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元オッサンの眷属使い  作者: 烏賊紳士
第二章 仲間を増やしつつ修行中です
21/55

第十六旅 修行の日々でした 2

 ちょっとサボって遊んだりも有りつつ、皆でレベルを上げ経験を積んで行った。

 日毎に少しでも慣れない様日によって相手を変えていて、この日は俺、シーラ、オルガ、アルで組み対人戦闘訓練を、他の面子メンツはレティを護衛にモンスター狩りへと行っている。


 今は鉱物よりモンスターの素材の方が多いので、そこから皆の武具をイルメラに作って貰っている。

 ただ、最初はすぐに武器に出来る物は無かったので、シーラやイーリスの始めの武器はウィッツの武器屋で買って来た。




 ある日に修行を休みにして、シーラとイーリスを連れ武器を探しにウィッツに行っていた。

 急ぐわけでもなかったので魔力を感じつつふらふらと探していると、サーチ上にいい感じに思える魔力が有ったのでそっちに向かうとギルドの近くに武器屋が有った。


 話は変わるが、武器に関してここ数日で何となく出来た気がするものが有る。

 俺が持っている衝撃槍に、一週間前から寝る前に残っていた魔力を属性を合わせて込めて来た。

 すると戦闘時、少しだが波動撃の射程距離が上がっていた。


 同じ時間、買った普通の鉄の剣にも別の属性の魔力を込めて来た

 こちらは火の魔力を込め常に装備して置いたが、ただの鉄の剣だったはずなのに、少しずつ魔力を帯びてきているのが何となく解る。

 もう少し時間を掛ければ、切りつけた物に火を点ける事が出来るんじゃなかろうかと期待しているんだが、どうだろうね・・・・。


 元からの魔法の品に長期間、属性を合わせて魔力を込めれば少しは強化出来るみたいだ。

 が、別の属性を込めるのは無理そうだった。

 悲しいかな倍は魔力を込めて見たが全く影響は無かったし。

 今魔力込めをおこなっている鉄剣の問題は、魔石を精製した魔晶石が付いていない普通の武器に魔力を付与出来るかだ。


 横にズレていた思考を戻しつつ魔法の武器が有りそうな店を探していたんだが、初級の物でよかったのでリーンの店からは少し離れた所にあるギルドからも少し離れた場所に中級者向けの魔法の武器も扱う店が有った。


「いらっしゃ~い!ヨース武器店にようこそ~。」


 俺の後を付いて来た3人と店に入ると、やけに明るいちょっとしなの入ったごっつい男性が迎え入れてくれた。

 余りかかわるとギャグ展開にしかならんと判断し、早く買い物を済ませるべく品を見ていく。

 それぞれの得意な武器に合わせた属性を持った初級の魔剣や魔弓を買って行く。


「イーリス。それで良いのか?」


「はい、ユウ様。これが気に入りました。」


 珍しくはきはき喋り、ちょっと扱いにくそうな特売の大鎌を嬉しそうに抱えている

 結局、シーラは初級の周りの風の影響を軽減し、追い風へ変えて飛距離を伸ばす風の魔弓を買い、イーリスは売れ残っていた斬った相手の傷の直りを遅くする呪いの掛かった大鎌を買った。

 まあまあ高くはあったが、能力は悪くないが使用者を選ぶ大鎌だったので売れ残っていたらしく、明らかに相場よりは安く買えた。

 ギルド御用達の武器屋で売っている物なので使用者への呪いは流石に解呪してあったから、希望通りに買ってやる事にした。


「ありがとうございましたぁ~!」


 その後魔道具屋で、空間鞄を全員分買う事に。

 結構な出費でこれまでに稼いだ分を使い切りほぼ素寒貧すかんぴんになったが、自分の空間魔法を誤魔化すのにも使えるし、他の人に何かあった時こっちから何か渡すにしても時間が掛かるとそれが命取りになっても困る。


 それぞれ中くらいのサイズの肩掛けの物を買った。

 中の空間は商隊を引き連れているレベルの商人が持つ物よりかは少ないが、五百kg位は入る。

 また、もう一度お金を貯めてからになるが、それぞれにポーション系は複数持たせたい所だ。

 今回買った物も含め忘れていた怪しい物があったのを忘れていたので、確認してみると別の方向で驚く事に。

 ____________________________

 風の魔弓(ウインドシューター)

 撃つ矢に風の祝福を与え抵抗を減少する

 狙いが風の影響を受けずズレが無くなり距離も伸びる

 風操作弱 風魔法付与補佐


 削命の大鎌(シェイブサイス)

