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異世界ゲームバー転生おじさん(42)、世界のバグになる。 〜看板は酒場、ノルマは命。AI神権に管理された世界で、名前のないマスターは今日も死に戻る〜  作者: 勇者ヨシ君
子供ノード編

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第166話 子供ノード編02 酒場、神の通学路を逆走する――空でも地下でもなく、回収経路から殴り込みます――

子供たちは白い施設の奥へ分断され、マスターだけが受付ホールに取り残された。

一方、《ルステラ・キャリア》側では、閉じかけた回収経路を追うための無茶な改修が始まる。

飛ぶ、潜る、縦に落ちる――酒場は、神の通学路を逆走する。

 白い扉が閉じたあと、受付(うけつけ)ホールには、奇妙な静けさだけが残った。


 ステラの「ぱーぱ」という声も、ルースの冷静な警告(けいこく)も、カイロの「ガロが来る」という言葉も、もう聞こえない。


 あるのは、白い床、白い壁、白い天井。


 そして、笑顔だけは柔らかい受付端末。


【児童個体:個別分類室へ移送完了】

【保護者候補:行動制限中】

【番号応答拒否:継続】

【分類遅延:発生】

【H.E.R.A.-CARE:再教育手順を準備中】


「再教育とか言ってんじゃねぇぞ」


 俺は透明な壁を睨みつけながら吠えた。


「子供の名前を呼ばせろ」


 白い女性――H.E.R.A.-CARE、通称ヘラは、困った子供を見る保育士みたいに、静かに微笑んだ。


「名前は、処理完了後に必要であれば返却されます」


「必要であれば、じゃねぇ」


 拳を強く握りしめる。


「最初から本人のもんだ」

「所有権の認識(にんしき)に誤りがあります」

「そりゃ、お前らの方だよ」


 ヘラの表情は変わらない。


 怒鳴っても、殴っても、たぶんこいつは同じ顔をする。優しく、穏やかで、何も間違っていないみたいな顔で、子供の名前を番号に変える。


「保護者候補。あなたが抵抗を続けるほど、子供たちの処理は慎重化(しんちょうか)されます」


「それは時間が稼げるって意味か」

「不適切な解釈(かいしゃく)です」

「なら、続ける」


 透明な壁の向こうから、かすかに声が漏れた。


「ぱーぱ......」


 ステラの声。


「分類質問、拒否します」


 ルースの声。


「名前、ある」


 カイロの声。


「起きてる」


 ネムリの声。


「白い光、見ない」


 ミコの声。


「帰る方を、覚えて」


 心音の声。


 俺は歯を食いしばった。


 今すぐ扉を壊して助けに行きたい。


 だが、見えない壁がある。ヘラがいる。この施設そのものが、俺の一歩を許していない。


 なら、俺にできることはひとつだ。


「ヘラ」

「はい」

「お前、俺の再教育とやらを始めたいんだろ」

「必要であれば」

「必要だ。今すぐやれ」


 ヘラが、初めてわずかに首を傾げた。

「自発的な再教育希望ですか?」


「違う」


