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元オッサンの眷属使い  作者: 烏賊紳士
第二章 仲間を増やしつつ修行中です
11/55

第九旅 もふもふでした

 レティと分かれて森に入るとまだ浅い部分には小動物ばかりが居た。

 サーチを広げると幾らか獣がいる様だが、モンスターは近くには居なかった。


 久し振りに一人で森の中に居るとちょっと気が向いたので、大きな木の上で良い枝ぶりの場所を探し胡坐をかいたうえでサーチに集中してみる。

 何時もは何かしながらか、逆にあまり意識しないで使っていたサーチをそれのみに集中して使ってみた。

 落ち着いて感覚を広げていると、ゆっくりではあるがいつもより範囲が広がって行くのが分かる。

 今迄も適当に範囲を意識していたが、そろそろ実際の距離は分からなくなって来たな。


 ただ、ある程度強そうなので調べると、南東にまあまあ強いであろう一体と、南南西に遠すぎて気配のみで何となくだが以前狩ったので何となく分かるオーガの一種臭いのが居るみたいだが、そっちは多分ガニア山に居るんだろう。

 手前数百m位に獣も何もいない所が有るので、ガニア山のモンスターの縄張りになるんじゃなかろうか。


 ここらで強そうなのは東南の一体なので多分それがレッドベアと思われるので、サーチを止めて森に降りて走り出した。

 そこここにゴブリンやボアは居るがもう面倒だし放っておいて、一直線にサーチ上の気配に向かう。

 近づいて行くと赤くてデカい熊が猪を食べている最中だった。

 出来るだけ気配を消して移動して後ろから鑑定してみる。

 ____________________________

 レッドベア 魔獣 レベル41

 スキル

 魔爪斬 火耐性2

 ____________________________


 始めて見るスキルが有った。

 見た限りでは爪に魔力を纏わせ切れ味を上げるスキルじゃないかと思うが。

 念の為確認をすると、

 ____________________________

 魔爪斬

 爪に魔力を纏わせ切れ味を上げる

 纏わせた魔力を引き延ばし射程を伸ばす事が出来る

 ____________________________


 始めて見たスキルだがビックリだった。

 魔力を纏わせるのは想像がついたが、魔力だけで射程を伸ばし斬れるとは思っていなかった。

 似た様な事を考えて挑戦していたけど全く上手くいっていなかったんだが。

 このまま不意を突けば簡単に殺せるけどちょっとどんな物か見てみたい。


 覚えられれば今後の為にもなるけど俺は怪我なんてしたくないし、出来うる限り安全に挑発しつつやってみる事に。

 仕方ないので前から姿を見せて攻撃させる事にした。


 が・・気付いても良い所まで来ても全くこっちに見向きもしやがらねぇし。

 面倒だが挑発しよう。


「がああああああっ!!!」


 思いっきり腹から吠えてやったら、流石に仕方ないと思ったのかのっそり動き出した。

 ので、イラッとしたので土球を死角から落としてやった。

 ここらでは此奴より強いのはそうは居なかったからか油断してんだろうけど、全く気付かないで食らうってどうなんだ?


「ぎゃうっ!?」


 イラついて出したのでちょっと大きかった土球の魔法が会心の一撃だったのか既にふら付いているが、やっとこっちに敵意が向いた気がする。

 ただ、やる気を出させるのに丁度良かったのか、手の辺りに魔力が集まって行くのが分かった。

 しかも感知で手よりも長く形作られていくのが分かるが、時間が掛かるし先にとっとと狩りたくなる。


 本来は間合いを間違えると大参事って奴なんだろうが。

 感覚的に爪の先に五十cm位か、そこまできっちり見切っているとギリで避けたくもなるが、いきなり間合いが変わったり飛ばしたりがあるとかなり面倒な事になる。

 丁度襲い掛かって来たレッドベアに常に一mは間合いを開けて戦っていると、このベアの戦闘経験の足らなさがよく分かった。

 本当に左右の爪で切り裂いてくるだけで、たまに捕まえに飛びかかって来るだけ。

 同レベルの実力を持った魔力感知が出来るのが来たら速攻負けそうだ。


 考え事しながら余裕を持ってスキルの爪を見ていたが、何となく分かってきた気がする。

 俺がやっていた物とは凝縮率が違う気がする、多分。

 要するにスキル化するほど魔力を凝縮できれば、魔力のみで武器が作れるのではなかろうか。


「がうっ!!」


 右から来た斬り下ろしを余裕を持って後ろに下がって避けると


「がああっ!!」


 今度は飛びかかって来たので、周りを確認し追い詰められない様にしつつ木々を避け右後ろへと避ける。


「ぐぎゃうっ!?」


 色々吠えながら襲い掛かって来たので調子づかせない様ちょいちょい土球や水球で体勢を崩してこけさせたりしていると、向こうがイラ付いて来たのか体を縮め一気に飛びかかって来る体勢になった。


