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元オッサンの眷属使い  作者: 烏賊紳士
第三章 新しい関係ともふもふ生活
30/55

第二十二旅 始める前に色々と確認しました

またよろしくお願いします。

ひと段落するまでは5の付く日に投稿する予定です。

 5月1日になり、この世界に来て早くも一年が経った。


 修行の日々で気が付いたら経っていた感じだが、色々成長を実感する事ができる。

 自分達だけであれば関わる人が誰であろうが理不尽な目に合わずに済むと言えるだけの自信は付いた。


 外見もオッサン臭い見た目と、元から170は有ったがこの一年で伸びたこの世界でも高い方の180cmちょっとの身長が有れば、普通の冒険者やならず者になんかは喧嘩を売られる事はある程度無いと見ていいだろう。

 今カルカーンで行動しているが絡まれてないしな。

 まあ、前の世界より種族自体の多さから身長にばらつきがかなり有るので、成人で130~250と大分幅が広くなっているが。

 ハーフだったり突然変異だったりで更に変わるしね。


 朝早くから起きてレティには先に行って貰い感慨に耽っていると、気が付いたら時間がちょっと経っていて焦って下に降りて行った。

 昨日に皆に言う事があると朝集まって貰ってあるので、後に行くのはちょっと恥ずかしいんだが遅かった様だ。


「おはよう、み・・んな?」


 挨拶しようと既に集まっている皆を見ると、すごい真剣にこっちを見ていた。


「「「「「「おはようございます!」」」」」」


「「「「「「お誕生日おめでとうございます!!」」」」」」


 リビング代わりの一階の大広間には皆が勢ぞろいして待っていてくれた様だ。


 初めての眷属であるレティシアから、一番新しい眷属のシーラとイーリスまで、ついでにイルメラとセルファースも並んでいた。

 改めて見ると顔の整った女性が多いと分かるが、あまり理解はしたくないと思ってしまう。

 前世の価値観がまだ残っているので、かなりの努力をしてきたが俺で良いのかとか未だに考えてしまうのが嫌になるが、ほぼ一年かけてレティが此処では違うと納得させてくれた。


 そんなレティが一番前に居るが、変わらず華やかな金髪に吸い込まれそうな青い瞳、変化した姿なのにこの一年で身長も伸びて俺ほぼ同じになった上に、更にスタイルが危険な事になっていてボンキュボンと言うのを見事に体現していた。

 身長178、スリーサイズ94,60,91と肉感的と言うか、一緒に寝る時とか抱きつかれて触れた部分が色々と柔らかかったし。

 最近は落ち付いたメイド服が気に入っているのか色合いも黒を基調としたロングの物で、エプロンやカチューシャ、ニーソックスが水色と始めて見た時はお前は闇か水属性かいと突っ込みたくなった。


 女性では二番目に眷属となったオルガは、身長170、スリーサイズ85,62,84とスタイル的にはほぼ以前のままで、此処の生活でちょっとウエストが細くなったらしい。

 銀髪を背中位まで伸ばしていて、普段は髪型はそのまま流しているが行動時にはポニーテールにしていて、戦闘時に見ているとふわふわ行動に合わせて動いていて傍から見ているとつい目で追ってしまう。