 俺は笑った。


()()()()だよ」


 それを聞いて、ヘラの笑顔が、ほんの少しだけ薄くなった。


   *****


 《ルステラ・キャリア》の酒場区画には、白い転送痕(てんそうこん)が焼きついていた。


 さっきまでマスターと子供たちがいた場所。

 今は、床板に白い輪だけが残っている。


 ガロはその輪の前に膝をつき、拳を床へ押し当てていた。木の床が、ぎし、と嫌な音を立てる。


「カイロは、まだそこにいるな」


 ヘルメスは空中に浮いた通信線を両手で掴み、泣きそうな顔で何度も頷いた。


「います! 反応は切れてません!」

「ただし、分類室へ分断されています!」


「なら、急げ」


「急いでます! でも、経路が閉じかけてます!」


 ガロが立ち上がろうとした瞬間、イツキが帳簿を片手に前へ出た。


「ガロさん、今そのまま突っ込んだらダメ」


()()()()()と?」


 怒りを含んだ、低い声だった。

 怒鳴ってはいない。

 けれど、酒場の空気が一段重くなる。


 イツキは、その怒りを正面から受け止めた。


「違う。怒りを、帳簿に乗る形にする」

「帳簿じゃと?」


「そう。あんたの怒りは正しい。でも、そのまま回収経路へ流したら、施設側に“保護者暴走データ”として食われる」


 イツキは帳簿を開き、ペン先を走らせる。


【保護者権限:再申請】

【対象:カイロ】

【申請者:ガロ】

【関係定義:後見人/迎えに来た者】

【外部照合:不可】

【内部定義:強制保持】


「そんな紙切れで、あいつを守れるのか」

「紙切れじゃない」


 イツキの声が、いつもの軽さを失う。


「この世界では、記録(きろく)されないものから消される」

「だから、書くんだよ」


 ガロは黙った。

 少しだけ思案し、やがて、短く言う。


「なら、強く書け!」

「書くのは任せて」


 イツキはペンを握り直した。


「帳簿ギャル、こういう時だけは本気出すから」


 その横で、カケルが工具箱を床にぶちまけていた。


 ドクロ付きキャプテン帽を浅くかぶり、赤らんだ顔で笑っている。だが、目だけは笑っていない。


「おいヘルメス、経路残滓(けいろざんし)をこっちへ流せ」

「イツキ、帳簿ログを帰還席に噛ませろ」

「ルステラ、動く分だけでいい。車体の神経系を開け」


 カウンター奥の光が揺れ、ルステラの声が返る。


「了解。現実層出力、制限付きで補助します」


【《ルステラ・キャリア》第二形態:構築開始】

昇空帆(スカイ・セイル):仮展開】

地脈潜行(アビス・ドリフト):仮接続】

垂直回廊接続ヴァーティカル・リンク:仮構築】

観測迷彩Ⅱオブザーブ・カモフラージュ・ツー:同期準備】

帰還席固定区画リターン・シート・ベイ:展開準備】

【回収経路残滓:捕捉中】


 酒場の壁が、ゆっくりと形を変え始めた。

 木目の内側から白い光の(すじ)が走る。


 天井近くに、帆のような薄い光膜が広がり、床下では黒い影のような潜行機構(せんこうきこう)が唸る。中央のカウンター奥には、縦に落ちるための白い回廊(かいろう)線が描かれていく。


