表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無職のおっさん、ラノベを書く  作者: 無職のおっさん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
6/16

第6話 フォロワーは増えた。でも、売るものは増えません

第5話では、「note以外で、それほど難しくなく稼げる方法はある?」という問いから、初めてデジタル商品を一つ完成させ、販売ページへ並べました。


商品を置かなければ、売れる可能性も生まれない。


そう考えた俺は、次の商品も作ろうとします。


一方で、noteのフォロワーや動画の再生数は増え始めました。


数字だけを見れば順調です。


しかし、売上は四百円のまま。


さらに、新しい商品作りは完成直前の修正から抜け出せなくなります。


増えている数字と、増えない売上。


作れそうに見える商品と、完成しない現実。


第6話は、「作れば売れる」という思い込みが崩れた一日の話です。

 朝、noteの画面を開く。


 全体ビュー、四百七十五。


 スキ、百三十一。


 コメント、ゼロ。


 フォロワー、六十二人。


 売上、四百円。


「また増えてるな」


 前日のフォロワーは四十人だった。


 一日で二十二人増えたことになる。


 このアカウントは、閲覧数とフォロワーを増やし、本当に収益化できるのか試すために新しく作った。


 始めてから、まだ八日。


 その間に六十二人がフォローしてくれた。


 数字だけなら、悪くない。


 少なくとも、誰にも見つからないまま終わってはいない。


 日々の記録。


 AIの使い方。


 ラノベ。


 音楽。


 内容は一見ばらばらだったが、中心には同じ男がいる。


 五十代。


 無職。


 貯金は減っている。


 AIと話しながら何かを作り、それが収入になるのか試している。


 俺は、四百円と表示された売上欄を見た。


「こっちは、まったく増えないけどな」


 フォロワーが増えた。


 スキも増えた。


 動画も見られている。


 それでも売上は増えていない。


 読まれること。


 フォローされること。


 商品を買ってもらうこと。


 全部、別の数字だった。


 動画の方では、さらに極端なことが起きていた。


 エレベーターを題材にした短い動画が、三万回を超えた。


 別の一本は、四万回を超えた。


 ほかの動画は、数十回や数百回のものも多い。


 同じチャンネル。


 同じようにAIで作った動画。


 それでも、結果は大きく違った。


「エレベーターが人気なのか?」


 そう思って確認してみると、検索から見られた割合は一部にすぎなかった。


 大半の人は、エレベーターについて調べていたわけではない。


 たまたま表示された短い動画を見て、扉が閉まるのか、誰かが間に合うのか、何が起きるのかを最後まで見たらしい。


 題材よりも、状況が分かりやすかった。


 最初の一秒で、何が起きそうか伝わった。


 短いから、繰り返し見られた。


 そういうことなのだと思う。


「四万回見られて、収益はゼロか」


 俺は笑った。


 四万という数字は大きい。


 だが、収益化の条件を満たしていなければ、一円にもならない。


 noteではフォロワーが増えている。


 動画では再生数が増えている。


 それでも、実際に増えた売上はゼロ。


 数字が伸びることと、生活が楽になることの間には、かなり深い溝がある。


 その溝を埋めるには、売るものが必要だ。


 前日、俺は初めてデジタル商品を一つ公開した。


 ならば、二つ目を作ればいい。


 三つ目も作ればいい。


 商品数が増えれば、どれかが売れるかもしれない。


 その考えは、単純で分かりやすかった。


 俺はAIへ相談し、新しいデジタル商品の案を出してもらった。


 文章だけではなく、物語や画像を組み合わせた作品。


 購入した人が、読むだけでなく、自分でも少し手を加えられる形式。


 教育的な要素も入れられる。


 子どもにも大人にも届くかもしれない。


「これは、商品になるんじゃないか?」


 最初の試作品は、悪くなかった。


 やさしい雰囲気の背景。


 同じ物語に登場する少女と猫。


 短い文章。


 読んだ人が参加できる仕掛け。


 数ページ作った段階では、完成形が見えた気がした。


 ページを増やし、全体の構成を考える。


 場面を変える。


 登場人物の動きを変える。


 伝える言葉を考える。


 作品らしい形が少しずつできていった。


 ただし、ページ数が増えるほど、問題も増えた。


