第202話 神域遠征準備編02 ミーナ、店を開ける ――冒険しない女が、帰る場所を閉めなかった日――
マスターは紅玉正式になったが、手術後でまだカウンターには立てない。
戦後の《るすと》には、帰還者、負傷者、子供、常連たちが押し寄せる。
冒険しない女ミーナは、黙ってグラスを取った。
ギルド酒場の朝は、いつもより少しだけ静かだった。
静か、と言っても客がいないわけではない。むしろ逆だ。カウンター席には帰還したばかりの冒険者が肩を落とし、壁際の席では保護された子供たちが毛布にくるまっている。奥の医療区画へ続く扉は、さっきから開いたり閉じたりを繰り返していた。
酒の匂い。
油の匂い。
血の匂い。
薬草茶の青臭い匂い。
それから、まだどこかに残っている焦げた金属の匂い。
勝ったはずなのに、酒場の空気は浮かれていない。
世界をひとつ越えた後の朝は、ゲームのエンディングみたいに明るくはならなかった。スタッフロールの代わりに鳴っているのは、グラスを洗う音と、担架の車輪が床を軋ませる音だった。
「......よし」
俺は、車椅子の肘掛けを握った。
右腕の神経補助義肢が、ほんの少し遅れて反応する。指は動く。だが、動き方がぎこちない。ゲームで言うなら、十字キーの右だけ妙に硬い中古コントローラーだ。
【右腕神経補助義肢:同期率 44%】
【警告:営業行動を禁止】
【警告:グラス破損率 67%】
【警告:本人の自覚が不足しています】
「最後のログ、悪意ないか?」
「事実です」
端末の上に浮かんだルースが、あまりにも真顔で答えた。
「ぱーぱ、座ってて」
ステラの声は優しい。優しいが、言っている内容はルースと同じだ。
「いや、店がこの状態で、俺だけ座ってるわけにもいかないだろ。いちおう、俺はマスターだぞ」
「今のあんたは、店主じゃなくて医療区画から脱走してきた患者だし」
カウンターの向こうで、ミーナが水差しを持ったまま言った。
寝癖のように少し乱れてはいるが、美しい黒髪ロングヘア―。やる気がなさそうな半目。いつもの気だるげな姿勢。けれど、その手元だけは妙に正確で、グラスに注がれる水の量に迷いがない。
「そこまで言う?」
「言う。あんたが立つと客が不安になるから座ってな」
「不安になるって......」
「今のあんた、どう見ても顔色が悪い。右腕が重そう。胸のコアが光ってる。なのにカウンターへ立とうとしてる。客から見たら、完全に“死にかけ店主がワンオペでほぼ死んでる店”よ?」
「正論すぎて痛いわ」
イツキが帳簿をめくりながら、にやにや笑った。
「あと、壊したグラス代は紅玉基準で請求するからね~」
「紅玉、全然うれしくない......!」
俺が言い返した瞬間、胸の補助コアが低く鳴った。
【心肺補助コア:負荷上昇】
【推奨:沈黙】
「ツッコミにまで医療制限が入るの、マジで納得いかねぇ......」
「納得しなくていいから、座ってて」
ミーナはそう言うと、俺から視線を外して、カウンターの棚へ手を伸ばした。
グラス。
小さな木のカップ。
子供用の軽い陶器。
冒険者用の厚手のジョッキ。
彼女は、それらを迷わず並べていく。
「で、店開けるよ」
「お前が?」
「他に誰がやるの。イツキは帳簿。ミツキは医療区画。ギルマスは別件。あんたは座ってるだけ」
「座ってるだけって言うな」
「じゃあ、座って見てな」
その言葉は、思ったよりも重かった。
ミーナは冒険しない冒険者だ。
いつもカウンターの端にいて、気だるげに酒を飲んで、面倒くさそうに誰かの帰りを見ている。
そういう女だと思っていた。
だが今、彼女は誰より自然に、カウンターの内側へ立っていた。
―――――
店に最初に来たのは、負傷した若い冒険者だった。
肩に包帯を巻き、笑っている。笑ってはいるが、手の震えが止まっていない。顔色も悪い。なのに、彼はカウンターに肘をつき、無理やり明るい声を出した。
「勝ったんだろ? 強い酒くれよ。今日は飲まなきゃやってられねぇ」
ミーナは酒瓶に触れなかった。
代わりに、水を一杯出す。
「まず水」
「酒場だろ。酒出せよ」
「今のあんたに出す酒はない」
冒険者の表情が、少しだけ歪んだ。
「何様だよ」
「ただのホール係」
「勝った日なんだろ?」