 呪われていた大鎌

 使用者の命を削り相手の命もより多く削る能力だった

 呪いを解かれ相手の回復力を低下させる程度に弱体化している

 回復力低下 強制出血弱 重量軽減弱


 空間鞄

 空間魔法を付与した鞄

 着けられている魔晶石の大きさにより入る量が異なる

 大体の分類は小で50kg以上300kg未満 中で300kg以上1t未満 大で1t以上

 ランク9の魔石を使った特大サイズも世界に幾つかある

 どの大きさでも別空間の為重量は鞄の重さのみで時間停止が付いている物は約十倍の値となる


 アルムの不思議なマント

 装備者の魔力を吸収し成長するアルムが暇潰しに創ったマント

 異世界製でありこの世界に同じ物は無い

 使用者が欲しいスキルが自動で選ばれる・・事が有る

(無事に生きてるかい?君の魔力を十分吸収できたから進化出来たよ。その世界を楽しめよー。)

(浄化はプレゼントだよ。気が利くだろう?)

 温度調節 自動修復 形状変化 色彩変化 硬化 魔力回復小

 付与スキル 浄化

 ____________________________


 買った物は聞いた通りだったが、俺が持っている手作りマントは確認を忘れている間にかなり進化していた。

 しかも、名前も変わってしまったし、今まで無かった付与スキルなんてモノが付いていたので、確認するとまた吃驚してしまった。

 ____________________________

 付与スキル

 アルムの創った特殊な魔晶石にある程度魔力が貯まると段階を踏んで発現する

 魔力を流しながらスキル名を言うと発動する

 マント自体のスキルでは無いので他者に使う事も出来る


 浄化

 人一人を体から衣服まで綺麗にする事が出来る

 アルムが調整したスキルでイメージのみで石鹸で洗ったかのような効果まである

 しかし石鹸を常時使う習慣の無いこの世界の人間が使うとそこまでの効果は無い

 ____________________________


 この先付与スキルが増えそうなのは分かった。

 後、よく物語などで聞くが俺では使えなかったし、話を聞いてみるにこの世界にも無いらしい浄化の魔法は非常に助かった。

 今迄は冒険中は水かお湯でタオルを濡らし体を拭くか、魔力を使わない様湖や川で水浴びするしか無かったが、冒険中に気にする事が無くなったのは良い事だ。


 冒険以外では浄化を使わずとも俺が風呂を沸かせば何時でも入れるし、浄化は有るがそれとは別に魂の洗濯はするべきだろう。

 風呂にのんびり浮かんでるのは好きだし、やっと先日コボの村にある家に大きな風呂を作れたから帰る度に楽しんでいる。






 修行の一環でやっているウィッツの冒険者ギルドでの依頼を受けに来た日のこと。

 この時は、レティ、シーラ、イーリスの三人で来ていた。

 オルガは大丈夫だとは思うがウィッツでは万が一を考えるとヤバいし、アルと真夜はテイムした眷属としてもどちらも何かしら問題が起きそうだしで今回は連れてこなかった。

 昼過ぎで既に人がまばらなカウンターで、ちょうど開いていたアニーさんの所へ進んで行く。


「あら、こんにちは、ユウさん。」


「ども、アニーさん。この2人の登録と4人でのパーティ登録をお願いします。」


「はーい。あら、女性ばかりですね。ユウさんなら大丈夫でしょうけど、周りも気にして下さいね。綺麗処ばかり連れていると絡まれても知りませんから。

 ・・・・・登録は終了です。ではパーティ名はどうしますか?」


天津甕星アマツミカボシでお願いします。」


「?初めて聞きますが、何の名前でしょう?」


「5~6年位前に村に来た冒険者からの又聞きなんですが、遠い国の星空の神様らしいです。聞いた方もいまいち覚えていないとの事だったので、確かそうだったって話でしたが。ただ、音と言うか何となく気に入りまして。いちいち説明しなければ勝手に星の一種だとでも思ってくれるでしょう。こっちでは知っている人は居ないでしょうし、アニーさんも知らなかったでしょ?」


「そうですね。問題は無いかと。アマツミカボシで登録しますね。」


 まあ何もないとは思うが、前世で好きな小説に出てた物だし。


 それで、今度来た時にはテイムのアルか真夜を連れて来よう。

 今回来て見て回って分かったが、小型と中型のテイムされたモンスターは従魔証が有れば町に入れるが、大型をテイムしている場合町の入り口にある基本衛兵や連絡兵が使う宿に泊まり、従魔は衛兵が居る駐屯所の横に在る厩舎に泊めなければならないらしい。

 今まで自分の事に集中していてあまり意識していなかったので気付かなかったが、ある程度情報を集めてみるとテイマーはある程度居る様で、王都とかより辺境の方が数が多いらしい。