 此処ではみな修行は外で行っているがオルガは人一倍日に焼けやすかったらしく、白かった肌が少しずつ黒くなっていき、今では褐色と言って良い肌の色になった。

 オルガは基本動き易い服を選びがちだが、最近修行が終わった後とか限定でタイトな膝上の物やミニのスカートをはいていたりする。

 緊急事態になった時を考えて下には見せパン的な物をはいているらしいが、こんな感じなので大丈夫ですと自分からスカートをめくって言われた時はどうしようかと思った。


 皆の後ろに控えている真夜は、三番目に眷属となったアラクネで今では種の最高位と言えるエンプレスとなり、個の実力で言えば二番目に強くなった。

 しかも進化したら自分で武器も鎧も作れる様になり、漆黒の鎧蜘蛛に乗った白銀の女騎士といったとてもかっこいい感じに仕上がった。

 大きさはコマンダーの時より少し小さくなったが、身長203、スリーサイズ84,59,85で黒目黒髪のショートボブ、オルガよりスリムなスタイルに見える。

 人型の部分は顔立ちは多少ハーフっぽいが、普段の三歩下がった立ち居振る舞いを見ると大和撫子という言葉に当てはまる気がする。

 後、真夜は服装には興味はない様で(モンスターなので当たり前と言ったらそうなんだが)、基本上は白いシャツに太腿までしかないのでミニスカート的な物以外見た事が無い。

 しかも、以前に聞いたら下着も付けて無いというので、ネタだけ出してアルの友達の裁縫のシロ(雌)に頼み、真夜用の紐パンを幾つか作って貰った。


 最後に残ったのは最初は奴隷として買った二人で、それぞれ多少痩せていた様だった。


 内一人シーラは健康的に疲れ果てるまで鍛え、欲望の赴くまま食べ、睡魔に任せ早く寝てと生活していたら、もう133歳なんだがまだエルフの成長期だったらしく、身長が少し伸びスタイルも全体的にちょっと良くなったらしい。

 年齢は聞いていたがエルフの事をもう少し細かく聞いてみると、エルフが大人と認められるには50歳から成長期が大体終わる150歳までに狩猟や採集、職人系統の仕事でそれぞれ数人いる長老の内一人で良いので認められる事が必要らしい。

 要するに、実はシーラはまだ成長期が終わっていないと言う事らしく、既にシーラの居た森のエルフ達と同じ位には成長していたのでほぼ終わっていたと思っていたらしいが、まだ成長出来ますとシーラが嬉しそうに言っていた。

 外見は変わらず腰まで伸ばしたエメラルドグリーンの髪を首の後ろでまとめていて、身長174、スリーサイズは82,56,80とスリムではあるが胸が少し大きくなったと喜んでいた。


 もう一人であるイーリスは幻覚で見せていた姿が目立たない容姿であった為、エルフであるシーラよりも扱いがかなり雑だったらしい。

 食事から普段の扱いから適当で結果かなり痩せていた様で、俺が買った頃は体重で10kg以上は痩せていたし、眼立たない様になのか酷い猫背で身長も3cmは小さかったし、スリーサイズもそれぞれ何cmか小さかった。

 外見はキチンと生活出来る様になってからは猫背も治り、身長157、スリーサイズ93,56,86と以前より育ったとは当人の台詞である。

 風呂が気に入ったのかよく入っているが、完全に髪や手足の毛色も支子色くちなしいろの毛並みとなり、前の知識からだとまるでキタキツネの様だ。

 シーラの事も有ったのでイーリスの居た狐人族の事を少し聞いてみたが、色々あって良い思い出無いから話したくないと言われたので、それ以上は聞かない事にした。


 一人雄オスのアルは外見はもう大人なので変わらないそうだ。

 先ずは基礎体力と思いとにかく走らせある程度体力が付いたと判断してから身体能力強化を叩き込み、棒術を基礎に短剣術と盾術を教え込んだ。

 盾術はオルガが教えたけども。

 後、勿論アルも頻繁に風呂に入れて櫛で梳かしてふわふわもこもこの感触を楽しんでいる。

 撫でられるのは嬉しいらしく基本嫌がったりはしないのだが、たまにオルガが調子に乗って強めに撫でてやったりして逃げられていた。

 

 皆の祝福にちょっと気圧されつつも、今迄の事を考えつつ成長したもんだと感慨に耽りながら皆を見ていたが、気を取り直して前に出て、一つ息を整え気合も入れて話し出した。


「うしっ!<パン>おう!ありがとう、皆。えーっと、イルメラ達には関係ない話もあるが、伝える事が有るので皆聞いてくれ。」


 ちょっと気圧された瞬間白くなってた頭の中を頬を叩きつつ立て直す。


「今日から行動開始だ。と言っても、何かしなければならないなんて事は一切無い。他の人に出来るだけ迷惑を掛けず、面白おかしく過ごそうってだけだ。俺と別行動しても構わないし、まだ足りないと思うなら当分修行していても良い。何か問題が有ったら全員で動いて一貴族や盗賊団を滅ぼしてやってもいいし、逆に奴隷を助けてやっても構わん。皆の良識を信じているから、好きにしてくれ。・・ああ、親に会いに行くとかでも構わんよ?婿として会いに行くから。」