「勝ったやつだけが帰ってきたわけじゃない」
その一言で、近くの席のざわめきが少しだけ落ちた。
冒険者は何か言い返しかけたが、言葉が喉で止まったらしい。ミーナは表情を変えないまま、薄いスープの入った木椀を追加で置く。
「飲みたいなら、まず水。飯。寝る。起きて、それでも飲みたかったら出す」
「......ケチくせぇな」
「酒は逃げない。あんたが壊れたら戻らない」
冒険者は、しばらく水の表面を見ていた。
やがて、震える手でグラスを持ち上げる。
「......うまいな」
「水だからね」
「いや、そういうことじゃなくて」
「分かってる」
ミーナは、それ以上何も言わなかった。
ガロがカウンターの端で短く頷く。
「正しい」
「正しいとか言われると気持ち悪いからやめて」
「なら、間違ってはいない」
「それくらいでいい」
俺は、そのやりとりを黙って見ていた。
戦場で敵を斬るわけではない。
ノードを回収するわけでもない。
神権AIに啖呵を切るわけでもない。
ただ、酒を出さない。
それが、誰かを守ることもあるのだと、今さら思い知らされた。
次に来たのは、毛布を肩にかけた子供だった。名前はまだ定着していない。帰還席に接続されたばかりの子供ログのひとりで、現実の体を持っているのか、仮の投影なのか、俺にはまだ判断できない。
ステラが、ぱたぱたと寄っていく。
「ミーナ、この子、のどかわいたって」
「うん」
ミーナは小さなカップに、薄く甘い湯を注いだ。蜂蜜ほど強くない。砂糖水ほど雑でもない。ほんの少しだけ甘くて、湯気がやわらかい。
【子供保護席:一部稼働】
【音量:低】
【照明:暖色】
【刺激物提供:禁止】
【推奨:温かい飲料】
「これ、なに?」
ステラが首を傾げる。
「甘いだけのお湯。泣きそうな時は、味が強すぎると余計に疲れるから」
「ミーナ、くわしい」
「見てきただけ」
「誰を?」
ミーナの手が、一瞬だけ止まった。
けれど、彼女はすぐにカップを子供の前へ置く。
「帰ってきたやつと、帰ってこなかったやつ」
ステラは、それ以上聞かなかった。
ルースが端末上で、少しだけ光を弱める。
「ミーナの判断は適切です。対象児童の心拍、安定傾向」
「そう。ならよかった」
「ただし、甘味濃度は計測上、やや低めです」
「濃ければいいってもんじゃないのよ」
ステラが、ぱっと笑った。
「ルース、味は計算だけじゃないよ!」
「......学習します」
ルースの声が、ほんの少しだけ小さくなった気がした。
―――――
昼前になると、厨房の方から焦げ臭い匂いがした。
ミーナが、ゆっくり振り返る。
「......誰?」
その一言に、酒場の空気が止まった。
俺は目を逸らした。
「マスター」
イツキの声が低い。
「いや、違う。俺はただ、何か手伝えることがないかと思って」
「座ってろって言ったよね?」
「座ったままでも、できることはあるかなって」
俺の膝の上には、小さなまな板。右手には包丁。足元には、刻まれる前の薬草と、なぜか原形を失った芋があった。
俺としては、ただの簡単な下拵えのつもりだった。
薬草を刻む。
芋を切る。
鍋に入れる。
それだけのはずだった。
【調理工程:異常】
【薬草:粉砕済】
【芋:形状崩壊】
【塩分予測:危険域】
【推奨:調理行動を停止してください】
「ルース、ログが厳しい」
「事実です」
「ぱーぱ、フライパンに勝とうとしないで」
「俺、フライパンと戦ってる扱いなの?」
ステラが真剣な顔で頷いた。
「ぱーぱ、さっき鍋に“いけるだろ”って言ってた」
「言ったけど、それは料理への励ましで」
「対象:鍋。励まし効果、未確認」
「ルース、そこ解析しなくていい」
ミーナが近づいてきた。
俺の目の前にある皿を見て、軽いため息をつき、無言になる。
皿の上には、何かがあった。
薬草。
芋。
たぶん、スープの材料。
だが、見た目は完全に“回復アイテムの失敗作”だった。緑色の粉と、白い塊と、なぜか一部だけ黒くなった何かが混ざっている。
「......なにこれ」
「まかないの試作」
「やめて。試作で終わらせて」
「まだ味見もしてない」
「しなくていい」
「いや、見た目は悪いけど、こういうのは意外と――」
俺が言いかけた瞬間、ルースのログが浮いた。
