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無職のおっさん、ラノベを書く  作者: 無職のおっさん


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17/18

第17話 美麗イラスト変換GPTはできた。でも、公開できません

第16話では、画像や漫画を作れるようになっても、売上は四百円のままだという現実を書きました。


今回は、何度も繰り返していた美麗イラスト変換を、専用のCustom GPTへまとめた話です。


同じ相談を毎回繰り返さなくて済むはずでした。


ところが完成してみると、使うだけでも選択肢が十二項目。


さらに、公開しようとすると別の問題が現れました。

「同じことを、毎回説明する必要はないんじゃないか?」


 俺は、美麗化した画像を見ながら呟いた。


 元になったのは、AI生成で作った普通の二次元イラストだ。


 顔を少し立体的にする。


 肌に透明感を出す。


 衣装の素材感を強める。


 背景へ奥行きを加える。


 桜が舞う庭園にしたり、近未来都市と神殿が融合した幻想世界にしたりする。


 最初から完成したプロンプトがあったわけではない。


「もっと美麗にできないか?」


「顔は元の雰囲気を残して」


「背景は幻想的に」


「衣装は変えすぎないで」


 ChatGPTへ画像を見せ、相談と修正を繰り返して作ってきた。


 その結果は、Before/After画像やnote記事にもなった。(noteノート)


 だが、画像を変えるたびに、同じ説明を最初から繰り返している。


「これを専用のGPTにすれば、画像を入れるだけで済むんじゃないか?」


 Custom GPT。


 用途を決め、指示や動作をあらかじめ設定しておける、自分専用のChatGPTだ。


 俺は、美麗イラスト変換に必要な設定を書き始めた。


 元画像の雰囲気を残す。


 顔を別人にしない。


 衣装や髪型を維持する。


 背景を立体的にする。


 光、質感、奥行き、幻想性を強める。


 必要なら、動画生成AIで動かすためのプロンプトも作る。


「せっかく作るなら、細かく選べた方が便利だよな」


 そこから項目が増え始めた。


 画風。


 立体感。


 背景。


 光。


 表情。


 衣装の質感。


 幻想性。


 構図。


 カメラ。


 色調。


 動画化。


 その他の演出。


 気づけば、画像をアップロードしたあとに表示される選択肢は、十二項目になっていた。


 一番。


 二番。


 三番。


 それぞれに複数の候補がある。


 利用者は、


「1:3、2:1、3:6……」


 というように、十二項目分の数字を入力する。


「……長いな」


 自分で作った選択画面を見ながら、俺は少し黙った。


 確かに、細かく指定できる。


 どんな画像にしたいか決まっている人なら便利かもしれない。


 しかし、画像を一枚きれいにしたいだけの人が、最初に十二項目も選ぶだろうか。


「画像編集ソフトの設定が面倒だから、ChatGPTに任せようと思ったんだよな?」


 それなのに、今度はChatGPTへ渡す設定を選ぶ作業が増えている。


 便利にしようとして機能を追加した結果、操作盤だけが巨大になっていた。


 もちろん、


「お任せ」


「全部お任せ」


 という選択肢も用意してある。


 細かく決めたくないなら、すべてGPT側へ任せられる。


 動画化プロンプトまで一緒に作ることもできる。


「だったら、最初から全部お任せでいいんじゃないか?」


 自分で自分の設計へ疑問を持った。


 十二項目を選べることは、機能としては多い。


 しかし、選べることと、使いやすいことは同じではない。


 作る側は、


「これも選べた方が便利だ」


「こんな表現も必要になるかもしれない」


 と考える。


 利用する側は、


「画像を入れたから、いい感じにしてくれ」


 くらいで済ませたいかもしれない。


「商品や教材と同じだな」


 内容を増やせば価値が上がるとは限らない。


 選択肢を増やせば便利になるとも限らない。


 機能を作ることより、何を削るかの方が難しい。


 それでも、GPT自体は動いた。


 画像をアップロードする。


 選択肢が表示される。


 番号を入力する。


 条件に合わせた美麗化画像が作られる。


 必要なら動画化プロンプトも出る。


「完成したな」


 少なくとも、自分で使う分には問題なかった。


 毎回、長い説明を最初から書く必要はない。


 今までの相談内容が、専用の道具になった。


 だったら、ほかの人にも使ってもらえるかもしれない。


 俺は共有設定を開いた。


 公開。


 リンク共有。


 GPTストア。


 設定を確認しながら、画面を進める。


 そこで、手が止まった。


「……本名が出ている」


 GPTの作成者欄に、俺の本名が表示されていた。


 noteでは「無職のおっさん」。


 YouTubeでも「無職のおっさん」。


 EtsyやBOOTHには、別のショップ名を使っている。


 公開活動では、本名を前面に出していない。


 ところが、GPTを公開すると、作成者として本名が表示される。


「これは困るな」


 プロフィール設定を開いた。


 表示名を探した。


 アカウント情報を確認した。


 Googleアカウント側も見た。


 メールアドレスはある。


 Googleアカウントの情報もある。


 しかし、GPTに表示されている名前を直接変更できそうな場所は見つからなかった。


 ChatGPTにも聞いた。


「作成者名は、どこから取得されている?」


「変更するには、どこを直せばいい?」


 案内された設定を一つずつ確認した。


 プロフィール。


 アカウント。


 Google。


 メール。


 ビルダープロフィール。


 それでも変わらない。


 最後に残ったのは、サブスクリプションの請求情報だった。


「もしかして、ここから拾っているのか?」


 確証はない。


 ただ、ほかのプロフィールには同じ本名が見当たらない。


 OpenAIの公式説明でも、公開GPTのビルダープロフィールには名前や検証済みウェブサイトなどが表示される場合があり、個人アカウントの確認には請求先情報が使われる場合があるとされている。(OpenAI Help Center)


