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無職のおっさん、ラノベを書く  作者: 無職のおっさん


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7/17

第7話 フォロワーは増えた。でも、読者が増えたとは限りません

第6話では、新しい商品を作ろうとして長い時間を使ったものの、完成直前の修正から抜け出せず、企画を中止しました。


作れば売れるわけではない。


見られれば売れるわけでもない。


同じ内容を形だけ変えた商品を増やしても意味がない。


そう気づいた俺は、無理に次の商品を探すことをやめました。


それでも、noteのフォロワーは増え続けています。


数字だけを見れば前進している。


しかし、新しい記事への反応は、思ったほど増えていませんでした。

 朝、noteのアクセス状況を開いた。


 全体ビュー、五百三十。


 スキ、百五十一。


 コメント、ゼロ。


 フォロワー、八十五人。


 売上、四百円。


「八十五人か」


 昨日は六十二人だった。


 一日で二十三人増えたことになる。


 実験を始めてから、まだ九日。


 フォロワー数だけを見れば、予想よりも速く増えている。


 最初は誰にも見つけられないまま、記事だけが並んでいくと思っていた。


 だが、現実には毎日のように新しいフォロー通知が届いている。


 俺は少し期待しながら、新しく投稿した記事の数字を確認した。


「……あまり変わってないな」


 フォロワーが二十人以上増えたのだから、新しい記事の閲覧数やスキも増えると思っていた。


 しかし、実際にはそうなっていない。


 フォロワーが四十人だった頃と比べても、記事への初期反応はそれほど変わっていなかった。


 フォロー通知は増える。


 だが、その人たちが記事を読んでいるとは限らない。


 俺は新しくフォローしてくれた人のページを、いくつか開いてみた。


 同じように副業や収益化を始めた人。


 毎日の出来事を書いている人。


 創作を投稿している人。


 プロフィールには、


『フォロー歓迎』


『相互フォローします』


 といった言葉も並んでいた。


「読者が増えたというより、フォロワーを増やしている人同士でつながってるのか」


 別に悪いことではない。


 フォローされたら返す。


 同じような目的の人とつながる。


 SNSでは普通の行動なのだと思う。


 ただし、フォロワーが増えたからといって、そのまま読者や購入者が増えるわけではない。


 八十五という数字の中に、実際に記事を待っている人が何人いるのかは分からなかった。


 俺は一覧へ戻った。


 最初の記事は、少しずつ閲覧数が増えている。


 AIを使って記事を作った記録も読まれている。


 何を書けばいいか分からない人向けの記事も、ほかの記事より動いていた。


 一方で、毎日の報告記事は、急に伸びるような内容ではない。


「まあ、俺の日報を検索して読む人はいないよな」


 初めてこのアカウントを見つけた人が、


『無職のおっさんの九日目の売上が知りたい』


 と思って検索するとは考えにくい。


 日次報告は、実験の記録だ。


 すでに企画を知っている人が、続きを確認するための記事。


 ラノベも同じだった。


 少数でも続きを読みたいと思ってくれる人がいれば意味はある。


 だが、第七話から突然読み始める人は多くない。


 記録と連載だけを増やしても、新しい人が大量に来る入口にはなりにくい。


 俺は以前見かけた投稿を思い出した。


『noteは、投稿した直後の反応が重要』


 そんな内容だった。


 最初の短い時間にスキや閲覧が集まれば、note内のどこかで紹介されやすくなる。


 そこで多くの人の目に入り、さらに反応が増える。


 反対に、投稿直後に何も起きなければ、そのまま新着の中へ沈んでいく。


「本当にそうなのか?」


 運営が具体的な仕組みを公開しているわけではない。


 誰かの経験談かもしれない。


 偶然伸びた記事を、投稿時間の効果だと考えているだけかもしれない。


 俺は調査を担当しているAIへ聞いてみた。


『SNSや記事投稿で、投稿直後の反応が重要と言われる理由を調べて』


 返ってきた説明は、単純なものだった。


 最初は一部の人へ表示する。


 そこで反応が良ければ、より多くの人へ広げる。


 そのため、読者が活動している時間に投稿すると、最初の反応を得やすい。


「なるほどな」


 だが、すぐに別の疑問が浮かんだ。


『人が多い時間は、投稿する人も多いんじゃないか?』


 見る人が多い。


 しかし同時に、企業や有名な投稿者も一斉に記事を出す。


 フォロワーの少ない無名のアカウントは、強い投稿に囲まれて、表示される前に埋もれる可能性がある。


 利用者が多い時間が、全員にとって最適とは限らない。


 強いアカウントは、大勢がいる場所でも最初から反応を集められる。


 だが、俺のような小さなアカウントは、人が多すぎる時間を避けた方がよいのかもしれない。


「結局、自分で試すしかないか」


 多くの人が起きて、情報を確認する時間。


 仕事や学校の合間に、短い文章を読む時間。


 一日の用事が終わり、長いコンテンツを見る時間。


 同じ読者でも、生活の場面によって読みたいものは変わる。


 急いでいるときに長い記事は読みにくい。


 逆に、時間があるときなら、短い報告より物語や詳しい解説を選ぶかもしれない。


 ならば、世間で言われる「最も良い時間」にすべてを合わせるのではなく、