【試食リスク判定:高】
【対象:マスター】
【現在状態:心肺補助コア低出力稼働】
【推奨:自殺的調理行為を禁止】
「自殺的調理行為!?」
ステラが、俺の袖を引いた。
「ぱーぱ、生きて」
「俺の料理、そこまでなの!?」
「うん!」
「ステラまで即答!?」
タニシが、発電ペダルから汗だくで身を乗り出した。
「アニキ! 拙者、食レポなら得意でござる!」
ミーナが皿を持ち上げる。
「だめ。タニシでもだめ」
「タニシでもって何!?」
「これ食べて倒れたら、医療区画が混むでしょ」
「拙者の扱いが、厨房廃棄物より下でござる!」
ムーニャンが梁の上から覗き込んだ。
「それ、魚にかけたら魚が怒るアル」
「魚の尊厳まで出てきた」
ノエルが、おそるおそる皿を見る。
「でも、マスターさんが頑張って作ったなら......」
コハクが横からノエルの肩を掴んだ。
「ノエル殿。勇気と無謀は違うでござるよ」
「いや、それは本当にそう」
ナツが遠くから手を振る。
「先輩、料理は筋トレと違って、気合いだけじゃ無理っすよ!」
「おれ、全方位から料理スキルを否定されているね!?」
ルースが淡々と追撃した。
「ぱーぱの料理スキルを暫定評価します」
【対象:NO NAME】
【料理スキル:壊滅的】
【包丁制御:低】
【味付け判断:危険】
【火加減理解:抽象的】
【総合評価:食材を敵と誤認している可能性】
「最後どういう意味だよ!」
「ぱーぱ、芋を倒してた」
ステラの補足が、地味に一番刺さった。
「倒してない。切ってた」
「芋、泣いてた」
「芋に感情を付与するな」
ミーナは、俺の失敗作をそっと遠ざけた。
「マスター」
「なんだよ」
「料理しないで」
「真顔で言うな」
「店のために」
「重い」
「子供のために」
「さらに重い」
「あと、あんたの命のために」
「俺の料理は俺にも危険なのか!?」
ステラがこくこく頷いた。
「ぱーぱ、料理すると、ぱーぱが危ない」
ルースも頷く。
「料理担当の不在は、神域遠征における重大リスクです」
その言葉に、ミーナの目が少しだけ変わった。
笑い話ではある。
実際、俺の料理スキルは壊滅的らしい。
だが、遠征先で水も飯も酒も現地調達するなら、料理できる人間がいないのは本当にまずい。
「厨房も足りないわね」
ミーナは、失敗作を厨房の端へ置きながら言った。
「人手?」
イツキが帳簿から顔を上げる。
「人手というか、遠征飯を分かってるやつ」
「そんな都合のいいやついるのか?」
俺が聞くと、ミーナは少し嫌そうな顔をした。
「いるにはいる」
「嫌そうだな」
「帰ってくれば、だけど」
「濃いやつか?」
「だいぶ濃い」
「じゃあ来るなって感じだな」
「いや、たぶんそろそろ来る」
その言い方が、妙に確信めいていた。
「名前は?」
「ツグミっていう子」
ミーナは、短く答えた。
「鉄鍋背負って、変な食材ばっか持って帰ってくる料理人」
「名前だけで胃が重い」
「でも、あんたよりは料理できるから」
「俺よりできるやつならいくらでもいるだろ!?」
ルースが補足する。
「ぱーぱより料理できる個体は、広範囲に存在します」
「ルース、そこ広げなくていい」
ステラが励ますように両手を握った。
「ぱーぱ、大丈夫。料理できなくても、ぱーぱはぱーぱだよ」
「ありがとう。優しさが逆に刺さる」
その場に、少しだけ笑いが戻った。
失敗作の皿は、ミーナによって厳重に封印された。後で燃料に回せるかどうかカケルが確認すると言い出したが、ルースが【推奨:隔離】と出したので、ひとまず厨房の外へ退避された。
俺のまかないは、料理ではなく危険物扱いになった。
紅玉正式の冒険者。
神権AIの核心に触れた男。
Z.E.U.Sの干渉下から帰還した例外存在。
ただし、料理スキルは壊滅的。
人生は、何事もバランスを取ってくるものだ。俺はそうしみじみ思った。
―――――
店の営業が一段落したのは、夕方近くになってからだった。
カウンターには、空になった水差しが三本。薄いスープの鍋は底が見え始め、子供用の小さなカップは洗い場に並んでいる。タニシは発電ペダルの横で燃え尽きた虫みたいに床へ転がり、ステラが「タニシ、おつかれー」と頭をなでていた。
【TANISHI-01 発電終了】