 だから、請求情報との関係を疑った。


 しかし、請求に使う正式な名前を、公開用の活動名へ気軽に変更するわけにもいかない。


「作ることはできた。でも、公開できないのか」


 技術的な問題ではない。


 GPTは動いている。


 画像も作れる。


 動画用プロンプトも出せる。


 問題は、作者の名前だった。


 公開しなければ、自分だけで使える。


 公開すれば、ほかの人にも使ってもらえる。


 しかし、その代わりに本名が表示される。


 GPTの公式公開画面には、名前、アイコン、説明、会話の開始例、ビルダープロフィールなどが表示されることがある。検証済みドメインを公開プロフィールへ使う方法もあるが、ただGPTを一つ共有したいだけの俺にとっては、急に話が大きくなった。(OpenAI Help Center)


「専用GPTを作れば、商品になるかもしれないと思ったんだけどな」


 売れるかどうか以前の問題だった。


 公開できなければ、誰にも使ってもらえない。


 リンクを共有することもためらう。


 せっかく作った道具が、俺のアカウントの中で眠る。


 俺は、もう一度GPTのプレビュー画面を開いた。


 画像を入れる。


 十二項目の選択肢が並ぶ。


 下には、


「お任せ」


「全部お任せ」


 もある。


「公開できたとしても、この十二項目を選んでくれる人が何人いるんだ?」


 今度は別の問題が戻ってきた。


 作成者名を解決できても、操作が面倒なら使われない。


 操作を簡単にしても、名前を解決できなければ公開できない。


 専用GPTは完成した。


 だが、完成しただけだった。


 これは、商品を作ったときと同じだ。


 作れることと、売れることは別。


 公開できることと、使われることも別。


 そして今回は、公開できるところにすら到達していない。


「完成って、どこまでを言うんだろうな」


 動けば完成なのか。


 誰でも迷わず使えれば完成なのか。


 安心して公開できれば完成なのか。


 実際に使われて、初めて完成なのか。


 以前の俺なら、GPTを作れた時点で成功と書いていたかもしれない。


 だが、現実には十二項目の選択肢があり、作成者欄には本名が出ている。


 そこを隠して、


「美麗イラスト変換GPTが完成しました」


 とだけ書けば、間違いではない。


 しかし、実際に使い続けられる道具になったとは言いにくい。


「また、できたけど使い道が決まっていないものが増えたな」


 売上は四百円のまま。


 画像は増えた。


 漫画も増えた。


 専用GPTまで増えた。


 今度は、公開できない道具が一つ増えた。


 俺はGPTの共有設定を閉じた。


 削除はしない。


 自分で使うことはできる。


 十二項目を減らした方がいいのか。


 最初は「全部お任せ」だけにして、必要な人だけ詳細設定を開くべきなのか。


 公開用の作成者名を変える方法があるのか。


 あるいは、別の形で提供した方がいいのか。


 答えは、まだ出ていない。


 ただ、一つだけ分かった。


「便利な道具を作るには、機能を足すだけじゃ駄目なんだな」


 使う人が迷わないこと。


 作る人が安心して公開できること。


 そこまで含めて、ようやく道具になる。


 俺は、美麗化した画像を一枚保存した。


 その画像だけを見れば、GPTは問題なく働いている。


 しかし、その裏側では十二個の選択肢と、本名の表示が待っている。


 無職のおっさんは、便利になるはずだった専用GPTを前にして、また新しい設定画面を探し始めた。


 公開ボタンを押せる日は、まだ来ていなかった。

第17話では、美麗イラスト変換用のCustom GPTを作ったことと、完成後に見つかった二つの問題について書きました。


一つ目は、細かく指定できるようにした結果、画像を変換する前に十二項目を選ぶ必要があることです。


「お任せ」や「全部お任せ」も用意しましたが、機能を増やすことと、使いやすくすることは同じではありませんでした。


二つ目は、公開時の作成者名です。


公開や共有を試そうとすると本名が表示され、プロフィール、Googleアカウント、メールなどを確認しても、変更方法を見つけられませんでした。


GPT自体は動いています。


しかし、動くこと、使いやすいこと、安心して公開できることは、それぞれ別の問題です。


次は、選択肢を減らすのか、公開方法を変えるのか、それとも自分専用の道具として使い続けるのかを考えます。


著者

無職のおっさん


協力AI

ChatGPT(企画判断・Custom GPT設計相談・物語構成・本文作成・文体調整)

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