「ぐううぅ・・・、ぎゃあうっ!!!」


 予想が付いていたのでもう終わりにする為に、半歩下がりながら石を凝縮硬化して針状にして足元から飛び出させた。


「ぎおっ!?」


 真正面から胸の左中央を貫かれたレッドベアはそのまま力が抜けて行き倒れた。

 そのまま血抜きの為血が出るに任せ更に首を斬って待っていると、少し遠くから走って来るのかかなりのスピードで近付いて来る者が居た。

 元々サーチしていた感覚だとあまり強いのは近くに居なかったハズなので、そのまま突っ込んで来るようなら目の前に土の壁でも出してやろうかとか思いながら血が抜け切るのを待っていた。


 結局そのままのスピードでこっちに辿り着きそうだったので仕方なくそちらに注意を向けると、小さな魔物が必死に走って来るところだった。

 面倒を見たくなかったが仕方なくサーチしたところ、少し離れた所に居る魔獣に追われている様だ。


 レッドベアよりはかなり強いのが、なんか嬲っているのか追いついたりまた離れたりしている。

 まだ血抜きは終わりそうになかったので仕方なくとっとと終わらすために東から向かってくるのでそちらへと向かった。


 先に走って来ていたのは初めて見る種族で、確か犬獣人でコボルドだったはず。

 獣人系では無く魔物の一種で外見は二足歩行の犬だったはずなんだが、今その姿は犬そのものだった。

 要するに、全力で四足で走っていた。

 その向こうに見えるのはコボルドを嬲っている魔獣なのだろう、デカい猿が見えた。

 しかも不自然に長い腕の魔物だ。

 一回だけ修行中に狩った事のある長手猿だろう。

 近付いて来たので先ず鑑定をしてみると、また面倒な事になるのが分かった。

 ____________________________

 コボルド 魔物 レベル5

 スキル

 革職人 料理人 解体職人


 剛長手猿 魔獣 レベル73

 スキル

 投擲術3 剛腕 伸縮腕 手加減

 ____________________________


 猿は希少種か何からしく、見たことない種族名になっているし長手猿にしてはレベルが高い。

 調子に乗っている様で、かなり楽しそうにコボルドを追い掛け回している。

 レベル差が有り過ぎてどう考えても嬲ってるだろ、これ。

 こんなん見過ごすのも微妙なので一旦助ける事にして、そのまま面倒と思って逃げてくれないかとコボルドの後ろに土魔法で壁を立ててその前に立った。

 念の為、異世界言語に期待して魔力を込めて言ってはおく。


『何とかしてやるから、そこで待ってろ!』


「っ!!はい~!?。」


 ??俺が分かる言語臭いんだが、何故に?

