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元オッサンの眷属使い  作者: 烏賊紳士
第二章 仲間を増やしつつ修行中です
14/55

第十二旅 仲間が増えました

自分の趣味だけで書いている拙い小説を読んでくれて有難う御座います。

ちょっとずつでも読んでくれている人が増えるとやはり嬉しいものです。

これからも普段の事から戦闘までバランス気にせず書いて行きますので宜しくお願いします。

 一人(本当は二人なんだが奴隷なので何を命令されているか分からないので除外)もしかしたらまともかもと思い、話を聞いてみる。

 また土魔法を操り一旦全員埋めた後、オルガだけを出してやる。


「私だけを残し何か用でもあるのか?主に不利になる様な事は何も言わんぞ。」


 きつめの綺麗な顔に睨まれるとちょっと迫力が有るが、努めて気にしない様にして質問してみる。

 思考放棄した愚か者でない限り、この状況に何かしら考えはあると思う。


「んー。まあ下手に怪しまれても困るし、声は届かない様にしているよ。聞きたい事は余り無いんでとっととしよう。君らの半分が犯罪者みたいだが、そこはどう考えているんだ?今の所君は違う様だが君だけが何もしないでいられるとは思えないんだが、そのエンゾ子爵とやらに本気で忠誠を誓っているのか?」


「!?鑑定持ちか。そんな事を聞いてどうするつもりだ。・・・お前が助けてくれるとでも?」


「・・・いや、そこで何も事情を知らないお前が何を言っているんだ?とかならともかく、助けてくれるとでもって言っちゃダメだろ。内心ダダ漏れだね、お姉さん。」


「うっ。・・仕方なかろう。王都フォートレウスで騎士学校を出た後、元が騎子爵の四女では伝手も無く目に留まったと言う貴族が居たのでそのまま仕えたら、近所では有名なろくでなしの貴族だっただけだ!私が知っている情報の中には居なかったし、他に選べる状況じゃなかった私にどうしろと言うんだ・・・。」


 喋りながらシュンとしてしまったお姉さんに面白くなって来たので選択肢をあげる事にした。

 キツイ目をした美人がシュンとしているのは絵になるが、何とかしたくもなるのは反則だよな。


「何か悪魔との取引みたいだな、と自分で言うのも何だが、助けてあげようか?」


「何をする気だ?私みたいなのでは、取引材料は何も無いぞ。金もコネも無い、体もそんなスタイルが良い訳でもない。いろんな女性に声をかける様な見境の無い軽薄な男にも声を掛けられた事など無い私の何を求める気だ?」


「いやいや、お姉さんはちょっときつく見えるけどかなり美人だし、スタイルも何処を見て良いとするかに依るでしょ。確かにサイズの違いと言うか、ボンキュボンというのを良いスタイルとするなら少し足りないかと思うけど、バランスの良い体をしてる・・って何を言ってんだか。うん、話がずれたな。」


 話している内にオルガの顔が赤くなっていくのを見て、要らん事を言っているのに気が付いたので話を元に戻す。


「さて話を戻すが、今回の事件で状況次第ではあるが高確率でイルメラはこの街にいれないだろう。どこかしら別の町やらに移住する必要が有るが、お前も一旦一緒に来るか?向こうの関係者、貴族本人含めて行方不明で終わる様にやっとくから。張本人のエンゾ子爵の居る場所とか館の中の事とかを教えてくれたらだけど。助けて欲しいなら、お姉さんの名前と一緒に教えてくれるかな。」


