第十三旅 成長しましたし何故か仲間も増えました
アルのステータスで魔物にルビでコボルドと付け忘れていたのを直しました。
順調に修行を積みながら、コボルド達の村で過ごす事早一月。
一応そーっと町に確認に行ってみると、結局沈黙の刃は約束を守った様でウィッツで指名手配になったりはしていなかった。
もう夏なので、幾ら結構北に在るとはいえ30度はあるであろう日は、午後には水を浴びながらの修行になったりする。
「ご主人様、またシャワーをお願いします。」
「主、私にもお願いします。このままだと、倒れそうです。」
今日もそんな感じだったが、オルガにもちょっと甘い事していたら、だんだん遠慮と言う物が無くなって来た気が。
ある程度は良い事なんだが、ちょっと甘えすぎかと思う。
レティと同じな訳では無いと分からせないといかんと、ちょっと意地悪をする事に。
「しゃーないな。・・行くぞ~。」
意図的に両手から違う魔力を流し、レティの上には冷水を、オルガの上には温水を降らせてやる。
「ありが」「きゃあっ!?」「・・とうございます。」
オルガが可愛らしい声を出して雨の範囲から逃げてしまったけど、この状況はいいね。
レティは横を見て吃驚していたが。
異世界人がたまに来ていたらしいが、服は上質に多種多様になり、ちゃんと下着も良い素材の物が有るが、その上で余りこの世界に影響の無い様に伝える事を選んでいるみたいだ。
話で聞くと、原理のよく分からない武器を使ったりも有ったらしいが、そういう奴等は当然自分達の特権を守る為に情報は秘匿するしな。
人は便利と楽の区別はほぼ出来ないだろうし、当然楽に流れやすいなんてのは、歴史を見ても、現代の人達を見てもすぐ分かる。
知らない内に選んでしまうなら、知らせない方が良いのは当たり前の事なんだよね。
ただ、これは感謝していいと思う。
上質になった以上、邪魔にならない様薄くもなるという事だ。
まあ、簡単に言うと透けてブラが見えていた。
元から汗で結構透けていたが。
前に自棄になった時に聞いた話から分かったが、元々常に冷静に見える顔の作りと護衛上とは言えろくでなしに仕えてかなり追い詰められていた様で素できつめの顔になっていて、怖がられてモテなかった事をとても気にしていた。
ちゃんと理解出来ると、冷静に見える女性が羞恥で顔を真っ赤にしてたりするととても可愛いんだが。
まあその後、恨めし気にこっちを見られるのも含めて、良い感じに慣れて来たかと思う。
「あーるーじー。ただでさえ暑いのに、何をするんですかっ!しかも私だけ!」
「動いてればすぐに涼しくなるって。それに、主と呼ぶくせにちょっと気安過ぎるオルガにお仕置きをね?ま、眼福だし・・ほれっ!」
今度はちゃんと冷水を雨で降らすと、オルガも気持ち良さそうにしている。
「お仕置き?眼福ですか?・・・はっ!?」
俺の視線を追ってやっと気付いた様だが、開き直ったのか逆にCカップ位の胸を張っていた。
顔はかなり赤かったが。
薄い青のブラが透けて見えているのをガン見していたが、そろそろレティの視線が怖いので真面目に皆のステータスを確認する。
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香月 雄 人族 男性 14歳
魔法戦士 レベル109
スキル
槍術8 剣術5 棒術8 体術3 火魔法5 水魔法8 土魔法9 風魔法8
光魔法8 氷魔法2 雷魔法3 空間魔法2 回復魔法6 身体強化魔法極
テイム6(レティシア、アル、 、ガリオン) 眷属強化(レティシア、アル、オルガ、 、ガリオン)
スキル習熟強化 気配感知8 危険感知8 魔力感知8 思考速度強化7
魔力増大9 魔力精密操作9 異世界言語 健康体 オートマップ 本質鑑定
固有スキル
眷属化(オルガ) 眷属内通信
譲渡スキル
竜魔法 物質化魔法3(隠密ローブ、氷結刀) 干渉無効化 竜の威圧
装備スキル
耐火2
レティシア 風竜王族 女性 7歳
疾風竜王 レベル139
スキル
剣術6 双剣術8 弓術3 風魔法極 光魔法3 竜王魔法 魔力精密操作5 魔力強制操作3