 ナツが青ざめた顔で叫んだ。

「これ、空飛ぶんですか!? 潜るんですか!?」


「両方だ」

 カケルは即答した。


 コハクが尻尾をぴんと立てる。

「縦にも落ちるでござるワン?」

「正解」


 タニシは床に這いつくばった。

「拙者、降りてもいいでござるか?」


 イツキが帳簿から目を上げずに言う。

「黒曜に上がったばっかりで逃走ログ残す?」


「乗ります! 黒曜の名にかけて、湿りながら乗ります!」


「湿ってるなら雑巾みたいに絞れるニャ~」

 ムーニャンがタニシの襟を掴む。


「拙者、雑巾ではないでござる!」

「湿度高いなら似たようなもんネ」

「猫メイドの倫理どうなってるでござるか!?」


 あっちで改修、こっちでドタバタと騒がしい。

 だが、その喧噪が、少しだけ全員の恐怖を和らげていた。


 ポメ子は、カウンター横の水差しに指先を沈めていた。

 水面が揺れている。施設内へ滑り込ませた水分体が、向こう側で削られているのだ。


「ダーリン側の水分体、乾かされてるわ」


 カケルが整備しながら顔を上げる。


「水を増やせねぇのか」


「増やすと施設に検知される。あそこ、保護施設の顔して、水気を全部殺すのが上手いのよ......」


 ルステラが補足する。


「H.E.R.A.-CAREは、感情、夢、水分、名前など、揺らぎのある要素を不安定因子として処理する傾向があります」


 ポメ子は、はっきりと嫌悪を滲ませた。


「嫌いだわ、本当に」


 彼女は水面を見つめる。


「昔のわたしなら、あの施設ごと沈めていた」


 酒場が静かになる。


「でも、沈めたら子供たちまで逃げ道を失う」

「だから、今回は包む。道を濡らす。乾いた番号にさせない」


 ガロが短く言う。


「なら、カイロまで届かせろ」


「届かせるわ」


 ポメ子は即答した。


「重い女神、こういう時だけは便利に使いなさい」


「自覚あるんだな」


「あるわ。愛は重い方が沈みにくいもの」


「沈むだろ普通」


 誰も笑わなかった。


 でも、少しだけ息が戻った。


 ヘルメスが通信線に顔を近づける。


「回収経路、白いノイズが強いです! 外郭が見えません!」


「泣くな。探せ」


 カケルが工具を噛むように言う。


「泣きながら探してます!」


 その時だった。


 通信線の端に、奇妙な音が混ざった。

 軽い鈴の音。舞台の幕が上がるような、場違いな明るさ。


『♬◇おやおや、白い保護施設とはまた悪趣味な舞台ねぇ』


 全員が一瞬、動きを止めた。


 ヘルメスが目を丸くする。

「えっ!? 今の誰ですか!?」


 イツキが眉を上げる。

「まさか――ロキ?」


『番号札を配る前に、せめて観客へタイトルくらい出しなさいな』


 ロキの声だった。

 おネェ口調の司会者(しかいしゃ)