「記事の長さや目的を、読む人の生活の流れに合わせてみる」


 という方が自然に思えた。


 俺自身の生活にも合わせる必要がある。


 毎日、決まった時間に投稿のためだけに待機するのは面倒だ。


 収益化の実験をしているのに、投稿時間に生活を支配されたら、別の仕事と変わらない。


 作りやすい時間に作る。


 読みやすそうな時間に出す。


 結果を記録する。


 しばらく繰り返して、自分のアカウントに合う流れを探す。


「それでいいか」


 俺は簡単な記録欄を作った。


 記事の種類。


 公開した時刻。


 少し経ったあとの閲覧数とスキ。


 翌日の数字。


 細かすぎる表は作らない。


 項目を増やしすぎると、記録すること自体が仕事になる。


 必要なのは、厳密な研究ではない。


 投稿するタイミングを変えたとき、明らかな違いが出るかどうか。


 それだけ分かればいい。


 画面を閉じると、急に疲れを感じた。


 前の企画で長時間修正を続けた疲れが、まだ残っている。


 気温も高い。


 新しいことを始めようという気持ちは、なかなか戻らなかった。


「今日はもう、何も作りたくないな」


 そう思いながらも、その日の報告記事は書いた。


 ラノベの続きをまとめた。


 最低限の投稿は終わっている。


 何もしていないわけではない。


 それでも、売上につながる新しい商品は増えていない。


 すでに公開している有料記事には、AIとの対話からコンテンツを作り続ける方法をまとめてある。


 一度その方法が身につけば、記事、物語、企画、説明文など、多くのものへ応用できる。


 逆に言えば、その方法を説明し終えたあと、似た商品を何個も作る理由が見つからない。


「完成品に近いものを、最初に出しすぎたのか?」


 初心者向け。


 続編。


 応用編。


 実践編。


 名前を変えて分けることはできる。


 しかし、根本が同じなら、無理に分割して売る意味はない。


 一つ買えば解決する。


 それは購入者にとっては良いことだ。


 だが、販売する側から見ると、次の商品が思いつかない。


「売るものがないというより、一つで終わってるんだよな」


 俺は机の横に積んでいた、過去の記録を眺めた。


 以前に書いた文章。


 作った歌。


 途中まで考えた企画。


 別の目的で作ったものが、いくつも残っている。


 完全に新しいものをゼロから作らなくても、すでに持っている材料を、別の人へ届く形に組み直せるかもしれない。


 読むもの。


 見るもの。


 聞くもの。


 それぞれを一つの流れにできれば、以前とは違う商品になる可能性がある。


「これは……少し試せるかもしれないな」


 具体的な形は、まだ決めない。


 前回のように、思いついた瞬間から完成まで走ろうとすると、また止まれなくなる。


 まずは、どんな人が使うのか。


 何が分かるようになるのか。


 今ある材料を、どこまで再利用できるのか。


 少しずつ確かめる。


 いきなり何十ページも作らない。


 一部だけ試し、完成まで無理なく進められそうなら続ける。


 需要が見えなければ止める。


 俺は新しいメモを一行だけ残した。


『過去の文章と音を、学びやすい形へ組み直す構想』


 それ以上は書かなかった。


 今は、やる気が十分ではない。


 アイデアがあることと、今すぐ始めなければならないことは別だ。


 翌日になっても作りたいと思えたら、少しだけ試せばいい。


 俺はもう一度、noteの数字を見た。


 フォロワー、八十五人。


 売上、四百円。


 増えている数字と、止まっている数字。


 その間にあるものが、少しずつ見えてきた。


 フォロワー数を増やすだけでは足りない。


 投稿するだけでも足りない。


 商品を並べるだけでも足りない。


 読む人の生活の中に、自然に入る場所を探す必要がある。


 そして、必要とされるものを、無理なく完成できる方法で作る必要がある。


「簡単じゃないな」


 九日前から、何度も同じ言葉を言っている。


 それでも、昨日とまったく同じ場所にいるわけではない。


 何を作らない方がよいか。


 何を無理に増やさなくてよいか。


 数字のどこを信用しすぎてはいけないか。


 少しずつ分かってきた。


 俺は翌日の記事を準備し、公開するタイミングだけを少し変えてみることにした。


 大きな勝負ではない。


 生活の流れに合わせた、小さな実験だ。


 そして新しい構想も、今日は一行のまま残しておく。


 無職のおっさんの収益化実験は、作る量を増やす段階から、届け方と作り方を選ぶ段階へ進み始めていた。

第7話では、フォロワー数が増えても、新しい記事を読む人や購入者が同じように増えるとは限らないことに気づきました。


日次報告は実験の記録。


ラノベは少数の継続読者へ向けた連載。


新しい人に見つけてもらう記事とは、それぞれ役割が異なります。


また、利用者が多い時間に投稿すれば必ず伸びるわけではありません。投稿が集中すれば、小さなアカウントは埋もれる可能性もあります。


今後は決まった正解へ合わせるのではなく、読む人と自分の生活の流れを考えながら、投稿方法を少しずつ試します。


新しい構想も浮かびましたが、前回のように一気に完成を目指すことはしません。


まずは小さく試す。


無理なく完成できるか確かめる。


続けるかどうかは、そのあとで決めます。


原案・構想

無職のおっさん、noteで稼げるのか実験中


物語構成・本文作成・文体調整

ChatGPT

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