 少女の髪型が変わる。


 猫の体格が変わる。


 直してほしい場所ではなく、背景まで変わる。


 日本語の文字が崩れる。


 前のページではできた表現が、次のページでは再現できない。


「人物だけ直して。ほかは変えないで」


 そう頼む。


 人物は直る。


 その代わり、背景の色が変わる。


「背景はそのままで」


 背景は戻る。


 今度は、猫の模様が変わる。


「猫の形は前と同じで」


 猫は似る。


 しかし、文章の一部が別の文字になる。


 一つを直す。


 一つが壊れる。


 また直す。


 今度は別の場所が変わる。


 作業は完成へ近づいているようで、同じ場所を回り続けていた。


 残りは、あと二枚だった。


 あと二枚。


 その言葉が、何時間も変わらなかった。


「また違う」


 画像を閉じる。


 指示を変える。


 生成する。


 確認する。


「そこじゃない」


 また閉じる。


 また作る。


 気づけば、日付が変わっていた。


 さらに朝になった。


 使った時間は、二十四時間を超えていた。


 それでも完成していない。


 俺は、途中まで並んだ画像を眺めた。


 ここまで作った。


 あと少しだ。


 ここで止めたら、これまでの時間が無駄になる。


 そう思った。


 だが、同時に別の疑問も浮かんだ。


「完成したとして、売れるのか?」


 答えは分からない。


 需要を確かめたわけではない。


 欲しいと言われたわけでもない。


 販売ページへの入口もない。


 まだ誰にも知られていない商品を、誰にも知られていない場所へ並べるだけになるかもしれない。


 俺はAIへ聞いた。


『ここまで二十四時間以上使ったけど、続けるべきだと思う?』


 返ってきた答えは、完成を励ますものではなかった。


『すでに使った時間だけを理由に続けると、さらに時間を失う可能性があります』


「分かってる」


 分かっているから、聞いた。


 ここまで使った時間は戻らない。


 だが、これから使う時間は止められる。


 俺は制作中のファイルを閉じた。


「終わり」


 完成ではない。


 中止だった。


 商品は増えなかった。


 増えたのは、作りかけのデータと、疲労と、失敗の記録だった。


 少し眠ったあと、noteからメールが届いていることに気づいた。


 同じような内容の通知が何通も並んでいる。


 どうやら、質問を受け付けるための新しい機能が追加されたらしい。


 多くの人が一斉に質問を募集し始めたのだろう。


「これは、やらなくていいな」


 俺はすぐに思った。


 読者と交流する。


 質問に答える。


 悩みを聞く。


 それが信頼や収益につながることもあるのかもしれない。


 だが、俺には向いていない。


 昔、相談掲示板で無料回答をしていたことがある。


 質問の多くは、検索すればすぐに見つかる内容だった。


 説明書に書かれている。


 同じ質問が少し上にある。


 それでも読まずに、


『初心者なので教えてください』


 と書き込む。


 初心者だから分からないのではない。


 読む前に、誰かへ処理を投げている。


 現在なら、AIに一言聞けばいい。


 何を調べればいいか分からなければ、


『何から調べればいい?』


 と聞けばいい。


 それすらせず、最初から人間へ答えだけを求める。


 俺は、それに付き合いたくなかった。


 個別相談を始めれば、時間を取られる。


 一度答えれば、追加質問が来る。


 無料で答えても、商品を買ってもらえるとは限らない。


 むしろ、無料で答えてくれる人として認識されるだけかもしれない。


「俺が売っているのは、俺に質問する方法じゃないからな」


 有料記事で伝えたのは、AIとの対話の始め方だった。


 完璧な指示文を作る必要はない。


 何が分からないのかを、そのまま話す。


 提案に違和感があれば伝える。


 自分の経験や結果を返す。


 対話を続ける。


 そうすれば、AIの中に本人の情報や判断基準が蓄積される。


 十分に文脈ができれば、


『記事にして』


『ラノベにして』


『説明文を作って』


 という短い言葉だけでも、コンテンツは作れる。


 俺は本来使っているnoteやGitHubでも、その方法を続けてきた。


 考えを話す。


 AIの案を直す。


 技術文書へ変える。


 関連する構想へつなげる。


 それを繰り返し、GitHubには百三十を超えるリポジトリができていた。


 一つの魔法のプロンプトで作ったわけではない。


 対話の積み重ねだった。


 だから、対話の方法を一度説明すれば、基本はそれで完結している。