 軽く悩んだようではあるが、元々忠誠心自体もう既に無く、やっつけ仕事としてだったのかなと思うほどあっさりと名前と貴族街にある館を教えてくれた。

 貴族の始末をつける前にイルメラと話し、今後について詰めて置く。

 これでこっちはもう終わるが、レティの方はどうなったかな。



 ------------  レティシア  ------------



 ご主人様の方は危険では無いでしょうし、そこは心配してはいません。

 ただ、話の流れで面倒事が増えそうな予感がしますね。

 なんだかんだ言ってもご主人様はそこまで人が悪い訳では無いですし、巻き込まれた場合否応なく何か拾ってきそうな気がします。


 っと、考え事をしている内にかなり近くまで来てますね。

 私は暗い所でも目が見えなくなったりはしませんので、遠くにモンスターの影が見えた瞬間にいつも通り麻痺の息を風魔法で操り先制してみました。

 予感は当たっていた様で、麻痺の息で包まれている筈なのに、少し動きは鈍くはなりましたが勢いは変わらずに突っ込んできますね。

 村に突っ込ませるわけにはいきませんので、アルに声を掛け仕方なく森へと入って行きます。


「アル、私が相手をしてきますので、出来るだけ気配を消し大人しくしていなさい。」


「はい!レティシア様!お気を付けて、頑張って下さいです。」


 やっと相手の姿がまともに見えたので相手が誰かと確認してみると、ちょっと吃驚びっくりしました。

 私の知識でもこんな所に居るとは思わなかった魔物です。

 大山脈の鉱山とかに居た気がしますが、移動して来たのでしょうか?

 目の前で私に威嚇をしているのは、身長4m位の中型のミノタウロスですね。

 ただ、変異体?種?の様でどちらかは分かりませんが、体格は通常種とほぼ同じですが魔力の保持量が倍以上は有りそうです。


 が、話の盛り上がりなんかは要らないというご主人様の意向ですので苦戦は出来ません。

 その為にご主人様と修行して来ました・・・基本はご主人様の修行ですが。

 まだ実戦で使っていませんでしたが、一先ず物質化魔法で双剣を作り出しながら近づいて行きます。


 両手でそれぞれ持つと、一気にミノタウロスの目の前まで駆けて行き、少し麻痺した所為で元から鈍重な動きが更にゆっくりになった振り下ろしであろう一撃を、振り上げの始めの段階辺りで一気に踏み込み右の麻痺の剣で心臓付近を貫きました。

 念の為一方の手に持っていた剣を魔力に戻し、刺した方はそのまま向こうに倒れるに任せて抜き取ります。


 かなりの生命力を誇るミノタウロスですが、心臓を貫かれてまで行動は出来ないようです。

 刺された勢いのまま後ろに倒れて行きましたが、この夜に五月蠅いのもどうかと思いましたので飛行魔法の応用でミノタウロスを包みゆっくりと地に下ろしました。


 ご主人様がいろいろ使う事を考えるでしょうし、アルに頼んで解体して置いて貰いましょう。

 村に持って行こうと近付くと、先程先制で麻痺させた辺りに何かいるようです。

 確認前に先にアル達を安心させておきましょう。


『アル、聞こえますか?』


『っ!?はいです!聞こえますです、レティシア様。』


 かなり魔力を使ってパスを通して普通に会話していますが、アルの魔力はあまりありませんので私がそちらも負担するとちょっと厳しいです。


『もう、来ていたミノタウロスは狩りましたので、後で持って行くので解体をお願いします。私はもう少し周りを見てから村へ戻りますので。』


『お待ちしていますです。』


 この十数秒の会話で、全魔力の十分の一ほど減ってしまいました。

 ご主人様からの補充も出来ませんし、早く見て帰りましょう。


「と、言ってもですね・・あそこに居るのを確認するだけですが。」


 近付くと、結構大きい者が転がっていました。

 戦った記憶は知識上も含め有りませんが、見た事は有りますね。

 確かアラクネでしたか、女性の上半身に所々に甲殻を持つ蜘蛛の下半身を持つ魔物です。


 アル達の服が気になったのでちょっと聞いたんですが、コボルド達の服はアラクネの精製した糸を使って造られた物も有るという事でした。

 どうしても見る位置が違うので自分では取り難い物をあげたり、彼女の服も作る代わりに数日泊まって貰ってべた付かない上質の蜘蛛の糸を精製して貰うとか。

 まあ、その個体なのかは分かりませんが、この状況で助けておくのはご主人様の考えでも問題は無いようですので連れて帰りますか。

 恩も売れますし、後は状況次第です。


「と、言っても先ず生きているかですね。」


 ボソッと呟き近付くと、ぴくっと反応したので生きてはいる様です。

 幾つか確認して、後は忠告をして早く戻る事にしましょう。


「貴女を助けてあげましょう。なので、暴れたりはしない様に。ああ、先に確認ですが貴女が此処に居る理由は何ですか?貴女も確かこの辺りに住処が有る魔物では無かったでしょう?」


「・・・・・ソウね、ワタシはもっと南西の・・山の麓に棲んでいルワ。タダ、何処とは言えナイけど・・この近くに普段関係の在る者が居て・・・そこに向かってイル途中で・・確か山のモット登った所に棲んデいた筈のアノ・・ミノタウロスに見つかって・・この状況ヨ。森の中とかナラ逃げる位は・・出来たんでしょうガ。」