「本気ですか?私の親となりますとキュクロ大山脈の疾風竜エーレーアですよ?一応居場所は知っていますので行く事は可能ですが・・・行きますか?」


「ふむ・・・。興味は有るが、状況次第だな。流石に挨拶はしたいと思うが、そもそもが普通の親とは違ってそういう習慣は無いだろうしな。・・で、話を戻すと、俺は普段は旅しながら観光するのを主に、真夜の情報網を借りて色々と裏から碌でも無い貴族や役人にちょっかいを掛けようと思ってる。まあ、邪魔したり、おちょくったり、笑い者にしたりだな。皆も自分で出来ない事は誰かに力を借りて頑張ってくれ。レティもシーラもイーリスも、アルもだな。俺やオルガよりよっぽど汎用性が高いから手を借りると良い。何も出来ないのは寂しいし、戦闘は出来れば俺とオルガに言ってくれると嬉しい。」


 それぞれに今日からどうするか聞いて行くと、レティは当然俺次第で、少し考えていたオルガ、シーラ、イーリスはまだ修行を基本的にやっていくつもりと言っていた。


 真夜もレティと同様俺の用事以外は余り動く気が無い様で、情報収集はしているので何時でも声を掛けて下さい体勢だ。


 アルはやっと裁縫のスキルを覚えたので、後は村の防衛の為に他のコボルドに教える為にも早い内に棒術や盾術と身体強化だけでもより鍛えたいらしく、何故かアルが一番忙しい感じになっていた。


 眷属では無いが世話になっているからか、イルメラとセルファースも皆と一緒にここに居た。


 先ずイルメラはここ最近は俺やレティ達が狩った魔獣の部位を使って色々作っている。

 ここ最近扱っていなかった素材が多かったらしく、とても嬉しそうに楽しそうに色々作っていた。

 小物も作っていて貨幣を入れる革袋や、ちょっと前には一応冒険者に見える様剣牙虎やトロールの軽く丈夫な革鎧をそれぞれに作って貰ったりだ。

 こっちの事情で手伝って貰った時の報酬であげたオーガやレッドオーガの素材で自分達の装備を揃えてもいる様だった。


 セルファースは元からイルメラが持っていた魔鋼を、これからの収入が不透明なので護衛の報酬の前払いで大剣にして貰い、よくオルガと剣の修行している。

 俺の眷属では無いからか、いつも一緒に修行している訳では無いからか、まだそれ程強くはなってはいないがいつも通り無口に地道に頑張っている。


「ま、そんな感じで行こうと思う。ま、先にちょっとふざけた感じで親に会いに行くとか言ったが、レティ以外でも冗談ではないよ。レティシアから既に昨日の事は聞いたからな。・・・ある程度それっぽい事は言ってはいたが、実際は確認が取れてからですまない。一夫多妻と言うモノを現実として受け入れるのにも時間は掛かったが、実際にそれを成せるようになったと自信を持つのにもっと時間が掛かってな。」


 一旦言葉を切り、前世を含め今迄言った事の無い言葉を思い切って発した。


「・・・結婚しよう、レティシア、オルガ、真夜、シーラ、イーリス。今改めて皆を見てみると同じ種族が一人も居ないが、丁度良いと言ったらなんだが俺は区別はすれど差別をする気は無いからな。今の所結婚式を挙げる事は出来ないが。この一年で分かったが、この世界でも前世と同じく自分だけは正しいと思っている者や、自分達の種族だけは優れているといった愚かな思い込みをしている者達が居る。俺達はそんな愚かな事をしない様、一緒に助け合い相手を想って暮らしていこう。最初の一週間は皆と過ごす時間として充てるが、後は好きな様にやろう。」


