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無職のおっさん、ラノベを書く  作者: 無職のおっさん


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第1話 売上ゼロ円、AIチームだけはできました

50代、無職。


貯金は増えず、当然ながら減っていく。


そんなおっさんが、今さらnoteを始めた。


目的は自己表現でも、承認欲求でも、世界に思想を問いかけるためでもない。


今回は、もっと単純だ。


稼ぎたい。


できれば家から出ずに。


できれば人付き合いも最小限にして。


これは、そんな都合のいいことを本気で考え始めた、無職のおっさんの記録である。

 パソコンの画面に表示された数字を見ながら、俺は腕を組んだ。


 閲覧数、百一。


 スキ、十二。


 フォロワー、七。


 売上、ゼロ円。


「なるほど」


 思わず、重々しく呟いた。


 もちろん、なるほども何もない。


 売れていない。


 ただ、それだけだった。


 noteを始めて三日目。


 別に三日で大金が入るとは思っていなかった。


 思ってはいなかったが、数字として「売上0円」と表示されると、なかなか清々しいものがある。


 ゼロは強い。


 言い訳が一切入り込めない。


 百円なら「最初にしては悪くない」と言える。


 三百円なら「有料記事が一本売れた」と喜べる。


 千円なら「これは可能性がある」と勘違いできる。


 しかし、ゼロ円には解釈の余地がなかった。


 誰も買っていない。


 以上。


「記事を書けば、誰かが読む。読めば、誰かが買う。そんな単純な話ではないか」


 分かっていたはずだった。


 俺は昔、アフィリエイトで月に五十万円ほど稼いだことがある。


 ランキングサイトを複数作り、HTMLとCSSをいじり、タイトルと見出しを考え、検索順位を眺めながら文章を直した。


 今のようにAIが文章を一瞬で作ってくれる時代ではない。


 一文字ずつ自分で打ち、ページを増やし、リンクを張り、検索結果の変化に一喜一憂していた。


 その経験があるから、noteも少し触れば何とかなる。


 心のどこかで、そう思っていた。


 だが、現実は売上ゼロ円である。


「過去の成功は、現在の売上には加算されません、と」


 俺はメモ帳に書いた。


 少し悔しいが、これはこれで記事の材料になる。


 このアカウントでは、成功だけを見せるつもりはなかった。


 アカウント名は、


 ――無職のおっさん、noteで稼げるのか実験中。


 名前のとおり、稼げるようになるまでの過程を公開する。


 フォロワー数も、スキの数も、売上も出す。


 何もしなかった日は、何もしなかったと書く。


 失敗したら、失敗したと書く。


 稼げていないのに、稼げる方法を知っている顔はしない。


 世の中には、まだ一円も稼いでいない人が「noteで稼ぐ方法」を販売していることもあるらしい。


 それを否定するつもりはない。


 だが、俺には無理だった。


 自分で自分にツッコミを入れてしまう。


 ――お前、まだゼロ円じゃないか。


 その一言で終わってしまう。


 だから、ゼロ円ならゼロ円のまま書く。


 売れなかった記事には、売れなかった理由がある。


 誰にも読まれなかった投稿にも、読まれなかった原因がある。


 それを一つずつ調べていけば、少なくとも同じ場所で足踏みしている誰かには役立つかもしれない。


 問題は、何をどう調べるかだった。


 俺はブラウザを開き、Perplexityに相談した。


「最近売れている副業系noteには、どんな文書構造が使われている?」


 Perplexityは、いくつもの情報を調べ、出典を並べ、売れやすい記事の共通点を整理した。


 読者の悩みを示す。


 誰向けの記事かを明確にする。


 無料部分で結論と全体像を見せる。


 有料部分では、具体的な手順やテンプレートを渡す。


 読者が「これは自分に必要だ」と思える流れを作る。


 回答を読みながら、俺は小さく唸った。


「結局、文書構造か」


 昔やっていたことと、本質は変わっていない。


 タイトルがあり、導入があり、問題提起があり、結論があり、その先に具体策がある。


 商品が文章である以上、読者が迷子にならない構造が必要だ。