 何とか顔を上げて話しているが、何故こういう魔物は付いてる人間の部分が美女なのでしょうか。

 まあ、それは置いておいてですね、話を聞くに連れて行って問題は無いようです。


「ふむ、そこはコボルドの里ですね?」


「!?何故ソレを・・まさカッ!?」


 真面目な顔して思い切り勘違いしていそうでしたので、訂正しておきましょう。


「勘違いしないで下さいね。長手猿の群れに襲われた彼らの内の一人を助けただけです。貴女は今自分が何処に居るかもわかっていないでしょうが、此処は彼らが避難した場所の近くですよ。」


「・・彼らは無事ナノ?」


「犠牲になった者は居るようですが、大半は。襲って来た猿はほぼ狩りましたし、今の所問題は有りません。私が護衛していますしね。」


 かなり心配そうな彼女に現状を教えてやり、安心させた上で村まで連れていく事に。

 アルの知り合いだったら彼も喜ぶ事でしょう。



 ------------  香月雄  ------------



 面倒事はとっとと終わらせて、早く一旦村に帰りたい。

 一々殺したりはやっぱりしたくないので、元々裏稼業臭かった沈黙の刃に交渉を持ちかけ、貴族の関係者ごと奴隷として所属している組織に売り払う事でこの件に関わりを持たなかったとして手を打つと、口約束だが約束させた。

 お得意様ではあるが依頼料を渋られたりと恩は全く無い様だった。


 その上で奴隷と騎士のオルガは引き取る事で同意させた。

 奴隷の方はかなり若い内から奴隷として貴族に仕えていたらしく、喋る事さえ許可なくは出来なかった様で、引き取る事に対しても何も無いという問題だらけな感じだった。

 交渉をしていた沈黙の刃に話を聞くと、やはり冒険者でもあるが闇ギルドにも籍を置いていて犯罪系の依頼も受けているらしく、今回はそっちからの依頼だったらしい。


 普通に歩いて移動すると、町の南ある一角から先に貴族街らしく館前に居る衛兵だけでは無く巡回している衛兵も居て、普通に歩いている人が一切居ない場所が有り、巡回は三人一組でうろついていた。