「「「「「はい!」」」」」「「おう!」」「む。」


 なんだかんだ言ってもレティシアのフォローが無ければ言えなかっただろう事は皆には秘密だ。


 それぞれの普段の意気込みの出し方でちょっと声が違った(オルガとイルメラが「おう」、セルファースが「む」)が、やる気は伝わったので気にしない事にした。

 レティシアやオルガはかなり嬉しそうにしているが、やはり奴隷と言う事に何か覚悟があったのかシーラは目元を覆って静かに泣いているし、イーリスもシーラの胸に顔を埋めて泣いていた。

 レティからの話はあっても実際に事が起こると堪え切れなかったんだろう、多分。


「ふっ・・うっ・・・・・。」


「うっ、ぐすっ、うっ・・・うぇえええ。」



 ・・・・・・・・・。



 泣き止むまでに少し時間は掛かったが、落ち着いた所で話の続きを始めた。


「で、だ。話している途中で気付いたが、行動開始は今日からとさっき言ったけど、どう考えても無理だ。まあ、何をすると決めていた訳で無し、ズレて問題は無いが。覚えたばかりの魔法の検証が有るし、結婚すると言ったわけだし女神の祝福もあるしで初めにする事が有るな。初夜というか初日として時間取りたいし、今週はそれぞれ皆一日ずつ二人で居て、残りの日は魔法と魔道具の検証だな、俺は。」


 初夜と言った瞬間にオルガとシーラの顔が真っ赤になった。


「宜しいのですか?」


「ま、しょうがない。何とかギリ期間内に覚えたけど、空間魔法3レベルはきちんと検証しないと何が出来て何が出来ないか分からんからな。魔道具も試したい事は色々あるし。」


 最後に今まで忘れていた事を正しておこうと思う。


「・・で、だ。最後にキチンとケジメは付けようと思う。ここをこれからも使う事に対してコボルド達とキッチリ話をするつもりだ。」


「そういえば、最初に護衛を暫定的に受けただけで、その後に何も交渉していませんでしたね。」


 その時一緒に居たレティも忘れていたのかそんな事を言っていたが、今迄完全に忘れていた俺は何も言えない。

 自分達の失態は置いといて、アルに頼んで村長を呼んで貰う。


「そんな訳で村長呼んで来てくれるか?」


「構いませんが、余り気にしていないと思いますですよ。どちらかと言うとそのまま居てくれたら良いし、何とかあやふやになんないかな、とか思っていると思いますです。」


「そんなもんか?・・・ま、そんなもんか。思い出しちゃったし、ここに居る宣言な訳だから問題無いだろ。ここの守護を引き受ける代わりに色々手伝ってもらうって、結局今まで通りな感じだな。」


 アルに呼びに行って貰っている間に情報交換をする事にして、待っている俺と村に居る間は俺から離れたがらない真夜とで先ず話していた。

 眷属の蜘蛛や虫たちの目を通して人族の生活を始めて見るが、個々それぞれ事情があり過ぎて最初は面倒でした、と言われたのには驚いた。

 それこそ今まで一緒に暮らしていて余り表情が変わるのを見た事が無いのに、ちょっと嫌そうにしているのが分かるほどほんのちょっとではあるが顔を顰めていた。


 他の皆の最近の近況や眷属情報で何か真新しい物は無いか更に色々聞きながら、まだ知らせていなかったフィニ達のお披露目もそろそろしていいかと思いパスで村まで来る様伝えた。