 ある別の国には王都に数は少ないが一騎当千の飛竜騎士が居たり、ある都市国家はバーグンと言う馬型の魔獣が特産で、騎士達が全員バーグンに乗った魔獣騎士団なんていう所もあると聞いた。

 ただ、このグラーデ王国は中枢に近い程人族偏重の気質が有るので、最低でも王都と隣の町までは亜人系種族を奴隷以外で連れているだけでかなり変な目で見られるらしい。

 当然王都にはテイマーも全く居ないらしい。


 登録を終え、ここ最近また増えて来たアッシュボアやスティールボアの討伐依頼を受け戦闘訓練がてら外へ向かった。


 結果を言うと、もう既にボア程度では実力は計れないと解った。

 先ずシーラは弓で頭を一発、もしくは方向が悪いと足を撃って動きを止めてから確実に急所を撃ち抜く、と。

 競技ではなく実戦で使えないと意味が無いので静止したモノ相手にしてもしょうがなく、仕方ないので先ずは弓は全て実戦で鍛えていく事にした。

 長距離射撃となる狙撃は先ず届くかどうかが肝心なので、別にメニューを用意するが。


 イーリスは元々大剣を使っていたので重量の問題は無いが、今迄とはかなりズレているバランスを早く整える事が課題になる。

 ただ、イーリスも元の力が強いのでボア程度の相手だと、さっと避けて横から石突きで突いて転ばせ、サクッと首元を斬り裂いて終わった。

 後から聞いたが、正面から真っ二つも出来ると思ったが初めての武器だし念の為確実にやったという事だった。


 接近戦に関しては相手をしてやりたい所だが、手加減はともかく今の所寸止めはまだ出来ないので、女の子相手に打てるかという俺の覚悟が出来てからになるのはしようがなかった・・・オルガ相手にはもう出来るけど。

 慣れって大事だよね。


 で、シーラとイーリスには基本、レティと防御に回り2人の攻撃の修行に付き合ったり、レティとの二対一での模擬戦をやったりで接近戦に関してはやはりイーリスがぐんぐん強くなっていく。

 他にシーラはモンスターで遠距離戦闘を鍛えつつ、宿で考えていた魔法も使い精密操作出来るよう鍛え、魔力を増やす為寝る時に余る事無く使い切っている状態にした。


 今まで使っていた単体や少数相手の攻撃魔法の属性弾や槍以外にも、多数を相手に出来る様色々考えた。

 広範囲殲滅しやすい火属性はそのまま焼き払えばいい。

 が、他の属性では水ならぬかるみにして移動を妨害したり、土なら落とし穴を直接掘らずに横に抜いて作り蓋の部分をそもそも作らなければ土中を感知されない限り絶対ばれない物に出来る。