物質化魔法6(ブレス属性付き双剣、メイド服一式、強弓、ブレス属性付き魔力矢、ブレス属性付きロープ)
身体強化魔法極 疾風のブレス 霧のブレス(麻痺、毒、弱体化) 気配感知極 魔力感知8
干渉無効化 竜の威圧 竜王眼 変化 解体 早熟 礼儀作法
吸収スキル
超回復 毒生成 状態異常耐性5 装甲硬化 生命力強化
アル 魔物 男性 10歳
レベル24
スキル
棒術1 身体強化魔法2 革職人 料理人 解体職人 裁縫 四足疾走
オルガ・マルククセラ 人族 女性 21歳
騎士 レベル58
スキル
剣術5 槍術4 棒術2 馬術3 身体強化魔法1 気配感知4 危険感知2 礼儀作法 魔力眼
イルメラ 人族 女性 118歳
鍛冶師 レベル38
槌術4 棒術1 鍛冶6 耐火5
セルファース(イルメラの奴隷) 牛人族 男性 26歳
戦士 レベル35
スキル
斧術3 棒術2 身体能力強化3
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この一月修行以外に眷属に関しての魔力のつながりや、ちょっと無理矢理従魔間でのパスの連絡を出来る様にと色々やっていたら、気が付いたら眷属化なんてものが出来る様になっていた。
オルガに聞いたら主の判断で好きな様にしてくれと言う事だったので、眷属化してみるとモンスターのテイムと同じ様に眷属強化に入るみたいなので、別にデメリットは無い様だしそのまま一緒に修行させている。
そうすると、それまでとはレベルの上がり方やスキルの習熟具合が全然違うらしくとても喜んでいた。
話を聞くと、子爵の下に居た時は碌な相手がいなかったので、最初の一年は自力で頑張りはしたがそれ以降全く自分の腕が上がる実感なんてしたことも無かったらしい。
まあ、あの貴族の下に居たら無理だろ、と思いはしてもどうしようもなかったのも聞いていたのでそこは突っ込まずに更に新しいと言うか、隠蔽されていたスキルの事を聞いてみた。
「隠蔽されていたスキルの使い勝手はどうだ?オルガ。」
「ああ・・・主が無理矢理・・・あの時は恥ずかしかったです。」
恥ずかしそうに顔を赤くしながらちょっと俯いているが、プルプル小さく震えているし口元を隠しているしで、更にチラチラレティの方を見ているしではバレバレだった。
ブラが透けているのを忘れているみたいなので、じっくり見ながら突っ込んでやる。
「ただ単に隠蔽を外す為に、干渉無効化の俺の魔力で全身包んだだけだろ。竜魔法の恩恵で飛行魔法が出来る様になって副次効果で魔力自体で物に触れる様になったし、セクハラをやろうと思えば出来たけどな。・・・勿論やらなかったが。多分だったんだが、何とかなって良かったよ。」
「そうですね。私に魔力眼なんてスキルが有るとは知りませんでしたが、慣れてくるとかなり役に立ちますね。主が魔力を広げて広範囲魔法を使おうとしているのも広げ出した瞬間分かるし、魔力の集中の仕方を見てればそこを誤魔化そうと考えている者はあまり居ないから発射の瞬間も分かる。魔法士を相手にするには最高のスキルね。今の所、主達には全く通じませんが。」
ちょっと悔しそうにしているが、そう簡単に追いつかれても困る。
それっぽい設定や話の流れみたいな物を無視する為に鍛え上げている訳で、一々絶望したくなんかないし無力感なんか経験したくないし人の多様性自体は好きだし、深刻な内容が売りの物語の様に人を諦めて俺が支配しないと、なんては思いたくない。
そんな感じで結果ありきの話の為の人形扱いは嫌なので、出来うる限り自分達が選択肢を選びたい。
今迄、観光っぽい事もしないで鍛え続けているのもその為で、思ったより早く自由に行動できそうなのはランクUPスキルを選んだアルムに感謝したい所だ。
本当なら最低でも二、三年修行する心づもりだったんだが、一年位で済みそうなのは助かった。
さて、色々考えていたがステータス確認の続きをやろう。
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眷属化
テイムと近いスキルでこちらは人とのつながりの為の物
同意を得た人間と魔力を介してつながる事が出来るが二心が有ると出来ない