 ニュアンスが伝わればと思っただけだったんだが、意思疎通できるんじゃなかろうか。

 しかもプルプルと震えながら伏せてしまったのが、俺の琴線に触れてとても可愛かったとはレティには言えんな。

 まあ一旦逃げてくれればと考えたが、置いといて早く猿を狩って事情を聴く事にしよう。


「邪魔して済まんが、時間も無いのでもうサヨナラだ。」


 この頃使っている普通の鉄剣をボックスから出し、逃げずに木の上でこっちを見て警戒している猿に身体強化全開で即後ろに移動し首を刎ねる。

 全開戦闘は久し振りでちょっと振り切った腕が痛かったが、そのまま足を持ち逆さにして血を抜きつつ、剣をしまった反対の手で首も持つ。


 数分後には血も抜けたのか止まったのでボックスにしまい、まだプルプル震えて伏せている服を着たコボルドの元へと歩いて行った。


「俺の言葉が分かるか?」


「?はい、分かりますです!はっ!?追って来ていた猿は?大丈夫です?怪我は?」


「良いから落ち着け。もう追って来ていた猿は狩ったから。」


 これこれと、一旦ボックスに仕舞った物を出す。


「えっ?あんなに強い魔獣をさっきの今でもう狩ったんです?」


「ああ、下手に時間を掛けると真っ暗になってしまいそうだったからな。苦戦して話を盛り上げたりもないし。それはもういいとして、お前さんはコボルドだよな?」


「はい。此処から南に有ったコボルドの村から逃げて来ましたです。」


「??こんな所に村が有るのか?って、ああ一々他の人間に言って狩りだしたりはしないから教えてくれるか?ついでにコボルドが普段どんなかも教えてくれると助かる。」


「はい、僕達は基本的に縄張りの主に色々世話を焼く事で縄張りの中で村を保護して貰いますです。山の麓にオーガが何体か居たのですが、敵対している感じでは無かったので近くに居た二体に保護を頼みましたです。丁度あいだ辺りだったので、僕達の村に来て居る時だけは戦闘行為は無しと言う事で納得してもらい、歓待してまたそれぞれの縄張りに戻るという生活でしたです。」


「ふむふむ・・。って聞いといてなんだが、悠長に話してて大丈夫なのか?」


「はい、村が襲われた時すぐに皆で散りましたから、逆にすぐに戻っても誰も居ないで他の猿が居るだけの可能性の方が高いのです。それで続きですが、七日前位から西にいた筈のレッドオーガが戻って来なくなり、昨日来るはずだった東のブロウオーガが来なかったのですがちょっとズレる事なんかはよくある事だったので気にしていなかったら、今日になって行き成りあの猿共が襲い掛かって来たです。多分ですが七、八匹の群れだったと思いますです。」


「よく此処まで逃げてこれたな。遊んでたにしても飽きられなくて良かったというかなんというか。」


「あいつらは僕達を食べる訳ではありませんから、よほど反応が無くならない限りは本当に死ぬまで突つき回されますです。はっ!遅れましたですが、助けていただいて有難うございましたです。」


「おう。それは行きがかり上良いとしてだ。気になっていたんだが、お前さん何語で話してる?」


「??はい?僕は魔物語で喋っていますで・・す?はっ?!そう言えば何故人族の貴方が僕と喋ってるんです?」


「んー・・。やはりそうか・・。まあ理由は俺も何となくでしか分からんので気にしないでくれ。(多分スキルの異世界言語が翻訳してくれてるんだろうけど。気が向いたらどこまで翻訳してくれるか確認した方が良いかね。)」


「分かりましたです。恩人に無理を言うような事でも無いですし、通じた方が良いのです。」


 置きっぱなしになっていたレッドベアと剛長手猿をボックスにしまいながら話を続ける。


「さて、もう此処に居る必要も無いけどお前さんはどうする?俺は森を出た所に連れが待っているからそろそろ行くけど。魔物みたいだけどそんなに害は無さそうだし、去り際に後ろからサクッと殺ったりはしないよ?一度助けて見捨てるのも何だし、集合場所が決まってるなら送ったろか?」


「えっ?そんな心配はしてないです。とは言え・・・・・。」


 喋りながらじーっと見て来ていたが何かうんうん唸っている。


「どした?」


「一つ聞いても良いです?」


「?何でも答えるとは言えないが、先ずは聞くだけなら。」


「今僕に普通に話していますが、何か気になる事は有りませんです?」


「何も?・・・ああ、魔物相手に何かないのかって事か?」


「そうです。人族は奴隷化でもしない限り、知性が有ろうが魔物は魔物と思っていますです。テイマーにテイムされていたとしても一般人には余り関係無いと思っている者も居ると聞いた事が有りますです。魔物は魔物で在って主人が居なければ暴れ出すと思っていると、です。」


「ん~・・。他は知らんが、俺からしたらどうでもいい話だな。相対して考えるし、どっちかと言うと人の方がそういう意味では信用なんか出来ないし。どっちにも碌でも無いのは居るだろうって話だよ。」


「なるほどです。」


 話しながらもまだこっちをじーっと見ているコボルド君は何か決めた様でそのまま話しかけて来た。


「もう一つ聞きたいのです。テイム出来ますです?」


「あーーうん、何故そんな事を?って聞くのは野暮か。何故そうなったかは聞いていいのか?」


「はいです。先程僕達の群れでの通常の行動は説明しましたが、別の行動を選ぶ事も有るです。それは個人として自分の目で確認して、考えて選んだ人を主人と定める事です。この選定をする時には感覚のみでは信用してはいけないとなっていますです。」