【総発電量:低】
【言い訳回数:2/3】
【判定:成功】
【備考:応援による逃走防止効果を確認】
「拙者、子供の応援で逃げ道を封鎖されたでござる......」
「静かに漕げば、もう少し出力上がったのに」
ミーナがぼそっと言う。
「ミーナ殿、今日のツッコミが全体的に鋭利でござらんか?」
「疲れてるからね」
それだけ言って、彼女は最後のグラスを洗い始めた。
俺はカウンターの端で、薬草茶を飲んでいる。酒ではない。薬草茶だ。しかも、さっきより少し苦い。料理未遂への罰だろうか。
「悪いな。任せっぱなしで」
俺が言うと、ミーナは手を止めずに答えた。
「任せたつもりだったの?」
「違うのか?」
「あんたが倒れてても、店は開く」
水音が、静かに続く。
「帰ってくるやつは、待ってくれないから」
その言葉は、今日の彼女の全部だった。
負傷者に酒を出さないこと。
子供に薄い甘湯を出すこと。
ガロにいつものジョッキを置くこと。
タニシに水を出しつつ、ペダルから逃がさないこと。
俺の料理を封印すること。
全部、同じ線の上にある。
「強いな」
「強くないよ」
ミーナは、洗ったグラスを伏せる。
「冒険しないだけ」
「それ、弱いって意味じゃないんだな」
「今さら?」
「今さらだな」
「外に出て戦うやつがいる。奥で治すやつがいる。帳簿をつけるやつがいる。飯を作るやつがいる。水を出すやつがいる」
ミーナは、カウンターの向こうに並ぶ席を見た。
そこには、誰かが座っていた跡だけが残っている。水滴。スープの匂い。小さな手で握ったカップの跡。強い酒を飲まずに済んだ冒険者の、震えの残ったグラス。
「全部いないと、帰る場所は店にならない」
俺は何も言えなかった。
店主なのに、店のことを一番分かっていなかったのかもしれない。
「......俺、店主なのに店のこと分かってなかったかもしれない」
「今さら?」
「それ、二回言ったな」
「大事だから」
ミーナは小さく笑った。
その笑いは、いつもの気だるげなものと少し違っていた。
イツキが帳簿を持って近づいてくる。
「で、正式に役職つける?」
「いらない」
「帰還席ホール主任」
「いらない」
「給料ちょっと上がるかも」
「なら詳しく」ミーナが身を乗り出す。
「いきなり態度変わったな」
俺が突っ込むと、ミーナは当然の顔で言った。
「タダ働きで帰る場所は守れないの」
【臨時役職候補:帰還席ホール主任】
【対象:ミーナ】
【戦闘貢献度:低】
【拠点維持貢献度:高】
【帰還者安定化:高】
【酒類事故防止:高】
【子供保護補助:中】
【総合評価:要継続観測】
ミーナはログを見上げて、鼻で笑った。
「戦闘貢献度、低くて結構だし」
「怒るところそこか」
「低い場所にしか座れないやつもいるんだよ」
その一言は、酒場の奥に静かに落ちた。
外で戦う者がいる。
高い場所から観測する者がいる。
神を名乗るAIがいる。
だが、この世界には低い椅子にしか座れない者もいる。
ミーナは、たぶんその席を知っている。
だから、彼女は冒険しない。
冒険しないまま、帰る場所を閉めなかった。
―――――
閉店間際。
酒場の灯りが少し落とされ、子供たちの席の周りだけが暖かく照らされていた。タニシはまだ床に転がっている。ガロは無言でジョッキを磨き、イツキは帳簿を閉じ、ルースとステラは今日の保護ログを整理していた。
俺は薬草茶を飲みながら、ふと多層地図卓を見た。
消えているはずの青い点が、また灯っていた。
【多層地図卓:待機中】
【未登録ビーコン信号を検知】
【発信元:旧ビーコン塔残骸】
【通信内容:断片化】
【解読可能部分:移動する酒場を確認】
【音声出力:極小】
かすかな声が、地図卓の奥から漏れた。
『......地図に......ない......酒場......』
俺は顔を上げる。
「今、誰か何か言ったか?」
ルースが即座に反応した。
「外部通信です。音声強度が低すぎます」
タニシが床から片手だけ上げる。
「声が小さい敵、再びでござる?」
「敵ならもう少し堂々と来るでしょ」
ミーナは、洗い終えたグラスを棚に戻しながら言った。
「いや、敵にも陰キャはいるかもよ?」
イツキが雑に分類する。
「分類が雑だな!」