命令として与えた内容は強制する事も出来る
隠密ローブ
付与された干渉無効で魔法感知系の罠等を無視出来る物質化されたローブ
風魔法で自動で周りへの音や匂いを防ぎ空気の動きも止める
出す時に表面の色彩を変更出来 後からでも時間を掛ければ変更可能
氷結刀
氷属性が常に付与されている物質化された刀
切りつけた部分を氷漬けにする事も出来るし近くを通るだけで凍傷になったり生物の活動を低下させられる
竜王魔法
竜王族それぞれの得意魔法によって天災すら起こせる魔法
世界への強制力が高く普通に使える魔法が通常の属性魔法で使える最上級魔法よりも威力が高い
風属性だと一定の範囲に超強力な竜巻を発生させたり超上空からの下降気流で一気に凍らせたり出来る
竜王眼
竜王種にのみ発現する特殊な魔眼
魔力や感情が見て分かり個々で見え方が違うが習熟度によっては嘘発見も出来る
他にも三十分間魔力を込めて相手を見ると一日に一つ相手の意思は無関係に行動を強制できる
更に見た魔力を視線を通して強制で拡散して魔法の発動を取り消す事も出来る
魔力眼
魔力を込めて見ると通常感じる事しか出来ない魔力そのものを視認出来る
慣れてくると色で使用する属性を判断する事も出来る
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既に確認はしていたけど、レティはさすが竜としか言い様がないな。
俺はやっと基本の四属性以外の氷と雷を覚えたけどこれは不思議な事が分かった。
基本四属性が全てスキルレベル5以上までいかないと使えなかったらしい。
記憶だけでイメージだけで使えるなら、他にも重力魔法とか音魔法とか色々使えそうなんだが、他に条件が有るらしくまだ無理だった。
また、今の所信仰魔法を見た事が無いのも不思議だった。
教会は見に行ったが今度町へ行った時気にしとこうと思うが、結局また忘れそうな気もする。
今の俺達の現状と立場を改めて確認すると、俺はレティと情報収集であの件以降何回かウィッツに行っているけど、手配が回っていたりすることは無かった。
衛兵のミリスに愚痴交じりに聞かされた所、評判の悪かった貴族の行方が分からないらしい。
流石に誰とかは教えてくれなかったが、そんなのの為に仕事が増えたとかふざけんなとか。
リーンにだけは、全部は言えないが現状のさわり位とイルメラが無事な事は伝えてある。
後は、イルメラがそれっぽい事を鍛冶ギルドに報告して、他の街に移転するとしてあるから問題は無いだろ、多分。
オルガは他の街へと行く際にあまり連れて行っては貰えなかったとの事なので、これからウィッツ以外の街へと行く場合は連れていけるだろう。
村ではレティが助けた、と言うか引きずって来たアラクネはやはり元から関係が在った様なので、村で安静にさせながら俺が回復魔法をかけてやった。
まあまあ重傷だったので魔力のある限り色々試しにやっていたら、何か違う存在になってしまった気がする。
部分部分にある甲殻が割れたり剥がれたりしていたので、大量の魔力を込めながら慎重に回復してやっていたら明らかに元々より強化された装甲になり、所々に鎧を付けた蜘蛛に軽装鎧を着た腰から上の女性と変わってしまった。
心配になったので鑑定すると
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アラクネコマンダー 魔物 女性 79歳
レベル1
スキル
斬糸術4 魔力増大2 魔糸精製(斬糸、粘着糸、魔力糸) 魔糸操作 生体鎧生成
装甲硬化 超回復力 裁縫
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確か普通のアラクネだったはずなんだが、その日残っていた魔力をほぼ全て注いでやっていたら治るついでに特殊進化してしまった様だ。
しかも、ギルドで買った魔物図鑑に載っていない種になってしまった。
下手にレベルの高い冒険者にでも見つかると、素材を得る為強制依頼でも出て狩られそうだ。
俺が狩る気は勿論無いが、素材も良いのが取れそうだし。
