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無職のおっさん、ラノベを書く  作者: 無職のおっさん


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2/16

第2話 登録者3人、動画だけ先に走り出しました

noteで稼ぐために始めた実験なのに、気がつけばラノベを書き、画像を作り、ショート動画まで投稿していました。


そして、昨日作ったばかりのYouTubeチャンネルで、思ったより早く動画が見られ始めます。


ただし、再生されたからといって、収益が発生したわけではありません。


登録者は3人。


noteの売上は、まだ0円。


今回は、何もないところから小さな数字が動き始めた日と、その数字を見て少しだけ期待してしまった無職のおっさんの話です。


 朝、パソコンを開いて最初に確認したのは、銀行口座ではなかった。


 noteの売上でもない。


 YouTubeだった。


「二百九十三回……?」


 昨日作ったばかりのチャンネルに、見慣れない数字が表示されていた。


 登録者数、三人。


 動画数、三本。


 そのうち、閉まりかけたエレベーターへ走る男のショート動画が、二百九十三回再生されている。


 もう一本の、猫におやつを奪われる無職のおっさんの動画は、百七十一回。


 もちろん、YouTubeの世界では大した数字ではない。


 何万回、何十万回、何百万回と再生される動画が、毎日のように流れている。


 それに比べれば、二百九十三回など、海辺で拾った小石のようなものだ。


 だが、登録者が三人しかいないチャンネルである。


 しかも、作ったのは昨日だ。


「三人が、一人百回ずつ見たわけではないよな……」


 俺は本気で少し考えた。


 登録者三人が、エレベーター動画を約九十八回ずつ再生した可能性。


 さすがにない。


 つまり、YouTubeが登録者以外の誰かにも動画を表示したということになる。


 どこかにいる二百人以上の人間が、ほんの数秒とはいえ、俺の投稿した動画を見た。


 そう考えると、不思議な感覚だった。


 noteの記事は、書いたからといって自動的に読者が来るわけではない。


 タイトルを考え、SNSで告知し、プロフィールへ誘導し、記事同士をつなぐ必要がある。


 ところがYouTube Shortsは、投稿した動画を、YouTube側が見知らぬ人の画面へ試しに流してくれるらしい。


 俺は椅子に座り直した。


「こっちの方が、先に動くのか?」


 noteで稼ぐために始めた実験だった。


 そのためにThreadsを作った。


 Xを作った。


 Instagramも作った。


 Pinterestも作った。


 YouTubeも、とりあえず作った。


 Sunoのアカウントまで用意した。


 気づけば、noteを宣伝するための入口が、本体より多くなっていた。


 しかも、その中で最初に数字が動いたのがYouTubeだった。


 人生とは、なかなか予定どおりには進まない。


 いや、無職になっている時点で、予定どおりではない。


 俺は動画の一覧を眺めた。


 猫がおやつを奪う動画。


 エレベーターに間に合おうと走る男の動画。


 そして、無職のおっさんがnote収益化へ挑戦する紹介動画。


 統一感は、ほとんどない。


 一応、すべて「無職のおっさん」という世界観へ寄せることはできる。


 猫におやつを奪われるのも、エレベーターへ走るのも、noteを書くのも、同じおっさんの一日だと思えばいい。


 しかし、そんな設定を理解している視聴者は一人もいない。


 視聴者から見れば、よく分からない動画が三本置かれた、昨日できたばかりのチャンネルである。


「それでも二百九十三回か……」


 数字が小さいことは分かっている。


 それでも、ゼロではない。


 noteの売上は、まだゼロ円。


 有料記事は売れていない。


 だが、YouTubeには二百九十三という数字が表示されている。


 収益にはならない数字。


 ただ見られただけの数字。


 それでも、何も反応がない状態よりは、ずっと心を動かす。


 俺はChatGPTを開いた。


「昨日作ったばかりのYouTubeチャンネルで、登録者三人、動画三本。ショートが百七十一回と二百九十三回見られている。これは出だしとしてどうなんだ?」


 返ってきた答えは、比較的冷静だった。


 新規チャンネルとしては、完全に無反応ではない。


 登録者以外へ試験的に表示されている可能性がある。


 ただし、二本だけでは傾向を判断できない。


 最低でも十本、できれば二十本ほど投稿し、公開後一時間、六時間、二十四時間の数字を記録する。