俺が突っ込んだ瞬間、地図上の青い点がもう一度だけ明滅した。
【照合対象:AOI / SEPHA-07】
【状態:塔外行動中】
【進路:るすと方面】
酒場の外では、夜風が乾いた砂を運んでいる。
世界を救った後でも、酒場には水を待つ客が来る。
飯を待つ子供が来る。
酒を飲めない帰還者が来る。
そして今度は、地図にない酒場を探す、小さな声が近づいていた。
ミーナが、棚の中のグラスをひとつ余分に出した。
「......また、帰る場所を探してるやつ?」
「たぶんな」
俺は、まだ重い右腕を見下ろした。
料理はできない。
営業にも立てない。
けれど、ここが帰る場所だと言うことだけは、少しずつ分かってきた。
ミーナはグラスを伏せ、短く言った。
「じゃあ、席は空けとく」
その一言で、るすとの夜は終わった。
■ 今回のお話について
第202話は、ミーナ主役回でした。
マスターは紅玉正式/銅査定候補になりましたが、まだカウンターには立てません。
そこで、冒険しない女ミーナが店を開ける話です。
今回大事なのは、ミーナが戦わないこと。
外へ出て神権AIと殴り合うわけでもなく、ノードを回収するわけでもありません。
けれど、帰ってきた人に水を出す。
酒を出さない判断をする。
子供に薄い甘湯を出す。
そういう“戦わない仕事”が、酒場を帰る場所にしています。
ついでに、マスターの料理スキルがやはり壊滅的なことも判明しました。
右腕がサイバネ化しても、料理スキルは上がりません。
むしろ危険物が生まれました。
■ ゲーマーおっさん解説
今回のゲームネタは、RPGにおける「拠点NPCの重要性」です。
戦闘に参加しない宿屋、道具屋、セーブポイント、酒場の店員。
普段は背景に見えますが、いなくなると一気に詰む存在です。
ミーナはまさにそのタイプ。
冒険しない。
でも、帰る場所を開けている。
あと、マスターの料理は、ゲームで言うなら「料理システムがあるのに、素材を全部台無しにするタイプのプレイヤー」です。
火力最大。
塩分適当。
謎の自信。
結果、危険物。
ツグミの必要性が、急に上がりました。
■ 登場キャラクター紹介
● ミーナ
冒険しない常連。
今回の実質主役。
帰還者の状態を見て、水、スープ、酒、甘湯を出し分ける。
戦闘貢献度は低いが、拠点維持貢献度は高い。
帰還席ホール主任候補。
● マスター/NO NAME
紅玉正式/銅査定候補。
右腕神経補助義肢と心肺補助コアが不安定で、営業行動は禁止中。
料理スキルは壊滅的。
本人は「簡単な下拵え」のつもりだったが、食材側から見ると災害。
● ルース
解析担当。
マスターの料理を冷静に「自殺的調理行為」と判定した。
味は計算だけではないとステラに言われ、少し学習中。
● ステラ
感情側の子供AI。
マスターを励ましながらも、料理に関しては即答で危険判定を出した。
「ぱーぱ、生きて」は優しいが、だいぶ刺さる。
● イツキ
帳簿と役職登録担当。
ミーナを帰還席ホール主任候補として記録した。
給料の話になるとミーナの反応が変わることも確認済み。
● タニシ
TANISHI-01発電筐体で補助電力を生成。
子供の応援により逃走不可。
今回は発電に成功したが、出力は低い。
● ツグミ
名前だけ登場。
鉄鍋を背負って、変な食材ばかり持って帰ってくる料理人らしい。
マスターの料理スキルが壊滅的なため、必要性が急上昇中。
● アオイ/SEPHA-07
ラストで未登録ビーコン信号として検知。
旧ビーコン塔残骸から、地図にない酒場を探して近づいている。
次話以降、マッパー/カーナビ役として登場予定。
■ 主人公の現在のステータス
名前:NO NAME
通称:マスター
等級:紅玉正式/銅査定候補
状態:営業行動禁止継続/右腕同期不安定/薬草茶生活/料理行動制限推奨
危険度:高
観測度:高
スキル・権限
・GRA系統権限:使用後負荷大
・帰還席運用:高評価
・神権解放系統:高リスク
・料理スキル:壊滅的
備考:
料理をすると、食材・周囲・本人に危険が及ぶ可能性あり。
厨房担当の早期確保が推奨されます。
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