 とは言え、あまり考えて回っている訳ではない様だったので、隙をついて出来るだけ音を消して中へと入って行った。

 貴族街のエンゾ子爵の館に向かうと、衛兵が二人門の前に立ってる二階建ての中々大きい建物があった。

 今迄通った感じだと多分だが懐具合に依るんだろう魔力を感じる館は伯爵以上のみの様で、警備に魔道具を使っていないのが子爵邸の目の前に来ると分かった。


「ただ・・あんなのでも館は立派だってのは、ちょっとイラつくな。」


 ボソッと呟きサーチで確認した上で、人の居ない辺りから館の庭に入る。

 魔力感知に引っかからないので物理的な罠のみを探しつつ、館を外から確認。

 使用人含めて十数人位しか居ないので隙だらけだったから中からでもよかったが、油断する気は無いので外から一気に攫って行こう。

 姫じゃないのが残念だが、そんな事に文句を言っても仕方ない。

 障壁を張り音を遮断してから、鍵と言っても閂みたいな物なので風魔法で小さい弾丸を作り跳ね上げて侵入する。


「何者だっ!!」


「教えてやる義理は無い。」


 閂を落とした事に気付かれ誰何して来たオッサンをバッサリ言葉で斬り捨てつつ、報告を待つ為か一人でいたので即近づき腹部へと拳を強めに叩き込んだ。

 気絶させるのにどれくらいやればいいかは分からんので、かなり強めに叩き込んでおく。


「ぅごふっ!?」


 呻いて動かなくなったおっさんをそのまま肩に背負って庭へと脱出すると、サーチで人の居ない方を選び走り出した。

 もう夜なので貴族街を抜けても人通りは巡回以外は無く、常にサーチを使って人の居ない道を走って行く。


 直ぐに皆が居る場所に戻り、沈黙の刃のメンツと裏の奴隷商に行き貴族と執事、護衛の騎士を売り払い、その金を全額渡した。

 喋られると色々困るが、予め聞いていた通り表の奴隷商では無いので、即喋ることが出来ない様にされていた。

 鉱山での使い潰しの労働力か、戦場に連れて行き肉の壁かっていうくらいしか此処の奴隷の使い道は無いそうなので、喋る必要はまったく無いんだろう。


 木の仮面を付けたままでも沈黙の刃が何も言わなかったのはこいつ等を売った収入が有るからだろうし、余計な事を考える事の無い様気前良く払って置く。

 殺ろうと思えば何時でも出来る事はもう分かっているだろうし、最後に一言脅しておいてイルメラの所に戻った。


「待たせてすまなかったな。大体終わったから、様子を見て朝になったら移動しようか。」


「そうじゃな。万が一でも儂の事をあいつ等の誰かが喋る事が出来たら困るしの。」


「さすがにもうそれは無理だと思うが、まあ念の為にな。ほぼ十割まともに扱われる事は無いだろうから大丈夫とは思うが。ただ、俺が知らない固有スキルが有ったりすると困るから。しかもそれが貴族側に付いていた日には、今回の事件で俺達が悪いとか言い出しかねないし。」


 大丈夫だろうと説明していたら、オルガがしれっと話に入って来た。


「流石にここにそんな有用な固有スキルの持ち主は居ない筈ですが、王都には確か触れた物の周囲を24時間遡って俯瞰で見る事が出来る者が居ると聞いた事が有ります。他にも他国の話ですが、感情を色で把握できる者が居たり、発言を強制できる者が居たりするらしいです。まあ、後者は最初の内は自分達に都合の良い事を言わせて冤罪作りまくりで、今は第三者が居ないとその能力は使えない様になっている様ですが。そんなのが居なくて良かったと言っていたのはエンゾ子爵ですが、話しで聞くにはこの国のスキル持ちの人物は王族側で取り締まっているらしいですので注意が必要かと。」


 気が付いたら何かオルガの話し方が丁寧になっている気がするが。

 忘れ物は無いというので、朝まで暇潰しに自己紹介がてらいろいろ話をしていた。

 イルメラは腕が良いので貴族の目に留まる事が有るが、自分の性格や敬語を使う気も仕官する気も無い等の理由で、結局他の者に仕える可能性がある位ならと敵視され目を付けられるので余り一つ所に居れないと言う事だった。

 他には、出来たらいいなと確認したら専門では無いが出来ると言ってくれたので、建築に協力して貰おうと思っている。


 オルガは大体は愚痴の様な感じでさっき聞いていたが、追加情報として他にも兄弟仲は悪くは無いらしいが(四女だし後継争いには関係無いだろうしな)地元は此処では無いし助けになる様な者はいなかった、と。

 まあ、騎子爵の親なので実際居ても何も言えなかった可能性の方が高い様だが。


 さっきからずっと無言の男は名前がセルファースと言い、既に確認はしていたが牛人族の男で解放せずにそのままイルメラの護衛として居て貰う事に。

 ここまでセルファースと喋っていない訳では無いんだが、ほぼ「うむ。」<コク>(頷き)「いや。」とかしか反応が無いので、もう面倒なのでイルメラに押し付けてそのまま気にしないで流す事に。




 朝レティと合流してからギルド近くの飯屋で皆で朝飯を食べて、ランクアップの確認の為ギルドへ向かった。

 夕方と言っていたがちょうど町に居るし聞くだけ聞きに行っとこうと思ったからだが、ギルド近くまで来て気付いたが面倒と思われる可能性も有るか。


『職員に面倒だと思われるのも何だし、先にオルガ達を村に連れて行っとくか。』


 村の事は隠すつもりなので声を出さずにパスでレティに予定を聞いてみる。


『・・それが宜しいかと。このギルドの錬度ですと、早くて今日の夕方かと思われます。』


『ん~、魔の森近くの此処のギルドで、レニの森の確認でもそんなもんか。じゃあ、ちゃちゃっと村に帰って俺達だけでまた戻って来ようか?』


『そうしましょう。』


 ギルド手前で止まった俺の後ろで邪魔にならない様端に寄ってた四人にやはり一度村に帰ると伝える。


「先に一旦戻ろう。事情説明はさっきしたから分かると思うが、誰か居て欲しいからな。」


「かしこまりました。お任せ下さい!」


 やけに気合の入った声で嬉しそうにオルガが引き受けてくれた。

 ウィッツ東出口から無口なミリスに冒険者証を見せて外に出て、少し離れた場所からレニの森に入って行く。

 近くに誰も居ない多少広い場所で説明する事にした。


「さて、これから今の本拠地に行く訳だが、レティ飛行魔法を使って貰い飛んで行くから。下手に抵抗しようとか考えない様にな?まあ、実際抵抗出来たら凄いが。」


「って、飛行魔法ですか?確かメルエニア帝国で魔法も魔道具も研究されているとか聞いた事はありますが、実用に目途が立っていないと聞きますよ?かなり時間が掛かっていて、各国の諜報員にバレてしまっているとか。各国の英雄と言われる様な人物達の固有能力でも、それは無かった筈ですが。」