一旦レティ達の元を離れて、この一月の事を考えつつアラクネの下へと行った。
少し前に進化して怪我も完全に治ったので、静養ついでに村に居たアラクネに提案してみた。
「と言う事なので、当分此処に居たらどうだ?コボルド達の村であって、俺の村な訳では無いが。彼等は頼めば聞いてくれると思うぞ。」
「アルジにお任せいたしマス。ワタシは既にアルジの物デス。」
修行修行で接するのを後回しにしていたら、行き成り凄い事を言われてしまった。
回復している時は向こうはほぼ喋らなかったし、俺は回復中は色々考えているのでそんな暇は無いし。
この世界の回復魔法は魔力さえ十分に消費できれば、治されている方の消費を体力の消費もを含めて零に出来る。
やろうと思えば逆に、九割自己の治癒力を使って回復させる事も可能だ。
ただ、そうするとほぼ普通に治る時の早送り状態なだけなので、痛みはそのままどころか無理矢理栄養を使うのでエネルギーを奪われ筋力の低下すら起こるが。
「既にテイムされているという事か?」
「ハイ。テイムは本来デスと屈服させた相手や、恭順を示してイル相手の頭に魔力を流し自分の魔力をツナゲて配下とする事が出来ると言うモノデス。ただワタシは、アルジに治していただいている間感じてイマシタが・・アルジ、ワタシで色々練習していたデショウ?」
「ああ、気付いていたのか。魔物の回復なんて初めてだったし、甲殻の治し方なんて分からなかったからな。魔力の込め方とか、イメージの仕方とか、スマンが手探りだったので色々やった。」
「イエ、その事自体は構いマセンが、結果ワタシの体がほぼ全てアルジの魔力で創り変えられてしまいマシタ。ナノで通常のテイムでは無いと思いマスが、既にアナタがワタシのアルジです。今後ともよろしくお願いシマス。」
「・・・よろしく頼む。意図的では無かったが、責任は取ろう。思えば、アラクネの糸はかなり役に立つだろうしな。オルガが着ているのもここで貰った物だし、多分アラクネの糸で作った上着なんだろ。・・・ってスマン、今気付いたが、責任とか言っててまだ名前を付けていなかったな。」
名前を付けてやると言うと、整った顔をパッと嬉しそうにして期待した感じでこっちを見ている。
さっきステータスを見ている時におかしいとは思っていたが、テイム欄に空いた空間が有ったのはアラクネに名が無かったからだろう。
イメージを得る為にジッと顔を、引いて全体を見ていると、今迄あまり変化していなかった表情が恥ずかしそうだったり不安そうになっている気がして、つながった俺の影響を受けて多少は感情豊かになっているのだろうか。
この世界は普通にいろんな髪の色があるにもかかわらず、彼女は黒髪セミロングだった。
ちょっと前まではオルガと同系統の無表情に近いクール系かと思ったら、慣れない感情に揺られて綺麗な顔で可愛いという印象になるとかギャップ萌えと言うんだろうか。
「ふむ・・・。その髪の色だと・・な。よしっ!決めた。アラクネ、君の名前は真夜だ。知恵ある君ならテイムされつながってから時間も経っているし、既に俺が何処から来たかくらいは分かっているだろう?」
「ソレは、細かい所はともかく大枠で良いのなら理解出来ていると思いマス。マダ常に考えて行動すると言う事ニハなれてはいまセンが。」
「それは追い追いで良い。真夜の髪を見ると昔を思い出すので、俺が居た国の字で名前を付けたんだ。その夜を思わせる黒髪から取って、真の夜と書いて真夜と読む。」
「なるホド。ワタシはこれから、アルジに付けていただいた真夜と名乗らせていただきマス。」
その後に修行を終えたレティ達身内を集め、自分の家の前で紹介した。
眷属化した訳ではないが、イルメラと護衛のセルファースも居たが。
「えー、そんな訳で既に眷属となっていたアラクネの真夜だ。意図してはいないが、怪我を治す過程でほぼ全部創り変えてしまったらしく、いつの間にか必然的にテイムしていた様だ。だから何だと言う気は無いので、これからは真夜も仲間だ。仲良くしてやってくれ。」
頭を撫でてみたかったが、届かないので足の一本にポンと手を付く。
