↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元オッサンの眷属使い  作者: 烏賊紳士
第二章 仲間を増やしつつ修行中です
26/55

寄り道五回目 初めての緊急依頼です 2

 移動を始めた皆の後姿を見ながらアルを撫で、これからどうするか考える。


「?どうしたのです?<ぽふっ>わふっ!?撫でてくれるのは嬉しいですが、動かなくていいのです?」


「ご主人様、どう動かれますか?」


 行くのは行くが前準備をどうしようかと思ったが、大体ボックスか空間鞄に入っているしそのまま行けば良いか。

 別に買い足す必要のあるような物は無いし、最後になったがギルドから出てそのままゆっくり町の外へ向かう事にした。


「ま、俺達には準備は要らないし、ゆっくり向かえばいいだろ。」


「そうですね。ギルドの準備もあるでしょうし、すぐに行き過ぎるのも問題が有りそうですね。」


 外までは普通に歩いて数分程度だし、ギルドから出ながら逆にどう時間を使うか考える。

 ギルドから出てたらたらと一応指定された出口に向かっていたら、アルから時間の潰せる提案があった。


「ご主人様、さっきの所で色々と買い溜めておいてはどうでしょうです。さっきのお店のお肉も美味しかったですし、スープ系も有りましたです。今回の依頼の場合相手はあのゴブリンですし、女性が居た場合何か温かい物を買って行くのは悪くないと思いますです。」


「ふむ、そうだな。ギルドで用意するかもしれんが、必要無ければ俺達で食べればいいしな。今ボックス内には焼肉か串焼き肉しかないし、買い足しておくか。」


 東の入り口に向かう途中に在る屋台で幾つかあったスープを、時間も無いしで二種類をそれぞれ二十人前皿ごと買って保存しておいた。

 他にやる事は無かったので、その後には集合場所であるウィッツ東の入り口に向かった。


 東側に居るミリスに冒険者証を見せ町を出る時についでに聞いてみると、出て直ぐの南側にもう馬車が4台止まっていた。

 冒険者はまだ全員集まっている訳では無い様で、集まって話しているのとかを鑑みても後2,3パーティは来ていない様だ。

 深緑の狩人の三人ももう来ていて、俺達が知らない冒険者と話していた。


 さっきは気付かなかったけど、何組かは見た事ある有名な冒険者パーティが居た。


 もうギルドの人間と話して馬車に乗ろうとしている気が早い六人は、重戦士や軽戦士のみで構成された速攻が主体の冒険者パーティ撃剣戦士団だ。

 パーティランクは6で、団員皆戦士なので物理耐性の高い相手だと厳しいが、それぞれ得意な武器が違うので工夫で依頼の失敗もほぼ無く何とか狩ってくると名が上がってきている。

 他には二つ名ではないが町の人間にゴブリン狩りとして大人気で、彼等は貢献度は上がれどポイント自体は上がらないのに特に一般人に嫌われているゴブリンやオークをメインに狩り続けているパーティだ。


 普通の冒険者はランクが上がるとランクに合わせたモンスターしか狩ってこなくなるが、撃剣戦士団は勿論ランクに合わせたモノも狩る、が、ゴブリンやオークなどの被害は大きいがランクは低いモノも狩る。

 他の場所ではたまにランクが低く好戦的な冒険者が一時期だけでも減ったりする事が有り、ゴブリン等を狩り切れなくなる事が有るが、ウィッツ近辺ではここ数年そんな事は起こっていないらしい。


 ちょっと離れた所に居る5人の男女は確かシュテファンって騎士がリーダーやってる森林の騎士フォレストナイトだ。

 緑色が基本色になっているパーティランク6の五人で、全員は知らないが何人かは見た事が有る。


 さっきギルドで見つけていたランク5の大地の盾も知り合いの冒険者と話しながら待っている様だ。

 同じく見かけていた銀狼はまだ来ていないが。


 様子を見ていたら見ていたのとは別の冒険者が話しかけて来た。


「よう!さっきギルドに居たな。俺達はランク3パーティの鬼人の斧だ。よろしくな。」


「おう。ランク3パーティの天津甕星アマツミカボシだ。よろしく頼む。」


 鬼人の斧と言うだけあってかなりゴツイ二人の斧が武器の重戦士が前衛で、遊撃の槍術士、後衛の弓使いの狩人、属性は分からないがローブを着た魔法使いの五人組だ。

 他にも話しかけて来たパーティが居たので挨拶しつつ、今回の冒険者のレベル的な物を鑑定しないで観察しレティへの行動も見てみる。

 うちで一番の美女であるレティに対してどう行動するかで、冒険者としてのレベルも推し量る事が出来るだろう。


 まとめて言うと、流石魔の森に近い町だと思った。

 15パーティ中12パーティがほぼ無反応で、ランク3のちょっと調子に乗って来た様なのが3つ、これから緊急依頼というのにも拘らずナンパして来た。

 一番酷かったのはこの状況でパーティ全員でナンパして来たランク3の闇夜の剣だった。


 近付いて来たと思ったら「おっ!?こんなところに不釣り合いな美人がいるじゃねえか。かーのじょ、そんな冴えないオッサンほっといて俺達と良い事しねえか?」だの、「いや、何だったら俺達のパーティに入らねえか?闇夜の剣って言ったらこのウィッツでも結構名が知れて来てるんだぜ?」とか勝手な事を言ってきた。

