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安心の器  作者: 古都麿
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第一部 第12話 甘え方を間違えた真人

ある日の午後。

「新凪さん」

仕事部屋から出てきた真人がキッチンで料理をしている新凪を後ろから抱きしめた。

「真人さん?」

「……いい匂い」

真人は新凪の首筋に顔を埋めて鼻をすんすん鳴らした。

「ち、ちょっと、嗅がないでください!恥ずかしいじゃないですかぁ…‥」

「新凪さん成分補充中です」

「いつかの仕返しですか?」

「仕返しです」

「もう……」

新凪はくるりと振り返り。

その手には野菜を切っていた包丁が。

「私も真人さん成分充電したいです」

包丁を握りしめたまま、新凪はにっこり微笑む。

「料理中は危ないですね」

真人は背中に冷や汗を感じた。

真人も甘える時はTPOが大事だと学習した日だった。


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