 皆で相談したり話していると、アルが村長の真っ黒なコボルドを連れて来た。


「お久し振りですな、ユウ様。アルに多少は聞きましたが、このまま此処を拠点として守護も引き受けてくれると。」


「そうだ。まあ、今迄と何が違う訳でも無いから、これからも宜しくって事だ。」


「はい、宜しくお願い致します。戦闘以外ではありますが、我らも頼るばかりでなく仰って貰えれば幾らでもお手伝いいたしますので、気軽にお声をおかけ下さい。」


 もう少し時間が掛かるかと思っていたら手っ取り早く話が終わったので、レティが先に反応してフィニ達が来ている南を向いて訝しげな表情をしていた。


「大丈夫だレティ。内緒にしていたんだが、今近付いて来ているのは一人で行動していた時に他の場所で修行させておいた眷属なんだ。今の所皆がまだ行っていないガニア山の南側にまではるばる行って二体眷属にして来た。結構面白い奴を眷属に出来たんだが・・・来たか。」


 気配を感じ南の空を見てみると、一切の音を起こさずに飛んでくる一体の梟が居た。

 そのまま音を立てずに飛んでくると、フワッと俺の頭の上で一瞬浮くとほぼ衝撃無く着頭した。


『ホーホー』


 挨拶なのか魔力を帯びた声で鳴き、そのままぽふっと座ったのか頭の上で落ち着いた。

 元々レティのサイズでは乗ったりは出来ないのに、羨ましそうに見るのはやめてもらいたい。

 竜にサイズ変更なんてスキルは必要無いだろうしな。


「さて、此奴は幻影梟のフィニだ。ガニア山中腹で出会って・・ま、色々あってテイムした。もう一体を手助けさせる為に一緒に居なかった訳だが、これからはこの村の外の警備を主にやって貰うつもりだ。・・・ああ、来たな。今言っていたもう一体が率いている群れが来た様なので、紹介しよう。」


 元々俺達の家は南側に在るのでそのまま家の横辺りで待っていると、でっかいケルベロスを先頭に全部で8体近寄って来た。

 前に会った時より一体しか増えていない様だが、きちんと選べと言っておいたのが影響したのだろうか。

 ____________________________


 ガリオン 魔獣ケルベロス 男性 63歳

 レベル133

 スキル

 身体能力強化6 炎の息 氷の息 眠りの息(中) 同族指揮

 狼系眷属支配(狼系統7) 咆哮(中)

 威圧(中) 気配感知6 危険感知7

 固有スキル

 睡眠回復 ?????


 シャドウワーグ 魔獣 レベル74

 スキル

 身体能力強化3 嗅覚強化 咆哮(小) 気配感知4 危険感知3 闇の息

 固有スキル

 影潜


 オルトロス 魔獣 レベル89

 スキル

 火魔法4 身体能力強化2 炎の息 毒の息 脚力強化 咆哮(中)

 気配感知5 危険感知4


 ヘルハウンド 魔獣 レベル91

 スキル

 身体能力強化4 魔力小拡散 咆哮(中) 威圧(中) 気配感知7

 危険感知4


 剣牙狼 魔獣 レベル51

 スキル

 牙強化 牙剣変化 脚力強化 気配感知3 危険感知2


 魔氷狼 魔獣 レベル55

 スキル

 水魔法4 氷魔法2 氷の息  咆哮(小) 気配感知3 危険感知4

 魔力感知1


 空走る狼そらはしるおおかみ 魔獣 レベル62

 スキル

 脚力強化 体力強化 瞬動 気配感知4 危険感知3 立体機動 空間感覚2

 固有スキル

 空走


 ガルム 魔獣 レベル46

 スキル

 脚力強化 体力強化 咆哮(強、意思) 威圧(中) 気配感知3

 危険感知3 咆哮強化

 ____________________________


 一々調べていると面倒だし頭が痛いが、何が出来るかは知っとかないと指示も出しにくい。

 ・・・って出す必要はないか。

 眷属にしてからずっとガリオンが率いている訳だし、途中から援護はフィニに完全に任せていたしで、よく考えなくても俺は何もしていないな。


 これからも基本は村の南方面での防衛や、ガニア山からモンスターが流れて来ない様に頑張ってもらうから色々かまってやる事にしよう。

 近くに川はあるから洗ってやったり、うちの風呂に入れると毛だらけになりそうだから土魔法で穴を開けて風呂を作ってやって一緒に入ったりしたら楽しそうだ。

 今迄溜めてあるオークやタートル、ベアの肉でバーベキューをしてやるのも良いな。


 ____________________________

 瞬動

 脚力強化を持つ者が覚える事の出来る上位スキル

 数mから10m位の距離を瞬間的に移動できる


 咆哮(意思)