 即レティの機嫌が急激に下がっていったので、どうしようかと思っていたらいつの間にか残りのパーティも来ていた様で順次馬車に乗り始めていた。


「・・ほらレティ、もう行くぞ。」


「・・はい。」


 闇夜の剣を無視してとっとと馬車の方へと向かうと、俺の言う事を聞いてレティが移動したのが気に食わなかったのか何も考えず挑発して来た。


「レティちゃーん。そんな甲斐性無さそうな男は捨てて俺た・・ち・・・!?」


 最初にレティちゃんと言われた辺りで既に切れていそうだったが、甲斐性どうこう言った瞬間レティから闇夜の剣の連中に対してのみ向けられた威圧が結構な威力で発せられた。

 レティ自身は連中に背を向けて微笑んでいるが、横に居るだけで威圧を無けられた訳でもないのに寒気が背筋をぞわわっと走っていく。

 後ろでは連中が何も言えず腰を抜かした様に座り込んでしまっていた。


「レティ、落ち着け。あんなんでも居ないと、向こうで別の面倒が有るからな。完全に使い物にならなくなる前にその威圧を解いてやれ。」


「・・・・・ふぅ~~っ。申し訳ございません、ご主人様。名前は我慢できたのですが、ご主人様を軽んじる様な事を言われては耐える事はしませんでした。」


 ん?

 最後のセリフ、普通は耐えられませんでした、とかじゃね?

 気になったので聞いてみた。


「いや、それって耐えられませんでした、じゃないのか?」


「??間違ってはいませんよ?ご主人様の事に関して耐えるつもりは最初からないのですから。」


「おうっ!?・・そうなのか。」


「はい。・・で、ご主人様、少々お待ちください。」


 一言断るといまだ座り込んだままの闇夜の剣の連中の所に近寄り、俺に聞こえない音量で何かボソボソッと喋ると連中がいきなり身を正し謝って来た。


「「「「すんませんっしたーー!!」」」」


 大声で謝ったかと思ったら、走って馬車の方に行ってしまった。

 まあ、何か言ったんだろうけども、聞いても教えてはくれないだろうしそのまま行く事にした。


「・・じゃ、行くか。」


「「はい。」」「です。」


 レティが威圧を放ってから俺のそばで丸くなっていたアルも連れ、既に2台出発してしまっている所に行くと闇夜の剣の連中が最後に入って3台目が出て行った。

 時間が無いので外での自己紹介なども無い。

 俺達の他に残っていた3パーティとギルドのサポート要員の一人でここでは御者となるヴィッキーを乗せ、すぐに現場に向かって出発した。


 二十人乗れる大きな馬車に六人パーティ2つと四人パーティ、俺達のアル含め計一九人を乗せ向かう中でやっと自己紹介をした。

 さっき確認してまだ来ていなかったランク4の銀狼と、同じランクの光の鷹、俺達と同じランク3の金剛隊というらしい。

 全員自己紹介はしたが長くなるので割愛し、此処でのリーダーとなる銀狼のリーダーと構成と、他の大体の得意分野を確認しようと思う。


 銀狼は六人パーティで身軽な者中心のパーティの様だ。

 リーダーはディックという名の双剣持ちの軽戦士で、軽戦士と狩人二人ずつと拳士、今迄冒険者では見た事の無かった神官?で、神官も乗る前に見た感じ身軽そうだった。


 光の鷹は四人パーティで魔法使い二人を含んだ構成となっていて、盾役で時間を稼ぎ魔法での広域殲滅を得意としている。


 金剛隊は六人パーティで名前から戦士が主のパーティかと思ったら、身長二m越えのムキムキの拳士が前衛の他はバランスのとれたパーティだ。


 進みながら御者のヴィッキーが説明してくれたが、このまま行くと夕方前に現場に着くので戦闘中に陽が落ちる可能性が高いという事なので、着いてからの偵察次第だが手前で一泊して翌朝強襲するらしい。

 先行で森での行動が得意なランク6の森林の騎士フォレストナイトと三組のパーティがバレない様遠回りに向かいのレニの森を抜け、まずビーレア側からくる人を止めて貰い襲撃はそちら側からかける事になる。

 残りの11のパーティを4、4、3で三組に分け、一番奥に大地の盾と土系の魔法が得意なパーティを纏めて一気に逃げ道を奪う壁を作り上からの援護も同時に行い、残り三組で包囲殲滅する計画だ。