 俺がこれまで別のアカウントで書いてきた思想系の記事には、それがなかった。


 いや、正確には必要としていなかった。


 あれは観測記録であり、提案書であり、未来への保存文書だった。


 森林が失われている。


 土壌が死んでいる。


 温暖化は止まらない。


 文明OSが初めから間違えていた。


 だから、こう直すべきだ。


 俺は必要だと思った情報を、必要だと思った順番で書いた。


 読み手がどこで興味を持ち、どこで離脱し、どこで何かを買いたくなるかなど、ほとんど考えていなかった。


 なぜなら、売るために書いていなかったからだ。


 しかし今回は違う。


 目的は収益化である。


 同じ文章でも、目的が違えば構造も変えなければならない。


「思想が悪かったんじゃない。売り物として設計していなかっただけか」


 その気づきを、今度はChatGPTに持っていった。


 Perplexityの回答をコピーし、貼り付ける。


「この調査結果を、今のnote企画に合わせて分析してほしい」


 ChatGPTは、すぐに問題点を指摘した。


 文書構造の考え方は正しい。


 だが、「最近売れている」と言い切るには根拠が弱い。


 さらに、まだ売上ゼロ円の俺が「noteで稼ぐ最短ルート」を販売するのは、企画の方針と矛盾する。


 今売れるのは、成功法則ではない。


 実際に使ったAIの手順や、過去のアフィリエイト経験、文章構造の作り方、失敗と改善の記録だ。


「なるほど。稼ぎ方ではなく、実験道具を売るのか」


 俺はまたメモを取った。


 Perplexityが調べる。


 ChatGPTが判断する。


 ならば、Claudeには文章を整理してもらえばいい。


 さらに、Claude Codeなら、記事や調査結果をファイルとして蓄積し、比較しながら制作できる。


 Codexなら、数字の記録や集計、フォルダ整理、仕組み化ができる。


 Geminiには、noteのサムネイルや記事用画像を作ってもらう。


 気がつけば、役割分担ができていた。


 Perplexity。


 最新情報と出典集め。


 Claude Code。


 note記事制作、文章整理、調査結果の分析。


 Codex。


 データ管理、自動集計、仕組み化。


 ChatGPT。


 収益化方針、企画判断、記事の最終調整。


 Gemini。


 サムネイルと画像作成。


「チームができたな」


 俺は誰もいない部屋で、一人そう呟いた。


 人間の仲間は一人もいない。


 だが、AIチームだけは五体もいる。


 完全自動化ではない。


 Perplexityの回答を俺がコピーして、ChatGPTへ貼る。


 ChatGPTの提案を俺がコピーして、Claudeへ渡す。


 Claudeが作った文章を俺が確認し、Geminiに画像を作らせる。


 必要ならCodexに記録させる。


 自動化というより、俺自身がAI同士の間を走り回る伝令係だった。


「社長ではなく、使い走りでは?」


 そんな疑問が浮かんだが、考えないことにした。


 少なくとも、一人で全部考えるよりは楽だ。


 問題は、記事を作ったあとだった。


 noteの記事は、書いただけでは読まれない。


 ThreadsやXなどから人を呼び込む必要がある。


 そこで俺は、note用の新しいアカウントを次々と作った。


 X。


 Threads。


 Instagram。


 YouTube。


 Pinterest。


 Suno。


 作り終わったころには、何を始めたかったのか少し分からなくなっていた。


「noteで稼ぐために、なぜ六つもアカウントを管理することになった?」


 しかもThreadsでは、投稿するだけでなく、他人と交流することが重要らしい。


 コメントを返す。


 相手の投稿を読む。


 共感する。


 応援する。


 応援される。


 フォロワーとの信頼関係を作る。


 理屈は分かる。


 確かに、知らない誰かの記事より、普段からやり取りしている人の記事を読みたくなるのは自然だ。


 問題は、俺がそれを面倒だと思うことだった。


 人付き合いが極端に苦手なわけではない。


 会話もできる。


 必要があれば普通に受け答えする。


 ただ、大勢でわいわいするより、一人で静かに作業していたい。