 オルガが吃驚したのか一気に詰め寄って来た、のは別に良いが顔が近い近い。


「落ち着けって、オルガ!近いから。」


 他の人達は呆気に取られている様なので、ついでに近くに有るオルガの顔をよく見てみる。

 途中までは敵として見ていたし、初めてちゃんと見るオルガはさっき見たほどきつい顔では無かった。

 当たり前だったが敵として来ている以上、不承不承であっても敵意が顔に出れば多少顔付きは変わるか。


 改めて見ると綺麗なトウヘッド(所謂天然のプラチナブロンド)で動き易い様にかポニーテールにしていた。

 うん、人相手の戦闘になるかも、とちょっと緊張していたので全く気にしていなかった。

 さっきより柔らかい表情になったオルガは自分で言っていた程モテないって事は無さそうだが、もしかすると周りに信頼出来る相手が居なかったので常にさっき迄の怖い顔で居たとすると、分からんでも無いかな。

 かなり荒んでいたようだし。


 今は目の前でちょっと必死ではあるが、険の取れた素顔は綺麗と言って良かった。

 大きめの目に薄い緑の瞳で小さい顔にトウヘッドのポニーテル、170弱の高身長に余り凹凸の無いスリムな体つき。

 まな板では無いが多分有ってCカップかな、っていかんな、また思考がズレてる。


 今気付いたが金銀の髪と空色と翡翠色の瞳でレティと好対象だな。

 俺の願望交じりの色の判断な気もするが、ま、確認のしようが無いし気にしない事にしとこう。

 ちょっと凝視し過ぎたのか途中からちょっと離れて顔を真っ赤にしていた。


「うん、すまん、見過ぎたな。細かい事は向こうで落ち着いてから聞いてくれ。どこまで答えるかは保証はせんが。」


「あ~、分かった。聞くべきで無い事は無理に聞かんのが一番じゃ。状況次第で何時か聞けるかもしれんしな。そんな移動方法なら、今は早く移動した方がよかろ。」


「皆さん私の近くに集まって下さい。一々触れる必要はありませんが、そうですね・・半径二メートル以内で私の後ろに来て、同じ方向を向いて下さい。」


 集まってちょっと待つと、よく分からない力が全身を持ち上げ全員がそのままの位置で浮き上がった。

 あまり怖がらせない様にする為か速度は余り出さずに森の上を進んで行く。

 オルガは高さを気にしていないのか凄い楽しそうだ。


「主、主。普段見た事無い景色ですよ。向こうにはガニア山が見えますよ。」


 はしゃいでいるオルガが気が付いたら主呼びをしてきていた。

 確かに持っているスキルを確認したので、特殊なスキルを持っていたオルガを俺の眷属にするつもりなんだが、慣れんの早くね?

 はしゃぐオルガを横目にイルメラ達を見ると、下を見たらしくその体勢のまま固まっていた。


 面倒になったので周りを放って置き、到着までサーチに集中する事にした。

 が、今回はゴブリンや牙狼は居たが、それ以外には何も無くそのまま村に着けた。

 パスで連絡した訳では無かったが何か気付いたのか、村からアルが走り出し迎えに出て来てくれていた。


「ご主人様~!こっちは何も無かったです~。」


 うん、うちの可愛いコボルドのアルがお出迎えに出て来てくれた様で、パタパタと振るしっぽが後ろに見える。

 他の警備のコボも周りに数人居たがちゃんと警備に集中している様だった。

 村外れに到着した俺達に近付いたアルが不思議そうに聞いて来た。


「お帰りなさい、ご主人様。人数増えてますですけど、何かありましたですか?」


「おう、ただいま。うむ、色々有って、仲間が増えた。庇護者も増えた。?うん、何か喋りがおかしくなったな。こっちが新しく仲間になったオルガだ。で、そっちの二人が客のイルメラとセルファースだ。」