 直接影響を及ぼす通常の咆哮と違い簡単な意思を込めて遠くに伝える事が出来る

 「イケ」「ニゲロ」「テキダ」等単語に近いなら同族で無くても大体OK

 ____________________________


 始めて見るスキルについ確認してしまったが、結構そのままの内容で徒労感が・・・。


 別の事を考えている間に俺の前にガリオンを先頭に整列したので、周りの事を忘れていたのを気付かれない様早速皆に紹介してやる。


「頭の上のが幻影梟のフィニで、このケルベロスがガリオンだ。後ろの狼たちはガリオンの眷属で、好き勝手やらない様に言ってあるので怖がらないでやってくれ。触られるのが嫌なのも居るから、そこら辺はちゃんと相手を見て確認してからな。」


「稀にでしたが一人でお出かけになっていたのはそういう事だったのですね、ご主人様。」


「そういう事。何回かは無駄足だったが、先にアルス大森林でガリオンを見つけて眷属にして群れを作らせて、自分達だけで修行させた。後に見つけた・・って言うか向こうから後を追って来たというか。フィニは産まれたばかりで好奇心旺盛だったのか俺の後を気配や音を消してついて来ていてな。戦った訳では無く吃驚させて捕らえて、面白そうな奴だったからテイムしたんだ。」


「へー、可愛いですね。この子は何が出来るんですか?」


 ワキワキと手を動かしてフィニを撫でに来たらしいオルガがついでっぽい感じで聞いて来た。


「隠密行動が基本だな。『フィニ』『ホッホッ』・・・そうだな、皆俺の右手を見てくれるか?」


 フィニに合図を絞ったパスで送りつつ、皆の視線をちょっとずらしてやると・・。


「ん?何も持っていないようですが・・。?!」


 オルガも喋りながら気付いた様で、多分皆の目にはフィニが居なくなった様に見えているんだろう。

 視線がズレた瞬間俺の頭にもほとんど衝撃無く無音で飛び上がったフィニは、普通に俺の一メートル上を飛んでいるのが俺は従魔とのつながりが有るので、辿れば何処にいるか分かる。

 次の瞬間また無音で俺の頭の上に乗っていたフィニに皆感心していた。


「で、こっちが前衛として従魔にしたガリオンだ。こいつはそれぞれの首から違う種類のブレスを吐く事が出来るし、指揮能力もまあまあ有って集団戦にも強いしで中々頼りになる奴だ。まあ、従魔にした時は多対一にならんよう結界を張って隔離し、一対一でボコってやった訳だが。」


「なるほど、なるほど。」


 聞いてるような聞いてない様な感じで俺の腕に降りて来ていたフィニをモフモフと撫でながら頷いているオルガは放っておいて、他の皆に向けて話を続ける。


「ま、そんな訳でこいつらは此処の警備が基礎の仕事になるんだが、状況次第では騎獣となって皆を乗せて貰うつもりだ。それぞれで相手を決めて、きちんと世話をして、いざという時に嫌がられたりしない様にな。・・・ああ、勿論レティ以外な。」


「えっ?私は駄目なのですか?」


 物凄く以外そうに言われたが、逆に問いたい。


「いや、レティを乗せてレティ単体より速く走れる奴いるか?空を走れるのも居るが、レティも空を飛べるしな。可愛がる分には良いけど皆と違って非常時用ではない訳だから、普段の散歩用とか・・こいつ等をそういうのはどうかと思うが愛玩用としてなら他の皆が選んだ後にな。」