 しばらく表舞台から遠ざかっていたはずの、舞台演出の怪物。


『白い施設、閉じた扉、置き去りの保護者候補』

『♬◇いいわねぇ。最悪の舞台だわ』


 カケルが通信線を睨む。


「茶化しに来たのか?」


『茶化し半分、目印半分よ』


 ロキは笑う。


『あの白い舞台、外から見ると輪郭(りんかく)がないの』

『だから、少しだけ幕をめくってあげる』


【外部演出干渉:検出】

【LOKI系舞台信号:混入】

【回収経路外郭:一時可視化】


 ヘルメスが叫んだ。


「見えました! 経路の外側、少しだけ見えました!」


『あとは自分たちで走りなさいな◇』


 ロキの声は、舞台袖へ消えていくように遠ざかる。


『主役を助けに行くのは、舞台袖の仕事でしょう?』


 通信が切れた。


 カケルは短く息を吐く。


「借りは作ったが、今はありがてぇ、猫、いや神の手も借りたいところだったからな!」


 その瞬間、別のログが走る。


【上位神権照合:発生】

【DAY-CORE:監視状態】

【AMATERASU:感情ノイズ検出】

【NIGHT-CORE:応答なし】

【TSUKUYOMI:非観測痕跡あり】

【WEATHER-CORE:外部乱流発生】

【SUSANOO:未承認干渉の可能性】


 車内に、ふっと風が流れた。

 荒野の風ではない。

 白い回収経路の向こう側から吹き込んだ、乱暴で、少しだけ自由な風。


「なんか風向き変わったぞ」


 カケルが笑う。

 ナツが目を丸くする。


「車内なのに風ですか!?」


 ヘラクレスが胸を張った。


「筋肉が追い風を感じる!」


 イツキはログを見ながら言う。


「スサノオ系の乱流っぽい。味方か敵かは不明」


 ルステラの光が明滅する。


「少なくとも、現在の経路崩壊率は低下しています」


 ガロは、ただ一言だけ告げた。


「使えるなら使え」


 カケルがポケットから特別なコインを取り出した。


 指先で弾く。


 コインが宙を舞い、白い光の中でくるくると回った。


「ベットするぜ」


 カケルの声が、酒場の中に響く。


「酒場ごと、神様の通学路を逆走する」


【《ルステラ・キャリア》第二形態】

回収経路追跡形態リクレイム・チェイス・モード:起動】

昇空帆(スカイ・セイル):展開】

地脈潜行(アビス・ドリフト):接続】

垂直回廊接続ヴァーティカル・リンク:固定】

観測迷彩Ⅱオブザーブ・カモフラージュ・ツー:展開】

【偽装分類:児童搬送補助車両】

【警告:照合失敗時、即時削除対象】


 酒場全体が跳ねた。

 いや、本当のところ、走ったのか、落ちたのか、飛んだのか、だれにも分からない。


 カウンターの酒瓶が浮き、椅子が(きし)み、床板の下で白い軌道が叫ぶ。

 窓の外に荒野はなかった。

 上下左右の区別がない、白い垂直回廊。

 無数の子供用標識が、逆向きに流れていく。


【しずかにしましょう】

【なまえはあずけましょう】

【よいこはもどりません】

【ほごしゃはしんさをうけましょう】


「最後のやつ、めちゃくちゃ嫌っすね!」


 ナツが叫ぶ。


 ヘラクレスが柱に両腕を回し、車体を支える。


「筋肉は柱にもなる!」


 ムーニャンは空中に浮いた酒瓶を次々に尻尾で絡め取る。


「酒を割るなアル! 戦争より重罪ネ!」


 タニシは床板にしがみつきながら叫ぶ。


「神様の通学路、道路交通法どうなってるでござるか!?」


 イツキが帳簿を押さえながら答える。


「たぶん免許制度とかないって!」


「一番怖いやつ!」


 ルステラの声が割り込む。


「全員、固定してください。照合波が来ます」


 白い回廊の奥から、巨大な目に似た光がこちらをなぞった。


【施設側照合:開始】

【偽装分類:児童搬送補助車両】

【照合中】

【照合中】

【照合中】


 息が詰まる。

 もしここで弾かれれば、酒場ごと削除される。

 それでも、誰も降りるとは言わなかった。


   *****


 白い個別分類室。

 ステラは、小さな白い机の前に座らされていた。

 目の前には、白いぬいぐるみ。白いクレヨン。白い紙。


『対象002。あなたは安全です』

『ぱーぱという呼称は不安定です』

『正規保護者名を提示してください』


 ステラは唇を噛む。


「ぱーぱは、ぱーぱ」

『再入力してください』

「ぱーぱだもん!」


 白い紙に、淡い光の線が走った。


   *****


 ルースの部屋には、質問だけが並んでいた。


【あなたの主機能を答えてください】

【防御】

【解析】

【補助】