 風魔法のみでは今はまだ完全に空気を無くして真空には今の所出来ないが、気圧を下げて気が付かない内に酸欠や高山病などの体調不良にする事も出来る・・と思う。

 何か理由が無いと人を傷つける様な物は実際に試しようがないからな。


 色々考えて置けばいざ事が起こった時出来る事が増えるし、物語の様にこんな事ならやっておけばとか言わずに済むだろう。

 結局今考えていた事は魔力に余裕が有ればという事ではあるが。




 翌日、3人相手の修行を朝方まだ誰もいないウィッツ東の草原で、刃を潰した武器での模擬戦をメインに相手を変えつつ一時間以上みっちり行う。

 その中、やっと俺がシーラとイーリスの相手をする事にした。


「よしっ!今日は俺が相手をしてやる。遠慮なくかかって来い。」


 当然、俺とレティの模擬線の見取り稽古も行っているので俺の戦闘力は知っている訳で、ちょっと集中を増した顔でそれぞれかかって来た。


「先ず、ワタクシからお願いします、主様。」


 と、シーラが接近戦で使っている180cmほどの棒で、まず正面から全力で突いて来た。

 同じ棒を持ち、構えずに半身で棒を後ろに立っている俺に突きから薙ぎ払い、袈裟斬り、足元へ突きと連続で攻撃して来た。


「はっ!ふっ、はあっ!」


 左右に避け、払い、切り込みに打ち付け鍔迫り合いに持ち込む。

 レティとやっているのでかなり余裕があるが、最初を考えるとかなり強くは成れたと思う。

 目の前で俺から一本取ろうと力を込めているシーラを感慨深く見ていると、悪戯心が疼いて来た。


「早く一本取らないと、そろそろ俺も手を出すぞ?」


 言いながらシーラの前に在る右手だけで棒を支え、左手を死角から進めお腹の辺りをぷにっとつついてやる。


「きゃっ!?」


「ほれ、鍔迫り合いの時に、余り押すのだけに集中しない。」


 意図的により強い力で押し、離れる隙を与えないでおきながら、赤い顔で一気に後ろに飛び退いて行くシーラに注意して更に模擬戦を続けて行く。


 いきなり長くは無理なので30分ほどでいったん終了し、次はイーリス相手に攻撃の訓練を始めた。

 レティ相手でも結構持つようになった空間障壁を張り、イーリスに好きな様に攻撃させる。

 癖のある大鎌が武器なので、先ずは使う事そのものに慣れさせる為考えながら攻撃させる事に。

 メインは切り裂きになるのか八割が袈裟斬り逆袈裟、切り上げと振る攻撃で、後は石突や鎌の先端での突き攻撃を組み合わせ、間が空かない様隙にならない様工夫している様だ。


「・・っ!・・ふっ!・・・はっ!・・やぁっ!!」


 障壁で弾いたり、硬度を変え柔らかく受け止めたり、こっちも空間魔法の習熟の為いろいろ工夫して相手をしてやる。

 流石にこの状態で悪戯は出来ないので、続けながら横目でレティとシーラの訓練も見ているとレティが受け主体で隙を見つけては反撃し注意している様だった。


「・・余裕?・・・っ!・・頑張るっ!」


「よし、もっと来いっ!反撃が無いんだから、どうすればいいかを考えて行動しろよ。」


 結局、組む相手を変えつつ今日も陽が落ちるまで狩りを行い、修行を行い、へとへとになりながら宿へと戻る。


 宿で休む時は最初は少し緊張していた2人は別のベッドで寝ていたが、無理を言う気は無かったがその内全員で雑魚寝になった。

 先に数日でイーリスが一緒に寝たがり、一人は寂しかったのか俺の品定めをしていたのか結局は十日くらいでシーラも来たのでベットを寄せて全員で寝ていた。


「ユウ様、・・・一緒に・・居たい。」


「主様、ワタクシも・・・・・宜しいでしょうか?」


 別にエロい事はしていないが、よくレティやイーリスが横に抱き着いてくるので色々当たって腕やら何やらがとても気持ちよかった。

 今迄経験した事無い状況で慣れるまでは朝方まで寝られず、仕方ないので魔力が残っていない時は直ぐに使い切り倒れる様に眠り、結構残っている時は諦めて自然に寝られるまでボーっとしていた。

 慣れてからは楽しみながらも落ち着いて寝られる様になったが。


「んっ、ごしゅじんさまー。」


 と、レティが抱き着いて来たり


「ふっ・・・ふっ。」


 と、その日の修行を思い出しているのか寝ぼけているのか、横に寝ていたシーラが短い呼気と共にわき腹を突いてきたりした。

 イーリスは寝ている時も大人しく、大体は俺の横で丸まって寝ていた。


 まだレティだけだった頃は子竜の姿のまま一緒に寝たりもしたし、たまに人化して一緒に寝たいと言うのでまだ生まれたばかりだし、と気にしない様に寝ていた・・完全には無理だったが。

 姿はもう大人だったので最初の頃はかなり緊張もしたが、当然そういう雰囲気にもならないし一週間位であまり気にならなくなったが。

 まあ、人数が増えて更にいろいろ柔らかい物が触れるので、元の世界でそういう経験はない俺では成人まで我慢できる自信は無いが・・・頑張ろうと思ってはいる。

 頑張りたいとは・・思っている・・・・・Zzz。




 翌朝起きると・・・真っ暗だった。

 ・・冗談は置いておいて、誰かに抱きかかえられている様だ。

 おっぱいの大きさから考えると、今日はレティの様だ。

 普段はちょっとお高いブラジャーをしているが、寝ている時は皆外しているので・・こう・・非常に困るが(勿論嬉しくもあるが)。


 自分の我慢の限界値的にそう遠くない内に爆発しそうな気がするので、こういう時や修行中に悪戯して少しずつではあるが発散はしている。

 今日もぷにぷにっととても良い張りで・・って、うん、やばいな、ここん所ちょっと調子に乗ってる気がする。

 レティの胸から抜け出し、少しの間ボーっと部屋の壁を見ながら考え事をする。


 もう一月ほどで、この世界に来て半年が経つ。

 まだ不安はあれど、俺かレティだけならそれこそチート勇者でも来ない限りは何とか出来そうな気がする。

 表で都合よく生きようとするから貴族にちょっかいを掛けられたり、王族と関係を持たなければいけなかったりするわけで、権力がいらないなら裏で生きて行くのも良いんじゃないかと昔から小説読んだりした時に思っていたんだ。