「むぅ・・。仕方ないですね。」


 いや、此奴ら結構レベルも高い強めの魔獣なんだが、愛玩用と言われて全く否定しないし。

 オルガに撫でられるのがあまり気に入らなかった様で、フィニが気が付いたらまた俺の頭の上に座り込んでいた。


 フィニを乗せたまま皆がガリオンの眷属を確認しているのを見つつ、放置していたコボルドの長に改めて話しかける。


「長、そんな感じでこいつ等も警備でやらせるから、皆に知らせといてな。後、俺達がかまってやれない時は水浴びさせたりブラッシングさせたりと頼むわ。これイルメラに頼んで作って貰った櫛で、どれだか聞くの忘れたけど俺達が狩った魔獣の毛を使った物でな。何回かもう使っているけど、結構皆艶も出て来たと思うし手触りも良い感じなんだよ。」


「なるほど。私達もお世話になる訳ですし、彼等の手が空いてそうな時とかにお手伝いさせていただきます。我らは細かい事が好きですし、小さい魔獣や動物とかでしたら育てたりしますから。」


 自分達が居ない時の事をコボルドの長に頼み終え、周りを見るともう自分の騎獣にしたいのが決まったようだ。


「主、私はこの子が良い。」


 先ず一番傍まで来ていたオルガが連れて来たのは、魔氷狼だった。

 連れて来たのを見て忘れていた事が有ったのを思い出した。


「おう、そう言えば言うのを忘れてたけど、選んだら自分で名前を付ける様にな。これから先の責任をきちんと取るって事で、さっき言った世話もそうだが自分との連携や個としての強さも上げる様に。」


 伝える事は伝えて、順に性別を聞いてから名を付けるのを聞いていく。


「じゃ・・・お前はイースだ!」


 オルガが名付けていると、シーラとイーリスが俺の前に一頭ずつ連れてきて直ぐに名付けた。


ワタクシはこの子で、セゥと名付けます。」


「僕は・・この子が良い。名は・・・ディナ。よろしく。」


 聞いていると、オルガの魔氷狼イースは雄で、シーラの空走る狼セゥとイーリスのシャドウワーグディナは雌らしい。

 紹介を聞いていると、その向こうでレティとアルまで選び出していたが、レティはともかくアルに関しては実際緊急連絡の為に走って貰うなんて事が有るかも知れないし、コボルドとしてはどうかと思うが実際どうするかは別として黙認する事にした。

 さっきまで選びに行っていなかったし、レティに唆されたと思うしな。


「ご主人様。私はこの子です。近付いても私に怯まないのが良いですね。貴方は雄?・・貴方は雄ね。名は・・ヴィクトールと名付けます。」


 レティは群れのナンバー2のヘルハウンドを連れて来たが、怯んではいないがもう最初から犬じゃないのに「くぅ~ん」と腹でも見せようかって感じだ。

 残り物になってしまったが、最後にアルが連れて来るのは剣牙狼かなガルムかな、と思って見てみると一人トボトボと歩いて来ていた。


「ご主人様、僕は出来れば自分で頑張りたいのです。僕らも普段は二足歩行ですが、一応犬が性質の基礎だと思いますですので走る時は四足なのです。他の四足獣の背に乗って走りたくはないのです。良いですか?」


「ああ、それは構わんよ。そもそもアルにそこで無理をさせる気は無いしな。レティに言われたんだろうけども、コボルドのアルが狼系統の背に乗るって意味分かんないし。」


 唆したレティをチラッと見ると、知らんふりをしながらヴィクトールと名付けたヘルハウンドをワシワシと荒めに可愛がっていた。


「・・・ふぅ、レティ、あんまり無理を言わない様にな。皆可愛がりがてら水洗いしに行っているみたいだし、お前も行って来れば?」


「はい、そうさせてもらいます。ごめんなさいね、アル。行きますよ、ヴィクトール。」


「きゅ~ん」


 狼系統ではかなり強者である筈のヘルハウンドなんだが、小型犬の様な声を出し大人しく付いて行くヴィクトールの背中は一目で分かるほど愁いを帯びていた。


 

次回3月15日0時投稿予定


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