい合うと、ちょっと恥ずかしかったのでまず先に着替える事にした。

 不思議なもんで、意味なく裸でいるとやっぱりちょっと恥ずかしいという。

 こういう新鮮な部分を投げ遣りにすると夫婦間で碌な事にならないと思っているので、この感覚を忘れない様にしようと思う、多分、きっと。


 自分の忘れやすい所は置いといて、ちゃちゃっと時間を掛けずに着替え用件を伝える。


「ちょっと前に言ったが、アルムに伝え聞いた話では王都の奴隷商に良い人材が奴隷として居るらしいからそろそろ行こうと思ってな。時間を掛け過ぎると問題があるらしいから、これ以上遅くは出来んし。」


「そうなのですか?」


「そうらしい。ただ、神なのかは分からんが力を持った存在のアルムが使えると推薦してくれた訳だし、かなり期待はしているよ。」


「じゃ、今日これから王都へ向かうんですか?」


「ああ。多分皆が・・一時間以内には帰って来るだろうから、早めの昼飯食って出発って感じかな。遅い様ならパスで連絡するが。」


「ほうほう、なるほど。・・・主!」


 俺がたまにやっていた相槌を真似たのかほうほうと頷き、ちょっと考えるそぶりを見せるといきなり大声で俺を呼びながら詰め寄って来た。


「まさかとは思いますが、王都の中を知っている私を置いていこうなんて思ってはいませんよね。い・ま・せ・ん・よ・ね!・・大事な事なので二回言わせてもらいました。」


「ん~、とは言っても結構危険だと思うよ。王城に近づかなければかなり低い確率かもしれんけど、顔見知りが居ないとも限らんし。」


「ああ、それは大丈夫ですよ。主に買って貰ったこの魔道具でかなり練習しましたから。・・・ほら。」


 最近かなり色黒になってはいて元から印象は変わっていたが、更に髪の色がスーッと変わっていきまるで別人の様に見える赤い髪に茶の肌の女性が目の前にいた。


「こんな感じでどうでしょう?」


 真っ白なシャツとスラックスを着てクルっと回りこっちを窺ういつもと違うオルガが可愛くて、抱き着きそうになるのを我慢し話を続ける。


「うん、この頃かなり焼けていたから印象は結構変わっていたけど、その上髪の色が変わるともう分からんな。」


 そのまま話をしていると、あまり時間が経たない内にサーチに慣れた気配が見つかった。


「お?思ってたより早かったな。もうみんな帰って来たみたいだし、後は皆と今日の細かい事を相談しながら飯食うか。」


「はいっ!」


 連れて行ってやるのを確定してやったからか晴れやかな笑顔での返事が返って来た。


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