 平均視聴時間。


 最後まで見られた割合。


 高評価。


 登録者増加。


 投稿時間。


 冒頭一秒の内容。


 それらを比較する必要がある。


「いきなり仕事が増えたな」


 動画を作るだけではない。


 数字を記録し、比較し、改善する。


 昔、アフィリエイトをしていた頃と同じだった。


 サイトを作ったら終わりではない。


 検索順位を見る。


 クリック率を見る。


 どのページから商品が売れたかを見る。


 タイトルを変える。


 文章を修正する。


 入口を増やす。


 昔はGoogleの検索結果だった。


 今はnote、Threads、YouTube、Instagram、Pinterest。


 舞台が変わっただけで、やっていることの本質は変わらない。


「作る。出す。数字を見る。直す」


 俺はノートに書いた。


 四つだけなら簡単そうに見える。


 実際には、その一つ一つに時間がかかる。


 まず動画の元になる画像を作る。


 Geminiへ指示を出す。


 思った画像にならなければ修正する。


 文字が崩れていれば作り直す。


 動画生成AIに渡す。


 動きがおかしければやり直す。


 CapCutで字幕を入れる。


 ナレーションを付ける。


 音量を調整する。


 YouTubeへ投稿する。


 Instagramにも投稿する。


 Threadsへ告知する。


 noteに記録する。


 最後に数字を確認する。


「無職なのに、やることだけは増えていくな」


 誰にも雇われていない。


 給料も出ない。


 売上もゼロ円。


 それなのに、作業だけは小さな会社のようになっている。


 調査担当はPerplexity。


 文章整理はClaude。


 ファイル管理と一括作業はClaude Code。


 判断と企画整理はChatGPT。


 画像制作はGemini。


 データ管理と仕組み化はCodex。


 そして俺は、それぞれの回答をコピーし、別のAIへ貼り付ける。


 AIチームの指揮官というより、各部署を走り回る連絡係だった。


「完全自動化とは、いったい何だったのか」


 AIに任せれば、何もしなくても稼げる。


 世の中には、そんな印象を与える言葉がいくらでもある。


 だが、実際に触ってみれば分かる。


 AIは文章を作る。


 画像も作る。


 動画も作る。


 調査もする。


 しかし、何を作るのかを決めるのは人間だ。


 どの回答を採用するかも人間。


 間違いを見つけるのも人間。


 投稿するのも人間。


 そして、売れなかった現実を受け止めるのも人間である。


 俺はYouTube Studioを開き、数字をもう一度確認した。


 二百九十三回。


 増えてはいなかった。


「まあ、そう簡単にはいかないか」


 投稿直後に少し表示され、その後は止まる。


 ショート動画には、そういう動きもあるらしい。


 一度数字が増えたからといって、永遠に伸び続けるわけではない。


 それでも、チャンネルを作った当日に数百回見られたという事実は残る。


 問題は、その先だ。


 動画を見た人が、チャンネル登録をするのか。


 プロフィールを見るのか。


 noteへ移動するのか。


 有料記事を買うのか。


 再生数だけ増えても、noteの売上がゼロ円のままなら、今回の目的からは外れてしまう。


「いや、YouTube自体が収益化できれば、それはそれでいいのか」


 最初の目的はnoteだった。


 だが、収益化の方法をnoteだけに限定する必要はない。


 YouTubeで収益が出るなら、それも実験の成功である。


 AI動画から収益が出れば、そのお金を動画生成サービスへ再投資できる。


 今は無料枠や、すでに契約しているサービスの範囲で作る。


 最初の収益が出たらViduへ課金する。


 生成できる本数を増やす。


 動画の品質を上げる。


 そして、本当に再生数や収益が伸びるのかを検証する。


 売上ゼロ円。


 無料または契約済みのAIで動画を作る。


 最初の収益を得る。


 その収益を再投資する。


 さらに動画を作る。


「これ、そのまま連載になるな」


 また、同じところへ戻ってきた。


 何かを始める。


 失敗する。


 気づく。


 AIに相談する。


 作業が増える。


 それを記事にする。


 さらに、その記事をラノベにする。


 ラノベを紹介する動画を作る。


 動画の結果を記事にする。


 記事をまたラノベにする。


「永久機関みたいになってきたな」


 ただし、利益は発生していない。