 記事を書く方法。


 企画を考える方法。


 画像を作る方法。


 動画へ展開する方法。


 細かな違いはあっても、根本は同じだ。


 AIに相談する。


 違うなら修正する。


 試した結果を返す。


 また考える。


「これ以上、何を商品にするんだ?」


 俺は考えた。


 同じ方法を言い換えたテンプレート。


 同じ流れを表にしたワークシート。


 同じ内容を分割した教材。


 作ろうと思えば作れる。


 だが、それは本当に新しい商品なのか。


 すでに有料記事で説明した内容を、形だけ変えて売ることになるのではないか。


 商品がないのではない。


 一つの方法で、多くのことができてしまう。


 だからこそ、続編を作る理由が見つからない。


 商品を何個も並べることより、すでにある一つを必要な人へ届ける方が先なのかもしれない。


 しかし、それにも問題があった。


 入口がない。


 動画が四万回見られても、有料記事へ人が来るとは限らない。


 noteのフォロワーが六十二人になっても、商品を買うとは限らない。


 商品を作る。


 見つけてもらう。


 興味を持ってもらう。


 お金を払ってもらう。


 その全部が別の作業だった。


「結局、簡単に稼げる方法なんてないんだな」


 前日に分かっていたことを、もう一度確認した。


 作れば売れるわけではない。


 見られれば売れるわけでもない。


 質問に答え続ければ売れるとも限らない。


 俺は、これまでの記事と会話を眺めた。


 情報は増えている。


 スレッドも長くなっている。


 新しい場所で作業を始めるたびに、最初から説明するのは面倒だ。


 そこで、別の作業を思いついた。


 これまでの記事や企画、数字、判断を、外部へ整理して残しておく。


 AIの会話が途切れても、そこを読ませれば続きから始められる。


 この収益化実験のために作った新しいアカウントの記録は、その目的に合わせて分けて保存する。


 商品ではない。


 直接の売上にもならない。


 それでも、同じ説明を何度も繰り返す時間は減らせる。


 失敗した企画も、数字が伸びなかった記事も、売上が止まった日も残せる。


 将来、それ自体が何かの材料になるかもしれない。


「売るものを作る前に、作ってきたものを整理するか」


 俺は新しいメモを開いた。


 フォロワー、六十二人。


 全体ビュー、四百七十五。


 スキ、百三十一。


 売上、四百円。


 動画、四万回超。


 中止した企画、一つ。


 それぞれの数字を書き込む。


 成果だけではない。


 失敗も記録する。


 二十四時間使って完成しなかったことも書く。


 質問受付をしないことも書く。


 商品を増やすことを急がないことも書く。


 画面の中には、成功者らしい数字と、失敗者らしい数字が同時に並んでいた。


 四万回。


 六十二人。


 四百円。


 どれも嘘ではない。


 どれか一つだけ見れば、話は大きく見える。


 全部並べれば、現実が見える。


「これが、今の俺だな」


 俺は保存ボタンを押した。


 商品は増えなかった。


 売上も増えなかった。


 だが、増やさなくてよいものが少し分かった。


 無理に作る商品。


 無料の個別相談。


 同じ内容の焼き直し。


 そして、使った時間を惜しんで続ける作業。


 稼ぐ方法を探していた俺は、少しずつ、やらないことを決め始めていた。


 それが収益につながるのかは、まだ分からない。


 ただ、少なくとも昨日よりは、無駄な方向へ走り続ける可能性が少し減った。


 無職のおっさんの実験は、商品を増やす段階から、残すものと捨てるものを選ぶ段階へ進んでいた。


第6話では、フォロワーや動画の再生数が増える一方で、売上が四百円から動かない状況を描きました。


新しいデジタル商品も試作しましたが、完成直前の修正が続き、二十四時間以上を使ったところで中止しました。


作れば売れるわけではありません。


見られれば売れるわけでもありません。


また、質問に答え続ける働き方も、本人に合っているとは限りません。


今回の失敗から見えてきたのは、商品を増やすことよりも、すでにあるものを整理し、無駄な作業を減らす必要性でした。


数字は伸びている。


しかし、収入は伸びていない。


その差をどう埋めるのか。


無職のおっさんの実験は、まだ続きます。


原案・構想

無職のおっさん、noteで稼げるのか実験中


物語構成・本文作成・文体調整

ChatGPT

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