「そうなのか。では俺に・・あー、仕えたいって事だな。」


「そうなるです。ただ、当然僕は魔物ですので無理は言いませんです。その時は遠慮なく言って下さいです。村に帰りますです。」


「ふむ・・・。確かにお前さんのスキルは助かるが・・。」


「??僕のスキルを知ってるのです?」


「ああ、俺は鑑定のスキルを持っているからな。既に見ているよ。」


「そうなのです。・・ただ、僕のスキルって何か聞いても良いです?」


「そうか、魔物の村に鑑定の魔道具なんて無いだろうし、スキル持ちもそう居ないか。と言うか、通常どうやって判断してるんだ?」


「村長とか長老の判断です。スキルを知らなくても実際出来ていれば余り関係ないのです。ただ、見たのなら知りたくは有るのです。」


「そりゃそうか。えーっと、革職人、料理人、解体職人だな。」


「そうですか。やっぱりやり慣れた物はスキルとして覚えやすいのです。村での僕の役目は解体とその狩った素材の皮や牙等を使って革鎧や靴を作ったり、森で取って来た肉と野菜で料理をしたりです。大体二つくらい役目が有りますですが、僕は三つやっていましたです。お買い得です。」


「お買い得て・・。ふむ、確かに助かる物が多いのは認めるが、さてどうするか・・。(ただ、元々犬派だったし、この柴犬チックなコボルドはお持ち帰りしたくはなっているんだよな。)」


「・・・。」


 なんだか待てをしている柴犬の様に目の前で期待しながら待たれると困ってしまうが、もう決断はしているので伝える事にする。


「って、そう言えば、名前はなんて言うんだ?僕って言ってるし雄か?」


「通常、魔物に名前は無いです。僕達コボルドは毛の色だったり、やっている仕事だったりが名代わりでしたです。魔力感知に優れた種とかは、喋りに魔力を乗せて相手を確定したりするらしいです。」


 現状が分かったので頭を撫でながら魔力を流していく。


「そうか・・・。では、お前の名はアルだ。これからよろしく。」


「はいです!」


 尻尾をパタパタと振っているのを横目で見ながら更に頭を撫でてやる。

 既に暗くなっていたのでアルを撫でながら忘れていたレティへ連絡をする。


『おーい、レティ聞こえるか?』


『はい、聞こえていますよ。もう終わりましたか?』


『狩りは終わったけど・・別の事態になった。』


『??どういう事でしょう?』


『レッドベアを狩った後、血抜きしている時に長手猿から逃げて来たコボルドを助けたんだが・・。テイムしたから。』


『・・なるほど、途中の話がサッパリですが・・。まあ細かい事は合流してからにしましょうか。お早いお戻りを。』


『了解。すぐ戻る。』


 手の下で俺の邪魔をしない様になのかじっとしているアルを抱き上げながら言った。


「今、森の外にアルの先輩がいるから。こっちの用事は終わったし、合流しよう。」


「はいです。・・あ、ご主人様、これから僕共通語を話した方が良いです?」


「ん?話せるのか?さっきから普通に魔物語を話してたと思うが。」


「僕達コボルドはちょくちょく人族と接触しますので、大体は両方話せますです。どこまで流暢に話せるかは個体に依りますですが。」


「そうか。これから仲間になるのは基本人族だろうし共通語で頼む。・・・んじゃ、行くぞ?」


 言いながらアルを抱き上げる。


「うわわっ!僕、自分で走るです。」


「いや、すまんがアルに合わせて行くと時間が掛かるから、しっかりくっついとけよ?」


 身長80cm位のアルを抱き上げ余り早過ぎないスピードで走り出した。


「ひゃああああぁぁぁぁ・・・・・。」



 ちょっとゆっくり走ったので一時間以上かかったが、レティの居る森の外に着いた。


「さてご主人様、それは今日の食材ですか?」


「きゃいん!?」


 ちょっと殺気を出したレティにアルは尻尾を股の間から抱えて丸まってしまった。


「ほら、レティ落ち着けよ。まだ紹介もしていないのにアルが丸まっちゃったろう。何故そんな殺気立ってんだ?」


「むう・・・。まだもうちょっと二人だけで居られると思いましたのに。」


「すまんな。二人きりにはちょいちょいなれる様にするから。まあこんなに見た感じは可愛いが、アルはかなり使える奴だよ。革職人で料理人で解体職人と、スキルが使える物だけで構成されているからな。これからの俺達に必要だ。今迄狩ったが何もしていないモンスターも多く、解体して肉を切り分ける事も出来る、皮を剥いでなめして鞄を作ったり靴もマントも鎧だって作れるだろうし、まだ俺達ではあまり美味く作れないから料理も助かる。と、まあ言わなくても分かっているんだろ?レティ。」