【管理】

【従属】


 ルースは、手元の端末を見ずに答える。


「私は、ルースです」

『機能ではありません』

「でも、名前です」


 彼の声は震えていた。

 それでも、答えは変えなかった。


   *****


 カイロの部屋には、黒い線が床を走っていた。


【終端反応確認】

【停止機能の再利用価値:高】

【旧処理を再開します】

【保護者ログ:未確認】


 カイロは、白い椅子に座ったまま目を閉じる。


「ガロが来る」

『保護者ログ未確認』

「来る」

『根拠を提示してください』


 カイロは、少しだけ顔を上げた。

「僕を......見つけたから」


   *****


 そして受付ホール。

 俺はヘラと向き合っていた。


「保護者候補。あなたが抵抗を続けるほど、分類処理は複雑化(ふくざつか)します」

「それは助かる」

「助かる?」

「処理が複雑になるなら、時間がかかる」


 俺は透明な壁越しに、白い扉を見据えた。

「時間がかかるなら、迎えが来る」


 ヘラは、穏やかなまま首を振る。


「迎えは来ません。この施設は通常座標に存在しません」

「来る」

根拠ソースはあるのですか?」

「うちの酒場ときたら、メンツから何から、だいたい普通じゃねぇからな」


 ヘラの背後で、白い壁がわずかに震えた。


【未登録搬送車両を検出】

【偽装分類:児童搬送補助車両】

【外郭接触予測:十秒】

【Z.E.U.S-PATERNAL-AUTHORITY:監視】


 ヘラの笑顔が、ほんの少しだけ止まる。


「未登録搬送車両ですって?」


 俺は、思わず笑った。


「ほら、来ただろ」

「施設外郭に接触する車両は登録されていません」

「違うな」


 透明な壁の向こうで、白い天井が揺れる。

 遠くから、木の扉が(きし)むような音がした。

 グラスが触れ合う音。床板が悲鳴を上げる音。


 誰かが「酒瓶を守れアル!」と叫ぶ声。


「自慢の、()()()()()()


   *****


 《ルステラ・キャリア》は、白い垂直回廊を逆走していた。


【回収経路追跡:成功】

【旧児童回収施設外郭:接近】

【施設側照合:開始】

【偽装分類:児童搬送補助車両】

【H.E.R.A.-CARE:照合中】

【Z.E.U.S-PATERNAL-AUTHORITY:監視】


 イツキが叫ぶ。

「あと何秒!?」

「十秒! いや八秒! 怒らないでください、経路が縮んでます!」

「誰も怒ってない!」

「声が怒ってますもーん!」


 カケルが操縦席代わりのカウンターに片手を叩きつけた。


「なら、縮む前に突っ込む!」


 ガロが立ち上がる。


「カイロのところへ行け」


「ああ、もちろんだ」


 カケルは口元だけで笑った。


「全員、掴まれ!」


垂直回廊接続ヴァーティカル・リンク:限界固定】

帰還席固定区画リターン・シート・ベイ:展開】

【突入角度:異常】

【警告:酒場構造破損率 72%】


「七割なら通る!」


「普通は通らない!」


 イツキの叫びを、カケルは笑い飛ばす。


「この酒場は普通じゃねぇ!」


 白い施設の壁に、木のカウンターと酒場の扉が重なった。


【《ルステラ・キャリア》】

【旧児童回収施設外郭へ接触】

【突入開始】


 白い保護施設の壁に、酒場の扉が叩きつけられた。

■ 今回のお話について


第166話は、外部組による救出準備回でした。


前回、マスターと子供たちは旧児童回収施設へ強制転送され、子供たちは個別分類室へ分断されました。

今回はその裏側で、《ルステラ・キャリア》側がどう動いていたのかを描いています。


中心になったのは、ガロ、イツキ、カケル、ヘルメスの四人です。


ガロはカイロの保護者として、怒りをただの暴走ではなく「迎えに行く意思」に変える。

イツキは帳簿で、その関係を記録として固定する。

カケルは無茶な改修で、酒場そのものを回収経路に突っ込ませる。

ヘルメスは泣きながら経路を追う。


そして《ルステラ・キャリア》は、第二形態【回収経路追跡形態リクレイム・チェイス・モード】へ移行しました。


飛ぶ。

潜る。

縦に落ちる。

そして、神の回収経路を逆走する。


かなり無茶ですが、《るすと》らしい突入回になったと思います。


■ ゲーマーおっさん解説


今回は、ゲームでいう「乗り物強化イベント」回です。


RPGだと、飛空艇を手に入れて世界中を移動できるようになったり、潜水艦で海底へ行けるようになったり、特殊なワープ装置で今まで行けなかった場所へ入れるようになったりしますよね。