「アラクネ・・・の真夜さんが仲間ですか。僕も今はご主人様に名付けていただきまして、アルと言いますです。今迄もお世話になっていたですが、これからもよろしくです。」
「よろしくネ、アル。」
「私は・・どうしましょう、ご主人様。全部見せますか?」
ちょっと思案しつつ聞いて来たレティに許可を出してやる。
「そうだな。身内になったんだし、構わんだろ。ただ、当たり前だが普段は他言無用だから。忘れない様に。」
皆がうんうんと頷いているので、レティに目線を送り竜化して貰う。
「驚かないのは無理だと思うので、気をしっかり持って覚悟を持って聞いて欲しい。先ず、知ってるのも居るがレティは疾風竜だった。・・んだが、俺との修行で成長して本来の成竜としての実力になって来たらしく、今日見たら疾風竜王になっていたんだ。既にレベル139になっているし、風魔法は極めている。他も結構凄まじい事になっているよ。」
話を聞いているんだか分からんが、皆魔力の繭に包まれ大きくなっていくレティをちょっとだけ間抜けに口を開けながら見ている。
確かに俺も吃驚だ。
一月前はまだ高さ3m強位だったはずなんだが、繭は明らかに5m位になっている。
少し繭より小さいだろうから、4m後半くらいまで成長したんだろう。
魔力の繭が空気に溶けて行き、綺麗な青色の輝きを持つ竜がそこに居た。
一時期和の色の表現が面白くてちょいちょい見ていたんだが、青や緑が好きな色だったのは丁度良かった。
赤とか黄はあんまり覚えてない。
多分、天色より明るいし、疾風竜だし空色だと思う。
綺麗な青色で晴れた日の青空がこんな色だな、と思っているとレティから突っ込まれてしまった。
『ご主人様、呆けていないで説明、説明。』
「!っそうだな、スマン。っていうか大きくなったな、レティ。・・まあ、そんな訳で彼女がレティシアだ。疾風竜王なので、ちゃんと恐れ敬う様に。」
『何言ってるんですか、ご主人様。私の場合それは洒落にならないんですから、やめて下さい。下手をするとかなりの面倒事になりますよ。』
「うむ。それは嫌だな。って何か感想は無いのか、皆。静かだぞ?」
レティから目を皆の方へと向けると、オルガが腰が抜けたのか座り込んでいて、真夜は・・何だろう平伏しているのか蜘蛛の足をたたんで丸くなっているし、イルメラとセルファースは・・・止まっているな。
セルファースは元から反応が少ないのでよく分からないが。
アルはもう少し小さい時だが見ていたし、すぐ横に居たオルガを気にしてやってる風・・だが、まだ二回目だしよく見ると足がプルプルしていた。
「ほら、まだ卵から生まれて数ヶ月しか経ってないんだから成長もするよ。ほら<パンッ>正気に戻れって。」
アルとオルガを撫でてやり、真夜を立たせて、イルメラは・・眷属では無いし顔を挟むように掌で押し込んでやる。
「むぎゅっ!?にゃにをふるんじゃ。」
「せっかくレティに元の姿に戻って貰ったんだから、ちゃんと見てやれって。後、聞きたい事が有れば聞いてみれば?」
「む?・・・。そうじゃな。レティシア様、良いじゃろうか?」
『この姿では眷属以外は喋れませんので、翻訳お願いしますご主人様。構わない、と。』
「良いってさ。」
「それでは・・んっ、レティシア様不躾な事で申し訳ないのじゃが、竜鱗って生え変わったりはせんのじゃろうか?鍛冶師として、とてもとても気になるんじゃよ。」
『ああ、武具を作るには良い素材でしょうし、作れれば人族が使うには勿体無い物になると思いますよ。多分、伝説の勇者とかが使うレベルですね。まだ私の強さでは、そこまでの鱗では無いと思いますが。』
『実際に作る許可を出しにくい事を言うなよ。ってそれは良いとして、どうなんだ?生え変わったりとかその辺りは。』
『すみません、ズレましたね。ただ、期待には沿えませんが。生え変わったりは無いですし、ご主人様の眷属になっていない相手に痛い思いしてまで剥いであげたりはしません。今の貴女はお客様ですから。』
『そりゃそうだな。』「イルメラ、聞いてみたけど生え変わったりはしないってさ。で、ちょっと厳しい事を言うと、仲間になった感じで居るけど主の眷属となっていない相手に無理してあげたりはしないと・。」