 エネルギーだけを消費する永久機関である。


 非常に環境に悪い。


 主に俺の精神と時間に対して。


 それでも、昨日よりは進んでいる。


 昨日までは、コンテンツを作っても、誰にも届く道がないことに悩んでいた。


 今日は、YouTubeという入口が、わずかに動いた。


 二百九十三回。


 百七十一回。


 登録者三人。


 小さな数字だ。


 だが、ゼロではない。


 俺は新しい記録表を作ることにした。


 動画タイトル。


 投稿日時。


 動画の長さ。


 一時間後の再生数。


 六時間後の再生数。


 二十四時間後の再生数。


 高評価。


 登録者増加。


 使用したAI。


 制作時間。


 費用。


 noteへの流入。


 最後に、収益。


「収益の欄は、しばらくゼロが並びそうだな」


 それも構わない。


 この企画は、稼げた数字だけを見せるためのものではない。


 何回投稿しても伸びなかった。


 何時間かけても売れなかった。


 課金したのに回収できなかった。


 そうした数字も含めて公開する。


 むしろ、誰かが同じことを始めようとしたとき、成功談より役に立つかもしれない。


 どのサービスに、いくら払ったか。


 何本作れたか。


 どれだけ見られたか。


 どれだけ登録者が増えたか。


 そして、いくら戻ってきたか。


 派手ではない。


 だが、現実的だ。


 俺は次の動画案を考え始めた。


 猫が椅子を先に取る。


 冷蔵庫を開けた瞬間、何かが落ちてくる。


 自動販売機から商品が二つ出てくる。


 宅配便が来たと思って玄関へ走ったら、隣の家だった。


 どれも、数秒で状況が分かる。


 小さな事件がある。


 最後にオチがある。


 今のところ、難しい物語より、瞬間的に理解できる日常コメディの方がショート動画には合いそうだった。


 そして、その合間に、note実験の記録動画を入れる。


 猫やエレベーターで人を集める。


 無職のおっさんのキャラクターを覚えてもらう。


 その中に、note収益化の物語を混ぜる。


 うまくいくかは分からない。


 だが、少なくとも試す価値はある。


 俺は、再びチャンネル画面を見た。


 登録者数、三人。


 動画数、三本。


 誰が登録してくれたのかは分からない。


 それでも、三人いる。


 ゼロから三人になった。


 たった三人。


 されど三人。


「ありがとうございます」


 誰もいない部屋で、俺は小さく頭を下げた。


 相手には見えない。


 声も届かない。


 だが、初めて訪れた店に、三人の客が入ってくれたようなものだ。


 商品はまだ売れていない。


 店の内装も整っていない。


 看板も統一されていない。


 猫が走り回り、エレベーターに男が突進し、無職のおっさんがnoteを書いている。


 何の店なのか、自分でもよく分からない。


 それでも、扉を開けた人がいた。


 俺は新しい動画の作成画面を開いた。


 再生数が伸びる保証はない。


 登録者が増える保証もない。


 noteへ人が来る保証もない。


 ましてや、収益が出る保証など、どこにもない。


 だが、昨日は存在しなかったチャンネルが、今日は誰かに見られている。


 それだけで、次の一本を作る理由にはなった。


「十本までは出してみるか」


 言ってから、少し考えた。


「いや、二十本か……?」


 AIは、できれば二十本と言っていた。


 俺はため息をつき、キーボードへ手を伸ばした。


 無職のおっさんの一日は、今日も仕事より忙しい。


 給料は、まだない。


 売上も、まだゼロ円。


 それでも動画だけは、本人より先に走り始めていた。

YouTubeチャンネルを作った翌日、登録者3人、動画3本の状態で、ショート動画が百回、二百回と再生され始めました。


もちろん、この数字だけで成功とは言えません。


YouTubeの収益化には遠く、noteへの流入が発生したかどうかも、まだ分かりません。


それでも、昨日まで存在しなかった入口が、少しだけ動き始めました。


今後は再生数だけでなく、視聴維持、登録者増加、制作時間、費用、noteへの移動、収益まで記録していきます。


何本目で伸びるのか。


途中で止まるのか。


動画制作の費用を回収できるのか。


まだ何も分かりません。


分からないまま、次の一本を作ってみます。


原案・構想

無職のおっさん、noteで稼げるのか実験中


物語構成・本文作成・文体調整

ChatGPT

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