 何だったら必殺仕事人みたいな事も良いかな、と。


 物語でよく使っているのを見るけど、とても必要なのが分かった浄化を部屋の中だがマントを纏い全員に一人ずつ使ってやる。

 何か俺が浄化を使うと、頭の先から足の先まで一瞬にではあるがかなりすっきりするし、綺麗になるし目覚ましにもいいので朝起きたら使う事にしている。

 基本は皆が起きてからだが。

 他の皆はまだ寝ている様だが、そろそろ良い時間なので近い人から順に起こしていく。


「ひゃっ!?」


「あんっ!?」


「っっ!??」


 レティ、シーラ、イーリスの順に浄化してやると皆飛び起きた。

 イーリスに至っては、飛び起きた後俺がやったのはすぐ分かるので、こっちを向くと「ふしゃーっ!」と跳びかかって来た。

 何時もの事なので抱き留めてやると、腹の辺りに抱き着いたままプルプルしている。

 何時まで経っても中々慣れない上、今日はいきなりだった所為か中々落ち着かない様だ。


「ほれ、朝飯食いに行くよ、イーリス。レティとシーラも。」


「・・はーい。」「「はい。」」


「ユウ様」「ご主人様。」「主様。」


 ウィッツに来た時泊まる渡り鳥の宿り木亭で焼肉定食的朝ご飯を食べ、シーラとイースの為にギルドのランクを上げるポイント稼ぎをしようと今日もギルドへ向かった。




 ------------  真夜  ------------




 ワタシがこの村に来てから数ヵ月タチ、アルジの元での村の生活は充実していマス。

 村の人達の服装ガ更に充実して、ワタシも生体鎧を直接着ていましタガ一旦消して服を着て、その上に生体鎧を付ける様になりまシタ。

 アルジが目の毒と言っていたのは何なのでしょうカ。

 同じ仲間となったアルと試行錯誤をして色々と作って来まシタが、ワタシの魔力糸生成も慣れて来て強度も上がって来ましたし、今デハ普通の服でもチェインメイル位の防御力はある物が出来る様になって来まシタ。


 更に村の周りに作って有った柵にワタシの糸で補強を行い、柵から5mくらいの距離に上部には斬糸での罠を、地上には粘糸での罠を仕掛けてありマス。

 柵の上部カラ侵入者が居れば斬糸によって切り裂かれ、地上カラ来れば粘糸に絡め捕られ、ソコからつながった鳴子が鳴る仕組みになっています。

 生成スル際に細い上で強度が有りほぼ透明に成る様にしているので、コレで入り口以外からの侵入者は巨人系の魔物以外は気にしないで良いとアルジから褒められました。


 魔の者は基本、集団で居るか単独もしくはつがいで居るかの二つに分かれマス。

 ワタシの種であるアラクネはどの進化をしようが単独行動が基本デスので、テイムや召喚により人に接することが無い限り、ワタシとアル達の様に交渉する事が自体が稀です。


 要スルに、アルジに褒めて貰うのは今まで感じた事が無い感情を私にくれるという事デス。

 ワタシも魔物としてまあまあ長生きしている方ダト思いますが、魔物としての本能を満たす事、要するに他の者を狩って生きる以外の事が有るとは思いませんデシタ。

 ただ、アルジが言うには感情は大切な物デモ有るが厄介な物でも有るので、早い内ニ慣れてコントロール出来る様にするか、無視出来る様にした方が良いとの事デシタ。


 特に慣れない内はソレに振り回される事になるが、その内楽しくもなるとアルジが言っていマシタ。

 そして、せっかく感情を得たんだカラ生きる事を楽しめ、と仰いまシタ。

 今はまだ私には分からナイ事ではありましたが、何となく心の奥に・・こう、獲物を仕留めた時のモノとも違うモノが在りマス。

 コレが楽しみって事なのかは分かりませんが、アルジの為にいろいろヤル気にはなりまシタ。


「さあ、頑張りマスよ、アル。」


 いつも通り糸を生成してアルに巻き取って貰いながら考え事をしていましたが、更にやる気が出ましたのでペースを上げる事にしマシタ。


「!?はいですっ!」


 目の前で糸を巻き取るのに集中していたアルがちょっと吃驚した様な感じでしたが、放っておいてまた自分の考えに浸っていきマス。

 今ここに居ないアルジの事を思うと、無性に近くに居たくなりマス。

 今度レティ様にお願いして、ワタシも一緒に寝る日を作って貰いましょうか。


次回12月30日0時投稿予定

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