「??それは、もしかして眷属になったら無理してくれると言う事かのっ?!」
「鍛冶師にこの状況で焦るなととは言わんが、少しは冷静に考えてから喋れイルメラ。あくまで関係性の事を言っているに決まっているだろう。今、眷属になったからって何とかはならんよ。しかも途中で言葉を挟まれたけどレティの言葉は続いてて、要するに今のイルメラはこの場所のお客様だから、と。」
俺の言葉を聞いて気付いたらしく、申し訳なさそうに謝って来た。
「う・・む、ちょっと冷静さを欠いておったな、すまぬ。レティシア様も、すみませんでしたのじゃ。」
『まあ、良いわ。そうなる気持ちも理解は出来ますからね。』
「気持ちも分かるし、しょうがないってさ。って別にそのまま話す必要無いな、そう言えば。」
「ハッ?!モウシわけありませんがアルジ、挨拶ダケお願いしマス。」
「僕も改めてお願いしますです。」
「んー、私も改めて挨拶を。」
イルメラと喋っている間に何か話していた三人が、俺がレティに人化をお願いしようとしているのを見て言って来た。
割と無表情なオルガと真夜と、表情の分からないアルでは何か真剣そうだとしかわからん。
と思っていたら、オルガは片手片膝をつき、アルと真夜は見た感じでオルガを真似ている様だ。
真夜はそんな感じなだけだが、まあ下半身蜘蛛ではしょうがない。
「主の眷属となり主の考えに多少なりと触れまして、我ら眷属も主の不安を、懸念を晴らせる様全力で付き従って参ります。レティシア様、いえ、レティ様と共によろしくお願いします。」
「ご主人様の考え、知識に触れまして、服飾に関しては周囲に影響少なく僕の特技が生かせると思いますです。僕に出来る事は少ないですが、全力でお仕えしますです。レティ様共々よろしくお願いしますです。」
「眷属となったばかりの身でありマスが、アルジの為働かせていただきマス。今現在ワタシに出来る事はアル達に協力する事くらいデス。後、テイムされた者としてアルジに付いて行く場合が有れば、ワタシを連れて行ってもらえレバお役に立ちマス。今後もレティサマと眷属の皆と共に幾久しくよろしくお願いしマス。」
ふむ、最後にちゃっかり要求が有った気がするが、現状を確認しレティの今の姿を見て、より俺のこれからの行動の現実味が湧いて来たのかね。
今迄もテイムしている訳だしちゃんと忠誠は誓っていたと思うが、どれだけ強くなればいいのかとかどういった行動を取るのかとか分から無い事も多かったんだろう。
眷属化で伝わったであろう俺の知識を少しでも理解出来れば、自分の長所を伸ばせば役に立てると分かったろうし、一緒に頑張って貰おう。
まあ、横でイルメラが疎外感一杯の顔をしていたが、それは放っておいた。
セルファースは変わらず仏頂面のままだったので、もう気にするのを止めた。
------------ アル ------------
ご主人様に会ってテイムして貰ってからもう1ヵ月経ちますです。
ここ最近ではまったくモンスターも来ないですし、ご主人様達のお陰なのです。
食べる物も今は魔の森の浅い所にボア系の魔獣が多く居る様で物凄く充実しているのです。
ご主人様のお陰で僕も自衛ではありますが少しは強く成れましたし、ご主人様のスキルの影響の無い村のコボルドの戦士達も手が空いた時にレティシア様やオルガさんが鍛えてくれたので、ちょっとは強く成りましたです。
あの時長手猿に追われ、嬲られ、もう終わりかと思った僕ですが、今は本当に充実していますし、たまにこれは夢ではないかとも思う日々です。
今日も充実した中、裁縫や革職人の腕を上げる為頑張りますです。
「ご主人様、何か作って欲しい物ってありますですか?」
「ん~?今の所無いなぁ。もう、アル達に色々作って貰ったしな。まだ、真夜の糸もそんなに生産出来ていないし。(この世界でも可笑しく無い物ばかりだからそんなに種類ないしな。)」
「そうなのです?」
「ああ。またその内増えるだろうし、今は別の事を頑張ろう。アルはまだ棒術の習熟が足りないしな。」
「はいです!そっちも頑張りますです!!」
ちょっとやる気がズレていたようですが、ご主人様の為に頑張るですよ!
次回12月9日0時投稿予定