 ビーレアの朝の六時の鐘が聞こえた時が作戦スタートになる。

 手前での野営はギルド職員が主に見張りをしてくれるので、パーティから一人ずつ出して職員と冒険者二人の計三人で見張りを行う。

 こういう時は俺から余程強く言わないとレティが自分から出てしまうので、今回は俺とアルでゆっくり休む事にした。


「今日もスマンが頼んだ。一緒に見張るのが誰かは分からんが、何かしら情報を聞いといてくれると助かる。・・面倒そうなのには良いからな。」


 言ってる途中で心配になったので、一応ちょっと足しておいた。


「畏まりました、ご主人様。気に掛けていただき有難う御座います。」


 前から思っていたが、レティは俺が心配するととても嬉しそうにするんだが何故だろうか。

 他にもイーリスとかアルにも心配されると隠れて嬉しそうにしているが、そこまででは無い気がするし。

 って言わずもがなかね。


 前世での人付き合いでは女性と付き合った事自体は無くとも好意を向けられた事はあるし、元からオッサン臭い外見で多少の貫禄もあったからか相談されたりも多く、周りに話すような性格をしている訳でも無かったので色々頼られたりもあった。

 なので余程分かり難い好かれ方でない限りはそう好意を見逃したりは無いと思う、多分。

 まあ、レティは俺の記憶から外見も含めて好みが解っているから好意をはっきり表現してくれているのだろうし、一番慣れていない触れ合う事を慣れさせようとしているのだろう。


 考えている事がズレて行ったが、明日の作戦の為とっととララ達ギルド職員が持って来た保存食を食べている中、斥候に出ていたマルスが帰って来た。

 余り焦ったりしている様子は無いので、予想外の事が有ったりはしていないのだろう。

 皆を集めて最後のミーティングが始まった。


「よし、集まったな。今見て来たが、大体予想通りの様だ。目視と、更に他に居ないか気配を探って来たが、大体450から500弱って所だろう。ざっと手前の森の中も見て来たが、もうあまり増えてはいない様なので、予め決めて置いた作戦通りで良いだろう。」


「大地の盾の組が魔の森のゴブリンの北部へと向かい、後から来るのを始末しつつ援軍とならない様土魔法で壁を作り同時に逃げ道も塞ぐ。その後は森側を排除しつつ、壁の上から遠距離攻撃で援護を頼む。」


「その上で既に動いている森林の騎士フォレストナイト達が東、撃剣戦士団が南、銀狼が西から襲撃だ。俺達はウィッツ寄りの銀狼と撃剣戦士団の間辺りに居るから、逃げられるならそこからにすれば多少は手伝ってやれるぞ。目指すのは全滅だ。ゴブリンやオーク系は下手に一体でも逃がすと三十倍になって出てくるというからな。」


「最後に、早馬も言ってはいなかったが万が一何か事情があって女性が捕まっていたりする可能性も有るので、状況次第ではお前等に無理を言う事もあると覚悟しといてくれ。」


 皆覚悟を決めた顔でそれぞれの組ごとにテントに戻っていき、自分達も四組で揃って戻って行く。

 結局西から攻めるうちの組は、北の壁際から光の鷹、金剛隊、俺達、銀狼の順に配置して戦う事となった。


 一旦自分達のテントに戻ったが見張りの順番が最初だったのでレティに頼み、アルと一緒にテントで何時もの布団にくるまり眠りについた。




 翌朝揺らされて起きると当然だが横に正座したレティが居て、揺らしていた手が俺に乗ったままでもう片手に読んでいたであろう本を持っていた。

 ウィッツの冒険者ギルドで買ったモンスター図鑑を暇があれば何時も読んでいて、必要が有ればレティに聞けば答えてくれるので非常に助かっている。


「おはよう、レティ。」


「おはようございます、ご主人様。」


 挨拶しながら外を見てみると、まだ薄暗く日が昇るのは先の様だった。

 これから戦闘になると分かっているので、準備をする為に起こしてくれたのだろう。

 布団をしまい外を見ると、既に数人ウォームアップを始めていた。


 まだ丸まっていたアルを起こし準備を進めていく。

 音が出ない様出来るだけ寸止めを行い格闘で少しずつ体を温め、時間が経つのを待つ。


 だんだんと日が出始めた頃に、ララが時計を持っていたらしく指示を出し大地の盾の組が移動を始めた。

 ニ十分ほど待つと今度は撃剣戦士団の組が南のレニの森から攻めるべく遠回りに出発していった。

 そこから更に十分、遠く東から鐘の音が聞こえて来た。


「良しっ!戦闘開始だ、行って来い!!」


 マルスの声を後ろから聞きつつ、銀狼達と進んで行った。


本編次回更新予定の27日迄でこの寄り道は終わると思います・・多分

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。