 投稿することは苦にならない。


 自分の考えや記録を文章にして置いておくのは好きだ。


 だが、コメントが十件来たとして、そのすべてに違う返信を考える時間があるなら、記事を一本書きたい。


「SNSで稼ぐには交流が必要。しかし交流は面倒。これは詰んだのでは?」


 俺は椅子にもたれ、天井を見上げた。


 無職のおっさんがnoteで稼ごうとした結果、最初に立ちはだかった壁は文章力でもAI技術でもなかった。


 人付き合いだった。


 しばらく考えたあと、俺はChatGPTに相談した。


「コメント返信に時間をかけず、信用を作る方法はないか?」


 返ってきた答えは、無理に交流型の人気者になる必要はない、というものだった。


 すべてのコメントに返信しなくていい。


 質問、間違いの指摘、購入に関する相談だけ返す。


 応援や感想には、いいねだけでもいい。


 返信する曜日と時間を決める。


 数字と失敗を継続的に公開する。


 交流で信用を作る人もいれば、記録と継続で信用を作る人もいる。


「なるほど。静かな発信者という立場もあるのか」


 それなら、俺にもできるかもしれない。


 無理に明るく振る舞う必要はない。


 誰にでも話しかけ、毎日コメント欄を巡回し、交流を楽しんでいるふりをしなくてもいい。


 売上ゼロ円なら、ゼロ円と書く。


 何も進まなかった日は、進まなかったと書く。


 AIを五つ使っても混乱したら、その混乱を書く。


 SNSアカウントを六つ作って、管理できなくなりそうなら、それも書く。


 成功者を演じるより、その方が少なくとも俺には続けられる。


 そこで、ふと気づいた。


「これ、そのまま記事になるな」


 note三日目。


 売上ゼロ円。


 AIチーム結成。


 SNSアカウント六個開設。


 しかし、交流が面倒という致命的な問題が発覚。


 文章にすると、妙に物語っぽい。


 主人公は、50代無職のおっさん。


 目的は、noteで稼ぐこと。


 特殊能力は、昔アフィリエイトで月五十万円稼いだ経験。


 仲間はAI。


 弱点は、人付き合いが面倒。


 現在の所持金は秘密。


 売上はゼロ円。


「……ラノベにするか」


 冗談のように呟いた言葉が、意外なほどしっくりきた。


 実験記録を、ただ数字だけ並べて報告するのではなく、物語として書く。


 失敗も、迷いも、AIとのやり取りも、全部そのまま使える。


 実際に起きたことなのだから、ネタ切れもしにくい。


 成功すれば、無職のおっさんがnoteで稼げるようになる物語になる。


 失敗すれば、無職のおっさんがAIとSNSを使い散らかして、それでも売上ゼロ円だった物語になる。


 どちらに転んでも、話にはなる。


 俺は新しい記事の作成画面を開いた。


 タイトル欄に文字を打ち込む。


 無職のおっさん、noteで稼げるのか実験中。


 少し考えて、第1話の題名も付けた。


 売上ゼロ円、AIチームだけはできました。


 画面の白い入力欄が、続きを待っている。


 俺はキーボードに指を置いた。


 売上は、まだゼロ円。


 フォロワーは、七人。


 何が正解なのかも分からない。


 だが少なくとも、今日書くものは決まった。


 無職のおっさんのnote収益化実験は、三日目にしてようやく物語になった。


 そして俺は、最初の一文を打ち始めた。


 ――パソコンの画面に表示された数字を見ながら、俺は腕を組んだ。


第1話は、note開始3日目の数字、AIの役割分担、SNSアカウントの開設、そしてコミュニケーションへの面倒くささまでを、そのまま物語にしました。


成功してから過去を振り返る話ではありません。


まだ売上0円の状態から、実際の数字と行動を使って進んでいく連載です。


この先、本当に売れるようになるのか。


AIチームは役に立つのか。


作ったSNSアカウントをきちんと動かせるのか。


そもそも、コメント返信を面倒がるおっさんが、フォロワーを増やせるのか。


現時点では、書いている本人にも分かりません。


分からないからこそ、そのまま続けてみます。


原案・構想

無職のおっさん、note で稼げるのか実験中


物語構成・本文作成・文体調整

ChatGPT

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