 それぞれを指しながら紹介し次の行動に移る。


「よし、アル達は変わらず警戒しつつ普段通りにしててくれ。オルガは家の建設予定地で同じく警戒を。イルメラ達は・・・ま、客だし適当にしててくれ。此処には来たばかりで家はまだ出来ていないので、スマンが当分は野営だが。邪魔はしない様にな。俺達は一旦町に戻る。」


「はいです。」「初めてのご命令ですね。了解しました。」「ふむ、了解じゃ。」「<コク>・・・。」


 うん、セルファース以外はきちんと返事してくれた。

 うなずいてはいたが出来れば声を出して欲しいが、まあ良く無口キャラなんて居るし個性と言えばそうなんかね。


 アル達に後を任せて、レティとまたウィッツに向かった。

 多少時間を掛けた方が何か用事が有って出ていたと思ってくれるだろうし、体力向上の修行がてら走って向かう事にした。


 向かっている間別に行き成りランク8とかのモンスターに会う事も無く、実害の大きいゴブリンだけ狩り始末してたりしたら着いた時には夕方近かった。

 早く済ませないとまた一晩此処に泊まる事になるので、急いでギルドに向かった。


 ギルドに入ると、今日はアニーさんが休みらしくマリアさんララさんと知らない女性が一人カウンターに居た。

 一々全部鑑定しているとそれをしないと何も出来なくなりそうなので、自重して空いているマリアさんの所に並ぶ。

 今日は皆結構良い結果だったのかちょっと聞き耳立ててみると、オークやブルーウルフ討伐や中級の魔力回復薬の薬草採取など結構難しい依頼を成功させていてギルド内がかなり盛況だった。


 サーチ内に見覚えのある気配が有ると思ったら、ちょっとだけだが親交のある深緑の狩人の連中だった。

 パッと見だけでも浮かれている様子を見ると依頼が上手くいったと分かるが、丁度横を通るのでリーダーのランドニーに突っ込んでみる事に。


「よう、浮かれている様だけど依頼は上手くいったのか?」


「ん?ああ、ユウか。おう、ホブゴブリンの群れになりかけの集団が居たってんで狩って来た。ホブゴブリンナイトに率いられた二匹のホブゴブリンと六匹のゴブリンを何とかな。」


「おおっ、よく三人でその数を狩れたな。そろそろランク4が近いか?っていうか、まだ三人なんだな。お前ら位なら入りたい二人か三人組の新人じゃないのも居るだろうに。」


 不思議に思ったので聞いてみると、深緑の狩人で頭脳担当のルコットがため息交じりに語ってくれた。


「そこはな・・幾つか問題が有ってな。やはり前みたいにくっついたとたん冒険者を辞められても困るし、でも野郎だけで冒険を続けるのも何だしで困ってんだよ。余りがっついてみせると、女性だけのパーティも無いではないけど嫌がられるしな。リーダー達は時間が掛かると嫌がるけど、しょうがないのでまず先にもっと実績を積んでから誘えば男女はともかくまともな連中をこっちで選べるかと思ってな。」


「そうですね。ランク5、最低でも4まで上げればその間に町付きとして名も上がるでしょうし、そこでランク2、3辺りの初心者を誘えば、後から多少鍛える手間は有るでしょうが好みの冒険者を選べるのではないでしょうか?」


 レティが予測を話すと、理解されて嬉しかったのかルコットが喚き出した。


「ほら、レティシアさんもそう言ってるんだから大丈夫だよ!お前らが知ると暴走するかもと思って言って無かったけど、実は数人目星を付けているのも居るんだよ。上手くいけば後半年有ればランク4に上がれるし、そこまで行ければ誘えば仲間に入ってくれるのも居るって!」


 喋っていて気付かなかったがもう前の冒険者が依頼達成の処理を終えようとしていたので、残りの二人を説得しているルコットを置いといてマリアさんに声を掛けた。


「ども、ベルトルドさんは居ますか?もう、依頼達成の確認終わった頃だと思うんですけど。」


「あっ、ユウさん。はい、帰っておられますよ。今呼びますね。・・・ベルトルドさ~ん!ユウさん来ましたよ。」


 マリアさんが後ろに向かって声を掛けると、奥で書類仕事をしていたらしいベルトルドがのっそり出て来た。


「おう、やっと来たか。まあ、夕方って言っといたしな。ちゃんと確認して来たぜ。気配感知で結構広範囲を調べて来たが、普通の狼位しか居なかったからな。マリアちゃん、副支部長ベルトルドが許可するのでランクアップ処理をよろしく。」