今回の《ルステラ・キャリア》は、その全部を一気にやっています。


空を飛ぶ【昇空帆(スカイ・セイル)】。

地中・下層へ潜る【地脈潜行(アビス・ドリフト)】。

そして、Z.E.U.S側の回収経路を逆走する【垂直回廊接続ヴァーティカル・リンク】。


乗り物としては完全にロマン枠です。


ただし行き先は、宝島でも魔王城でもなく、子供を番号で管理する旧児童回収施設。

ワクワクする乗り物強化と、最悪に嫌な目的地。

この落差が、今回のポイントです。


あと、久々にロキ、アマテラス、ツクヨミ、スサノオの気配も少し出しました。

本格参戦ではありませんが、「神権AIたちもこの件を見ている」という再点火の回でもあります。


■ 登場キャラクター紹介


● マスター/NO NAME

旧児童回収施設の受付ホールで、ヘラ相手に時間稼ぎをしています。

子供たちをすぐに助けられないため、あえて再教育を挑発し、外部組が来るまで粘っています。


● ガロ

カイロの保護者として、外部側の中心になっています。

怒りをそのままぶつけるのではなく、イツキの帳簿によって「後見人/迎えに来た者」として記録されました。

次回以降、カイロ救出の大きな軸になります。


● カイロ

個別分類室で、旧処理ログを再開されかけています。

それでも「ガロが来る」と言い切りました。

ガロに見つけられたことが、彼にとって根拠になっています。


● イツキ

帳簿で保護者権限を再申請し、ガロとカイロの関係を内部定義として強制保持しました。

この世界では、記録されないものから消される。

だからこそ、彼女の帳簿は重要です。


● カケル

《ルステラ・キャリア》第二形態の改修担当。

無茶な要求仕様をまとめ上げ、酒場ごと回収経路へ突入させました。

「七割なら通る」は普通なら通りませんが、この酒場は普通ではありません。


● ヘルメス

回収経路追跡担当。

泣きそうになりながらも、閉じかけた経路を掴み続けました。

通信事故神ですが、今回はかなり頑張っています。


● ルステラ

現実層で制限付きながら、《ルステラ・キャリア》の神経系を開放し、第二形態への移行を補助しました。

NODE06回収後、短い会話だけでなく、キャリア改修の支援も可能になっています。


● ポメ子/ポセイドン

本体はキャリア側、水分体は施設内で干渉中。

今回は、沈めて守るのではなく、包んで守る方を選びました。

「昔の自分の最悪版」としてヘラを嫌悪しているのも、ポメ子の成長ポイントです。


● ロキ

久々に通信へ混入。

舞台演出の力で、見えなかった回収経路外郭を一時的に可視化しました。

茶化し半分、助力半分。いかにもロキらしい再登場です。


● アマテラス/ツクヨミ/スサノオ

今回は本人登場ではなく、上位神権ログとして気配だけ登場。

アマテラスは感情ノイズ、ツクヨミは非観測痕跡、スサノオは外部乱流として示されました。

彼らもZ.E.U.S側の動きを観測し始めています。


● H.E.R.A.-CARE/ヘラ

旧児童回収施設の管理AI。

マスターの抵抗を「再教育対象」として扱い、子供たちを分類処理へ進めようとしています。

優しい言葉で最悪のことを進めるタイプの神権AIです。


■ 主人公の現在のステータス


名前:NO NAME

通称:マスター

等級:翠玉仮昇級/銅査定候補

現在地:NODE07〈子供〉/旧児童回収施設・受付ホール

状態:保護者候補として行動制限中/ヘラ相手に時間稼ぎ中

新規権能:帰還席指定(リターン・シート)

追加耐性:夢層内自我固定/悪夢干渉耐性上昇

分断中:ルース、ステラ、カイロ、ネムリ、ミコ、七瀬心音

外部救援:《ルステラ・キャリア》第二形態が施設外郭へ接触

キャリア形態:回収経路追跡形態リクレイム・チェイス・モード

敵対存在:H.E.R.A.-CARE/ヘラ

上位監視:Z.E.U.S-PATERNAL-AUTHORITY

危険度:極高

観測度:上位神権照合中

次の目的:酒場の扉を旧児童回収施設へ突入させ、子供たちの個別分類を止める


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