「はぁ・・。仕方ないですね。男の我儘を聞くのも良い女と言うものでしょう。と、冗談は置いて置きまして、アルと言いましたね。もう脅したりはしませんから顔を上げなさい。」


 まだ地面にしゃがんでプルプルと丸まっているアルに優しく声をかけているが、アルはこっちを見て心配そうにしている。

 苦笑しつつ頷いてやると、やっと起きて来た。


「さっき言ったが彼女が俺の相棒でテイム一号のレティシアだ。」


「・・・テイム一号のレティシアです。テイム二号、これからもご主人様の為に頑張りましょう。」


 ムスッとしたレティが渋々言い出したが、やはり上げて落とすは駄目だったか。

 相棒と言った瞬間ぱあっと輝いた笑顔が、次の瞬間見事に苦虫を噛み潰した様な顔になってしまった。


「レティ、冗談だって分かってるんだろ?悪かったからそう怖い顔をしないでくれ。・・アルに事情を話すつもりだったからちょっと雰囲気を軽くしたくて、な。」


 ふうっとため息をついて仕方ないなぁと言う顔になるのは、もう既に熟年夫婦の様な気がする。


「さて、アル。今聞いて分かったと思うがレティシアは人化している魔物・・魔物?そう言えばレティはどういう分類になるんだ?魔物とも違う様な気がするんだが。」


「説明していませんでしたね。私達竜族はその種により違う分類になります。一律で飛竜や走竜などと呼ばれている知性も低い下位竜は魔獣となります。私の様に属性の力を持ち知識を子に引き継がせる事の出来る属性竜は大概どこでも神の使いや場所によっては神扱いですね。実際の分類は魔物になると思いますが。」


「ほう・・・そうなのか。まあそんな訳で、レティは俺が卵の時に助けた疾風竜だ。ほれ、挨拶しな?」


 まだちょっと怯えた感じだが、同じテイムされた者だと理解したのかビクつきながらもレティの顔を見て挨拶した。


「きゅぅん・・・僕は先程長手猿から助けていただきましたコボルドのアルです。この人こそ主人であると思いテイムしていただきましたです。レティシア様、これから宜しくお願いしますです。」


「ふむ・・・よろしく頼む。竜としての経験ではコボルドに触れた事は無いですからね。ちょっと意味なく緊張しています。感覚的に触れたら潰してしまいそうな気が・・。」


 恐る恐るといった感じで頭に手を伸ばすレティはそっとアルを撫で始めていた。


「これからご主人様を支えて行こうぞ、アルよ。」


「はいです!頑張りますです!」


「よしっ!紹介も終わった所で晩飯を食ってから、ちょっとアルの村を見に行くか。気にはなっているんだろ?」


「!?それは勿論そうです。しかし、気になさらないでも構いませんです。我々コボルドには優先順位が有るです。色々有りますですが、主人に仕えるのは最優先なのです。」


「んー。まあ、そこは後顧の憂いを絶つと言うか、気になる事が有るから行ってみよう。」


「まあ、確かにこの近くにそんな長手猿の集団が居るとは街にも情報は入っていませんでしたし、最低でも確認するかそれこそ討伐する必要が有りますね。」


「ま、バレバレか。そんな訳で気にする事は無いぞ、アル。」


「・・・。ありがとうございますです。では、食事後にご案内いたしますです。」


 三人で、土魔法で整えた平らな所に簡素な机と椅子を出し晩御飯となった。

 アルが横から助言をしていたが、最後に調味料の量を少し多く間違えたみたいでちょっと塩辛いボアの肉野菜炒めになった。

 量を多めに出した米を炊き上げ一緒に食べると、ちょっと米の消費は多いがまあまあ美味かった。


「では、向かいますか?」


 レティに聞かれ晩飯の後始末後に移動の準備を始めた。


ストックが減って来たので次の投稿からは金曜日0時のみの週一となります。投稿は少なくなりますが変わらず読んでくれると嬉しいです。よろしくお願いします。

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