「はい、かしこまりました。では二人共、冒険者証を渡して下さい。」


「はい。」「お願い致します」


 渡したカードをカウンターに置いて有る機械っぽい物に差し込み三分ほど待つとカード自体が光を放った。

 それぞれ行うと抜き取り渡してくれたのだが、元は黒かったカードが青くなり魔晶石の色も無色だった物が青く色づいていた。


「はい、これがランク3のカードです。此処からは1ランク上がる度にカードと魔晶石の色が変わりますので、一目でランクが分かる様になります。ランク3から青、4で緑、5で赤、6で黄、7で紫、8で銀、9で金、10で虹になります。初心者ランクとなっている1、2ランクはそのままでそれ以上に行く冒険者はこれから冒険者としてやっていくつもりが有ると判断し、一目で分かる様になっています。貴方達もかなりの短期間でランク3まで上がっていますので、うちのギルドとしても期待していますよ。」


「ども。」「ありがとうございます。」


 思っていたより期待されていそうなので当分上げない様にしようと決めつつ、手早くカードをしまいギルドから出て行った。






 コボルド達に加えて更にウィッツでイルメラ達三人を助けて、新しい村を作り始めてからの一週間を振り返ってみる。

 最初に印象付けたのが効いたのか、今の所は俺達が少し村を離れても襲ってくるモンスターはいない様だった。


 今の内に村の外側に柵を作らせたり、鳴子の罠を仕掛けたり・・じゃ無く仕掛けさせたり、落とし穴を作ったりと忙しく働いていた。

 大体はコボルド達が、後はオルガとセルファースが。

 コボ達とイルメラはモノ作りが得意な者同士で気が合ったのか、既に一緒に何か作ったりしている様だ。

 俺達はオルガとセルファースを加えいつもと変わらず修行に精を出し、村の周りの落とし穴だけは土魔法の練習で俺が作ってやったが順調に村の形になって行った。


 村には村長の家の次に、村の端にではあるが俺達の家を先に建てて貰いそこで普段は生活をしていた。

 コボ達よりもかなり大きく作らなければいけないので、村全体から見るとちょっと違和感が無いではないが、人の町以外で雨風を凌げるのは非常に助かる。


 更に人が増える事も考えて木造の二階建てで、土台は俺が土魔法で均し固め、一階には広い吹き抜けの広間に厨房と言っても竈にイルメラに協力して貰って造った水道もどきが有るだけの部屋に奥に倉庫、トイレ、二つの客間で、二階には部屋数は多めに八つの家を建てて貰った。

 一階客間の奥には風呂を作れるように一部屋分足してあるので、その内作ろうと思っている。


 他には水魔法で密閉出来る瓶に水を溜め、錆びない鋼である魔鋼を薄くした上で丸めホース代わりに使い、螺子的な物で蓋をすれば水道っぽくなった。

 螺子を緩めれば水が出る仕組みにイルメラが驚いていたが、細かい事はどうでもいいらしく理由とかは気にされなかったのは助かった。

 構造自体には興味は有るんだろうが自分の領域では無いと判断すると、とたんに興味が無くなるらしい。


 俺達が修行している時はアルは村の手伝いをし、新しいスキルを得るべく裁縫の練習をしていた。

 まあ、その前に新しい靴だけはコボルド達で協力して作って貰ったが。

 元々履いていたブーツを見本に作った中々良い靴なので、これからはこっちを主に使っていこうと思う。

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 強化レッドブーツ

 レッドオーガの皮をなめして作られた部分的に鋼で強化した靴

 レッドオーガの革を使っているため持ち主に火耐性2を付ける事が出来る

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 今日はちょっと趣向を変えてアルの修行を見てやる事にした。

 とは言っても当然裁縫では無く、実戦に付いてくる可能性を考えて先ずは体力、そこから敏捷と出来れば魔法を使えるよう出来れば最善だろう。

 必ず一日数回村の柵に沿って最低五週走る様言っておいたのでその内体力は付いてくるだろうし、先ずは見取り稽古だな。

 相手の攻撃が見えないと話にならないからな。

 ついでにオルガとセルファースも呼んで一緒に座らせる。


「よしっ!レティ、今日は最初だし身体強化無しでやろう。で、棒術で勝負だ。」


「受けて立ちましょう。まだ、素の状態ではご主人様に負けませんよ。」


 俺はいつもの棒術で身長より長い一m九十cmの木の棒で、レティは物質化で創った双剣を考えてなんだろう通常の長剣位の棒を二本持っている。

 自分で切った木を削って作った棒なので、そもそも戦闘に向いているかとかは気にしていない。

 二日も使うとボロボロになっていて薪となってしまうので、早くイルメラに新しい頑丈な物を作って欲しいものだ。

 横でアルとオルガとセルファースがこっちを見てるのを確認してレティと頷き合い、その瞬間模擬戦を始めた。




   ------------  オルガ  ------------




 横に居る立場は違えど元同僚のセルファースと一緒に呆然と繰り広げられる戦闘を見ていました。

 今迄何人かの強者と呼ばれる冒険者も騎士も見て来ましたが、私の経験では王都の騎士学校の先生として来ていた王都に在る騎士団の大隊長程度では足元にも及ばないであろう戦闘が行われています。

 しかも、これで身体能力強化を使っていないというのだから、助けを求めた相手とはいえいったい何者なのか気になって来ました。

 所々で今の私では見る事も出来ない模擬戦を10分程で終えて、主が私とセルファースに感想を聞いてきました。


「さて、二人には今の模擬戦はどんな感じに見えた?」


 セルファースと目を合わせ、仕方ないので自分から言う事に。


「七割方見えなかったです。一応騎士学校を出た経験がありまして、そこで見た騎士団の大隊長とかでも明らかに今の主達より弱かったですね。」


「・・・む。<コク>」


 エンゾ子爵に仕えて4年ほど一緒に居ましたが、子爵が奴隷の言葉など聞きたくも無いという人間だったので問題はありませんでした。

 しかし、普通の環境なら奴隷でも多少は喋らないと仕事が成り立たないので、今回は良いけれどその内ちゃんとセルファースとお話しした方が良いでしょう。


「ふむ・・、そうか。この国のレベルがよく分からんから何とも言えないが、良い感じで強くはなれているか。俺だけだったら多分もっと時間が掛かったろうが、レティが居るお陰で引き上げられているからな。」


「主。そこまで詳しくは分かりませんが、多少で良ければ説明したいと思いますがよろしいですか?」


「おう、頼めるか?」


「はい。まず、この国は周りの国と比べて軍事含め全体的にはレベルは低い方です。魔の森が近い村や王都には高レベルの冒険者も騎士も居ますが、それは一部でそれ以外はかなり低いです。この国はかなり北に在りますので、侵略しても労力がかかるばかりで、冬の間は雪に閉ざされ生産も余り安定していないです。何とか魔の森の素材やカルカーンでの高レベルの魔道具生産で成り立っている様な国で、攻められる心配もほぼ無いですから。」


「強さは兵士でレベル10~20、小隊長で30、中隊長で40、大隊長で55、連隊長で70、将軍で90以上ぐらいですね。スキル次第ではありますが。聞いた話ですが、他国は最低でも足す10位らしいです。冒険者も一番多いのがレベル30台くらいで、平均すると他国の冒険者より低いです。国の中にダンジョンを持っていて、更に管理ダンジョンも有るのに国力を上げるのに使っていないですからね。」


「?管理ダンジョンなんてあるのか?」


「はい。王都西の河を渡って南西にあるガニー村が、国がダンジョンの周りに作った管理の為の村です。低層の地下1階から5階はゴブリンや狼、スネーク系が、5階から10階はホブゴブリンやボア、オーク系が出た筈です。細かい階数は忘れましたが、確か18階くらいまでしか行っておらず、まだ制覇はされていなかったと思います。」


 他にも国最北部の村にあるダンジョンの事も含め、私が持っている情報を主に渡していきます。

 主はダンジョンに興味を持たれた様なので、その内行く事になるかもと気持ちを新たに頑張ろうと思います。

 主達に追いつける様、今まで腐っていた3年の事は置いておいて、更に鍛えて主の横に立てる自分になりたいですね。


次回11月25日0時投稿予定

何となくイメージが湧いたので番外編的な物を二つ書きました

来週同時にあげてますのでよろしければご覧ください

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